わたしの祖母は亡くなる前の日、会う人会う人に今までどうもありがとうと言っていた。
ほぼ寝たきりで、その頃まだ知られていなかったタイプの認知症があったけど、わたしとはいつもちゃんとした会話が出来た。
最初にありがとうと言われたのは多分わたしで、そう言ったあと急に祖母は泣き出してしまった。
直前わたしの結婚の話をしていたから、この家をわたしが出ることが寂しいのだろうと思って、大丈夫毎日会いに来るよ、毎日会えるよ、近所だから、と言ったら祖母はちょっと微妙な顔をして泣き止んだ。そのあと笑っていたと思う。
その日の午後遊びに来た弟夫婦や、お世話に来たヘルパーさんみんなに、笑顔で今までありがとうと挨拶していたらしい。
次の朝眠るように亡くなった祖母。
うちの祖母も魔女だったのかもしれない。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩 著 新潮文庫
久しぶりになんだか懐かしい気持ちになる本を読んだので書いた。
たぶん読む人によってフォーカスするところ違うのかもしれないけど。
ほぼ寝たきりで、その頃まだ知られていなかったタイプの認知症があったけど、わたしとはいつもちゃんとした会話が出来た。
最初にありがとうと言われたのは多分わたしで、そう言ったあと急に祖母は泣き出してしまった。
直前わたしの結婚の話をしていたから、この家をわたしが出ることが寂しいのだろうと思って、大丈夫毎日会いに来るよ、毎日会えるよ、近所だから、と言ったら祖母はちょっと微妙な顔をして泣き止んだ。そのあと笑っていたと思う。
その日の午後遊びに来た弟夫婦や、お世話に来たヘルパーさんみんなに、笑顔で今までありがとうと挨拶していたらしい。
次の朝眠るように亡くなった祖母。
うちの祖母も魔女だったのかもしれない。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩 著 新潮文庫
久しぶりになんだか懐かしい気持ちになる本を読んだので書いた。
たぶん読む人によってフォーカスするところ違うのかもしれないけど。