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米で高級ホテル内の分譲マンションが大幅値下げ-60%の値引きも

2012年10月05日 21時22分00秒 | 生活
2012年 10月 5日 18:08 WST

 最近、高級ホテル内の高級分譲マンションの販売価格が大幅に引き下げられている。


ダラスのリッツ・カールトンにあるタワー・レジデンス

 グラミー賞にノミネートされたことのあるポップシンガーのクリスチャン・カストロ氏は、カリフォルニア州南部のWハリウッドホテルの新しいベッドシーツやルームサービス、スパがお気に入りだ。

彼は、ここに泊まっているのではない。住んでいるのだ。

 彼は先月、同ホテル内の2ベッドルームの分譲マンションを92万5000ドル(約7300万円)の現金で購入した。昨年の公示販売価格は125万ドルだったから、大幅値下げとなる。

Wホテルのオーナーは同物件を含め143戸の分譲マンションの価格を最大35%引き下げた。カストロ氏は「いい投資だったと思う。この価格は信じられなかった」と大満足の様子。

 一部を分譲マンションにした高級ホテルの建設に携わっている米国の開発業者は次々に、これらマンションの販売低迷を受けて値下げに踏み切っており、ブーム時の価格から最大で50~60%の値下げとなっている。

こうしたマンションはリセッション(景気後退)期に完成したものがほとんどである。

 Wハリウッドのオーナーの一人で不動産投資会社ゲートハウス・キャピタルの最高経営責任者(CEO)マーティ・コリンズ氏は、投資したときには800ドルを超えていた1平方フィート当たり平均単価を昨年625ドルに引き下げた。

同氏は、大幅値下げについて「市場の大幅修正があれば、販売価格をそれに合わせなければならない」と冷静だ。143戸のうちこれまでに53戸を売却し、契約済みも10戸超ある。

 コロラド州にあるフォーシーズンズホテル・デンバーは、ホテル内の分譲マンション102戸の販売価格を最大60%値下げした。

3ベッドルームは、それまでの300万ドルから今では180万ドルになった。この結果、71戸が売却され、11戸が契約にこぎつけている。

 リッツ・カールトン・ホテルのゲリー・ゴスズトニー副社長(開発担当)によれば、ブーム時にはリッツ・ブランドの分譲マンションの販売は年間で平均約4億ドルに達していた。

それが景気後退時には半分に激減したが、その後3億7500万ドル弱にまで回復しているという。同社は、開発業者から販売収入の一部を手数料として受け取る。

 高級ホテル内の分譲マンションの販売に関する公式統計はない。分譲マンション付きの高級ホテルの建設は、不動産ブーム時に広がった。

開発業者はマンション部分の販売収入により、ホテルの建設費の多くを賄うことができたからだ。

購入者は、リッツ・カールトンやフォーシーズンといったブランドを手にするとともに、ホテル内のサービスも利用できることから、周辺の分譲マンションより最大35%上乗せした価格でも喜んで契約した。

 しかし、景気後退で高級分譲マンションの買い手は消え、未売却在庫が膨らみ、開発業者は建設融資の返済ができなくなった。

開発業者や販売業者によれば、ここに来て値下げの動きが広がり、新たな買い手が掘り起こされた。カストロ氏のように、2件目や3件目の住宅を現金で購入できる層で、値下げによってこうした買い手が集まってきた。

 ジョージア州のWアトランタ・ダウンタウン・レジデンシズでは、購入希望者は少数の推奨金融機関を紹介される。

金融機関はローン契約の締結時に、ローンが100万ドル以下の場合は12カ月分のローン返済額を現金で保有していることを証明するよう購入希望者に求める。

100万ドル以上の場合は24カ月分になる。審査を通れば、自宅として使用する場合には販売価格の最大80%までを3、5、7年の変動金利で借りることができる。

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