ヨーガスクール・カイラス blog

True Yoga, to meet the true self.

第七章 サマーディ・ヨーガ

2007-12-29 11:50:14 | ハタヨーガ・スートラ


 サマーディ・ヨーガは至上のヨーガであって、大いなる幸運によって得られる。つまり、グルに対する信に基づいて、グルの慈悲と恩恵によってこそ到達できるのである。
 聖典を信頼し、神秘の智慧を信頼し、自己のグルを信頼し、真我を信頼し、日々に心の目覚めを経験するヨーギーは、直ちにこのすばらしい修行に成功する。
 心を肉体から分離して、それを至高の真我へ合一させる。これがサマーディなりと知るべし。
 われはブラフマンなり。それ以外の何ものにもあらず。ブラフマンはわれに他ならず。われは苦しみにかかわらず。われはサチダーナンダ(絶対の実在・智慧・歓喜)の形相を有す。常に解脱していて、しかも自己の存在を保持す。
 
 サマーディには6種類ある。
①ディヤーナ
②ラサ・アーナンダ
③ナーダ
④ラヤ
⑤バクティ・ヨーガ
⑥マノー・ムールッチャー

(1)[ディヤーナ・ヨーガ・サマーディ]
 シャーンバヴィー・ムドラーをなして、真我の直観を引き寄せるべし。いったんビンドゥ・ブラフマンを見たならば、精神をそこへ集中せよ。
 虚空の中央に真我をすえ、真我の中央に虚空をすえる。かくして、虚空よりなる真我を見たならば、もはや何ものにも妨げられない。行者はサットと歓喜に満たされるとき、サマーディに安住するであろう。

(2)[ラサ・アーナンダ・サマーディ]
 ケーチャリー・ムドラーをなし、舌を上に巻き上げ、通路をふさいだならば、一般的な行法を放棄しても、サマーディは成就するであろう。

(3)[ナーダ・ヨーガ・サマーディ]
 空気をゆっくりと吸い込んで、ブラーマリーのクンバカを行ずべし。それから、ゆっくりと息を吐き出すべし。そのときに、メス蜂のうなり声を出すべし。
 内面にあるメス蜂のうなり声を聞いて、そこへ精神を集中すべし。そのときサマーディが生じ、そこから「ソーハム(かのものはわれなり)」という歓喜が生ずる。

(4)[ラヤシッディ・ヨーガ・サマーディ]
 ヨーニ・ムドラーを修行するとき、行者自らがシャクティ女神の力に満たされ、強い愛情を抱いて至上我と遊び戯れるべし。
 行者は歓喜に満たされたとき、ブラフマンと一体となり、そこに「われはブラフマンなり」という不二一元のサマーディが現われてくるのである。

(5)[バクティ・ヨーガ・サマーディ]
 行者は心臓内に自分の守護神の姿を観想すべし。この守護神に対するバクティ・ヨーガによって、最高の喜びを第一として思念すべし。
 そしてその歓喜による涙と身の毛のよだちとによってダシャーの状態が生ずる。そこにサマーディが生じ、これとともにマノーマニーの境地が生ずるであろう。

(6)[ラージャ・ヨーガ・サマーディ]
 ムールッチャー・クンバカを行じて、心を真我に合一すべし。そうすれば、パラマートマン(至高の真我)との結合によってサマーディが得られる。

 以上で、解脱の原因であるサマーディを説き終わった。
 ラージャ・ヨーガ・サマーディは唯一の真我に関する修行であって、ウンマニーとかサハジャ・アヴァスターとかいうのもすべて、真我と心の合一を言い表している。

 水の中に至高者はまします。地の中にも、山頂にも、火山の炎の中にも、風の中にも、空間にも、至高者はまします。全世界は至高者に満ちている。

 地を行くもの、空を行くもの、すべての衆生、植物、さらには海、山をも含めて、世界全体をブラフマンなりと知るべし。彼は、世界全体を真我の内に見る。

 真我は、不二、永遠、最高である。身体の中にあって身体と関係のない真我の本質を知れば、人は愛著を離れ、過去の経験から来る性向を離れる。

 かような仕方によって、すべてのはからいを離れたサマーディが成就されるであろう。自己の身体、親族、財宝等すべてのものに対して所有欲を抱かなくなり、サマーディを獲得するであろう。

 昔、シヴァ大神は、ラヤ、アムリタなどの秘密の真理と、その方法とを説きたもうたが、われはその説法の概要を取り上げて説いた。これは解脱への因である。

 以上、汝に説いたサマーディは、得がたい、最高のものである。これを知るならば、この地上に再生することはない。
コメント

第6章 ディヤーナ・ヨーガ

2007-02-27 09:14:59 | ハタヨーガ・スートラ



(1)[粗大なディヤーナ]

 自分の心臓の中に、至上の甘露の海を観想すべし。
 その大海の真ん中に、高貴な宝石の砂でできた島がある。
 島には美しい花を豊かにつけた木が生い茂り、花の香りが四方に立ちこめている。
 この島の中央に魅惑的な一本の樹があるとヨーギーは想像すべし。この樹には四本の枝があり、常に花と実がついている。これは四ヴェーダをあらわしている。
 そこでは大蜂がうなり、鳥が歌っている。
 行者は不動の心で、そこに宝石作りの庵を想像すべし。
 その庵の中央にはすばらしい椅子があって、自分のイシュタ(理想神、守護神)がその上に座したまうとヨーギーは想像する。この観想の仕方はグルたちが古来から説いてきたことである。
 そして、この守護神の姿はどうか、装身具や持ち物はどんなものか、と絶えず観想することが、いわゆる粗大なディヤーナである。

   [粗大なディヤーナの別法]

 千の花弁のある大蓮華の花心の上に、十二の花弁を持つ可憐な小蓮華がついていると観想すべし。
 その小蓮華は白色で、強い光を放っている。
 この小蓮華の中心に三角形があり、その中央にオウム字が鎮座する。
 オウム字の上にはナーダがあり、その上に二羽の白鳥がおり、そして行者のグルなる神が、三つの目を持ち、真っ白な衣を着け、ビャクダンの粉末を身に塗った姿でましますのを観想すべし。
 そして、グルなる神の真っ白な花をつづった首飾りと、左に寄りそう、鮮血にまみれたシャクティ神妃を観想すべし。
 かような仕方でグルを観想することによって、粗大な観想は終了する。

(2)[光明のディヤーナ]

 この光明のディヤーナを修習すれば、ヨーギーはヨーガを達成し、真我を直観するに至るであろう。
 ムーラーダーラの部位に、蛇の姿をしたクンダリニーがおられる。そこにジーヴァートマン(自己の魂)は灯明の炎のような姿で立っている。これを光明体なるブラフマンとして観想すべし。
 これが至高の光明観想である。

   [光明のディヤーナの別法]
 
 眉間の中央、ブラフマ・ランドラの上に、聖音オームよりなる光がある。この炎を観想すべし。これが光明観想である。

(3)[微細なディヤーナ]

 グルの祝福という大きな幸運を受け、行者のクンダリーが目覚め、そのクンダリーが行者の真我と一体化したとき、それは目の穴から行者の身体の外に出て、外の世界を散歩する。ただし、それは普通の人の目には見えない。

 ヨーギーはシャーンバヴィー・ムドラーなるディヤーナ・ヨーガによって、この行を達成することができる。
 この微細なるディヤーナは秘法であって、神々といえども容易に得がたいものである。

 光明のディヤーナは粗大なディヤーナの100倍、微細なディヤーナは光明のディヤーナの100万倍も優れている。
 これらの方法によって、真我は直観されるに至るであろう。それゆえにこのディヤーナ・ヨーガは尊重せられるのである。
コメント

第五章 プラーナーヤーマ

2007-02-26 13:11:38 | ハタヨーガ・スートラ




1「プラーナーヤーマの規定」

 今やわれはプラーナーヤーマの規定を説こう。これを修行するだけで、人間は神々と同等になることができる。

(1)[食事規定]

 節食をしないでヨーガを始める者は種々の病にかかり、いかなるヨーガにも成功しないであろう。

[ヨーギーに適した食物]
 米飯、大麦、小麦、各種の豆類、各種の野菜等を、ヨーギーは食すべし。

[節食]
 清らかで、甘く、汁気に富む食物を好んで食し、胃の半分をあけておく。これが節食ということである。
 胃の半分だけを食物をもって満たすべし。胃の三分の一は水をもって満たし、あとは気の回遊のためにあけてお

くべし。

[禁止事項と推奨事項]
 初心者は、厚味の野菜、酒、椰子の実、野菜の茎、イチゴ、たまねぎなどを食してはならない。
 ヨーガ修行のはじめのうちは、旅行を避け、異性を避け、火の儀式などを避けるがよい。
 その他、絞りたてのミルク、砂糖、キャンディ等の菓子類、熟したバナナ、ココア、ざくろ、酸味の果汁を避け

るべし。

 消化しやすいもの、甘美なもの、栄養になるもの、心を喜ばせるものを、ヨーギーはたしなむがよい。
 しかしヨーギーは、消化しにくいもの、禁じられた食物、腐敗した食物、冷えすぎたもの、あまりに刺激的なも

のは避けなければならない。

 ヨーギーは、日の出前の水浴、長期の断食等の体を苦しめる行を行なってはならない。
 食後三時間以内に食事をしてはならない。

 以上のごとくに生活を規制して、プラーナーヤーマを行ずべし。
 毎日、プラーナーヤーマを始める際に、最初に少量のミルクとバターをとるべし。
 食事は一日一食か二食がよい。
 二食の場合は、正午と夕方に食事をすべし。

(2)[気道の清掃]

 草の座、あるいはカモシカの皮、あるいはトラの皮、あるいは毛布の座、あるいは大地の上などに、正しい姿勢

で座り、東方または北方を向く。気道の清掃を完了した後にプラーナーヤーマの行を修習すべし。

 気道に汚物が詰まっているうちは、風は気道を通れない。それではどうしてプラーナーヤーマの行が成就されよ

う? どうして真実の叡智がありえよう? それゆえに、まずはじめに気道の清掃をなし、そのあとでプラーナー

ヤーマの行を修習すべし。

[二種の気道清掃法]
 気道清掃には、サマヌとニルマヌの二通りがある。サマヌはビージャを使ってなし、ニルマヌはダーウティ・カ

ルマによってなすべし。
 ダーウティ・カルマについては、すでに説いた五つの浄化法のところで述べたごとくである。よってサマヌの仕

方において気道の掃除がいかに行なわれるべきかを教えよう。

[サマヌ清掃法]
 ヨーギーは座席に着き、蓮華座を組むべし。それから、グルに教えられたとおりに、グルを初めとする方々を礼

拝し、気を清めるべく気道の清掃を行なうべし。

 緑色で、エネルギーに満ちた風の種字(ヤ)を思念して、種字を十六回黙誦する間、月の気道をもって風を満た

すべし。
 次にその4倍の時間の間、クンバカによって風を保持する。そして最後に、吸ったときの2倍の時間をもって、

風を太陽の気道によって吐くべし。

 へその根において、火と地の元素の結合した光を思念すべし。
 火の種字ハムを16回念誦する間、太陽の気道によって、風を満たすべし。
 次にその4倍の時間の間、クンバカによって風を保持する。そして最後に、吸ったときの2倍の時間をもって、

風を月の気道によって吐くべし。

 次に、眉間に意識を集中して、月の輝く姿を思念しつつ、種字タムを16回念誦する間、両方の気道によって風

を満たすべし。
 そして種字ヴァムを64回念誦する間、クンバカによって風を保持する。その間に、アムリタ(不死の甘露)が

流れ出ることを想像し、それが全身の気道を清めていくことを思念すべし。
 それから、地の種字ラムを32回念誦する間に、しっかりと風を吐くべし。

 以上のごとき仕方で気道の清掃を行なって、気道を清めるべし。しかる後に正しく座って、プラーナーヤーマの

行を行なうべし。



2[クンバカの種類]

 クンバカには8種ある。
①サヒタ
②スーリヤ・ベーダ
③ウジャーイー
④シータリー
⑤バストリカ
⑥ブラーマリー
⑦ムールッチャー
⑧ケーヴァリー

(1)[サヒタ]
 サヒタ・クンバカには二種ある。サガルバとニルガルバである。
 サガルバは種字を唱えて行なうものであり、ニルガルバは種字の誦唱を省いたものである。

[サガルバ・プラーナーヤーマ]
 東方または北方に向かって座る。地のごとくに赤い色のブラフマ神を、ア字の形で念想すべし。
 賢明なる行者は、左の鼻でもって、アムを16回唱える間息を吸うべし。吸息を終わり、ウッディーヤーナ・バ

ンダをしてクンバカをなすべし。
 黒色のハリ神を、ウを64回唱える間、クンバカして念想すべし。
 次に、白色のシヴァ神を念想しつつ、マを32回唱える間、右鼻から息を吐くべし。
 そして今度は同様の念想をしつつ、息を右鼻から吸い、クンバカし、左鼻から吐くべし。
 鼻を換えては、繰り返してプラーナーヤーマを行なうべし。
 指は、右手の親指で右鼻を押さえ、薬指と小指で左鼻を押さえる。中指と人差し指は眉間に当てるか、何もせず

に宙に浮かせておく。

[ニルガルバ・プラーナーヤーマ]
 ニルガルバ・プラーナーヤーマは、ビージャ・マントラの誦唱なしでなされる。

 プラーナーヤーマの初期段階においては発汗が生じる。
 中級段階においては、背骨の震えが生じる。
 上級段階においては、身体が跳び上がる現象が生じる。
 以上はプラーナーヤーマの成就の三種の兆候である。

 プラーナーヤーマから空中飛行が生じ、プラーナーヤーマから病気平癒が生じる。また、プラーナーヤーマの結

果シャクティが覚醒し、プラーナーヤーマからマノーンマニーが生じ、歓喜状態が生じる。プラーナーヤーマを行

ずる者は幸福になることができる。

(2)[スーリヤ・ベーダ]
 まず太陽の気道で外界の空気を力の限り吸うべし。
 ジャーランダラとともにクンバカをして、汗がにじみ出るまで、大いにがんばって保息すべし。
 
[十種の風]
 ヴァーユ(風)には十種ある。--プラーナ、アパーナ、サマーナ、ウダーナ、ヴィヤーナ、ナーガ、クールマ

、クリカラ、デーヴァダッタ、ダナンジャヤ。

 プラーナはいつも心臓の中で働き、アパーナは会陰部で、サマーナはへその部位で働き、ウダーナは喉の中央に

ある。ヴィヤーナは体内にあまねく行き渡る。
 以上は五つの主要なヴァーユである。
 
 次に、五つの副次的なヴァーユのある場所を説こう。
 ナーガ・ヴァーユの働きはおくびにあり、クールマ・ヴァーユの働きはまばたきにある。
 クリカラ・ヴァーユの働きはくしゃみにあり、デーヴァダッタ・ヴァーユの働きはあくびにあり、ダナンジャヤ

・ヴァーユは全身に行き渡って存在し、いかなる場所でも、死後までは体を離れない。
 ナーガ・ヴァーユは意識を生じ、クールマ・ヴァーユはまばたきを生じ、クリカラ・ヴァーユは飢渇を生じ、デ

ーヴァダッタ・ヴァーユはあくびを生じ、ダナンジャヤ・ヴァーユからは声を生じる。

 上記のヴァーユのすべてを太陽の気道に集中させ、そのあとにイダー気道によって吐くべし。しっかりと、力を

緩めずに息を吐くべし。
 そして再び太陽の気道をもって息を吸い、規定どおり保息し、そして息を吐く。このプラーナーヤーマを連続的

に繰り返し繰り返し行なうべし。

 スーリヤ・ベーダ・クンバカは老いと死を破壊する。また、クンダリー・シャクティを目覚めさせ、体内の火を

増殖する。

(3)[ウジャーイー]
 両鼻で息を吸い、ジャーランダラ・バンダをなすべし。そしてクンバカをなすべし。
 喉を少し開け、ブラフマ・ランドラの下で呼吸の音を出しながら、息を吐くべし。
 このウジャーイー・クンバカを修習するならば、行者は決して粘液質の病気にかからない。その他、神経性疾患

、消化不良、赤痢、肺結核、せき、脾臓肥大等の病気にもかからない。
 人は老衰と死をなくするために、ウジャーイーを修習すべし。

(4)[シータリー]
 舌を使って息を吸い、徐々に腹に満たすべし。ほんのしばらくクンバカをしてから、両鼻を通じて吐くべし。
 この吉祥なシータリー・クンバカをなすならば、消化不良、粘液および胆汁の過多から来る病気は起こらないで

あろう。

(5)[バストリカ]
 鍛冶屋のふいごのように、両鼻を通じて連続して息を出し入れすべし。
 かくのごとく20回行なった後、クンバカをなすべし。クンバカが終ると、再び前記のごとく息を出し入れすべ

し。
 賢者にして、このバストリカ・クンバカを行なうならば、いかなる疾患も苦痛もなく、毎日無病息災であるであ

ろう。

(6)[ブラーマリー]
 夜半過ぎたころに、生き物の声がまったくしないところで、両手で両耳をふさいでプーラカ・クンバカをなすべ

し。
 そうすると耳の中で、内から発する心地よい音が聞こえるであろう。はじめにコオロギの声、次にはフルートの

音、それから雷、太鼓、蜂、銅鑼、トランペットの音などが聞こえてくる。
 そしてしまいには、かのアナーハタの音の響きが聞こえ、その音の中に光が存在し、その光の中に心が存在し、

そして心はその中で消えてしまう。これがヴィシュヌ神の高位の座に達した境地である。

(7)[ムールッチャー]
 気楽にクンバカをして、心を眉間に置く。すべての対象を捨てたならば、心が恍惚となって、歓喜が生ずる。真

我に心が結びつくことから、必然的に歓喜が生ずるのである。

(8)[ケーヴァリー]
 すべて人間の気息はハムの音を立てて出て行き、サハの音を立てて入ってくる。昼夜を通じて二万一千六百回の

呼吸がある。生き物はいつも、無意識にマントラを唱えているのである。
 ハムとサハはムーラーダーラと心臓の蓮華と両鼻腔の合流点との三箇所で結合して、「ソーハム」または「ハン

サ」というマントラとなる。
 呼吸回数が減るときには寿命が延びる。呼吸回数が増えるならば寿命は減ずる。
 それゆえに、気が体内にとどまる間は死は来ない。肉体が気と結びついているとき、ケーヴァラ・クンバカがあ

る。
 すべての生き物は無意識の内にマントラを唱えて呼吸をしているが、ヨーギーはこのマントラを意識して、数を

数えながら暗誦しなければならない。
 両鼻から気を吸入して、ケーヴァラ・クンバカを行ずべし。初日には一回からはじめて、最終的には24回暗誦

するまでの間、気を保持すべし。
 ケーヴァラ・クンバカを毎日八回、三時間ごとに行ずべし。
 あるいは毎日、早朝、正午、夕方、夜半、夜中の五回、行ずべし。
 あるいは毎日、朝、正午、夕方の三回、行ずべし。
 ケーヴァリーの行が完成するまでは、マントラの長さを日ごとに増して、最終的には5倍に至るべし。
 ヨーガに通じた人は、プラーナーヤーマとケーヴァリーを説く。ケーヴァリー・クンバカの修行を完成したとき

、この世において成し得ないことは何一つとしてない。
コメント

第四章 プラティヤーハーラ

2007-02-24 23:08:43 | ハタヨーガ・スートラ



 いざ、われは至高なるプラティヤーハーラ・ヨーガを説こう。これを会得すれば、それだけで愛欲等の煩悩が消滅する。

 動きやすくて、安定しがたい心が外的対象にさまよい出るごとに、それをその対象から引っ込めて、真我の統制下におくべし。

 称賛であろうと、悪口であろうと、心地よい声であろうと、恐るべき声であろうと、それらのものから心を引っ込めて、これを真我の統制下におくべし。

 良い感覚に対しても、悪い感覚に対しても、その他いろいろな感覚に対しても、心は出現するものである。それゆえに、その心を引っ込めて、それを真我の支配下にもたらすべし。

 さまざまな感覚に心がひかれたときに、それから精神を引っ込めて、真我の支配下に置くべし。

  
コメント

第三章 ムドラー

2007-02-22 18:01:52 | ハタヨーガ・スートラ




 シヴァ大神は神妃に向かっておおせられた。
「神妃よ、御身の前で、私はムドラーを説こう。
 この法は十分に注意して秘しておかなければならない。この法こそは、ヨーギーに幸福をもたらすものである。
 この法は下級の神々では入手できないのである。」

(1)マハー・ムドラー

 片足のかかとを会陰部にしっかりと押し付け、他方の足を前に伸ばし、両手で足の親指をつかむ。
 喉と肛門を引き締めて息を止め、眉間を凝視すべし。
 マハー・ムドラーを大いに修習することによって、肺結核、便秘、脾臓肥大、慢性の発熱、その他すべての疾患を除去することができる。

(2) ナボー・ムドラー

 ヨーギーはどんな仕事に従事していても、いたるところで、いつも、舌をしっかりと巻き上げて、息を止めるべし。このナボー・ムドラーは、ヨーギーたちの病患を消す。

(3)ウッディーヤーナ・バンダ

 胃を背後へ引っ込め、へそを上に上げる。大鳥がつかれを知らず天かけりをなすがゆえに、このバンダはウッディーヤーナ(天かけり)と呼ばれる。この法は、死という象に対するライオンのごとくである。
 すべてのバンダの中で、ウッディーヤーナは最も優れている。
 ウッディーヤーナを完全に修習するならば、解脱はおのずから来るのである。

(4)ジャーランダラ・バンダ
 喉を引き締めて、あごを胸に押し付けるべし。喉のところでバンダがなされたとき、十六の気道が閉じられる。
 ジャーランダラ・バンダとマハー・ムドラーは、死を破壊する。
 ジャーランダラ・バンダの行を終了したとき、ヨーギーはシッディを得る。六ヶ月間この行法を修習する人は、シッダとなること疑いなし。

(5)ムーラ・バンダ
 片方のかかとで会陰を圧し、肛門を収縮し、アパーナ気を上方へ引き上げる。
 これが老衰をなくするムドラーで、ムーラ・バンダと呼ばれている。
 およそ生死輪廻の大海を渡ることを希求する衆生は、人里はなれたところに隠れて、このムドラーを正しく修習すべし。
 このバンダを修習することによって、必ず気のシッディが得られる。ヨーギーは黙々として、怠らず、努めて修習すべし。

(6)マハー・バンダ
 会陰部を収縮し、息を止め、ジャーランダラ・バンダを行なう。これがマハー・バンダと呼ばれるものである。
 マハー・バンダは最高のバンダであって、老いと死をなくする。このバンダの恵みによって、すべての願望を実現することができる。

(7)マハー・ヴェーダ
 マハー・ヴェーダがなくては、マハー・ムドラーとマハー・バンダの両者は役に立たない。
 まずマハー・バンダを行ない、両手をそろえて床につけ、尻を床から少しばかり持ち上げ、そしてゆっくりと床に打ちつける。
 ヨーギーにして、毎日マハー・ムドラーとマハー・バンダの二つを、マハー・ヴェーダと一緒に修習するならば、その人は最もよくヨーガを心得たヨーギーである。
 その人には、死に対する恐れはなく、老衰もない。ヴェーダ・ムドラーはヨーギーによって注意深く秘密にされなければならない。

(8)ケーチャリー・ムドラー
 舌の裏にある筋を、一週間に一度、少しずつ切り放ち、新鮮なバターを塗っておいて舌をしぼり、舌を引っ張るべし。
 六ヶ月間、かようなことを絶えず繰り返すと、舌は次第に長くなる。そこで、舌を反転して、それを三つの気道の合流する場所である頭蓋の穴に入れる。そして視線を眉間に注ぐ。これでケーチャリーは出来上がったのである。
 この法の修習によって、失神、飢え、乾き、けだるさは生じなくなる。また、病気、老衰、死もなくなり、神の身体に生まれ変わる。
 行者の体は火にも焼けず、風にも枯れず、水にもぬれず、蛇にもかまれない。
 体は魅力にあふれ、必ずやサマーディが生ずる。舌が頭蓋の穴に触れたとき、舌はいろいろな味覚を感ずる。
 日ごとに、種々の味覚から歓喜が生ずる。最初は塩味と酸味、次には苦味と渋味。
 そして新鮮なバター、ギー、ミルク、クリーム、蜜、甘露などの味がする水が生じる。

(9)ヴィパリータカリー・ムドラー
 太陽はへその下にあり、月は頭部にある。太陽は月から流れでるアムリタ(不死の甘露)を毎日飲んでしまう。それゆえに人間は死神に支配されるのである。
 そのため、太陽を上に、月を下方に置くべし。これがヴィパリータカリーと呼ばれるムドラーであって、すべてのタントラにおいて秘せられている。
 床上に頭を置き、両手で体を支え、足を上にして不動にして保つ。
 このムドラーを不断に修行して、老死を破るべし。その人はあらゆる世界においてシッダであって、カルパの終わりにも滅びることはない。

(10)ヨーニ・ムドラー
 耳と目と鼻と口を、それぞれ親指、人差し指、中指、薬指等をもって閉じるべし。
 息を十分に吸い込んで、プラーナ気をアパーナ気とつなぐべし。そして賢者は「フム」と「ハンサ」を心で唱えながら、六つのチャクラを順々に思念して、深く眠り込んでいるシャクティ女神を目覚めさせ、ジーヴァとともにサハスラーラ蓮華の上に立たせるべし。
 そしてヨーギーは自分自身がシャクティ女神の力に満たされ、至高神シヴァと合一して、至上の至福を得ていることを観想すべし。
 行者は自らが至福そのものとなって、「われはブラフマンなり」ということを実感すべし。
 ヨーニ・ムドラーは至上の秘儀であって、神々にとっても得がたいものである。ひとたびこの行法の完了に達した人は、とりもなおさずサマーディの境地にある人なのだ。その人はさまざまな罪によっても汚されない。
 それゆえに、解脱を望むならば、このムドラーの修習をなすべし。

(11)ヴァジローニー・ムドラー
 両手のひらを床につき、両足をそろえて上に上げる。頭は宙に浮かす。これはシャクティの覚醒と長生きの因である。
 このヨーガは、ヨーギーたちに解脱とシッディをもたらす。
 このヨーガのおかげで、ビンドゥ・シッディが現われるであろう。このビンドゥ・シッディが現われたならば、この世において成し遂げられないことは何もない。
 大きな享楽に縛られた人でも、このムドラーを修習するならば、必ずやすべてのシッディが得られるであろう。

(12)シャクティチャーラニー・ムドラー
 ムーラーダーラ・チャクラで、個々人のシャクティである至高神クンダリーが、三巻き半のとぐろを巻いた蛇の姿で臥している。
 この女神が体の中で眠っている限り、魂は獣同然であって、たとえ幾千万のヨーガを修習しても叡智は生じてこない。
 戸口の錠前を鍵で無理やりこじ開けるように、クンダリーの覚醒によってブラフマンの戸をこじ開けるべし。
 密室においてシャクティ・チャーラナ(シャクティの刺激)を修習すべし。両鼻から息を吸い、プラーナ気をアパーナ気としっかりとつなぐべし。
 気がスシュムナー気道の中に入り、力強く現われ出るまでは、アシュヴィニー・ムドラーをもって秘所をしめるべし。
 息の束縛であるクンバカによって、かのシャクティー女神は息が詰まりそうになって、登り道に姿をあらわす。
 シャクティ・チャーラナがなくてはヨーニ・ムドラーは成し遂げられない。最初にシャクティ・チャーラナを行ずべきで、その次にヨーニ・ムドラーを修習するのである。
 この行法は、謹んで秘し、日々修習すべし。
 このムドラーは最高に秘すべきものであって、老いと死を滅ぼす。それゆえに、シッディを願う行者はこの修習をなすべし。
 常時にこのムドラーを修習するヨーギーは、シッディを手に入れることができる。そしてヴィグラハ・シッディを得て、あらゆる病患は消滅する。

(13)ターダーギー・ムドラー
 パシチモーターナの体位をなし、おなかを引っ込める。これがターダーギーであって、老いと死をなくする。

(14)マーンドゥーキー・ムドラー
 口を固く結び、舌先を舌根の方へ移動しておいて、少しずつアムリタ(不死の甘露)を飲むべし。
 常時にこのムドラーを行ずる人は、いつまでも青春を保ち、しわも白髪も現われない。

(15)シャーンバヴィー・ムドラー
 眉間を凝視しながら、心臓の中心にある真我の楽園を見つめるべし。この行法はすべてのタントラにおいて秘密とされている。
 このシャーンバヴィー・ムドラーを得た人は救済者の中の救済者であり、最高神であり、創造主である。
 マヘーシュヴァラ(大自在主)は言われた。
「まことに、まことに、さらにまことに、まことに、シャーンバヴィーを成就する人はブラフマンであり、その他のものではありようがない。」

(16)五つのダーラナー・ムドラー
 これらのダーラナーを会得するならば、この世に成就し得ないことは何もない。
 人間の身体のままで天界へ往来することができる。どこへでも意のままに瞬時に行くこともできるし、空を歩む力も得られる。このことに狂いはない。

①地のダーラナー・ムドラー
 地元素は黄色く、土に属し、la字が具わっている。
 ブラフマ神を青蓮華の座にすえて、心臓にとどめるべし。
 そして、気を心と一緒に心臓内の地元素の実体に導いて、2時間半の間そこにとどめておくべし。
 このムドラーは人に安定をもたらし、常に大地の克服をなす。
 このムドラーを常に行ずる人は、自ら死を克服し、シッダとして地上を遊行する。

②水のダーラナー・ムドラー
 水元素は月のごとくに清らかで、白い。va字を具え、常にヴィシュヌ神と結びつく。その気を心臓内の水元素の実体に導いて、心とともに2時間半の間そこにとどめておくべし。
 このムドラーは、耐え難い熱脳や罪の汚れの破壊者となるであろう。
 この至上のムドラーを知る人はヨーガの会得者であって、彼は深くて恐るべき水の中に落ちても、決して死にはしない。
 この至上のムドラーは注意深く秘すべし。

③火のダーラナー・ムドラー
 火元素はへそに存在し、赤く、種字はraで、形は三角、火よりなり、輝き、ルドラを主神とし、人にシッディを与える。
 この火元素の実体に気をつれてきて、心とともに2時間半の間、そこにとどめておくべし。
 このムドラーの修行者は、もしも燃え盛る火の中に落ちたとしても、死ぬことはない。

④風のダーラナー・ムドラー
 風元素は緑色で、サットヴァ・グナからなり、ya字を種字とし、その主宰神はイーシュヴァラである。
 気を心と一緒に風元素の実体のところにつれてきて、2時間半の間、そこにとどめておくべし。
 この修行者は空中を歩くことができる。
 この至高なムドラーは、老いと死をなくする。風のために死ぬことは断じてない。
 さらには空中歩行の力を与える。
 このムドラーは、詐欺師や、敬信の念のない者には決して授けてはならない。もしも授けるようなことがあれば、自らのシッディを破るであろう。

⑤空のダーラナー・ムドラー
 空元素は海のすばらしく清らかな水のごとく、澄み渡る天空のごとく明るく輝いている。ha字を種字として具え、その主宰神はサダー・シヴァ神である。気をそこにつれてきて、心とともに2時間半の間、とどめておくべし。このムドラーは、解脱に通ずる門の扉を開くであろう。
 このムドラーを心得た人は不死であり、この宇宙が終るときにも滅びることはない。

(17)アシュヴィニー・ムドラー
 肛門を、繰り返し繰り返し、引き締めたり緩めたりするべし。これがアシュヴィニー・ムドラーであって、シャクティを覚醒させる働きをする。
 このアシュヴィニーは最高のムドラーであって、肛門や直腸の病を治す。また、体を強健にし、若死にを防ぐ。

(18)パーシニー・ムドラー
 両足を、縄のごとくしっかりと絡ませて、首の後ろにあてがうべし。これこそはパーシニー・ムドラーであって、シャクティを覚醒させる働きをする。
 このパーシニーは偉大なるムドラーにして、体を強健にする。シッディを願う行者たちは努力してこれを修行すべし。
 
(19)カーキー・ムドラー
 口をカラスのくちばしのごとくに尖らせて、空気をゆっくりと吸い込む。このムドラーはすべての病気を治す。

(20)マータンギー・ムドラー
 両鼻から水を吸い、口から吐き出す。次に口から吸い込んで、両鼻から出すべし。これを繰り返して行なうべし。これがマータンギーという高級なムドラーであって、老いと死をなくする。
 人里はなれた、人気のないところに住み、心を集中してこのムドラーを修習すべし。そうすれば、象の様に強力になることができる。
 ヨーギーはどこにいても、このムドラーの行によって、すばらしい幸福を味わうことができる。
 それゆえに、あらゆる力を絞って、このムドラーを修行すべし。

(21)ブジャンギニー・ムドラー
 口をいくらか前に突き出して、空気を食堂を通じて飲み込むべし。
 このムドラーは、消化不良等の腹部疾患のすべてを治し、老いと死をなくする。

 ここにわれはムドラーの章を説き終わった。これらはすべてのシッダたちの愛重物であって、老いと死をなくする。
 この章は、詐欺師や信のない者には、授けてはならない。注意して秘すべし。低位の神々たちといえども得がたき章である。
 幸福と解脱を与えてくれるところのこのムドラーの章は、実直で、心が平静で、グルに対する信仰を尊ぶ者だけに授けるべし。
 このムドラーの章は、あらゆる病患をなくする。常時にこの法を修習する習性を持つ人の消化の火はますます盛んになる。
 かかる人には老衰は来ず、また彼は火難、水難等にあわない。まして風難の恐れがあろうか。
 せき、喘息、脾臓肥大、ハンセン病等の20種の疾患は、もろもろのムドラーの修習によって消え去ること疑いない。


 
コメント

第二章 アーサナ

2007-02-20 09:49:13 | ハタヨーガ・スートラ
第二章 アーサナ


 アーサナの総計は生物の数に等しいが、シヴァ大神は太古に八千四百万のアーサナを説かれた。

 その中で84のアーサナが特に優れているとされる。この84の中でも、人間社会においてすばらしく有用であるいくつかのアーサナを説こう。

1.シッダ・アーサナ(達人座)
 一方の足のかかとを会陰部にぴったりと押し当て、他方の足のかかとをスワーディシュターナ・チャクラに押し当て、アゴを引き、不動の姿勢を保ちつつ、五感を制し、視線を動かさずに、眉間を凝視する。これによって解脱が得られる。

2.パドマ・アーサナ(蓮華座)
 一方の腿の上に他方の足を置き、他方も同じようにする。これは解脱に対する最高の座法であると同時に、病気に対する最高の治療法でもある。

3.バッダ・パドマ・アーサナ(締め付けた蓮華座)
 パドマ・アーサナを組み、背後で腕を交差し、両方の手でそれぞれに他方の足の親指をしっかりとつかむ。これは最も効果の高いパドマ・アーサナの形である。

4.スワスティカ・アーサナ(吉祥座)
 ヨーギーは双方の足をひざと太ももの間に挟み、親指だけを上に出す。上体をまっすぐに立てて端座する。

5.シンハ・アーサナ(ライオンの体位)
 両方のかかとを睾丸の下で交差して立て、ひざを床上にすえて、ひざの上に手を置き、口を開け、舌を大きく出して息を吐き、のどのバンダをなし、眉間を凝視すべし。これによってあらゆる病気を除去する。

6.ゴームカ・アーサナ(牛の顔の体位)
 両足を交差させて座り、ひざを折り、両膝を重ね、それぞれの尻の脇に他方のかかとがつくようにする。状態をしっかりと立てる。この座法は牛の顔の形に似ているので、ゴームカという。

7.ダヌル・アーサナ(弓の体位)
 うつぶせに寝て、両ひざを折り、両手でそれぞれの足首をつかむ。そして体を弓のごとく曲げ、その上体を保持する。

8.シャヴァ・アーサナ(死人の体位)
 あたかも死人のように、地上に上向きに横たわる。この体位は疲労を除去し、心の安らぎをもたらす。

9.マッチア・アーサナ(魚の体位)
 パドマ・アーサナを組み、上向きに臥すべし。両方のひじで頭を囲む。この体位は病を治す。

10.パシュチモーターナ・アーサナ(背中を伸ばす体位)
 両腕を床上に棒のように伸ばし、両手で両足の先をしっかりとつかみ、背筋を伸ばしたまま上体を折り曲げる。

11.マユーラ・アーサナ(孔雀の体位)
 両手のひらを床につけ、ひじの上にへその両側をあてがい、そして全身を空中に棒のごとくに浮かす。

12.クックタ・アーサナ(鶏の体位)
 パドマ・アーサナを組み、ひざの内側に両手を差し込み、体を宙に浮かす。

13.ウッターナ・クールマカ・アーサナ(仰向けの亀の体位)
 クックタ・アーサナの姿勢で、両手で首筋をつかんだまま、亀のごとく上向きに寝る。

14.ヴリクシャ・アーサナ(立ち木の体位)
 片方の太ももの付け根に他方の足をあてがい、立ち木のごとく立つべし。

15.ガルーダ・アーサナ(ガルーダの体位)
 片方の足に他方の足を絡みつかせ、片方の手に他方の手を絡みつかせ、立つ。その後、腰を曲げる。

16.シャラバ・アーサナ(ばったの体位)
 うつぶせに寝て、両足を浮かす。

17.ブジャンガ・アーサナ(蛇の体位)
 うつぶせに寝て、両手のひらを床につき、頭を上げて蛇のごとき形になる。
 この体位は常に身体の火を増強し、あらゆる病患を消去する。この体位によって蛇神(クンダリニー)が目覚めるゆえに、蛇の体位という。
コメント

第一章 浄化法

2007-02-15 14:50:33 | ハタヨーガ・スートラ
「ハタヨーガ・スートラ」



 さて、今まで、大乗仏教の経典「入菩提行論」や、ヨーガの聖典「バガヴァッド・ギーター」、そしてミラレーパの詩などをもとに、私なりに現代的にまとめなおしたり解説したりしてきましたが、今度はハタ・ヨーガの経典を題材にしてみましょう。
 現在ヨーガとして世界で知られているもののほとんどは、ハタ・ヨーガの亜流です。言い換えれば、ヨーガにはさまざまあり、その中で身体を基礎として入っていくヨーガをもともとハタ・ヨーガと呼ぶのです。ですからこういったハタ・ヨーガの原点的な内容を知ることは、現代的なヨーガをやる人にも少なからず利益はあるのではないかと思います。

 今回、基にさせていただくのは、ゲーランダ師という聖者が説いたとされる「ゲーランダ・サンヒター」です。しかしこれも現代にはストレートには合わない内容等も多いので、あくまでもこの内容は、ゲーランダ・サンヒターのストレートな翻訳ではなく、ゲーランダ・サンヒターを土台に、いろいろ私自身の見解も加えて組み立てたものであるとお断りしておきます。

 一応、原典とは違うので、「ハタヨーガ・スートラ」という別の仮題をつけておきましょう。





「ハタヨーガ・スートラ」


第一章 浄化法


 世にマーヤーに等しい絆はなく、ヨーガよりも優れた力はない。
 また、智慧に勝る味方はなく、エゴよりも強い敵はない。

 修習によってこそ、アルファベットを初めとする種々の学問を会得することができるように、ヨーガに熟達してこそ、完全なる真理の智慧が得られるのである。

 善いカルマと悪いカルマの結果として、衆生の身体は生じる。そして身体によってまた新たにカルマを積む。あたかも井戸のつるべ桶がこもごも上下するがごとくである。

 井戸のつるべ桶が牛の力でかわるがわる上下するように、魂はカルマの力で生と死を流転していく。

 水につかっている、焼いていない土器のように、身体は絶えず老化していく。ヨーガの火で焼くことによって、身体の浄化を行なうべし。

[七つの行法]
 ハタ・ヨーガの行法には七つある。
(1)浄化法、(2)強壮法、(3)堅忍法、(4)安定法、(5)軽快法、(6)直観法、(7)離染法。

(1)浄化は六つの行法によって得られる。
(2)強壮はアーサナによって得られる。
(3)堅忍性はムドラーによって得られる。
(4)精神の安定はプラティヤーハーラによって得られる。
(5)軽快さはプラーナーヤーマによって生じる。
(6)真我に対する直観はディヤーナから生じる。
(7)離染状態すなわち解脱は、サマーディによって現われる。

[浄化法]
 浄化のためには次の五つの行法を修習すべし。
(1)ダーウティ
(2)ネーティ
(3)ラーウリキ
(4)トラータカ
(5)カパーラバーティ

Ⅰ ダーウティ

 ダーウティには四つの仕方がある。
 これらを修習して、身体を汚れのないものとなすべし。
 それは、
(1)内臓の清掃
(2)歯の清掃
(3)胸の清掃
(4)肛門洗浄
の四つである。

(1)[内臓の清掃]
 身体の汚れを取り去るために、二種の清掃法を修習すべし。

[アグニサーラ・クリヤ]
 腹部を背骨の方へ百回引っ込めるべし。
 これがアグニサーラ・クリヤであって、ヨーギーたちにヨーガの成功をもたらす。
 この行法を修習すれば、腹部の疾患を治し、消化の火を増大する。
 この清掃法は至上の秘法であって、神々さえも手に入れがたいものなのである。
 この清掃法の修習によって、行者は確実に神々しい身体を作り上げることになる。

[ガジャ・カラニー]
 賢い行者は、空腹時に、塩を入れたぬるま湯をのどまでいっぱいにつまるほど飲むべし。
 それから飲んだ水を吐き出すべし。
 その後、塩を入れないぬるま湯で、同様のことを行なうべし。
 これを常習すると、粘液と胆汁の異和が取り除かれる。

(2)[歯の清掃]
 歯の清掃には、四つがある。

[歯根の清掃]
 カーディラの汁か清らかな泥をもって、歯の汚れが取れるまで、歯根を磨くべし。
 ヨーガに通じた人は、歯の保護のために、毎朝欠かさずにこの清掃を行なうべし。

[舌の清掃]
 次に舌の清掃の仕方を明らかにしよう。
 人差し指と中指と薬指の三指をそろえて、のどの奥に差し入れ、舌の根を摩擦すべし。
 摩擦して流れ出る粘液を吐き出すべし。
 それから新鮮なバターを塗りつけて、繰り返し摩擦すべし。

[耳の清掃]
 人差し指と薬指とを使って、左右の耳の穴を摩擦すべし。
 これを不断に繰り返していると、しまいには体内の音が聞こえるようになる。

[眉間のくぼみの清掃]
 右手の親指で、眉間のくぼみを摩擦すべし。
 この作法を続けていくならば、粘液の不調を治すことができる。
 そのほか、気道が清められ、天眼通が生じてくる。この行法は毎日、起床時、食後、夕方の三回行なうべし。

(3)[胸の清掃]
 幅約七センチの薄い布を徐々に飲み込む。三・五メートル飲み込んだら、ラーウリキを行ない、そして引き出すべし。
 この行法を継続することで、腸満、熱病、脾臓肥大、ハンセン病、喘息、気管支の病などが改善され、痰と胆の異和が消え去り、日ごとに無病、強健、四肢の軽快等の状態が現われてくる。

(4)[肛門の洗浄]
 中指でもって、丁寧に、水を使って、繰り返し繰り返し、肛門を洗浄すべし。
 この作法は便秘と消化不良を治し、美と体力を増し、消化力を強くする。

Ⅱ ネーティ

 約三十センチほどの長さの紐を鼻腔に押し入れ、そして口から出すべし。紐の両端を持って、何度もしごくべし。これがネーティと呼ばれているものである。
 ネーティの修習によって、ケーチャリ・ムドラーに成功することができる。この浄化法によって粘液質の病症がなくなり、天眼通が生じる。

Ⅲ ラーウリキ

 腹直筋を出し(ナウリ)、それを激しく左右に回転させるべし。この行法はすべての病気をなくし、体内の火を増大する。

Ⅳ トラータカ

 まばたきをせずに、ある小さな的を、涙が出るまで凝視すべし。これが賢者たちによってトラータカと呼ばれるものである。
 これを修習すると、必ずシャーンバヴィー・ムドラーに成功する。
 目の病気は消え、天眼通が現われる。

Ⅴ カパーラバーティ

 カパーラヴァーティは、
(1)ヴァータ・クラマ
(2)ヴュト・クラマ
(3)シート・クラマ
の三種の方式で行なうべし。
 この行法によって、粘液性の疾患を取り除くことができる。

[ヴァータ・クラマ方式]
 左の鼻で息を吸い、すぐに右の鼻で息を吐く。
 次に右の鼻で息を吸い、すぐに左の鼻で息を吐く。
 これを修習すると、粘液性の病気を治すことができる。

[ヴュト・クラマ方式]
 両鼻腔から水を吸い込んで、口から吐くべし。これを修習すると、粘液性の疾患を治す。

[シート・クラマ方式]
 シーッという音を立てて、口から水を吸い、それを鼻から吐くべし。
 これを修習すると、恋の神様に劣らぬほど美しくなることができる。
 その人は老衰せず、熱病におかされることもない。身体は軽快になり、粘液性の疾患はなくなる。



コメント