早朝、犬氏が起きてきてくれた。
お見送り。
まだ半分目が閉じてるし、何と無くぶかぶかの靴履いてきて、
この巨大なスーツケースを運ぼうとしてくれている。
「やめときなよ、寝ぼけてるよ、危ないよ、、、」
とか言いながらちゃっかり甘えてみてるけど。
大きすぎて何処をつかめば良いか迷っているご様子。なんとか狭い階段の一歩目をふみだした。しかしすぐに、バランスが崩れた。
「あーーーー!!!!」
そこから一気にスーツケースの重みに持って行かれる!一段ずつとことん足を踏み外しながら転がる様に!後ろ姿は、4倍速のタコ踊りのようだった!
最後の段は落ちる様に、スーツケースと犬氏がぶつかる様になんとか両足をついて着地、、、、
だ、大丈夫???
まだ目が半分閉じている。
「大丈夫だよ。気をつけて行ってきてね。」
あれ?
両手を膝について身体をおこさない。
「ねえ、絶対痛いでしょっ!くじいたでしょ!やばい感じでしょ!!!」
「大丈夫だよー。」
いつまでもその姿勢から立ち上がらないので、絶対やばいけど、ここで心配されるのも嫌なんだろうと思うけどね、、、、そんなところを見透かされない様に平気なフリして彼は部屋に向かって ようやく歩き始めたけど、
手すりに全体重預けてるしーーー!!!
あきらかによぼよぼだしーーー!!!
びっこひいてるぅーーーー!!!
そんな彼の後ろ姿を見送って、
スペインへの旅、スタートです。