映画レビュー「ブラザーズ・グリム」

ブラザーズ・グリム - goo 映画

テリー・ギリアムという人物はいままで興味を持っていなかったけど、「伊集院光がやたらめったら褒めているから」という理由で「ブラザーズ・グリム」を観てみた。そしたら面白かったので、またテリー・ギリアムが新作を撮ったときに伊集院が絡めるように、ここに表明しておきます。

現実主義者で世渡り上手な兄のウィル（ジミー大西）と、妄想癖があって民間伝承を集めるのが好きなジェイク（庵野秀明）のグリム兄弟は、ジェイクが考えた魔女や幽霊などのウソ心霊現象をウィルが広めて、怖がる人々から高い金を貰って“退治”するという、絵に描いたようなマッチポンプで各地の町や村から金を巻き上げていた。

そんな犯罪がいつまでも成功するわけもなく2人は逮捕されてしまうが、とある村で起こっている少女連続行方不明を解決すれば、罪は水に流してやると言われる。そこで村に向かった2人は……。といったお話。

おとぎ話そのもののような謎と美しい映像は、単なる冒険ファンタジー映画としても十分楽しめる。伊集院とテリー・ギリアムが意気投合していた、夢想家の弟と現実を生きる兄の関係――ひとりの人間の中に同居する、両面の相克の物語として考えるのも、いいと思う。