●○●ヒラメキ!キッズ囲碁○●○

Kは日本棋院「幽玄の間」で8段間近!どうぞご期待ください(*'▽')

ドデカミン

2021年11月29日 | Kのつぶやき

 

差し入れにドデカミンを頂きました。


「コスミ」について

2021年11月29日 | Kのつぶやき

今回は、「コスミ」について書いていこうと思います。

コスミといえば斜めですね。囲碁では、斜めに繋がっている石同士は、決して切れません。そこで、コスミは手堅く足を延ばす手法と捉えることができます。

 

図1

 

図1です。

左上、黒3が古来「秀策のコスミ」と言われてきた一手です。次に、黒A のカケが狙いです。最近は、AIが多用することにより、再び頻繁に出現するようになってきました。なお、黒はAだけではなく、B付近のハサミも有力です。序盤ですと、黒Cなど、隅を重視する手は軽く白Bなどとかわされてしまいます。

右上、黒13もコスミ。次に、Dのハザマを見ています。白Eには、順に黒F、白G、黒Hと受けて、黒13が実によい働きを担っています。

右下、黒17は白Iのワタリを防ぐコスミ。白18にツケてきても、黒19からはみ出していけば、白はワタることができません。黒17でIなどの方が働いているように見えますか?黒17なので、Jの断点が補われているのです。

最後に左下、白30は中盤戦で頻出のコスミです。黒Kにツケられても、白Lにハネることができる仕掛けです。また、白としては下の黒2子への攻めを狙っているので、反対側の黒29にモタレるという作戦があります。白30は、こうした狙いも含んだ一手です。

 

コスミについてまとめると、

  1. しっかり石同士が連絡している。
  2. しっかりしているため、相手に響く手を打つことができる。
  3. 位を取ることができる。

他にも、ナナメに石を使っているので、目を作りやすいという特徴もあります。ただ、整形に手を費やした分、足が遅いということは否めません。部分的には「この一手」になり得るものの、足早に打ちまわす方がよい場合もあります。進出の手法としては、確実で群を抜いていますので、安心して打ち進めることができるでしょう。

 


囲碁 実践解説④‐3

2021年09月01日 | AI研究

冷静に打ち進めて入れば、たとえ劣勢でも何かとチャンスが巡ってくるものです。逆に、優勢な時の雑な打ち方は、劣勢の相手に逆転の機会を提供しかねません。特に、眼形に関わる手が先手のヨセになると大きいです。これが、部分的にしっかり打つ手法の特長です。前回はこちらから。

 

 

手順図

 

この譜では、あわや逆転というところまで追い上げるのですが。。。決め手を逃してしまいました。

白1は、明らかにAが得でした。ここまで頑張ることができます。

そして、黒2の瞬間、白に後半戦最大のチャンスが訪れました。この手の時点で、形勢は黒1目勝ちくらいです。

まず、黒2では、上辺の23や左辺のBがよく、例として下の参考図1のような進行で、中央の黒一団を捨ててもコミ分くらい黒良しでした。

 

 

参考図1

 

白3から黒10までは大体こうなるところ。ここで、白11が悔やまれる一手となりました。ここは、当然ながらCとカケツぎ、真ん中と右辺の両方を打って我慢するくらいでした。

懸案の黒22に先着され、この黒を追いかけても逆に黒38と滑られてはコミがあっても20目ほどの差です。この後も打ち継がれましたが、黒の中押し勝ちに決着しました。

細かい話ですが、この後、白が左上を打つならば、下の参考図2のように白1、3のコンビネーションが好手順です。🔺に一眼あるので、黒6と一子を取られても手を抜くことができます。単に白3だと、黒1と打たれさらに手入れをする必要があります。

 

 

参考図2

 

この碁からの考察

  1. その碁の急所はいつまでも残っている(左辺のハネ、左辺のケイマの位置の打ち込みや守りなど)。
  2. 眼形に関係する手は大きい(いつでも、白から手順図のDが大所だった)。
  3. 形が整った目一杯の手が好手になることが多い。

難しいことをしなくても、とりあえず3手の読みができていれば、いい碁を打つことができると思います。3手先を読むことができれば、5手先、7手先、数10手先と徐々に深く読むことができるようになります。

それと、どうしても部分的な手ばかりを考えてしまいがちなので、頻繁に盤全体に目を注いでみるのも効果的です。部分的な本手が全体的な最善手ではないことはよくありますし、全体ばかりを気にして、地に甘い手を連発してもいけません。このあたりが、囲碁の難しいところで、楽しいところでもあります。

 

 

総譜


囲碁 実践解説④‐2

2021年08月31日 | AI研究

私は、先を見据えずに打ってしまいがちなので、もう少しゆっくりと打ち進めるほうがいいのかもしれません。前回の続きです。

 

 

手順図

 

この譜では、明らかに白(私)が変調しています。

ずっと左辺に打ち込むつもりだったのですが、やはり中央から右辺への競り合いに気を取られてしまいました。

そして、打ち込みの位置はAと考えていましたが、一路上のBがよかったようです。本譜の終わりまで、両者ともにBが好点でした。

白1では、下の参考図1のような進行で互角。

 

 

参考図1

 

白11,13のような守り一辺倒、直接的な手は、なかなかうまくいかないことが多いです。それぞれ、B、Dがスマートでした。

また、黒12が来るまで、白から依然としてCが狙いでしたが、ついに打つことができませんでした。

白15から、両者ともに先述したBが要所でした。左下の白の目にも関係しています。

黒16は、左辺をBと守るのが手堅かったです。モタレ攻めの要領に従った手段ですが、このように自陣に隙があるときには、まず守りに手を回し、それも一手で守り切ることを意識しましょう。

白17は、わかりやすく左辺に手段しようとした手です。(Eのアテコミを防いでいる意味がある)しかし、やはり単にBです。

黒28は左下からの白一団を視野に入れた一手ですが、ここではまたもやBと一着入れて完勝でした。

そして、黒36は、あまり白に響かなく、打つならFのコスミツケか、再三登場しているBがよかった。

白39は鋭いように見えますが、普通にG。しかし黒40では、下の参考図2で黒打ちやすかった模様です。ここで、白にチャンスが訪れました。

 

 

参考図2

 

本譜は、黒、強豪の流れるような石運びが印象的です。

しかし、本譜で一時は盤15目の差をつけていた黒も、最終手時点では予断を許さない形勢にしてしまいました。

 

 

総譜

 


囲碁 実践解説④‐1

2021年08月30日 | AI研究

おととい、ネット碁で、私の住む県強豪の方から互先で教えていただきました。今回は、その碁を解説していきます。私の白番です。

 

 

 

序盤は、意欲的な布石になりました。

黒17では、図のAの受けが相場です。

実践の白18から最終手の黒39まで、白からB、黒からAなどが要所でした。

特に、白22から黒25は小さく、例えば白22では、下の参考図1のような進行が予想されるところでした。

 

 

参考図1

 

また、白30でも下の参考図2のようにハネが大きいです。左上のほうが急がれます。

 

 

参考図2

 

ずっと、ハネを打ちたいとは思っていたのですが、下辺の折衝で余計なことをしてしまいました。

黒39現在、手広い局面です。


囲碁 実践解説③

2021年07月01日 | AI研究

ネット碁で8段を目指していますが、レーティングが高くなると、相対的にレーティングが上がりづらくなり、しかも、負けると大幅に落ちるので、8段への道は遠いのかもしれません。一局一局の積み重ねがあるのみです。

 

今回は、前回の続きで、決勝戦の碁を解説していきます。私の白番です。

88=C7 92=L13 93=L12 96=K12 125=D7

 

 

少し見づらいかもしれません。急所の威力が目に見える碁でした。結果は、私がコミを入れて15ほど勝ったと思います。最後の十数手は、ずっとB9が好点だったようで、手番の黒がここに打っても、白が4目ほど優勢です。

 

 

参考図1

 

まずは序盤、白18は自然な手の印象ですが、参考図1のノゾキが有力で、非常に険しい展開となりそうです。

白22は足を延ばしすぎ。黒25では46に切り違うのが最強手でした。

35から41の交換は、先手を得た白が得をしています。

 

 

参考図2

 

45を利かしましたから、黒47はもったいない手です。参考図2が候補手となります。

 

 

参考図3

 

黒57では参考図3の進行も有力で、このくらいが相場だったと思います。

黒67で右辺の白が取られたように見えるかもしれませんが、心配無用です。読みを入れていたわけではありませんでしたが、実践の白126にツケれば、部分的にでも何かしら手になっていると思ってました。ちなみに、126より単に132に置いている方が厳しかったようです。

要は、黒67は無理手だったということです。

 

 

参考図4

 

この碁は、ぜひ並べてみてください。白92=111からの脱出劇、参考図4の白3のツケなど見所満載です。特に、白3のツケに関しては、対局相手のベテランの方から、「こういう手は見たことがある気はするが、初めて打たれた」というコメントをいただきました。

実践はこの後、黒は黒字のAに打ちましたが、ヨセの段階になると、参考図4の赤字のAが大きいことは前述の通りです。

振り返ってみれば、打ちたかった手、実践より勝る手がたくさん出てくるので、自分もまだまだ上達可能だな、と思います。


囲碁 実践解説②

2021年07月01日 | AI研究

ある大会の初戦で、約一か月前に対局した碁の実践解説です。私の白番です。

 

 

 

この碁は、とにかく息の長い展開を心掛けて打ちました。

88手目まで掲載しましたが、この後も打ち継がれ、私の中押し勝ち。

 

 

参考図1

 

黒11で14と打った場合の想定図が参考図1で、次に黒は他の大場に向かうことになります。

 

 

参考図2

 

白24では、単に38の押しか参考図2が勝りました。

 

 

参考図3

 

実践のコスミは、26のカケを先手で打とうとしたものでしたが、意外なことに、参考図3で見られるように、右辺の守りが急務だったようでした。黒1子には、若干の味が残っています。

黒35、37は味消しの意味があるので保留する、もしくは、白32の上を切ってしまうのが良かったでしょう。

黒39と後手を引くのでは、黒は形勢を損じました。

白42は狙いのある手。この手では、47付近や72付近も有力で、十人十色の手がある局面でした。

既に形勢は白良しですが、黒51は52から取る方がよく、実践は分かりやすい進行になりました。

白66では70が急所でしたが、実践は自重しました。

左辺の黒がとられた時点で、盤面25目ほどの差のようです。

左下はうまくサバけた印象です。


小目 ケイマガカリ 二間高バサミ⑤-2

2021年04月28日 | AI研究

今日は、十段戦第5局の日。これまで、両者とも黒番で勝利を収めています。前回はこちらから。

 

 

参考図1

 

前回は、白の14手目で図の7と応じた形を研究しました。今回は、白14で図の1と打った形に注目していきます。

白5で平和なワカレを目指すと、図のようになりそうです。黒8で10に打つのは白8と圧迫されます。12と13の交換の善悪は微妙なところです。

 

 

参考図2

 

続いて、黒は青色と黄色の着点A・B・Cが候補手ですが(青色が最有力候補手)、白色の候補手E・Gの狙いも残っていて、左上の白は、意外と味が悪い恰好をしています。

 

 

参考図3   6=20、17=23

 

参考図1の白7で図の1と打つと、コウ付きの攻め合いとなります。

図のように進んで、コウでのフリカワリになります。最後、黒26ではじっとノビるのがいいのですね。互角です。

 

 

参考図4

 

そして、参考図1の白5で図の1と切ると、少し険しくなります。黒はシチョウ関係がいいので、6と飛ぶことができます。

ここで、白7が面白い手です。次に8の割リ込みを狙っています。この黒8で、1路下に打つことができるかどうか。これは研究中です。

白11で1路上に打てるといいのですが、これは黒に11とコスミツケて捨てられて、シメツケられます。

14~17は参考図1と同じ手段です。次に黒は、A~Cのどれかを選択することになります。これも、全く互角です。


小目 ケイマガカリ 二間高バサミ⑤-1

2021年04月20日 | AI研究

先週は、プロの碁の配信を視聴したり、詰碁を毎日15~25題解くなどして特訓してきました。ネット碁は、8連勝中です。

今回は、二間高バサミの新型の研究をしていきます。前回はこちらから。

 

 

 

今回は、白が12手目にAと押してきた時の応手です。

白Aは、上辺の黒にモタレていって、左辺の黒を狙っている手です。

私は、ここで白がBと打ち、黒がCと新手を放つ形ばかり研究していたのですが、実践では、意外にAと打つ方が多く、この手を研究してみようと思った次第です。

 

 

 

黒は13と応じるのが良いでしょう。白14は頑張った手です。

黒17のマゲは好手で、この石を捨てるにしても、白の形に弱点を残そうとしています。

黒19は様子見の意味があり、白20なら、黒21とハサミツケます。左辺の黒石は取られますが、もともと白の隅だっただけに、これだけの外勢を得ることができれば成功したと言えるでしょう。ちなみに、白18でAやBには黒Cのスベりを推奨します。

 

 

 

次の白の一手の評価値です。白は、すぐにAと切っても黒Bの狙いが残っていてうまくいかないので、他の大場に向かうことになります。

 

 

 

白20で、単に図の1と打ってきた場合は、黒2のトビがシボりを見た良い一手です。白5のキリも黒6の利きがあるので、あまりうまくいきません。図の進行で、黒57.2%です。

 

他にも、攻め合いになる変化など難解なものも多いですが、厚みが好きな方は、黒が打ちやすいと感じるかもしれません。

私は、こういう手筋が頻発する接触戦が好きです。私と対局する方は大変ですね(笑)


実践解説 対Gさん(前編)

2021年04月12日 | AI研究

昨日の対局について、解説のリクエストがありましたので、上げていこうと思います。

第3局の「15子取られながらも勝利」したGさんとの碁です。

私の白番で、面白い手も多かったので紹介します。

 

 

参考図1

 

右下の形は、最近流行している、ハサミにカケる手です。この場合は、黒の一間高バサミにカケ。

白1でAとオサエるのもありますが、Bとハネられて難解な変化に突入します。黒は2とノビ、図のような進行になれば比較的穏やかです。

次に白は、CかDかを選択することになります。

 

 

 

 

参考図2

 

実践進行です。黒1のぶつかりは、白2と頭をたたかれるので疑問でした。白4のサガリも好手で、参考図1の白7と雰囲気が似ています。

しかし、白8がソッポ。Aのハネが好手で、ここに石があると、白14でBと打つことができました。

黒19では、とりあえずAと伸びたいところでした。ここが双方にとっての急所です。

 

 

 

 

参考図3

 

白としては、黒6にキリが入ったのは嫌ですが、右辺でできる限り得をすることを目指す進行です。

実践は、黒はAとマゲました。確かに好点なのですが、Bと左下を黒地化しつつ、白の攻めを狙う、左下から動く手が勝りました。

 

 

 

 

参考図4

 

白2は気づきにくい好手。これを実践で打てたのは自信になりました。利き筋を増やすことができます。

黒5では、普通にAか6が有力で、少し黒が打ちやすそうな形勢でした。

そして、ここが今回の目玉。黒9に対して皆さんならどこに打ちますか?実践はBからある狙いを炸裂させたのですが、何も考えずにCとツナいでしまいそうですね。

(※ヒント 白2によって生じた利き筋を利用したい。)

 

 

 

 

参考図5

 

白1から3が正解です!これも一瞬で見えてきて、ヨミ切った時、我ながら感動しました。

実践は、黒6でAと抜きましたが、仮にアタリにかけられた黒がずっと逃げていくと、白11でちょうどBとCが見合いになるというカラクリです。

実践は、黒A、白6、黒コウ取りと進みましたが、白にはCや11のコウ材があるのに対して、黒はDなどの大損なコウ材しかありません。ここで、白が優勢に転じました。

このような手筋が出現する碁は珍しいです。そして、まだまだ気づいていない良い手が眠っていることを、この碁は教えてくれました。

続く