あなたと初めて出会ってから
随分月日が過ぎたけれど
ちょっとやそっとでは
絶えることなく
執着とさえも感じられる
あなたの生命力には
いつも
驚かされています
輪郭は潔く
清々しい白い花は
初夏の明るい風に
たおやかに香ると思っていたら
どんな隙間にも
入り込むくらい
正直言えば
いらっとするくらいの
強い香りであったこと
小路の色を変えるくらい
盛大にその身を散らすこと
切っても切っても
悪の手のように
そこいらじゅうを巻き込んで
自分の世界にしちゃうこと
可愛い顔して
したたかな
あなたと
私は
本当は
あまり
付き合いたくないのかもしれない
けれども私は
よせばいいのに
懲りずに一輪
おうちに持ち帰って
一番目につく場所に
飾ってしまったりする
その自己主張の激しい香りに
いちいち辟易するくせに
ちょっと後悔するくせに
ごめんね
ジャスミン
私はあなたを
やっぱり
好きではないのかもしれません
だけどね
ジャスミン
私はきっと
あなたを
愛しているのでしょうね