谷中優の部屋(音楽教育・創作表現・文化・芸術・出版等)

音楽・芸術・教育など様々な考えや感想・情報を発信。

立原ちえ子 ソプラノリサイタル批評

2017年07月10日 | 音楽・音楽教育・創作など感想やお知らせ
以前お伝えした立原の批評原稿が出てきたのでコピペしておきます。雑誌に載っかったものです。

立原ちえ子 ソプラノリサイタル

 精力的な演奏活動を継続している立原は、今回のリサイタルにおいても意欲的なプログラムを用意した。
 前半は團伊玖磨特集ともいえる「はる」「紫陽花」「藤の花」「希望」「東京小景」など。ここでは特に「言葉」を大切にした演奏に終始した。同時に、作品の持つ情感とはまた違った内面性を丁寧に表現していたことに共感できた。とりわけ「ひぐらし」「舟歌」の二曲は印象深い。
 後半のヴェルディ「歌劇オッテロ」第四幕より「柳のうた」~「アヴェ・マリア」、リスト「ペトラルカの三つのソネット」は十八番でもあるのか、團作品が静的な表現だとすればそれらの演奏は動的であり、エネルギーの劇的な解放を伴う熱唱は十二分に作品の本質を表現していた。
 またピアノ伴奏・平島誠也の好演も忘れてはなるまい。そこにはオリジナリティが確かに存在している。10月20日 市ヶ谷ルーテルホール 谷中優 (音楽の友2015年12月号)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿