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コメント
 
 
 
突っ込み1号 (rom屋)
2006-11-20 15:59:05
では早速突っ込みを
>経済全体にとってプラスだろう

ここが何を意味しているのか分からない。
「経済全体」とは?

そこをはっきりしないと議論が空転するぞ
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-20 16:43:15
rom屋さま

的確なツッコミありがとうございます。

確かに「経済全体」とは、我ながら曖昧です。私が言う「経済全体にとってプラス」とは、総生産が拡大することと、次いで、経済厚生が拡大すること(厳密には、個人間の効用を足してはいけない、とされていますが、大雑把に集計が可能だとして)を指している、としておきます。

rom屋さんは、タクシーの規制緩和は、しなかった方がいいとお考えですか?
 
 
 
どちらも大差ないだろう (rom屋)
2006-11-20 18:32:37
元々バイトくらいならあったわけで緩和しなけりゃそっちに行っていただけだろう。
「雇用を生み出した」とかいうのは戯言の類だね。バイト程度の給料しかもらってないわけだし。

>タクシーの運転手になってはみたものの、これではとても食べていけないという状況にある運転手さんは、どうすればいいのでしょうか?
ストライキ

さて、あとは作業員氏の登場を待ちますか
 
 
 
いきなり質問かよ (作業員)
2006-11-20 18:33:55
>タクシーの運転手になってはみたものの、これではとても食べていけないという状況にある運転手さんは、どうすればいいのでしょうか?

食べていけないのだから、転職するしかなかろう。家族がいるなら、嫁はパート、子供は新聞配達。食べていけない旨、行政に報告して、すべての税等減免措置をとる。親戚に金を借りる。自身は仏教徒になって、一切の欲を絶つ。
わしのオヤジは日雇いで、給食費が期日に払えたことがなかったが、そうやって(無神論者やが)しのいだぞ。食えない職に就いて食えるわけなかろうもん。
タクシーの規制緩和について、反対する論拠は今のところありまへん。ちと考えてみます。ただ、わしが門番をしていたセレブの家の運転手の年収は、600万でした。それ以外に、寸志が百万はあったでしょう。三十ほど年が違うその運転手は、わしのことを兄弟と呼んでくれていて、寸志の百万はわしにくれていました。その人の前の仕事は代行で、その人前科四犯でした。運転スキルはめちゃくちゃあるし、顔が今まで会った人間の中で、一番怖かったです。顔で周りの人がよけてくれるので、とても使える運転手だったのでしょう。タクシーなら、今まであった人で、一番やさしい、という演出も必要かもしれませんな。ひとまず。
 
 
 
ちょっとそれるけど (作業員)
2006-11-20 18:42:45
タクシーにしてもメーカーにしても、一番おそれているのは、急激な景気回復ではないかと思います。
偽装請負なんかで働くわけないでしょう、ええ若いもんが。他に仕事があれば、工場のラインに人はいなくなり、安月給重労働なら、タクシーの運ちゃんもみんなやめるでしょう。賃金は上昇して、労働コストはかさみます。さて、人はいない、コストはかかる、そういう業種は次の淘汰の段階に入るのではないですか。デフレの今が最高、と叫んでいるヌケサクは結構いますね。糞キャノンを調べていて思いましたが、メーカーはこぞって、トヨタ銀行をめざしているようです。それは、日本中が、名古屋化するということですね。清貧は聞いたことがあるが、こんなに吝嗇でしたかなあ、大和民族って。(名古屋人にはものすごく借りがあるので、本当はドケチ呼ばわりできない。が、彼らの金の使い方の「うまさ」はほんとすごいでっせ)
 
 
 
実際 (作業員)
2006-11-20 18:52:39
わしの住んでいる地方は勝ち組なんです。すでに人手不足による囲い込みが始まっています。突然クラッシュすることも当然予想されるが、このままいわゆる景気が回復すれば、ラインなんかほんとラリパッパーしか残らんで。慌てて外国人いれても、日本語から教えるコスト、知らんよ。
 
 
 
本題に帰る (作業員)
2006-11-20 19:05:01
『工夫は人生の欠陥を補う』

ただ、この一言が書いてみたかったので、下流を生きる知恵、なぞということを言ってみたまでだ。これで、わしの望みの九割九分はかなったので、あとは、それぞれ、知恵を持ち寄って、おせっかい、してみてください。
上記の言葉は、しらふの時があまりないが、ときどき良いことを言うわしのオヤジが教えてくれた言葉ですが、わしと違って糞オヤジは、出典に執着しないいいかげんな男なので、エジソンかも、といったところです。誰か調べてください。
ただ、この言葉、あるおねーちゃんに紹介したら、こう言われました。
「人生の欠陥って、なに?」
たぶんそれは、人格的なその、対人関係におけるその、なんというか、まあ、人生いろいろ、ということで。廃人にしかみえない俳人のオヤジのどこにでもありそうな句でもどうぞ。
年金の涙で妻の笑う
 
 
 
下流を生きる知恵 (作業員)
2006-11-20 19:29:58
男の落とし紙

よく、あの地域の公衆トイレには紙が置いていない、貧乏人が持って帰ってしまうから、などということが言われることがある。
ドロボーはよくない。たとえトイレットペーパーであっても、窃盗だ。ただ、マチキンに追い込まれている、そこの君。自分の尻を拭く紙も用意できないのであれば、紙のある公衆トイレを借りてもいいよ。でなあ、ロールは絶対に盗んではいけない、足がつくし。でもなあ、本当に困っているのなら、ケツをふいたあと、なんとなく鼻もかみたいなあ、と自己暗示をかけろ。で、ころころとペーパー引っ張って、さて、鼻をかもうと思ったけれど、鼻ぐらい、男の手鼻でもいいじゃないか、サッカー選手だっていつも手鼻かんでるじゃないか、と思いなおして、君も豪快に手鼻かみなさい。すると、手元に落とし紙が残るやろ。それを、便所の神様に感謝しながらポケットに入れなされ。それぐらい、誰も文句いわんから。そうすれば、次にウンコするために落とし紙を買う銭が浮くやろ。
いつか生活に余裕ができたら、紙のない公衆トイレに、そっと山盛りの落とし紙を置いて帰ってあげなさい。それが、便所における互助の精神というものであり、落とし紙盗んだままで、窃盗を合法化せよとぬかす、糞御手洗のような人間との絶対的な違いなのでありました。
 
 
 
さて、山さん (作業員)
2006-11-20 19:53:29
質問されたので、質問を返しておくよ。
藤原新也が本日の朝日で、こう言っている。

「子どもたちはその終わりのない競争原理と抑圧の中で疲れ切っている」

競争原理は、経済効率と、どの程度違う言葉なのですか?
子どもたちに、経済原理、経済効率を持ち込んで、本当に彼らは救われるのでしょうか?

森山大道なら、『あヽ荒野』だろ。(PARCO出版3500円)
この本の中に、猫のポーズをとる坊主頭の男の写真がある。こういう目を見なくなって久しい。寺山修司とボクシングとズージャが好きな人はどうぞ。こんな一節。
もしも心がすべてなら
いとしいお金は何になる

(そんなわけでよく遊ばせてもらった。わしの長屋にはネットがつながっていないので、応答は亀になる。ご自身の意見と、山さんとのご歓談、読者はどうぞ。元公安の北芝ごときにクラタマとの浮名ながさせやがって、片パイでももんでいれば、名が売れたのにから、まったく山さんは奥手だ)
 
 
 
おっと (作業員)
2006-11-20 20:04:47
忘れるところやった。

ついに見つけたぞ。何を。糞バエを!

月刊FACTA とかいう雑誌に、「豪華コラムニスト」が並んでいるらしい。おお、敬愛する田岡元帥もいらっしゃる。ん? なんだこの名前? 街風なんだ隆雄だ? おいおい豪華って、本物の糞にたかってたハエじゃないか街風なんとか。おいおい、どこ売っとんねん、こんな糞雑誌。
以上、本日はこれにてお開き。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-20 20:13:12
>rom屋さま

rom屋さんのような感情を持つ第三者には「どちらも大差ない」のかも知れませんが、バイトよりもましな収入で職を得た運転手さんは、そこそこの数いるのではないか、と私は思います。もちろん、生活は楽ではないでしょうし、大いに満足という状況とは違うかも知れませんが、いくらかはマシになっていると思います。

多少は、雇用が増えたことは良かったと思うなら、恥ずかしがらずにそう言えばいいし、そうでないと思うなら、論拠をおっしゃればいいのではないでしょうか。

それに、「ストライキ」でこうしたタクシーの運転手さんの境遇が改善するのでしょうか?「タクシー運転手を減らせ!」と言って、タクシー運転手が団結するのでしょうか・・・(笑)。

>作業員さま

安く使える人がいなくなる、というのは、確かに、ある種の業種にあっては「恐怖」なのでしょうね。

トイレットペーパーで思い出すのは、ある銀行に勤めていたときに、トイレのロールを盗んで家に持って帰る派遣社員のオバサンがいたことです。何となく気味の悪い人で、あまり仕事も出来なかったので、1,2ヶ月で契約解除されたような記憶がありますが、「ロール」まで盗むのは禁じ手ですね。



「人生の欠陥」という言い回しは、何を指すのか分かににくく、多義性があって、面白いですね。人生の出来事に於いて何か足りないことのようでもあり、能力や性格などの短所のようでもあり・・・。ただ、これを自分の工夫で「補う」というところに、前向きな努力の良さを感じます。
 
 
 
どうも (作業員)
2006-11-20 20:31:08
せっかくなので。
タクシーの例はあまりよくない。何故かというと、歩合でしょ。歩合の仕事の緊張は、いわゆるサラリーマンとは少し違うんでないか。タクシーの運ちゃんは、雇用か、まあ、雇用でいいがな、わしは。

わしは思うに。糞御手洗はじめ、(語るのも情けないが、)いわゆる支配層(なるものがあるとして)が、慌てすぎたと思う。
昭和は、実は貧乏人で溢れていたんだ。貧乏の平成デビューが、実は、(社会)不安の種なのよね。わしの家なんか、無年金者なんか当たり前よ。七十過ぎてもオカンは現場出てたしね。死ぬまで働くのはあたりまえ。幸せやしね、それで十分。

わしは予言するが、自分の生活レベルを下げたくない、という理由で子供を諦めた、そこそこの家庭は、性欲のおもむくまま授かった下流の子供あるいはその家庭ほどの幸せを手にできない。自己犠牲以外の子育てはない。

糞支配層の話にもどれば、リストラは首切りではなく、賃金の徹底カットからするべきだった。徐々に貧乏にならしていかねば、みんな首吊ってしまう。下流を生きる知恵がないから、平成デビューには。
 
 
 
Unknown (hiro)
2006-11-20 21:05:44
タクシーの規制緩和は消費者の効用アップという観点から評価されるべきで、失業率云々をリンク
させるのはおかしいと思います。もちろん、求職者の選択の幅を広げるので、第2義的な効果としてなら評価してもよいですが。
失業率を自然失業率まで低下させる役割を担うのはマクロの経済政策であり、いま必要なのは、
インフレ目標などのリフレ策です。
タクシー業界に新規参入してくる人が多数いながら退出していく人が少ないから過当競争になる
のですが、それは総需要が不足していて人手が相対的に余っているからであると思います。
マクロの経済政策が不十分だと、ある一部の人たちに過大な負担がかかります。
こんなときに金融を引き締めようとする日銀こそ、タクシー運転手の敵です。
それから、自由競争にさらされる人が増える一方、公務員や大企業の正社員等、不当に守られている
人がいます。
経営者の判断で会社に居て欲しい人と、本当は不要ながら労組や労働法規で守られている人が混在
しているのですが、後者の流動化を進めるべきです。
運転以外で高い能力があるタクシー運転手も多数いると思われ、そういう人が公務員や大企業の正社員となる道も広くなければ不公平だと思います。
 
 
 
「負け組」は誰に負けているのか? (kevin67)
2006-11-20 21:08:47
たとえ、稼ぎが悪くても、タクシーの運転手をやらざるを得ないような人(「負け組」?)は誰に負けているのか、ということを考えます。

私の考えでは、「負け組」の人たちは、中国のような低賃金国の労働者と戦って負けているのだと思います。

ある企業が工場を作ろうとした場合、日本語の通じる労働者を雇える日本なのか、日本語は通じないけれども格安の賃金で働いてくれる中国にしようか、とその企業は考えます。そして、その企業が中国を選べば、日本の労働者は工場での職を失い、タクシーの運転所をやらざるを得なくなります。

一方で、「勝ち組」の人たちは、例えば、IT関係の人であれば、シリコンバレーで働く人たちといかに高い付加価値を生み出すかの競争をして、彼らと(トータルの意味で?)さほど違わない給料をもらうことになります。

「勝ち組」と「負け組」と言いますが、お互いに戦って「勝った方」と「負けた方」に分かれたわけではなく、「違うところ」で、「違う戦い」をしている人たちのことだと思います。

だから、「経済格差」と言っても、「違う仕事」をしているのだから「違う給料」でも仕方がないではないか、とも言えます。

また、別の観点で言えば、世界はグローバル化しているのだから、「低賃金国の労働者と同じレベルの労働しかできないのであれば、低賃金国並の給料しかもらえないのは当然だ」ということになります。

よって、タクシーの運転手という労働が、「低賃金国の労働者と同じレベルの労働」ということであれば、誰が政権を取ろうが、その人がどんな政策をしようが、世界がグローバル化している限りにおいて変わらないと思うのですが、いかがでしょうか?
 
 
 
あはは (作業員)
2006-11-20 21:14:06
リフレ派と構造論者がちょうど出てきたがな。
山さん、がんばって。
ただし、IT業界は、偽装請負だらけの、負け組だらけ。そこは赤入れさせてもらいました。(と言っても、まだリフレの話はよう分からん。山さん、たのんだで、わし、寝る)
 
 
 
Unknown (Dialectician)
2006-11-20 22:55:18
世界がボーダレス化して、葡萄酒やラシャだけでなく、人も流動化すれば工賃・給与も内外価格差がなくなるのは当たり前ですよね、Kevinさん。
エクセレントカンパニーを気取るオヤジ等がいかにも格好いいことをいって(武士道があ~だこ~だ、日本はこうあるべきだとか文化論をぶって)コソコソ悪事を働くからいかにも許せないというわけです。“うちはそんな美しいこと言ってる余裕はない、明日の手形の決済できなきゃそれでおしまい、たしかに法律違反かもしれないけど近所の人に働いてもらうにはこれが精一杯だよ”みたいなオヤジを攻撃するつもりはあまり誰もないでしょう。

日本語がメチャ堪能で美しくなければ出来ない仕事なんて相当限られてますから(勿論それ以外にもギルド的参入障壁のある分野は残ってるでしょうが)、結局行き着くところは“立て万国の労働者”であって、安い賃金に甘んじる新規応募のタクシー運転手や中国その他アジアの出稼ぎ労働者・フィリピンの看護婦に闘いを挑んでも筋違いでしょう。むしろ格差が臨界点に達すれば、対峙するべきは資本家とそれを立法で擁護する政府ということになるでしょ(なんだか200年近く前の論点かもしれませんがね)。
どうしてもヤなら鎖国でしょ、方向としては。ただこれとて運転手同士には無意味だし、そもそも鎖国して考えられるのはもう原始共産制ぐらいしかない。それがいいという人はその人の勝手ですからご自由に活動なさればいい。まあ鎖国しても楽に生きていける人は少数かもしれませんから、大勢の日本人が出稼ぎで海外に出るしかなくなる。でも日本語しかできないなら出て行くことすらできない、そんな悲哀がある。
勿論鎖国もAllOrNothingじゃなくていろいろ微調整するでしょうが、基本的にはそういう構図だと重います。
それにしても、タクシー運転手のストライキというのは画餅でしょう。労働法だってNoWorkNoPay原則が基本だから、多少余裕のある運転手さんしかストなんかできないし、それじゃ効果的なストになる訳がない。余裕あるなら雇われタクシー運転手が楽しくて楽しくて仕方がないという人以外、やり続けないのではないでしょうか?(ホントにそんなに過酷な仕事ならね、よくは知らないけど)

話違いますが山崎様、今日は株がホットでしたからトラックバックさせて頂きました。ほかの高尚なバックで1日で消えると思いますがお邪魔します。
 
 
 
タクシー運転手の時給について (rom屋)
2006-11-20 23:35:43
タクシー運転手がどの程度の年収を得てるのかは知らないが、↓のサイトに拠れば
時給800円*20時間*15日(一日おき)=24万円
程度らしい。
http://1293.hito.thebbs.jp/one/1139127768
深夜手当てや残業手当てを考えたら時給は幾らだろうな?
バイトのほうがマシじゃね?といったのはこういう事なんだが。
こういうのは「不当」というのではなかったか?

普通、ストライキは「賃金上げろ」と要求するもんだがな・・・
規制強化デモはやっているようだ。
http://www.zenjiko.or.jp/seisaku/c_34.htm
まさに「タクシー運転手へらせ」デモだな。

上記サイトにあるように、すでにタクシー運転手に余裕はない。
まぁこうなったらフランスみたいに暴動一歩手前だな。
ストがだめなら暴動しかないねぇ。
 
 
 
Unknown (hiro)
2006-11-21 02:36:54
テーマであるタクシー業界は、理髪店などと同様、直接は海外と競合していません。運転(散髪)という技術だけみれば途上国の人と変わらないのに、なぜ途上国の人よりはるかに高給を得るのかというと、人は、より高給を求めて国際優良企業(キャノンなど)に行こうと思うので運転手や理容師の供給が減り、需給の法則により運転手(理容師)の給料が上がるからです。

髪の毛を家族に切ってもらうことが一般化しない限り、髪の毛を切ることで生計が立てられる水準で価格が決まってくる。

国際優良企業が海外での競争に負け、トヨタやキャノンの社員がワーキングプアになり、散髪料の節約のため髪の毛は鏡を見ながら自分で切るようになれば、理髪店は潰れます。同様に、タクシーに乗る余裕がなくなり歩くようになれば、タクシー業界は壊滅です。

この場合、日本の理容師(運転手)が途上国の理容師(運転手)に負けたとは言えない。国内の散髪需要(タクシー需要)が減り価格が下がったから退出したのですから。

一国の経済は相互作用を伴った大きなシステムなので、個別の業種や業界を海外の途上国との競争と捉えるのはナンセンスだと思います。

以上は、kevin67さんの発言を受けてのものです。

さらに、
海外との競争に負けて滅んでいった会社、業界はこれまでもたくさんあった。当事者は大変だったでしょうが、調整の時間を経て別の分野に移ることで対応してきた。これまではできたことが、今後はできなくなるという根拠はないと思います。

実際に苦労している当事者への配慮は場合により必要でしょうが、消費者の効用が増すのであれば推進すべきだと思います。
 
 
 
関係の無い話題ですが (ny)
2006-11-21 04:37:51
法人税の値下げが検討されていますね。実効税率40%から30%というのは、先進国の中ではかなり低いようです。
ここまで下げると「税金が低いから」という理由で日本にやってくる企業もあるのかもしれません。
(アジアにはもう少し低い国もあるようですがインフラその他の面では日本という国はそれなりに魅力でしょう)

また、ここ最近株価が少し下げています。理由として証券税制優遇撤廃前の駆け込み売却があげられています。
需給による株価変動などはどーでもいいことなのですが、どちらも投資と大きくかかわる話なので、これらのことに関して記事を書いていただけたらなあと思っています。

自分の意見としては証券課税は、基本的に無しでいいと思っています。
特に配当は二重取りが指摘されていますし、なにより
配当への課税を理由に「配当すると二重課税になってしまってもったいないんですよ」という口実を経営者に与えてしまって、その結果、無駄に現金を積み上げ、資本効率が下がるという悪循環が発生しています。
こういった面は明らかに税制が影響を与えているといえるでしょう。

また、無駄に現金を持っている事で経営者へのプレッシャーも少ないように思います。通常であれば不要な現金は配当にまわし、お金が足りなくなれば借金をするというのがまともな経営です。
しかしここ数年、超低金利であるにもかかわらず借金はどんどん減って行くという奇妙な現象が起こっています。
これらの問題は税制で直せると思いますがどうでしょうか。
 
 
 
お手柔らかに! (床屋政談)
2006-11-21 05:20:45
山崎さん こんばんは

タクシーの件、私も個人的に気になっていました。

まず、「このままじゃ食えない(だから、お上がなんとかすべきだ)」というのは、私は嫌いです。

hiroさんの触れたように、ある業態が全体としては衰退する事は、いつの時代もどんな業種でも、起こってきたことです。それを、「なんとか」しろ、と言われても無理でしょう。
また、自分で考えない対症法は、そもそも対症でさえなくて騙される結果になっていることが多々あります。
逆に言うと、自分で考えた対症法で生き残ることは多々あります。たとえば喫茶店界は、いまスタバやドトール、ファミレスなどに押されていますが、
とびきり美味しい珈琲・紅茶・中国茶を出す店がネット小売もしつつ地域ニーズもつかんで生き残っているということはありえます。(いわゆる普通の喫茶店が減っているのは個人的に寂しいですが、日本の珈琲・紅茶・中国茶のレベルは上がり、高級品すら従来より気軽に一般人が手の届くものになってきていると思います。日本茶は…!?)

そこでタクシーですが、第一にタクシー台数の量の自由化を先行させてしまっているのが問題ではないでしょうか。もっと多様に、道路事情にとても詳しいタクシーとか、乗り心地がとてもいい寝られるタクシー、成田空港まで一定額のタクシー、などなどが、もっともっとポピュラーに且つ街で一目で分かるような環境整備も含め、質の自由化をはかるべきでした。禁煙車専用のタクシー乗り場とか、長距離しか乗せないタクシーとか、無いですよね。
第二に、ストライキをするなら(車を増やすなと流入規制を訴えるのでなく)、ほぼ談合のようなタクシー会社の取り分のピンハネ割合を下げるようにたとえば訴えるべきだと思います。車の数を増やした会社が、運転手の数さえ増やせば儲かるという、それ自体が隠された政治的な力を疑わせる現状です。第一の質の自由化をストで訴えてもいいでしょう。カーナビの装着の有無や性能の高低を自分で選べるよう訴えるとか、クレジットカード装着はたいして儲からないから止めろとか(タクシー会社はカーナビやクレジット決済機の装着でまたピンハネするそうです。ご存知でしたか?) 禁煙車は運転手の健康を考えても、もっと増えてもいいかもしれません。
タクシー業にしがみつくほどに誇りがあるなら、タクシーが世の中にとってもっと快適になるような「構造改革」を訴えるべきでしょう。
(タクシー起業も以前より容易になって、ぽつぽつ新会社も出来てきたようですが、)その意味で、8~10年かかる個人タクシー免許の申請資格年数は、まだ長すぎると思います。

ついでに、
(私は隠された政治力の行使は不当だと思いますが、
オープンな政治力で「公権力」を求めることは、それほど悪いとは思えません。求める規制の内容や制定過程がオープンなら、言論の市で、その正当性が磨かれます。たとえば韓国の映画は外国産から国によってある程度保護されていますが、結果ですぐれた作品を育んでいるから許されると、韓国民は理路としてそう判断しているのではないでしょうか。)

最後に、時間が質を育むということはあると思います。
「いくらなんでも量の自由化が急すぎて質が荒れた」と考えるか、「もうしばらくで落ち着き、質の多様化も豊かになる」と考えるか、、、どうなんでしょうか? 
両方いえると思いますが、私はここでは前者の面もある程度大きかったのでは、と強調しておきたいと思います。
 
 
 
需要と供給 (ny)
2006-11-21 05:25:20
せっかくなので議論に参加してみます。

効率的な市場経済では参入障壁が無ければ、需要と供給で労働者の給料も決まると考えられています。

hiroさんの考えもそれにのっとっているようですが、より原則に近いように考えるなら、難易度の低い仕事で規制が撤廃されるとプレミアムが剥がれ落ちて、タクシー利用者の需要に応じた供給量まで運転手がへると考えられます。

運転手の数は、
「最低限生活できるレベルの給料×運転手の数=利用者の支払う料金-タクシー会社の取り分や税金」
という感じではないかと思います。
当然、客の落とすお金が減れば運転手の取り分はヘリ、他の仕事ならもっと稼げるという人は仕事を辞めるので数が減ります。運転手の数が減ればその分一人当たりの取り分は上がります。
その結果、最低限生活できるレベルの近辺で給料は推移すると推定できます。

医療で株式会社が嫌がられるのも競争により医者の取り分が減るからだと思われますが、医者になるための難易度は高いので、上記の式の左がわで職に就くための難易度も考慮する必要があります。
タクシー運転手が簡単な仕事かどうかは良く分かりませんが、ここではそのように議論されていますので、簡単な仕事で得られる給料=最低限生活できるレベルの給料としました。

最近の言葉で言えば、最終的はある職業の給料は付加価値できまると言い換えてもいいと思います。付加価値を創造するのは難しいので、難しい仕事ほど給料が高いと単純な答えが出てきます。

客を望む場所へすばやく運ぶという事に今以上に付加価値がつけられ無いのであれば、イケメンが運転手とか、メイドが運転手とか、車がベンツ、面白いブログを書いて常連客を作る、忙しい人用に車での移動中に食事や散髪やマッサージなどが受けられるようにする、など小手先で付加価値をつけざるを得ないでしょう。(それでうまくいくかどうかは分かりませんが)

いわゆるニッチが儲かるというのは、需要と供給のバランスが崩れた業界を探す事ができれば、さほど難しいことをしなくても儲かるというものなのだと思います。

唯物論的にドライな意見を言うのなら、自分は運転手ではないですし、友人にも運転手はいないので緩和されて良いと思ってます。
タクシーに限らず、規制でプレミアムのついた料金を支払うのは嫌ですし、プレミアムのついた給料を貰っている人がいるのも嫌だしずるいと素直に思います。

>それでは、たとえば、タクシーの運転手になってはみたものの、これではとても食べていけないという状況にある運転手さんは、どうすればいいのでしょうか?

この答えは「一人暮らしならどうにかなるだろう。奥さんや子供がいたら生活できないから仕事を変えたほうが良いかも」となると思います。

独身の運転手は少ない給料でも生活できますから、給料レベルは「一人で最低限生活できるレベル」が基準になると思います。

なので「奥さんが専業主婦じゃなければ大丈夫なのでは?」とか「副業を持ってお金をためて株をやってみては?」というのも答えになると思います。

長々と横槍を入れてしまって失礼しました。
 
 
 
Unknown (maitake55)
2006-11-21 10:07:42
こんにちは!

個人タクシードライバーの
気持ちになって考えてみました。
・・・
オシボリを出し、お客が好みの音楽を選べるように
してみました。完全禁煙はもちろん、
女性客向けにアロマも準備してみました。
でもふと思ったが、99%の客とは、おそらくもう2度と会うことは無いであろう。リピーターになってくれることはほとんどありえないだろう。他のタクシーとの差別化を図るにはやはり価格での競争しかないのだろうか・・・
それとも徹底したコスト削減か。税率も燃費も良い軽自動車でタクシーってのも一案か。やはり睡眠を削って営業時間を増やすのが今日からできるてっとりばやい売上アップの方法か・・・


というわけで
上記で作業員様が指摘されているように、ほとんどが歩合制契約であるドライバーの人たちにとっては、自分は雇用されているのだ(雇用という言葉は安泰、安定というイメージがどうしても付着してきます)そういう意識はあまりないのかもしれません。江戸時代の棒手振りのように、車一つ身一つで日銭を稼いでやれ、というような「今日する仕事はあるが守られているわけではない」もしかしたらそんな意識が大きいのかもしれません。
そう考えていくと、いま居る業界でどうやったら食っていけるか、よりも、
食っていけなくなったときに他に移って勝負をやりなおす意欲と能力があるか、
という思考のほうが、個人にとって重要な場合も多いのではないか、と思えてきます。
(個人的には、規制で守られている古い体質の業界は、磨かれていない人材が多い分、能力のある人にとっては勝ちやすい労働市場ではないか、などと思っています)

それから、ふと、規制緩和が為された金融業界においては、雇用の総体は増えたのだろうか、という疑問が湧いてきました。

雇用についての話は教育や恋愛と同じで
誰もヒトゴトではいられない分野なので
議論は白熱しそうですね。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-21 13:34:37
皆様

「格差」というテーマへのご関心もあってか、あるいは作業員さんへの敬愛の念もあってか、予想を上回るペースで、しかも一本一本が充実したコメントを頂いていて、喜ばしく思っています。

「格差」の問題は、一回で片付く問題ではないでしょうから、角度を変えながら、いろいろにアプローチしてみたいと思っていますが、先ずは、論点がたくさん出てくるといいなと期待しています。

ここまでの所で主要な論点の1つとして、海外との競争の問題がありました。

私は、サミュエルソンの要素価格均等化定理というほどのものではなくても、貿易(財)を通じて(便利でもあり、おそろしいことでもありますが、デジタルに乗るものはサービスも貿易可能です)当該財に関わる労働者の労賃が均等化の方向への圧力を受け、この労働者と代替的な労働者の賃金が労働市場を通じて、賃金を均等化させていく(取りあえず実質価格ベースの話をしています)、というような一種の「重力」が労賃には働いていると思います。

従って、労働者ベースでは、運転免許くらいが参入障壁のタクシーの運転手さん(しかも、乗る前にはいい人かどうか区別しにくい)は、他の労働市場であふれた労働者と競合しやすい、ということが言えるでしょう。

労働する個人を、自分の労働力を商品として売る商店のようなものとして考えると、どのようにして、他人の商品と単純に競争せずに済む商品を売ることが出来るか、という辺りがポイントになりそうに思えます。

金銭的成功でいうと、他人の労働をピンハネできた人には敵わぬとしても、個人ベースで成功している労働者は、商品の差別化に成功したり(人気商売の場合「個性」)、参入障壁の向こう側に逃げ込むことが出来たり(公務員や規制業種の正社員)した人、ということになります。

タクシーの運転手さんの場合、参入障壁のごく低い立地条件で戦っているので、一つの考え方は別の立地に転戦、つまり転業する、ということでしょうし、もう一つの考え方は、タクシー収入を生活のベースとしつつ、何らかの副業(奥さんのビジネス化なども含めて)を持って、収入を補う、といった方向性でしょうか。

尚、金融業にあっては、雇用はかつてのピークよりも随分減っているでしょうが、その分、現在、中途採用が活発で、条件も随分いいようですね。ただ、個人間の競争は、今後ますます激しくなるように思えます。

一方、投資銀行のように、個人の「商品」が代替しにくい(たとえば特定の客を特定のセールスマンが持っているので)商売になると、粗利に対する労働分配率を上げることが出来て、会社の搾取を個人が取り返すようなことも起こりますね。
 
 
 
月はどっちにも出ている (作業員)
2006-11-21 15:08:44
規制緩和があるならば、規制強化もあるだろう。
たとえば、名前を出して悪いが、長野五輪でアムウェイなるマルチなビジネスを社会的に認知してしまったことが、以後のネズミ講花盛り社会を到来させてしまったと思う。
このマルチ系ビジネスについて、責任の半分は、エコノミスト経済学者等にあると思う。12481632な話は、やがて破綻する、はずだが、うちだけは儲かる、ということをチガーウと論理でうちまかしてやらない、ではないか。最近見た広告では、国会議員がマルチの勧誘してたぞ。
わしが一人寂しく、深夜のファミレスで旬ペーターを読んでいるとね、まわりは、マルチに目の色変えた老若男女、その他は、宗教の勧誘、あとは行くところのない字の読めないチンピラ。世は末法の世やろ。

規制緩和に名を借りて、建築審査確認等事業をセーワ会利権にしてしまった、アホ政党もあるわけやし。「社会全体」とか言うのは、確かに時間の神様の判断を待つしかないかもね。

医療を株式会社化して、医者が連合に入る日を夢見たことがあるが、どうも福祉は国の仕事のように思うなあ、年とったよ、わしも。

農業は自分がやっていたので言えるが。全然エコ産業ではなく、自分の家だけはこれぐらい農薬使ってもいいかなあ、とか考えるエゴ産業やから、ここに、糞御手洗的守銭奴いれるなら、水俣を覚悟するべきやろうね。倫理はもう決着がついとるやろ。(個人も法人もダメという為体)

タクシーの話は、屋台を引く話に近いと思う。屋台からワタミに負けないチェーン店へ、というのは、事例としてあるけれど、屋台の組合に入るのに、百万はいるし、地回りに挨拶いかないかんし、まあ、参入障壁と呼んでもいいが、起業も覚悟が必要ですな。
乱文許せ。
 
 
 
メモ風 (作業員)
2006-11-21 15:33:20
ドーマーの公債命題から
公債利子率が名目経済成長率よりも低ければ財政は破綻しない、からして、総需要の不足を解消し、成長率を安定的なものにする有効需要政策をとるべきだ。それは、インフレ目標を設定し、超金融緩和政策を継続するマクロ政策を手段としてとらんといかんのや。

というのが、一つの考えか。
メディア露出の多い人の中に、リフレ派は少なく、森永さんぐらいなのだが、森永さんはリフレ派というより下流オタクの星、なので、政策論争にならない、そうで、微笑ましい。なんとも、スパらしい話だ。

藤原新也の子供の話だけど。後半語られているのは、東大解体の話だ。山さんも出身者なので考えてみてほしい。
東大出のなにがいかんか、というと、庶民の脳みその程度がよくわかっておらんこと、がいかんのこと、なのだ。で、突然、あいつらは字が読めんとか日経が読めんとか言って、わしに怒られてしまう。

一例を出すと。
量的緩和、の説明において、以下の一行を入れてくれるだけで、理解が十倍進むわけです、庶民は。
「金融機関は、法定準備金を超える部分については日銀当座預金から自由に引き出せる。当座預金には、利子がつかない」
ああ、利子がつかんから、運用でもしてみるか、になるのか、と合点がいくわけね。山さんも庶民への論説が増えて行くと思うので、聞く側のレベルにもかなり神経つかわんといかんようになるやろねえ。ま、わしのおせっかいでした。
ちなみに、評論家は頭がよすぎるといかんのやと思う。竹村健一ぐらいがちょうどよくて、大前研一になると、誰も話聞いてないやろ。
 
 
 
下流を生きる知恵 (作業員)
2006-11-21 17:22:01
男のフィリピン

先輩になかなかの豪傑がいたのだが、いかついサークルに入っていた人だったので、あまりお付き合いはしなかった。その先輩は就職して、フィリピンバブに頻繁に通うようになり、一人の女性にいれあげてしまった。そしてついに、結婚する、と言い出し、親戚中の大反対をくらってしまった。そういう噂を聞いて、ちょうどパツキンとつきあっていたわしは、大変だろうなあ、どうするのかなあ、と思っていたのだが。数年経って、こういう話を聞いた。
先輩は、仕事を辞め、勝手に家の財産を処分して、嫁さんの故郷フィリピンに渡った。そして、小さなバス会社を起こして社長をしている。豪傑はどこまでいっても豪傑なのだなあ。
議論の中に一点抜けていることがあると思う。円は今なお十分に強い。さっき、インドネシアに別荘を持っている知り合いに管理費を聞いたら、百五十万と言うので、結構かかるんですね、と言うと、「何言ってんの、円なら二万よ」、と笑われた。
円が稼げるということで、我々はすでに十分に有利な地位にある。そうじゃないか? 昔、弟子入りしようとまじめに考えたことのある上岡龍太郎師匠は、本当に頭のいい人だった。上岡師匠はこう言っていた。
「私は東京で稼いだ金を大阪でしか使わない。それで、倍の物が買える」
当然、トヨタや糞キャノンの留保している円の、使いで、についても吟味する必要がある。そんだけ円があれば、なんでもできるやろ。ベトナムぐらい買えるでしょうなあ。ただ、ドイモイと言っても社会主義国、なんとなく、糞御手洗はしっぺ返し食いそうな気がするなあ。
ちなみに先輩ほどの豪傑でなかったわしは、パツキンを追って海を渡ることはありまへんでした。しょぼーん。
 
 
 
ヘイ!タクシーな話も (作業員)
2006-11-21 21:21:29
デイビッド・フリードマン
最低賃金の引き上げは、企業に対する増税と同じである。

山さん的には、このあたりが落としどころなんやろねえ。わしは、最低賃金を厳格に守らせるのも、ひとつの手と見た。
運転手、三万、増えたそうやが、純粋に失業者が職を得たのは、何人かなあ。まあ、雇用創出は間違いないと思うが。生存権に関わる問題があれば、国家は出向いていかねばならんやろ。おそらく、なんらかの軽い規制が今後かかっていくのでないか。
ざっくり言って、他業種との比較、月二十時間多く働いて、収入は年に二百万少ない。運ちゃん、かつて横山やすしに、雲助と呼ばれていたが、それなりに魅力のある仕事、ともとれるなあ、本当に逃げ出せないのか? 事情は察するけど。
しっかし、雇用創出三万って、えらそうなこと言える数字か? 中ガマ失礼、中川さんよ。ゲロゲーロ。では、寝ます。
と言いながら、参入障壁がなくなって、高卒の女が全員ヘルスで職を得ました、というのでは、とほほ、ではあるやろ。完全歩合で。最低賃金に抵触して。
 
 
 
イエローキャブ (作業員)
2006-11-21 21:35:23
補足
偽装請負で働かされていたり、売春島で管理売春させられている人間については、おめこぼししている公権力のケツ蹴飛ばして、なんとか助けてやれることもあるかと思う。
ただ、彼ら彼女らが、職を移って、偽装請負や売春といった仕事より手取りが減ったじゃないか、と怒鳴り込んできても、それについては知ったことではないし、彼ら彼女らが、また再びそういう職場に帰っていくのを止めることはしない。そこまでの義理はなかろう。ま、はじめから胸がでかくて愛嬌のあるおねーちゃんの世話しかする気ないし、わし。山さんは、誰の世話もする気ないし。そういう意味では、山さんは確かにあっぱれだ。では落ちる。
 
 
 
私はタクシー運転手の倅 (雪渓)
2006-11-21 23:57:40
 私はタクシー運転手の倅です。父は60過ぎた今も嘱託扱いで運転し続けています。あと一年で隠居するそうです。同じ会社で35年以上もタクシーの運転を続けるなんて奇跡のようなキャリアです。そうやって4人の子供を育て上げ、同居する老親を見取り、持ち家と一軒の貸家を手に入れました。
 父親が運転手になった35年昔、カミカゼタクシーなんて言葉があった頃は、稼ぎたければタクシーの運転手になるとよいと言われていたそうです。今では信じられませんが、一昔前の佐川急便のようなものだったのでしょう。この頃父は自宅と貸家を買いました。
 バブルの頃には破産した中小企業の社長がする仕事になっていました。92年に奨学金の申請に用意してもらった源泉徴収を見ると年収450万円程度でした。今はその半額程度です。(勤務時間も少ないのですが)所帯持ちで勤まる仕事ではありません。私の父親は幸せでした。
 これからの運転手が進む道は、かつてのいわゆる「雲助」に戻るしかないように思えます。質の低下は極限まで進むはずです。道がわからない運転手どころか、ボッタクリタクシーや、しまいには客を拉致監禁するような運転手がちらほら出てくると思います。あと5年以内に女性一人でタクシーに乗るのは危険と言われる時代が来るかもしれません。
 スーツを着て、白い手袋をして制帽を被った運転手がいた時代が異常だったのです。かつての雲助に戻るのは自然なことだと私は思います。
 
 
 
高齢者社会だけど (ミランダ)
2006-11-22 01:15:38
これからタクシーに乗る人が増える見込みも全くないのですかねぇ。あれば近年出来たポイントカード以上(コストがかかるのは考えられないから何かと)ちょっと未満のサービスでも考えてみる価値は少しありそうですが。完全にバブルの話だとは思わないですが、建築系の仕事の人が乗らなくなって暇になった、とも聞いた事があり、昼間のドライバーの人は何て言ってたか(乗る方ではないからよく思い出せないのですが、でも昼間は昼間で人は動くので何か案はありそうですよね。地方には観光地を作ったりしてるし)高齢者はバスに乗るかも知れないけど、夕時の買物はどうかな、暗いし危ないし、んー話がまとまってなくてすいません。また考えます。作業員さんの企画が出来ておもしろいですねぇ☆おめでとうございます。
 
 
 
割と話は単純で (yokoyari)
2006-11-22 02:52:25
食えないなら犯罪に走りますね。
拉致タクシーが出てきてもおかしくないですね。

失うものをなくした人は恐いですよ。
誤解を恐れずに言えば貧困層は犯罪者予備軍なので
そういう人が大量にいる現在は、安心して暮らせない社会です。

副業とか差別化とかを言ってますが
結局サプライサイドをどうしようとデフレだから
需要を増やさないとどうしようもない
というのがこの5年半の結論でしょう。
いまだデフレ脱却できてないのがその良い証拠です。

でも政治に期待は出来ないし
10年後の日本はどうなってるんですかね・・・
今のうちに逃げたほうがよさそうな気がしますね。

 
 
 
Unknown (hiro)
2006-11-22 02:59:57
山崎 様

>サミュエルソンの要素価格均等化定理というほどのものではなくても・・・一種の「重力」が労賃には働いていると思います。

教科書に、生産関数が同じなど厳しい仮定のもとで云々とあることですし、要素価格均等化定理で賃金に低下圧力が働いていると強調されるのはどうなのかなと思います。当然ながら、要因のひとつではあると思います。

経営者は利益最大化のためにコストは切り詰めたいと
常に考えており、競争は海外も国内同業他社も区別はないと思います。

昔(高度成長時代)も同じで、儲かっていたから従業員に甘かったのではなく、好況で人手不足だったから条件を良くせざるを得なかった、あるいは、条件を上げても従業員を確保したほうが儲かったということ。

現状は、雇用条件を下げても人はいくらでもいるから、経営者は利潤極大化のためそういう行動をとる。なぜそんな状況かというと、供給能力に対して総需要が不足しているからでしょう。

企業は合理的に行動していても(合理的な行動だからこそ)、従業員の給与低下という国として望ましくない状況が生じているときこそ、政府・日銀の出番であると思います。

個人や企業は、インフレでもデフレでも、そんなのに関係なく、効用アップ、利益アップに向け努力するだけです。

ただ、マクロ経済が順調なときに競争に負けたら言い訳ができないので、負けた人には過酷かもしれませんね。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-22 03:26:26
>作業員さま

デイビッド・フリードマンとは、なかなかツボにはまるものを引用されますね! ただ、どうでもいい話ですが、彼は、あのオヤジさん(ミルトン・F)とオッカさんの息子で、親の教えのとおりにケツの穴を引き絞ったリバタリアンなわけですが、彼には反抗期があったのか、或いは、彼の自我の成長はどのようなものだったのか、と思うと、「自由のためのメカニズム」といった本は、ちょっと痛々しい感じがしなくもありませんね。

尚、胸の大きな女性の救済はお任せします。私は、胸が大きくなくてもいいので、及ばずながら、残った方々向けに人生相談でも致します。

>雪渓さま

コメントありがとうございます。タクシーの運転手という職業にも、変遷があるのですね。

報酬が下がると、仕事の質が下がる、ということは確かにあるでしょう。嬉しくはありませんが、やむを得ない、ということではないでしょうか。もちろん、利用者側にも、工夫や覚悟が必要になりますね。

何はともあれ、家族を養ってきたお父様が、これからも安全にお仕事を続けられることをお祈り申し上げます。

>ミランダさま

一方では、タクシーの運転手がもっと幸せであって欲しい、とは思うものの、他方では、夜中も電車を運行してくれれば、たぶん、繁華街はもっと活性化するだろうし、何よりも便利だろうな、とも思います。

>yokoyariさま

お久しぶりです。また、作業員さんと一緒に遊びに来てくださいね!

>hiroさま

要素価格均等化定理がそのまま当てはまるとは思いませんが、ご理解いただいているように、あの定理のアイデアに近い力が働いていると思います。

そこでは、デフレとかインフレといった大まかな問題とはまた別に、実質的に国際的な競合に晒されやすい職種と、そうでない職種の「差」がある、という認識が大切なのではないかと思います。

切実な問題としては、タクシーの運転手さんに限らず、政府が思うように機能してくれるとは当てにできないので、自分でどうするか、ということを考えなければなりません。

また、この問題は、相対的にマクロの政策や状況がマシな場合でも、やっぱり、個人にとっては重要なポイントだろうと思います。
 
 
 
そもそも (yokoyari)
2006-11-22 04:00:06
タクシー運転手は外国のタクシー運転手と競合してるんでしょうか?
そんなわけないですよね。だって私は「外国の」タクシーに乗れませんから。
タクシーにおいて海外との競争を考える必要なんかないでしょう。
例えば他にも、ご飯屋さんは海外にも幾らでもありますが
私は「海外に」食べにいけないので、この場合も比較するのは国内だけで良いのです。
その企業は本当に海外との競争をしているのかってのを
考えないといけませんね。

サミュエルソンは知りませんが、リカードの比較優位説なら知ってます。
というか、こっちのほうが一般的なのでは?

>政府が思うように機能してくれるとは当てにできないので、
んー、政府は税金だけ取って「頼るな」と。
楽な商売ですねぇ。
 
 
 
Unknown (hiro)
2006-11-22 04:13:20
100人でマラソンすれば、1位から100位まで順位が付く訳で、その中では、サボったから順位が低かったとかもっと頑張れば上位に行けた、とかはあっても、1位から100位までバラけるのは避けようがないわけです。

>それでは、たとえば、タクシーの運転手になってはみたものの、これではとても食べていけないという状況にある運転手さんは、どうすればいいのでしょうか?

がんばれ、工夫しろ、頭使え、客待ちの間に英語勉強して転職、と言ったところでうまく行かない人はいるわけで、転職したらしたで転職先で他の人が失業したりするわけです。

個別の業界を効率化しようがしまいが(もちろん、したほうがいいです)、経済全体では一定の失業率になるのですが、どうせ失業をゼロにできないなら、なるべく低い失業率で、かつインフレを加速させない失業率に近づけるのがいいだろう、ということになると思います。

今ここでの議論はタクシー運転手の話しであって、マクロは別だ、と切り離すのは生産的じゃないと思います。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-22 04:46:08
>yokoyariさま

タクシーの運転手とは限りませんが、たとえば、衣料品を作っている過程で単純な労働に従事する労働者同士は、衣料品の貿易を通じて、競合していますね。タクシーの運転手とこの衣料品の労働者が代替的であれば、たとえば、国内の衣料品の工場からあぶれた人が、タクシーの運転手になる、といった形で、間接的に競合することになります。

上海のタクシーと東京のタクシーが直接競合しなくても、こうしたことは起こりえますね。

あと、もちろん、政府が頼りにならないのは、私のせいではありません(笑)。

もっとも、どういう具合に制度を設計すると、政府がよりマシになるか、ということは、大いに考える価値がありますね。なかなか簡単ではないと思いますが・・・。

>hiroさま

別に、hiroさんのことを言っているのではないのですが、「マクロがこうなればいいのに」という話にばかり目が行って、それ以外のことを考えなくなる、或いは、それ以外の事を軽視したがる、議論が時々あるのです。そうした議論に付き合ってしまうと、例えば、タクシー行政の効果について正確に議論できなくなって、ツマラナイ、と私は思っています。

また、ここでその問題を深く論じたいとは思いませんが、「個々の業界の効率化とは独立に、経済全体で一定の失業率になる」ということは無いと思います。(それは失業率は生産関数の形に無関係だ、という議論になりますね。或いはジョブシェアリングという制度があるかないかは、失業率と無関係だ、というのも直観的に変ですね)

もちろん、マクロはマクロで大事ですが、ここでは、もう少し別の問題にアタマを使ってみませんか?デフレが解消すればいいのに、というところで、思考停止してしまうのは退屈です。

それに、現実問題として、政府が常にベストのマクロ政策を採るわけではないのだから、その場合に、何をするか(制度問題も、個人の選択の問題も)という問題が現実的には大事なのではないかと、私は、思っています。

ご不満ですか?
 
 
 
私もhiroさん派ですね (yokoyari)
2006-11-22 08:43:43
海外と競合してる業種は多くないので無視できるレベルでしょう。
輸出入のGDP比は大したことないので。

hiroさんが言いたいのはこういうことではないですか?
タクシー業界が頑張って食えるようになったとしても,
それは結局別の業界を食ってるだけでパイの拡大にならず、他の業界で同じ問題が起こる。
それは語る意味があるのか?と

あと、個人的には下流社会と犯罪率についても語って欲しいですね。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-22 10:49:35
yokoyariさま

タクシー業界はどう頑張れば食えるようになりますか?景気の上下で程度は変わるでしょうし、転業をするにも景気がいい方が楽ですが、「頑張って食えるようになったとしても」という仮定の内容と現実的可能性には興味が湧きますね。

私の関心事は、主として、個々のタクシーの運転手さんがどうすればいいかにありますが、業界として全体が十分に食えるようになるなら、それも一つの選択肢でしょう。



貧困と犯罪については、明らかに正の相関があるでしょうが、その場合の「貧困」が、絶対的なものなのか、相対的なものなのか、等、私は知りません。

ただ、一般論として、所得再配分を、相対的高所得者の側から見たときに、安全のコスト、と見る見方はありますね。この理由は、払う方も、貰う方も、人間的には気持ちよくありませんが、現実の一側面ではあります。



労賃における海外との競合については、これをリアルに感じている人と、無関係だと感じている人と、人によって「実感」レベルで差があることが、今回なんとなく分かりました。

それぞれ生活なり、知的に構成された世界なりの「実感」や「リアリティー」に基づいているので、多分、一方が他方を説得するには、相当に巧みな表現力が必要なのでしょう。
 
 
 
文学性は必要よ (作業員)
2006-11-22 14:44:09
しょせんは言葉の世界で生きているわけであるからして、誰かを説得する必要はないが、イメージの喚起は大切なのであると思う。
敬愛する作家の表現を借りると、鳥の目と蛇の目、ということになる。山さんたちはいつも、鳥の目で世界を見ているし、地をはっているわしなんかは、蛇の目でしか世界を見られない。が、ときどき机上の遊びにもつきあいたくなって、無謀にも山さんとか、からかってみたりする。
で、わしは、マクロと極私的ミクロの話が渾然となっている今の議論の状態でいいと思う。もちろん、わし個人はそこのところ厳格に分けて書いてきたのだけどね。日経は読めても、生きている世界は違うのだから、このエントリーは、玉石いっしょくた、でいいじゃないか。もちろん、石はまざってないけどね。立派なもんだ、みなしゃん。

で、おそらく、「フリードマンは古い」ということがかなり言われるようになると思う。筑紫が言っているのには笑ったけど。人の死というのは、決定打になることが多い。中上健次が死んで日本文学が死んだのと同じだ。ま、わしは含羞の人なので、そろそろ新しいエントリー書いてくれんと、チンコが縮むじゃないか。
と言うものの。みなしゃんに一つだけ提案しておく。こらえ性のない山さんが一番嫌いなのは、
「人に指図されること」
だということを感得したわしであるからして、そこだけはよろしく。「アンチナショナリズムについて、はよ書けやタコ」とか、間違っても言ってはいかんよ。
 
 
 
既出なので (yokoyari)
2006-11-22 14:48:44
すでに皆さんが答えてらっしゃるので繰り返すのは
野暮でしょう。

他の業界に飛び火したら同じことの繰り返しで
いたちごっこですね。
そこに関してどうお考えなのか逆にお聞きしたいですね。

まさかサプライサイダーのセイの法則を信じていらっしゃるわけでもないでしょうし「皆が頑張れ!!」とは言いますまい。
 
 
 
読書記憶から (作業員)
2006-11-22 15:03:56
岩井だったと思うのだが、はっきりしない。
「国内に下層最下層被差別民をかかえている国には、そのことによる成長ドライブがある。」

というような議論がなされることがある。中国がまさにそれで(日本なら金の卵か)、中国に詳しい友人に聞くと、中国の格差は百年経っても同じだろう、ということだ。農村から廉価な労働力が恒常的に供給されるので、そのコストについての心配がなく、競争力を保ったままだ。当然、はい上がるためのアニマルスピリットに満ちた起業の鬼も現れるだろう。

偽装請負について調べていて思ったのだが。おそらく百万の単位で違法状態で働かされている労働者がいると思う。この労働者に二人の親がいるとして、関係者は三百万とするか。この三百万の人間が、もしも、字も読めない法律も日経も読めない、としたら、アフリカの海岸から買ってきた奴隷じゃないか。
糞御手洗のような経営者は、国内に下層最下層被差別民を抱える強い競争力を持った国を、必死こいて作ろうとしているのではないか。それこそが、美しい国、なのではないか。

本日の新聞によると、日本の男女間格差、世界で79位。この性奴隷に加えて、偽装請負奴隷がいるわけやね。立派な三等国だなあ、まったく。
だいたいよう、権力関係にある男で、「な、させろよ。させてくれよ。嫌いじゃないんだろ。いいじゃねーか、ちょっとぐらい、仕事なくなってもいいのか。ま、そう言わずに。お願いだよ。たのむよ。お願いします。なんでも言うこときくから、させてください」と土下座しない日本男児を見たことが、わしはない。話がそれたが。
 
 
 
フリードマンは (yokoyari)
2006-11-22 15:09:52
インフレ、デフレが貨幣現象であることを解き明かした業績は素晴らしいと思うけれど
レーガノミクスとサッチャリズムの理論的主柱となり、おかげで米英とも深い傷跡を残しましたね・・・
市場(というかこの世)に神なんかいないと仏教徒の私は思いますけどね。

筑紫はそういう人物なんでしょうね。
「お前が言うな」と私も思いました。
現役だとスティグリッツ、バーナンキ、クルーグマン、マンキューあたりですかね。
 
 
 
低所得者層からの脱出方法 (kevin67)
2006-11-22 15:30:01
格差の問題というのは、「差が開いていること」ではなく、「一度、低所得者層になったら、そこから抜け出せない。自分だけではなく、教育システムを通じて、子供の代までも」ということなのだと思います。

では、どうすれば、「低所得者層」から抜け出せるのかという問いに対しては、回答を持っていません。
山崎さんはどうでしょうか?
安部総理にゴマをするための議員連盟は何かアイデアを出したのでしょうか?

何の努力もしなければ、「幸運」以外の要素では、脱出できないと思われるので、資格を取るとか、厳しい親方のもとで、修行をするとか、の条件を付ける必要もあるかもしれません。

でも、資格を取るとか、親方の元で修行をするというような計算のできる人は、そもそも下流に落ちないと思ったりもします。

■なぜ、低所得者なのか?
 ↓
■その人の労働の経済的価値が低いから
 ↓
■どうすれば、解決するのか?
 ↓
■その人の労働の経済的価値を高める以外にない?(「リフレ」で解決するのでしょうか?)
 ↓
■どうすれば、労働の経済的価値を高められるのか?
 ↓
■わからん。誰か教えてください。
 
 
 
よくぞ生まれし!(某作家のぱくり) (作業員)
2006-11-22 15:31:19
>タクシー業界はどう頑張れば食えるようになりますか?

これについては、結局総量規制に帰ると思う。方法は賃金を法定であげてしまうか、ヤクザ業者を摘発していくか、等あると思う。前提として、タクシーの総量を規制している都市は、一般的に存在する。

で、質問を質問で返すと。
年間の中絶件数は、公式には三十万であるが、実数は、百万を超えると言われている。この御子たちが、労働力として、タクシー業界その他業界に供給されていたら、どうなっていたのだろう。
経済学の言い訳としては、イノベーションを起こす天才が一人いれば世界は変わっていただろう、とか、生産力?の向上によって急激な成長があっただろう、とかになるか。いやいや、雲助かパンパンにしかなってないやろ。せいぜいが偽装請負奴隷か。
国が二千年まで少子化対策を打たなかったのを見ていて思うが。どうも、日本の人口は団塊の糞が全部死んで、八千万ぐらいがいいかなあ、とか思ってないか、糞御手洗とかは(棺桶に足突っ込んでも国の将来とか考えるもんなんやなあ)。あとは、外国人入れるようになるんちゃうかなあ、徐々に。

もちろん、それでも、生まれてこい! とわしは言うよ。他人事やから。
山さんは、年間に百万人のさらなる労働力供給があったとしたら、どんなことが起こっていたと思いますか?
 
 
 
総量規制 (kevin67)
2006-11-22 15:40:24
作業員さんへの質問

>タクシー業界はどう頑張れば食えるようになりますか?
→これについては、結局総量規制に帰ると思う。

総量規制の結果、「タクシーの運転手にもなれない人たち」が生まれて、「タクシーの運転手よりも厳しい生活」を余儀なくされることになっても、それには、目をつぶるということでしょうか?

そのあたりのコメントをお願いします。

 
 
 
政治力やね (作業員)
2006-11-22 16:14:57
スラムのある都市でも総量は規制されたりするんじゃないかな。これは、前にも言ったが、わしが望んでいるのではなく、おそらくそうなるだろう、やから。
内橋克人が、人間の安全保障とかしゃべってたでしょ。ちょっとそっちにぶれると思う。
タクシーの運転手より厳しい生活って、あるの?
 
 
 
激しく横槍ですが (yokoyari)
2006-11-22 16:19:35
kevin67さんへ
>→これについては、結局総量規制に帰ると思う。
それは作業員氏が望んでいることではなく、タクシー運転手がそれを望むということでしょう。

>「タクシーの運転手よりも厳しい生活」を余儀なくされることになっても
基本的に、皆自分の生活が大切なんですよ。
この不況で、人に構っていられないのです。哀しい事ですが。

駅や公園に大量にホームレスがいるところがあります。彼らが「タクシー運転手よりも厳しい生活」に該当するでしょう。
彼らは随分前(10年位)から存在していますが、しかし社会(もちろん私も含め)は彼らに対してほとんど何もしてこなかった。
逆に「自己責任」を押し付け、放棄してきたわけです。
社会はそれを容認してきた、と言えると思います。

私としては現在、政治家にリフレ策を訴えたりメールしたりするくらいしか出来ませんが、なしの礫です。
 
 
 
ふってくれてありがとう (作業員)
2006-11-22 16:27:19
内橋は暗に、「人間を大切にしない糞キャノンのような会社の製品は買うな!」と言っているわけね。

わしのいた学校に、実は、ベトナムの高官の息子が留学していて、わしに、ベトナム雑貨屋ならいつでもさせてやる、と言ってくれていた。もうベトナムに帰って偉くなっている。
日本において非正規労働者(雲助も含むか)が急増して、どんな問題が起こっているか、ベトナムの人は知っているぞ。糞御手洗が建てた工場で、非正規雇用が認められるかな? 認められたとした、わしの友人がヒヨッタんやろ。それはそれで香ばしいね。

法人税を減税する話にもどすと、同時に環境税を課してチャラにするという政治力を働かすことは、やりようによって簡単。糞キャノンのような会社は35パーの法人税に、20パーの環境税を上乗せすればいい。環境は狭義で人間環境、でしょ。
 
 
 
内橋克人さんの (yokoyari)
2006-11-22 16:44:20
講演内容を見つけました

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/20030310MSDokUchihashiBassui.htm

ご参考にどうぞ>kevin67さん
 
 
 
ら が抜けたのでいんちきコラムでも (作業員)
2006-11-22 17:07:54
男のホモダチ

日本で金がかかるのは、教育費交通費住居費、なんかやと思う。だから、貧乏人はタコ部屋に住むしかない。一部に、タコ部屋での暮らしを余儀なくされている、ということを言う人がいるが、人生の一時点で、大部屋の役者だったり、タコ部屋のホストだったりは、別にいいじゃないか。
わしも、年の離れた後輩の男とボロ家に暮らしていた。しょっちゅうおねーちゃんを連れこんでいたので、近所の人たちは、やり手と噂していたと思うが、ほかの人間には、ホモか、とからかわれた。面倒なので、そうだホモだ、と言っていると、どうもあの作業員ホモらしい、という話になり、本物のホモに誘われたりした。それも、貧乏の「代償」だろう。
さて、この後輩なんだが、アル中でとんでもないやつだったが、病的にマジメな男だった。わしが、どの現場に連れていっても、誰よりもよく仕事をした。茶をしばくばかりで新聞を読んでいるだけのわしとは違ったのだ。
わしが藤原新也な事を吹き込んだせいか、後輩はアジアを放浪して、二度死にかけ、同じくアル中の父親の死も知らずに、帰国した。後輩は、親戚に袋だたきにあって、住宅の基礎を造る土方になった。それから、二年経たずに、後輩はもう監督になっていた。基礎会社の社長が糞会社のタコなので辞めたい、とわしは相談を受けた。糞御手洗のようなタコは死ぬまでタコだから、また一から土方やれ、と言うと、そうしますと言って、後輩は次の組に移った。
さて、半年後、後輩はどうなっていたかと言うと、新しい組の役員になっていた。で、今は、わしに、「おっさん、風呂入れよ。くせーよ。加齢臭まざってるし。ウンコマンじゃないか」と言ってくれて、スーパー銭湯にありがたく拉致してくれるのである。
世界は、閉ざされているか? 扉は、サムターン回しでこじあけるしかない、んでないか。(了)

それでさあ、このホモダチじゃないけど、後輩は、今でもときどき海外に行って、土産話をわしに聞かせてくれる。で、その土産話を、わしが旅行に行ったことにして、おねーちゃんに聞かせる、という姑息なことをしておるわけ。
最近の土産話でおもしろかったのは。オーストラリアの話。オーストラリアでは、こんな仕事でいいのか、と日本でなら思われるような仕事を、ニートにこなしている人がたくさんいる。それで、にっこり笑って暮らしてらっしゃる。それから、環境問題啓発のすごさ。自分の家の庭の木も、勝手に切ってはいけないと聞く。ついでに、金持ちはいくらでも移民させてくれるそうだ。一人一億やったかなあ。その辺は知らんけど。
国なんか、糞アメリカだけではあるまい。
(わしのまわりでは、このアル中の後輩が一番酒に詳しい。想像を絶する量を飲んでいて、シングルモルトも好きだ。からして、ここを紹介してやろうと思う。が、もうかなり体にきてるからなあ。やめさせた方がいいか、酒は)
 
 
 
Re:低所得者層からの脱出方法 (hiro)
2006-11-22 17:14:09
kevin67 さま

話題の書「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」によると、子の成績は教育ではなく遺伝子で決まるそうです。それが正しいなら(私には検証できないので)、逆転は無理ということになります。

優秀な親が交通事故などで偶発的に低所得者層に落ちたのなら、子は優秀な遺伝子を受け継いでいるので、高所得層に入ることになる、ということになります。

1億総中流の時代だって、相対的には高所得、低所得はあったわけです。ただ、相対的低所得の人たちはさほどの不満を感じていなかったので「総中流」ということだったのでしょう。

子の成績が遺伝子で決まるなら、低所得者層の底上げで解決していくしか道はないと思われます。山崎さんからマクロバカと言われるでしょうが、私は、リフレで総需要を拡大することが先決だと思います。それにより低所得者層の底上げにつながるはずです。ただし、どの程度の底上げになるのか、彼らが満足できる水準になるのかについてはわかりません。しかし、総供給に対し総需要が不足しているという認識を共有するなら、まずはそれをやってくれという気持ちです。

 
 
 
東大から灯台へ (作業員)
2006-11-22 17:33:23
東大に金持ちの子しか通っていない、と聞いてまず思うのは、それはまずいだろ、だ。
金があるかないかは、脳のできとは関係ない。ドケチは遺伝しそうだけど。
ホリエモン氏は、伝え方を間違えたと思う。彼は、田舎の貧乏人の子供と都会の金持ちの子供の間に、脳みその出来になんの違いもない、ということを、
「稼げる人が稼いで、みんなを幸せにする」
と曖昧に伝えてしまったのだと思う。なんで、船曳ゼミで、もっと教養をつけなかったのかなあ。惜しい。

わしは、田舎から地方の都市に出てきてびっくりした。公立高校が進学校だからだ。公立進学校に通っている者は頭がいい、らしい。そうかなあ、わしがここで暮らしていれば、あたりまえに近所の公立進学校に入っただろうし、仮に落ちても、この地方の都市の同じ年の人間の脳と自分の脳に決定的差があるかも、とか思ったことないし。
ある特定の階層、ある特定の地域にのみ、「優秀な」人間が偏る、などというのは統計学的にみて、嘘、なんでないか。人種による能力の違いにしても、あるけど、ない、やろ。
東大生は、実際の競争局面で、「ひょっとして、東大だけど、わしアホかもしれん」、とノイローゼになるのでないか。これが一番怖い。そうなると、東大閥のような形で、政治力で能力のなさをごまかそうとする糞御手洗みたいな人間が量産されてしまう。
どうよ、山さん?
ちなみに、学歴コンプレックス、まえに揶揄されたことがあるような気もしないではないが、わしにはないぞ。高卒に毛のはえた履歴しかわしにはないし、なにより、いとこに、エムアイチー、オックスがおるので、東大がアホだということを知っている。(わしより確実に賢いけど)
東大は灯台になって隅を照らせ と生長の家のような右派にごまをすって、今日は落ちる。
 
 
 
ロンドンのタクシーと人間の疎外 (Dialectician)
2006-11-22 21:16:29
ロンドンのタクシー運転手は気位が高いことで有名ですがそれは試験がかなり難しい=参入障壁が高いからですね。前科前歴の欠格事由すらあるらしく(これは交通事犯に限らないようですから、収賄で前科のある元政府高官も、元祖カリスマ主婦マーサおばさんも運転手にはなれない理屈です)。こういう障壁は一応公平な基準ですから業界団体の既得権益だけを死守云々だけではないわけで、それなりの合理性があるでしょう。しかし試験受からない人・前科者が運転手全くできないかというとそうでもなく、ミニキャブという別系統のタクシーがある。自分が現地で暮らしていた時はこの両者の違いはよく分からなかったが、黒いあのハコ型の正統派キャブには何度かシカトされたことがあり(近距離のゴミに見えたのか、スーツ姿の有色人種がヤだったのか知らないが)むかつくことがあったがミニのほうはそんなことは一度もなく運転手さんの感じも良かったんで、自分はむしろミニキャブが好きだった。(もっとも自分のチンケな体験を普遍化するつもりはないので、単に旅行で行こうとかする人で、安全第一、ぼったくり回避を優先するひとは正統派キャブをどうぞ)試験受かるために何年もかけている余裕のない人、そういう出稼ぎ外国人のような人々がミニの運転手になるので、この業界の2階層は利用者にとっても運転手なり手(不況対策)にとっても、巧みな仕掛けだと思います。しかしカーナビが普及するとそんなに試験を難しくする必要性がなくなるのではないか、もう実は試験の難しさは業界の既得権の隠れ蓑なのか、とも疑いますが。
ここで言っておきたいポイントの一つは人間の作った技術が人間を不要にする、ということです。マルクス風には『人間の疎外』でしょうか? イノベーションは人が作るが、作られたイノベーションがこんどは“お前はもう要らない”、って宣言してくる。分かり切ったことを今更いうな、と言われるかもしれませんがね。セイサンセーとかフカカチとかいう言葉の両義性を看過してはならないと思うわけです。ここでは今タクシー業界の話・そこで働く人の話ですがIT技術によって仕事の中間層がゴッソリ不要になりつつあるっていう事実は、永田町業界以外のほぼ全業界に当てはまるのではないだろうか?低所得者層の人々を完全に別世界の他人事のような感覚で語っておられるひともおられるが、組み立てに従事する人々の整理がほぼ終わり、実は次にこれから始末される対象・ターゲットは“ホワイトカラー”でしょう、要するに。仕事を乱暴に三階層に分けたら、①マネージメント(大株主含む)②中間管理③オフィスの清掃となり、②は人口知能が代替するですよ。年間一千万円も払う意味・価値がもうない。というか殆ど要らない階層。しかもこの②こそが日本の労働者の大多数なのだ。①と②とでは格差は当然避けられない、①は極少数で足りる。だからこのエントリーの主人公“作業員さん”だけでなく(というと含羞の、謙虚な我が同志作業員さんの○ン○が縮むらしいが)、ここでコメントする皆様の多数、自分も含め労働人口の大部分はもう実は作業員なのではないか?

それからあとひとつ、海外との競合云々は無視できるレベル、と豪語しておられる方がいますがちょっと信じられませんねぇ。素直に、どういう意味だか分かりません。ここはタクシー業界を話題として取り上げてますがそれは、不況になって已む無く失業した人が比較的容易に得られる仕事の種類のひとつの例示に過ぎず、メインテーマは下流に流された人々(上記の構図からすれば勿論自分も含む、山崎さんは結構売れてるようですからいいですが、売れない評論家・税理士・医者・弁護士だって含んでいるかまたは予備軍)がどう生きればいいかみたいなことですよね。なにも“みんな証券会社のアナリストになったつもりでタクシー業界をアナライズしてみましょう”ではないでしょう。日本人運転手と外国人運転手が競合するかなんていう設定は的外れだし、輸出入のGDP比なんか関係ないと思いますが?商品としての自分の労働力が国際競争と無縁であるなどといえる人はきっと国会議員か裁判官などの特別公務員か、またはタイムマシンに乗って鎖国の江戸時代からやって来たひとではないですか?
アメリカや中国の資本が日の丸タクシーを買収するとか、F1レーサー並みの腕前の貧乏国の出稼ぎ外国人が大挙して日の丸タクシーに面接にやってくるとかの話をしてるのではないですよ、少なくとも自分は。
①不景気で失業→②運転手増加、ということに因果関係があるとすれば、それではどうして①なのか、どうやって①に対処すべきかという話ですよね?①の要因の一つとしてマクロがどうのこうの、リフレがどうだ、リバタリアンは正義かなど議論されてるのでしょ、難しいそうな専門用語や偉い学者の名前とかも援用して。自分は上記のようにITや人口知能やロボットのような技術によるセイサンセー至上主義とは別に、この世界のボーダレス化が①の大きな一要因ではないか、と当たり前のように思います。

結論はないけども、国の役割の大小の議論の面からいえば、政府は税金によるのだから、人一人たりともこの国では野垂れ死にはさせない(1人、というのはたぶんに宣言的ではあるが、少なくともその理念で)という覚悟をするべきであり、それ以外はまたはそれ以上はフリードマンでもレッセフェーレでも格差でもいいではないか!と思う。思うに税金は公共サービスであるとともに保険ですよ。誰だっていつ病床に臥して稼げなくなるリスク、貯金が尽きてなお職に就けなくなるリスクをもってるわけですね、しかも人はおぎゃ~っていって生まれた瞬間から金銭債務を負い、死ぬにも金がかかる。全員そう。じゃあそういう全員がもつリスクをどうやってヘッジするのがいいのか?全員で広く浅く負担すればいいだろう、ということで保険ですよ、全員で税金払って全員のもつリスクをヘッジしてるわけで、であれば政府が市民の野垂れ死にはさせないという政策だけは外せないしそれが税金のもっとも基礎的な使い道であるはずだと
 
 
 
ロンドンのタクシーと人間の疎外 (Dialectician)
2006-11-22 21:34:50
はずだと思うわけです。この点にリバタリズム、リベラリズム、保守などの立場の違いは影響を受けないと思います。

野垂れ死にを放置すると完全に格差Freeの社会(少なくともそういう綱領の社会)が樹立します。いくら努力しても報われない一党独裁社会ですよ、野垂れ死にの件数だけは減るかもしれませんがね(実はこれも減らないでしょうが)。

過労死・飢餓死のない社会であって、かつ努力に応分の分配が得られる社会、というためには偽装請負のない社会、最低賃金制の守られる社会が必要だろうと思います。多少タクシー代100円、200円高くたって構わないでしょう、大きくみれば。高級公務員の賃金もうちょっと減らすほうが無駄な、使えないセコムとかに金掛ける費用が浮くというものです。セコムの売上げもGDPに貢献してるからあーだこーだと突っ込まないように予めお願いします。

もしホントに過労死寸前であれば、ロムさんのいうように“決起せよ、労働者!”になっていくでしょう、正当な憲法上の抵抗権の行使。これから益々貧富の差は顕著に加速度的に広がるでしょうからけっして誰にとっても他人事ではないですね。
 
 
 
キツイキワドイキヨシナイ (作業員)
2006-11-22 22:03:08
>子の成績は教育ではなく遺伝子で決まる

少し気になったので、立ち読みをして、疲れたので、カフェに入りました。「ヤバイ経済学」と「まっとうな経済学」を立ち読みして、メモの取れる店でなかったので何も頭に残っていないが、ポイントのところだけ。
遺伝子の話は、「養子はアホだ」なぜなら、養子に出すようなやつはアホだから、ですね。真っ当な意見にも思いますが、成績と(完全なる相関として)逆転(できないのこと)は結びつかんでしょう。学歴で比較優位に立てるのは判るが、成績は、まだ仕事および人生の競争および評価の段階ではないですからな。わしのオヤジ、ヨイヨイばかりの同窓会で撮った「人生のチャンプはお前だ」と手を高く上げられている写真をわしにみせながら、「がはは。わしも自分がチャンプやと思う」と入れ歯をパカパカさせながら高笑いしておりました。
それから、ここで言っているのは、知能指数ですね。野坂昭如の名言に、「アイキューは訓練で上がる」というのがあります。あとで、関連するいんちきコラム書いておきます。

結局は、希少性にかえるみたいですな、経済学は。で、レント独占という、かっちょええ言葉を覚えました。それから、ゲーム理論についてこういう趣旨のことが書いてあって笑いました。
「フォン・ノイマンと糞御手洗が、同じ行動をとることなど、ありえなーい」

さて、糞経済学者、とか下品なことはもうゲップでしょうが、野口悠紀雄が、内部統制なることについて書いていました。内部統制だと? 糞キャノンの名前なんでださんの? まあ、糞とか言わないけど、ここでは。
 
 
 
中国発デフレ論と似ているような (hiro)
2006-11-22 22:54:20
海外と直接競争し、労働コストのため負けるなら、会社や時には業界全体で、労働者は職を失ったり給料が下がったりし、それは直接は海外と関係ない業種にも賃下げ圧力として影響があるのは当然です。

しかし、企業は利潤追求マシンですから、削れるコストは削ろうとしているわけで、海外要因は賃下げ圧力の要因の一部であり、一方、日本経済では国内経済の占める部分が圧倒的に大きいのだから、海外要因を過大視しすぎているのではないかと思うのですが。

そして、低下圧力があれば賃金が下がるというものでもないでしょう。賃金には上昇圧力だってかかっているのですから、綱引きの結果で上がるか、下がるか、それとも一定か、ということだと思います。

好況なら、ある業界で失業が発生しても、ほどなく別の業界に転職できるので、労働者の給与水準はさがらない。一方、不況なら、転職もできなかったり、既存の労働者の足を引っ張って、全体の給与水準は下がる。

そして、後者の状況がずっと続いているどころか、どんどん悪化している。もう永久に好況はないかのように思えてしまうほど。

こんなときに金利を上げる日銀って、何なのでしょう?

ところで、数年前に流行った中国デフレ論は誤りだった(デフレは国内問題)ということで決着がついたものと理解していますが、賃金については別なのでしょうか?
 
 
 
下流を生きる知恵 (作業員)
2006-11-22 23:19:48
男のチョコレート

これは冗談ではなく、中学のときに志賀の正義派を読んで感想文を書いたら、賞を取ってしまった。ちょうど、わしがいじめっ子から足を洗ったころだ。わしは、心にも無いことを書いて賞を取ったことを恥じ入っていた。以来読書感想文を提出したことはない。
まあそんなこんなで、田舎では頭のいい方だった。高校では格闘技だけしていたのだが、その練習以外では、麻雀とかをよくしていた。中学で無抵抗主義では全くない日教組の先生を殴ってしまったわしらは、高校ではすっかりただのオッサンだった。で、まずまず頭がいいとされるわしが、麻雀が強かったかというと、これが歯がゆいぐらいの中途半端さだった。完全に賭け事ヒエラルキーができていて、わしは、中の上だった。上流の連中は、駅前の雀荘で大人と互角に打っていて、わしら中流は、だいたい仲間内で勝ったり負けたりだった。わしは小学3年でオヤジに麻雀を教わったが、小学2年で本職の親に教わったというエイちゃんという幼なじみがいて、このエイちゃんがダントツの一番だった。いわば、カリスマだ。
エイちゃんは、ずっとわしの子分で、高校でも、どちらかと言うと弱い者いじめしかしない男と馬鹿にされていたのだが、賭け事についての評価は別だった。何がおもしろかったかというと。麻雀の負けについては、たとえ相手がわしでも、「五千チョコレート残ってるんだけど」とエイちゃんは取立てに来て、「すいません。三日待ってください。ラジカセ売りますんで」とわしは頭を下げた。たぶん五千チョコレート返さなかったら、後ろから刺されたと思う。それが、男のプライド。
でまあ、言うまでもなく、エイちゃんは成績はビリの方で、エイちゃんだけでなく、賭け事ヒエラルキーにおける上流階級は、みんな世紀のアホタレばかりだった。たぶん、株で儲けている人間も、アホタレばかりだと思う。
高校を出て、非正規コースで高等教育を受ける機会を得たわしは、ある偉い先生とよく麻雀をした。この先生はかなり強かった。(わしは悲しいほど引きの弱い人間で、麻雀は基本的にやらない。)が、この先生とは酒を飲んでから打ったので、わしは勝ち続けた。先生はデブで、手が大きくなると、鼻息が荒くなるという弱点があった。それに、わしは常に字牌を二枚握っていたし、色を積み込んでいた。ホンイツドラがらみでばかり上がるのに、先生は気がつかなかった。高校の頃、エイちゃんは、完璧だと思うイカサマを完璧に見破ってくれて、「殺すぞ」とよく呟いてくれた。幼なじみで、ほんとによかった。
今思えば、先生は、苦学生風情のわしに小遣いをくれていたのかもしれない。チョコレートは、一月の食費ぐらいにはなった。下流同志に、雀鬼桜井章一の言葉を送る。
『どんなに強い「守り」でも、守りである以上本質的にモロい』
山崎と言えば、売りの山崎、山崎種二。攻めて攻めて、山さんもチョコレートいっぱい稼いで欲しい。
 
 
 
Unknown (山崎 元)
2006-11-23 03:44:37
>作業員さま

人口が多い方がいいのか、少ない方がいいのか。

基本的には、偶然とか、性欲とか、行きがかりとか、計画とか、でそれぞれの家庭で子供が生まれるのであって、人口が多くても、少なくても、それに合った社会を作るべきなのだと思います。年金制度をはじめとして、人口の増減で混乱を来すような制度は、基本的にインチキだと思います。

さて、年間、百万人の追加的労働力があれば、というお問い合わせですが、一人一人は大変だったとしても、経済全体としては、成長して好況を迎えやすかったのではないか、と思います(自信はありませんが)。考えようによっては嫌な感じがするのですが、「競争を経た、安価な労働力」こそが、資本主義経済の主食であり栄養です。

>kevin67さま

私個人の意見としては、総量規制などせずに、「タクシーの運転手という選択肢もある」という状態を保っておく方がいいことではないか、と思っています。

ただ、タクシーをやるためにも、多少の訓練や、個人タクシーの場合は車への投資が必要であり、タクシーで急に食えなくなると、こうした投資が回収できなくなる、といったことが起こります。もちろん、原則論としては、これは自業自得なのですが、急激な参入が可能な(急に需給が悪化するかも知れない)状況は、タクシー・ビジネスにとって些か過酷かも知れないので、たとえば、タクシーの営業権の総量を緩やかに決めて、これを売買するといった、競争緩和措置は取られることがあるかも知れませんね。

>yokoyariさま

「不況でない方がいい」ということについては、反対意見はあまり出ないと思います。

一つ興味が湧くのは、タクシーの運転手さん達が、皆、十分に食べられるような好況とは、どれくらいの水準のものか、です。今の東京の供給状態だと、バブル期並みの好況が来ても、タクシーは余りそうですね。

ただし、その場合の転業は随分楽になるでしょうね。

>作業員さま

後輩が海外旅行をして、その土産話を使い回す、というのは、なかなか良い方法ですね!

私も含めて、このブログの読者は、「作業員好き」のオネーチャンと話をするときに(多数ではありませんが、一定比率は確実に存在するようです)、作業員さんのエピソードを使えそうです。

>hiroさま

うーん。もちろん、マクロも大切ですよ(まあ、機嫌を直して・・)。

そういえば、10月の都銀の貸出残高が対前年比マイナス0.4%だかに、落ち込んでいますね。ここで日銀が更に利上げすると(景気に冷淡な私でさえ反対です)、結構深刻な状況になるかも知れませんね。

問題は、貨幣的な拡大を得るためには、どこぞで「需要」を追加しなければならない、ということですが、どうするのがいいですか?

私として許せると思うのは「均等な減税」(実際には税目によって差が付くでしょうが)ですが、なかなか実現しそうにありませんね。

>作業員さま

アタマの良し悪しがどの程度遺伝によるものなのか、ということをテストするのは、統計的にはかなり大変なことのように思えます。なかなか結論は出ないのではないでしょうか。

東大は年間3千人くらい入れますから、たぶん、ガリ勉君が東大に入るのは、野球少年が甲子園に出るよりも易しいはずです。塾や予備校など、多少の教育費をかけると有利になる(つまりお金持ちの親の子供が有利)、というのは、その程度のゲームだからではないでしょうか。

ところで、糞、じゃなくって、御手洗さんは東大でしたっけ?

>Dialecticianさま

特に、「生産性」は、中川氏の「上げ潮」本などでは、年率4-5%くらいのものを期待している訳ですが、ご指摘のように、これ自体が、人間の商品価値に対してキバを剥きますね。日本がアメリカの何年か後追いということを考えると、特にホワイトカラーの中間管理職がアブナイ、というのは、全くその通りだと思います。

タクシーの運転手さんたちばかりでなく、我々もどう生きるか、常に戦略を持たなければいけませんね(私も、そんなに売れている訳ではないのだからして・・・)。

「税金は保険だ」というのは、素晴らしい洞察だと思うのですが、保険であるとするなら、どのような「契約」なのか、もっとはっきりさせないといけませんね。

>hiroさま

中国デフレ論は「中国から安い製品が入ってくるのだから、デフレになるのは、当たり前だ」という命題としては、理論的に誤りだと言えると思います。(なぜなら、日本の物価水準全体は日本で決められるから)

但し、たとえば、金融緩和しても資金需要の無い時に、これが、中国との競争が利潤圧迫要因となって、民間の投資マインドが後退していることが影響しているなら、「中国との競合が、デフレの一つの原因になっている。(但し、デフレを脱する方法を日本は持っているはずだが)」ということは、言えたのではないかと思います。

また、この中国デフレ論とは区別して考えるべきだと思うのですが、たとえばある種の労働の供給が外国で急に過多になった場合、その種の労働、或いはその種の労働と代替性の高い労働の、相対価格(デフレ、インフレとは別の)が低下する、ということはあり得ますね。

それにしても、福井氏はなかなか辞めませんねぇ・・・。

>作業員さま

実は、私は麻雀が出来ないのです。

将棋と囲碁がアマ4段くらい、その他の趣味が競馬ですから、麻雀が嫌いな筈はない、のですが、あまりにも面白そうなので、まだ始めていないのです。

昔、「山崎君は、麻雀はしないの?」と質問した上司に、「私が、麻雀を始めたら、もう転職しないと思って下さい」と答えたことがあります。

残りの人生で、麻雀を楽しむ時間とチャンスがあればいいなあ、と思っています。
 
 
 
Unknown (hiro)
2006-11-23 04:15:02
山崎 さま

>中国デフレ論とは区別して考えるべきだと思うのですが、・・・ 相対価格(デフレ、インフレとは別の)が低下する、ということはあり得ますね。

そうくるだろうな、と思ってました。
物価は絶対価格で、賃金は相対価格ですからね。
送信してから気づきましたが変更はきかないので。
実際のところがどうなのかは、専門家の実証を聞いてみたいです。(すでにあるのでしょうか?)

それにしても山崎さんはスーパーマンですね。こんな時間にも読者に丁寧にレスをつけるんですから。仕事に研究に、そして忘年会もあるでしょうに。
 
 
 
中途半端な規制緩和 (jyoudanya)
2006-11-23 08:47:19
タクシーの規制緩和ってのは
なんとも中途半端ですよ。

日本のタクシーは、そのほとんどが法人タクシー。
個人タクシーは少ない。
20%あるかな~、実際のところ
どの程度の比率かわかりませんが~。

タクシーの運転手をしてると
午前10時過ぎから午後3時くらいの時間帯が
暇になりまして、東京のタクシーだと走行距離規制もあって、お昼寝タイムなんです。

私は大阪で法人タクシーの運転手をした経験がりますが
当時の大阪(10年前)は、距離制限は全く無く
ドンドン走れ状態でしたね。

で~、ともかく昼は暇で、、、
こういう時間帯は、個人的には攻めの営業をしたかったわけです。
アイドリングしててもガスは食うわけで
そういうことなら、お客さんと直談判しまして
「超安値」にてバーゲン走行したっていいわけなんですな。
でも、個人タクシーなら、そういう融通性OKですが
法人では、難しい。
所詮、鵜匠に雇われた自由の無い「鵜」そのものですから
社内の内規の縛りに歯向かえません。

戦前のタクシーにはメーターなんて野暮なものは無くて
基本的にお客さんと運転手の直談判による価格交渉ですね。
それとも「円タク」のように1日乗り放題か、、、
まあ、いずれにしろ大らかな時代だったと思います。

もっと、タクシーもサービスの種類を千差万別にしていくべきでしょうね。
例えば、「風俗タクシー」とか、、、
これってアラブ諸国には、マジあるんです。
結構、繁盛してたりして、、。

ほかにも「居酒屋タクシー」「セミナータクシー」「占いタクシー」、、、、
いっくらでも付加価値付けられそうでっすよね。

運行価格も、お客さんと決めて
凡その基本ラインはあるけど
それが決定的なものでなく
臨機応変に可変的なものもOKってことで
供給者側と消費者側が妥結できる点ってもんで
決定されればいいんですね。

でも、今の中途半端な規制緩和では
こういう粋な運用はできんわけです、ほんまですが、、、。
 
 
 
資料によると (作業員)
2006-11-23 15:01:15
>御手洗さんは東大でしたっけ?

中央法科だったと思いますが、偽装の疑いが濃いです。ついでに東大な話をすると、東大は、閥で既得権益に守られているレントな人と、ヤクザの手下になりさがってしまっている人の二極化が激しいように思います。耐震偽装も、建築系の東大閥によるレントな悪行でした。
規制緩和は、東大解体につながるようにも思います。タクシーの規制緩和が「代表」「象徴」であるのは、お粗末にすぎます。職さえふやせばよいのであれば、弁護士と医者を三万ずつ増やしてみてはどうでしょう。淘汰にあえぐ姿を見て、性的快楽を得るのも、オツかもしれません。そういう趣味はないけど。
国家は、アイリンアマガサキ、じゃないカマガサキの人間のケアなんかしてこなかったんだから、カゴカキ以下の人間なんかに、眼差し、をいまさら向けるわけなかろう。
だいたい糞どもはみんな、中国、ベトナムといった赤い国に出て行ってるわけで。そういう人間が、日教組は赤だからつぶせって、え? おっしゃる意味が? 日本をインドにしってしまえ! 中華、ほんといっそ社会主義の国にすればいいんでないか、日本を。以下はネタ。

本当に、息子はカゴカキに、娘はマスカキの手伝いに、なってよかった。みんなみんなヤクザのフロントでよかった。とか、思うのか。だいたい、タクシーに乗るなら、(字読める前提やが)ヤンソギルの「血と骨」と「タクシードライバー日誌」ぐらいは読もうや。以下ネタ。

子供の教育に、百マス計算を、とか言う人がいて、マスで人格が形成される、とまで言うので、わしは、
「ほんまかいな。わしが教師なら、百マスかき競争させるで。百マスと百マスカキと、どっちの教え子がエロくなるか競争しょうで」
と言ってやりたいが、子供を「偉く」するために百マス競争をさせるそうなので、効果、がないようだ、マスカキには。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-23 15:12:24
>joudanyaさま

中身の濃いコメント、どうもありがとうございます。勉強になります。

なるほど!タクシー業にもイノベーションの余地があるのですね。タクシーに限らず「粋な運用」をしたいものです。

>作業員さま

百マス計算vs.百マスカキ。

そりゃあ、1マス=千ズリなのですから、数学的には、百マスカキの圧勝でしょう。内部留保が枯渇しそうですが・・・。
 
 
 
三人の糞爺 (作業員)
2006-11-23 16:06:04
糞、とか、アホ、が蔑称でなく、西の方では尊称である、ということを立証しておいたほうが、比較優位に立てそうなので、敬愛する三人の糞爺を紹介させていただく。

第一糞爺
わしの出た学校には、昔は全国に名をとどろかせていた武道サークルがあった。ほとんど戦後すぐ、ぐらいの話で、そのころ鍛え上げたいわゆる武道家の糞爺が、ときどきお茶をおごってくれる。この糞爺は、元校長で、自殺する今どきの校長のことを、虫けら呼ばわりしている。テレビでは流せんやろなあ。糞爺に言わせると、「あいつらは弱い」そうだ。まあ、そのとおりだろうが、鍛える時代を経ずに、非難の矢面に立つのは大変だろうと、わしは同情はする。でまあ、天皇様も、「近衛は弱いね」とつぶやいたそうだから、糞爺も、かなり偉い人なんだろう。

第二糞爺
知り合いに、昨年、九百万糞じゃない円、株で稼いだ糞爺がいて、この人はおもしろい。パソコンなど使えないので、方眼紙に、グラフを自分で書いている。見たところ、目盛りがいいかげんで、「おい糞爺、大丈夫か」と声をかけるが、いわゆる「独自の理論」で大勝負している。で、この糞爺は、日経ぐらいは読むが、ほとんど数字だけを追っている感じだ。時事ネタは、新聞読みのわしを呼んで、茶をしばくことで、すべて済ませている。最近の民主党の動向はどうか? と聞かれれば、最低賃金引き上げを要求してますね、と知った風に答えてやるが、そうかそうか小沢はそんなこと言ってるのか、と糞爺は言う。それはアメリカ民主党の話だろうに流れから、と思うがわしは訂正しない。どうして九百万も儲けることができるのか。さっぱりわからん。
ちなみに、簡単に株で儲かると思ってはいかんよ。この糞爺、一億は動かしているから。

第三糞爺
この人は強烈な人だ。前に書いたホモダチではない後輩の親戚で、俺の片腕になれ、と後輩とついでにわしをまきこもうとしている。実際にやっていることの一例。
新車を買ったら、故障した。代理店の対応に少し腹が立った。どうもうまい具合に修理がいかない。普通はここで、怒鳴って終わり。糞爺、なぜか役所に連絡する。(略)さて、背広に着替えるか。糞爺、本社に出かける。本社で重役と飯を食う。糞爺、グレードを上げた新車で本社から帰ってきた。わし、関わりたくない。
知恵は、糞爺に学べ。
 
 
 
タクシードライバーっていうのは (ミランダ)
2006-11-23 19:13:14
なかなか主題が難しい気もしますネ。1)私としてはエジプトのラクダ引きも北京のタクシーもあの『競争』のなかで本当に食べていけているのかますます疑問なものです。2)タクシードライバーはギュンブル好きな方には中には多くいらっしゃるようで、ギャンブラーの方達と、昼間でも、気易く、接する事が出来る。相乗効果。公営ギャンブル。などと考えると、例えば~一時期I都知事が都内にK場を建設しようとした計画に反対した市民の声は、現状のKを知った居たのか、イスラム圏内の青年の主張みたいなもので、国の取り決めは意外と狭いのではないのか、です。私の思うところは・・。だけど、野球のないイスラム圏内で、アジア人のイメージと言えばブルースリーとかジャッキーチェーンだし、(サッカーの中田も居たけどイタリアチーム抜けたらテレビ映らないからまたジャッキー)これで分かると思いますが、求められているものはアジア人でもスポーツみたいだから、スポーツ賛成。です。私は。タクシーにも乗る人も増えるでしょう。
 
 
 
fallacy of compositionの駄洒落か (作業員)
2006-11-23 21:04:57
読みたくもないが、棚にあったので、ミスター糞榊原御大の御本を読もうと思ったら、一ページ目から「無謬の合成」とか、どうでもよさそうなことが出てきて、どうもこれは無謬性の総和のこと?らしい。でまあ構造デフレについて書いているらしいが、「総需要管理を目的とするマクロ政策から、企業や個人の活力を強化し、システムの健全性を維持するための、効率を重視したミクロ政策に移らなければならない。これを、マクロ政策から構造改革政策への転換と言い換えることもできる」だとよ。
活力って。偽装請負でええ若いもんがへとへとだろうが。健全性って。違法行為だろうがよ。おめーは、こんなこと書いてしまっていたから、「違法な偽装請負を合法化せよと開き直る糞御手洗は、経営者の鑑」とか言わねばならなかったんだな。糞教授だなあ、まったく。
日経に、薬師寺泰蔵なる糞とは言わないが教授の書いたものがあったが、かなりトホホな旬ペーター論やったなあ。日経、シュンペーター押しすぎよ。三流の印象が深まるばっかりやろ。イノベーションちゅうのは、ドクター中松的なものが一番で、社会制度改革それも請負に偽装する、なんちゅうのは、世界が消滅する前の日にすることやろうに。まったく、どうかしとるでよ。明日世界が滅ぶとも今日私は林檎の木を植えるのが、大人であって、世界に糞尿まきちらすのが教授の仕事やなかろうもん。
あ、どうも読む気にならんので、図表だけ見たら、日本は貨幣の流通速度が一貫して小さい値なのですね。なぜか考える元気がありまへんので、寝ます。
 
 
 
バーナンキの背理法 (yokoyari)
2006-11-23 22:18:41
Dialectician様
解説が足りませんでしたかね、謝ります。
ちょっとした実験に付き合ってくださいませんか、何、ちょっとしたクイズみたいなものです。

今、日銀がカネを刷りまくって、日本中に販売されているもの全てを買い占めたらどうなりますか?
意味がわからない?ああ、申し訳ありません。いきなりだと分かりませんよね。例を出しましょう。
例えばです、日銀がデパートの品物全部、販売されてる家全部、商店街の品物全部etc、買ったとしたらどうなります?

当然売れまくるわけだから、給料も問題なく払えますよね。ボーナスも。いつもより大目に払っても問題なし。
で、また入荷したらまた日銀が・・・という話です。

「食えなくなるじゃないか!!」とおっしゃられるかもしれませんが、まぁモデルなんで大目に。
よくあるでしょう、高校物理とかでも「空気抵抗は無視」とか(笑)なので優しく見てくださいな。

この場合、日銀の使った金が皆に給料として支払われるので(しかもいつもより大目ですよ!!)
市中にはカネが溢れる事になりますね。いつもより売れまくるので、みな給料が増え、金持ちになるので結果、当然インフレになります。

この場合、中国やらアメリカやらの賃金は「全く」関係ありません。
それと、グローバル化と言う人が良く見落としているのが
「為替」です。日本でドルが使えるわけではないですし
元が使えるわけでもないので。あちらのことは考える
必要はありません。

あ、念のため。今の紙幣は政府信用のみで成り立っている
ただの紙切れですので。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-23 22:49:50
yokoyariさま

中央銀行の通貨発行益で政府を運営すれば、いずれ、人は通貨価値の下落に気付かざるを得ない、というバーナンキの背理法は、ロジックとしては、もちろん正しいでしょう。

ただ、この際に、「商品を全部買う」という話でも分かるように、実質価値ベースでは、大儲けする人と、大損する人が生じます。この副作用をいかに小さくしつつ通貨の信用を落とすか(=インフレにするか)、ということと、信用の下落をコントロールできるか、ということの二点が、現実の問題としては重要ですね。

「ヘリコプター・マネー」なんて比喩はありますが、実際には人にお金をあげるわけにもいかず(納税者のお金ですから)、もしもあげるなら平等に(どうやって?)配る必要があります。

こうした観点からいうと、私は、敢えてリフレ政策を採るなら、金融緩和と共に行う資金需要創出の手段として、減税(理屈上は全ての税金を均等に)には賛成ですが、公共投資や、株や不動産の買い入れ、為替の介入などには反対です。

デフレの害悪→お金を増やせばいい、というところまではいいのですが、そこで終わりではありません。では、どうやって?という所を考えてみて下さい。

経験的には、この点では、かなり議論が分かれるようです。
 
 
 
Unknown (Dialectician)
2006-11-24 01:02:49
Yokoyari様
いや、なにも謝ることはないし、禅問答のようなヘリコプターの話も不要です。
その前のHiroさんのコメントで、議論の焦点が自分と違ってたことがわかりました。お二人は“①不況→失業”のうち主に不況について貨幣というか通貨管理・金融政策論から、海外関係ないだろ!?ということのようで、自分が人のボーダレスを持ち出したのは①不況→失業のうち、失業のほうの話でした。好不況に関係なく人の移動がボーダレスになれば競争が激化するのは当然で、それに不況が重なればもっと熾烈になるという程度のはなしです。日経ブラジル人が多く住む地域の工場の賃金がそうでない地域のそれに比べて安いか高いかは知りませんが、安い工賃求めてベトナムに工場移転したらそこにいたひとはタクシー運転手に転職するという構図のはなしです。不況でないときでも例えば日本籍のファンドが本店もディーリングルームもシンガポールに移しそこのクオンツやディラーは日本人から選ぶ必要はなく、インド人でもベトナム人でも優秀で背任しそうにない人物であれば足りる。今のあおぞら銀行のデリバティブの責任者がインド人だから人の移動のボーダレス化によって元々高給とって威張っていた日本人が失業したみたいなはなしです。でもってそのインド人も人工知能の機械に取って代わるから結局失業するという趣旨です。今ドイツでも(欧州は比較的景気良さそうですね)優秀な職人・務め人でも飛び切り優秀とかいうひとでなければドンドン東欧とかに出て行ってるそうですね。日本でも先日NHKで団塊の世代の技術者が途上国に出稼ぎに行く人が増えてるみたいな話題を取り上げてましたよ。今までの競争相手が数十倍数百倍に増えてなお自分という商品を比較優位に保つのは大変なことでしょう。
ヘリからばら撒きで思い出すのは随分前に公明党がやった商品券。自分はたしか2,3万円するスニーカーを買いました。未だに履いてます(年に数十日だけど)。流動性のわなみたいにならないようにたしか期限付きだったように思います。日本中で依然として利上げか静観かの議論が白熱してますが、どちらが経済的な弱者に優しいのか、というか妥当・公平な富の再分配に寄与するのか分からないし、きっと正解はないだろうと思ってます。やってみないと分からないというところがあるでしょう、禅問答には。
 
 
 
理由提示のお願い (yokoyari)
2006-11-24 18:20:14
>減税(理屈上は全ての税金を均等に)には賛成ですが、公共投資や、株や不動産の買い入れ、為替の介入などには反対です。

例えば所得税を均等に減らしたりしたらそれこそ大もうけする人と大損する人が出てくるんじゃないですか?
そちらは問題ないのですか?
全てをというのは乱暴に過ぎる気がします。

あと、減税には賛成で公共投資に反対というのは何故でしょう?

株や不動産の買い入れ、為替の介入には反対なのは同意です。どれを幾ら買うかなどで恣意的なものがどうしても
入ってきますからインサイダーになりますし。
ただ、為替についてはあちらが介入してきたら対抗して介入するのは私は認めますが。
 
 
 
さあ、どっち? (作業員)
2006-11-24 20:43:20
>公共投資や、株や不動産の買い入れ、為替の介入などには反対です。

質問攻めは反則やと思うのだが、たまにはわしも乗っかる。わしが気になるのは、為替介入と公共投資、なら、どっちを選ぶか? というところだなあ。為替介入って、山さん答えそうやけど、どう? わしが当初から言っている公共事業は、無年金のお年よりに対して自治体が用意するシルバー人材のような土木工事もだめですか? ちゅうことで、ダム等不必要なハコモノの反対闘争は、気が向いたらやりそうやろうに、わしなんかは。シルバー人材の仕事といっても、基本は、仕事の斡旋で、民間がまずあって、小さな水路の補修とか竹やぶを刈るとか、そういうのを地域の人にやってもらってもダメですか? ちゅうことやね。遊んで、金よこせ、ではないんだがなあ。為替介入(円安誘導)は、何もしていないのに、儲かる糞キャノンを生むわけやろ。
さっき、糞日経読んでたら、研究開発は、いわゆる糞優良メーカーがほとんど担っているということが書いてあったが、糞キャノンは、人類滅亡のための研究開発しそうやから、基金を別に流す、政治力が必要に思ったなあ。ハイブリッド車の技術も、ほんとうは「倍の距離走る燃費」をすでに実現しとるが、製品化は先延ばしにしている、という噂とかもあるなあ。

バーナンキは市場との対話がうまい、から評判がいい、と聞きます。山さんも、読者との対話に熱心なので、評判は上がっていると思います。アウフヘーベンには、わしはまだまだたどりつけんなあ、リフレデフレ構造のとこはまだまだ。一生かけても無理そう。
 
 
 
それにしても (作業員)
2006-11-24 21:44:40
ネグっていたのだけど、せっかくなので、山さんといわゆる専門家の「対決」読んでみたが、やっぱ、山さんが素人と罵りあっているほうが、百倍、おもろいなあ。学者には芸がないよ。一生かけても無理なのは、加減乗除の部分であって、日本語の論争なら、百回読めば、とりあえず論点はわかるやろう。読まんけど。
完全に対立している論争、邪馬台国は畿内か九州か、とかいう問題が、東大と京大で真っ二つ、の場合、どっちかが、絶対に間違っているので、間違っている方をアホとよぶなら、東大か京大かどっちかが確実にアホだ(上岡師匠談)。丁半博打は、次に出る目を読んではいけないんだ。常に、張り方、セオリーに帰ること。これ、大事。わし、けち臭さに辟易はするものの、山さんが「間違っている」という判断はできんなあ。素人やし。まだ、見だな。では、失礼。それにしても、おもろいなあ。
あ、ミスター糞榊原は、リフレイーコールバブル、という立論をしていて、バブル崩壊後の調整を嫌う、論調やったよ。
 
 
 
格差問題ではなく、貧困問題 (とりさん)
2006-11-24 22:50:53
日銀の金融広報中央委員会のレポートで、金融資産がゼロの世帯が20%というのを読んで、日本で貧困層が広がっていると思いました。貯蓄率が高いという幻想が昔の事だったことを表しています。総中流という言葉ももはや幻想なのでしょう。
私の住む北海道の夕張の破綻処理で、公務員の削減や公共料金の値上げを表明したときに住民の意見が”夕張を出て行ける人はまだ生きていけるが、出ていけない人は生きて生きない”という新聞記事をみました。
実は夕張こそが貧困層が楽に住める最たるものだったのではないかと思います。厚い行政保護のもと、それが当たり前と思ってきた人に対して、責める言葉はありません。
しかし、生きていけないという言葉が出る事自体が、日本の貧困問題を表していると思います。
格差という以前に、日本に貧困層が確実にいることを認識しないと、作業員さんの議論についていけないと思いました。
 
 
 
Unknown (Dialectician)
2006-11-25 02:20:46
ミスター○榊原さんも、たまには良いことを云うんですねぇ、ホントに。ココロネの卑しい皮肉ではありません。もっともこれだけでは全体の論調が分かりませんが。
でも同時に、作業員さんご案内のシルバー人材の内容もいいのではないでしょうか。この二つは背理しないだろうと思います(誰にも聞かれてないですがね)。
 
 
 
タクシーの運転手について (どんぐり)
2006-11-25 02:55:43
僕は山崎さんのファンで、毎週JMMのコメントを楽しみに拝見しています。山崎さんの当初の論題に回答してみたくなり、書き込みをします。

「生活が苦しい」と言いつつタクシーから足を洗わないのは、もしかしたら、①一人で居られるし、②空車の時は好きな音楽を聴けるし、③そもそも運転好き、などの心地良さがあるのかもしれません。僕はこれも収入にカウントしていいと思います。

タクシーの運転手になってはみたものの、これではとても食べていけないという状況にある運転手さんは、たとえば同じ時間をローソンで働いてみるとどうでしょう?少なくとも廃棄弁当はあるし、週6日間10時間働けば20万円くらいになりそうです。

それでも「貧困」というならば単純に給料だけでなく、健康、扶養家族の有無などから個々にチェックするといかがでしょう。病気や多産といった原因があるならば、働きながら生活保護を受けてもよいのではないでしょうか。

最後に私見です。僕は仕事が深夜に及ぶと経費を使ってタクシーで帰宅します。タクシーはこのようなサラリーマンを相手にオフィスビルの横に列を作って待っています。失礼ながら僕の方が彼らより稼いでいるでしょうが、「こうやって気楽にお客さんを待っている運転手さんと自分を比べるとどちらが幸せかな?」と疲れた頭でぼんやり思ったことがありました。
 
 
 
ナーイス! (作業員)
2006-11-25 14:14:01
>週6日間10時間働けば20万円くらいになりそうです。

ひさびさ爆笑山崎語録
「自主廃業や倒産した金融機関でだら~っとして1000万円以上もらっていた人が、極端な例だけど、コンビニのレジ打ちをしたり宅配のトラックの運転手をしたりして600万円に下がったとしますね」

下がったとしませんよ、600万には。下流の暮らしぶり、書くときは、山さん、一声、かけてくれ。恥かかんように、しちゃるけん。
 
 
 
糞本より (作業員)
2006-11-25 15:19:57
ミスターほにゃららは、後半、竹森本の紹介でページを稼いでいるのだが、竹森本における論争と自身のスタンスの関係、なんかええかげんなんよね。ほんとに原稿書いたのかなあ、自分で。内容とは別に、1820年の世界GDPに占める「中国プラスインド」の割合、ほとんど半分。歴史は繰り返しそう。
あと、「竹森は、精算主義と構造改革論を対置する」と書いているのだが、対置、なあ。パラレルでもなく対置、しとるんか。日本語は難しい脳。紹介するとこ、ないので、メモ。
スティグリッツによる批判
「経験的には、投資と実質金利の関係は希薄である」

ついでや。
山さんは現存在をかけて糞御手洗追求は、せんといかんのこと、なんよね。なんせマルクスではなくフリードマンに青春を捧げたわけであるからして。
フリードマンによれば、競争的市場機構のもっとも重要なシステム特性は、非差別化機能、であるわけで、階級肯定が許されるのは、貨幣の匿名性がきっちり我ら不平等に生まれし人類に寄与すればこそ、のはず。それ以外に自由主義の言い訳はなかろう。違法性のある偽装請負などという糞尿を神聖なる市場に持ち込んだ、言い換えれば、被差別・性を持ち込んだ糞御手洗は、死刑、なの、山さん的には。と書いて、完全市場における完全経済人の倫理観は、法律を無視してよいもの、と開き直りそうだなあ、山さん以外の糞エコノミストは。
もし、素人のインチキ書き込み、学生さんが読んでいたら、「現代経済学の潮流2006岩本太田二神松井編東洋経済新報社2400糞」を読んでみてください。立派な糞です。(例外的に大絶賛の意)以下、山さんのグルの言葉。
「パンを購入するひとは、そのパンが作られた小麦を栽培したひとが共産主義者であるか共和主義者であるか、立憲主義者であるかファシストであるか、黒人であるか白人であるか、知るすべをまったくもっていない」
 
 
 
海陽学園(中学高校) ()
2006-11-25 16:55:40
山崎様、作業員おじさま、

特に作業員おじさま、お元気そうで何よりです。

ところで、「格差社会~何が問題なのか」を読んでいます。途中登場する海陽学園(トヨタ・中部電力などが出資して設立した一貫制私立中学・高校で、学費寮生活費等含め年間300万円強)ですが、エリートを養成するんだ、とかいう理念はともかく、こんな多額な年間学費・生活費を賄い得る家庭の師弟向けの学校をトヨタや中部電力が作ることに意味があるんでしょうか?「格差固定」の権化のような学校ではありませんか?「奨学金制度」を充実させ・・・と学校は宣伝しているようですが、それでも年間70万円~100万円程度の減免措置だそうです。

何を隠そう私は「下流ビンボー」クラスの出身で%A
 
 
 
誤解は早めに解くべし (作業員)
2006-11-25 17:16:09
わしがここでボクシングの話でもしようかな、と思ったのは、どうも読者の三割ぐらいが、左翼な感じがしたからだ。ほんと頭悪いなあ左翼は。アンチナショナルな株屋だから、好感、かよ。ケツの穴の小さい好漢ならモーホーにはもてるやろうが、左翼蠅のたかる糞やなかろうもん。それぐらいわからんか。左翼は木戸次郎のとこ行け。革命が暇つぶしかおまえらは。

山崎語録
「現在の不景気というのは非常に良いことだと思うんですよ。 略 むしろ高失業率と共存できるような社会にならなければいけないのであって、人がムダなところからそうでないところに移るためには、マクロ的にはある程度の失業率が必要だと思うんです」

いいか、山さんは、本来タクシーの運ちゃんの三万人程度の雇用に気をもむような人間ではないにょ。おそらく、失業率は10パー程度でもいっこうにかまわない。それどころか、故郷北海道がそれ以上に悲惨でもなんら問題ない、という立場だにょ。
それにしても、世界でもっとも豊かであるはずの日本と、貧乏臭いはずのあれとかこれとかの三等国の失業率が変わらない、としたら、どこに住んでも同じ、か、為政者経済関係者が馬鹿、つまりは日本人は馬鹿、なんでないか。
 
 
 
ちと続き (作業員)
2006-11-25 17:34:23
山さんが、非効率だから地方にジェニを流したりするな、というのは、実はよくわかる。今まで、いったいいくら流したんだ。いくら流せば、カリフォルニア州ほどしかないチンケな国土が均等発展するのであるか。山さんは、絶望しとるのよね。わしはしとるけど。ふるーい話をしよう。かつてサンゼンソーと呼ばれる政策があったかと思う。当時、村上ヘイポーの故郷九州のことを、糞便所、にしようという計画がもれて、糞便所に住む人間が激怒したというコントがあった。ケイン事案な金があれから糞便所にいったいいくら注ぎ込まれただろう。諫早のギロチンで、九州男の首はもう落ちたのでないか。だからして、北九州市の生活保護担当者は生活保護を打ち切って餓死者をだすという殺人に手を染めるのでないか。あの札束で、いったい何回尻が拭けたのか。

関係ないけど山さん語録
「よく東大の改革や解体が話題になりますが、東京大学をもっと世間の期待に応えられるような大学にするためには、まず定員を多くとも現在の半分程度に絞り込むことが必要ではないか」
解体したらええやんけ。
 
 
 
下流を生きる空 (作業員)
2006-11-25 18:56:50
男のミシン

以前紹介した山ちゃんというツレともう一人、わしには中学からの親友がいて、コウちゃんという名前だ。コウちゃんは、クラスでただ一人のわしの家よりも貧乏な家の子供で、両親ともに障害者だった。あだ名はテーラーコウちゃんだった。兄弟は三人。コウちゃんは当たり前に新聞配達をし、当たり前に学校に赤旗を持ってきていた。休み時間には資本論か物理のテキストを読んでいて、いわゆる天才なんだとわしは思った。遺伝の話ではないが、脳味噌のできは完敗だと思った。貧乏のストレスから、コウちゃんはよくカッターで自傷行為をしていた。ある日、資本論でも物理本でもなく、六法全書を読んでいるコウちゃんに、法律家になるんだねと声をかけると、コウちゃんは黙っていた。その日、二人でスーパーにおやつを買いに行き、わしは少ない小遣いから、コウちゃんに冷凍食品を買ってあげようとした。コウちゃんは、「冷蔵庫がないんだ」と言った。差し押さえを受けて、もう家には金目の物は何もないという。数日が過ぎて、コウちゃんの家をのぞくと、見た顔のヤクザがコウちゃんを小突いていた。コウちゃんは六法全書でヤクザを小突き返して、「ミシンは最低限の生活に必要だから、絶対に渡さない。法律にそう書いてある」と言った。ヤクザは、昔わしのオヤジのところで土方をしていてケツを割ったハナクソだったので、わしは間に入った。ヤクザが帰ったあと、ずっとコウちゃんの震えは止まらなかった。それからしばらくして、コウちゃんのお父さんが亡くなり、担任が学級委員でもなんでもない山ちゃんとわしを、葬式に行かせた。クラクションが鳴って、霊柩車は遠ざかり、わしと山ちゃんは、下流を生きる空を見上げた。下流を生きる空は、よく晴れていた。
 
 
 
失礼しました ()
2006-11-25 20:00:12
アクセスの調子が悪く何度も「投稿」ボタンを押してしまったので多重投稿になっています。でも、全文が記載されていませんね。。

私が書きたかったのは、トヨタほどの会社、生徒の半数くらいはタダで勉強させてやるくらいのことをしてもよいのではないかと。頭は良いが家がビンボーという生徒をバンバン受け入れてやるくらいの了見があっても良いのではありませんか。ということでした。
 
 
 
続き ()
2006-11-25 20:25:11
私の出身家庭は所謂下流世帯ですが(最初から下流だったわけでなく、父および義父が転落していった)私および弟(弟は山崎さんと同大学です。)は奨学金を借りて借りて借りまくり(中には返済不要のものもありました)。特に私などは私大に行ったので、4年間を通じて全授業料を大学から借り(計500万円、卒後ひーこら言って返済しました)、さらに公的奨学金及び返済不要の大学内奨学金をもらいまくり、どうにか学業を全う出来た経験があります。弟も同様に借りられるものもらえるものは全てもらって、現在は米国でPhdを取得中です。

というわけで、私や弟が出身家庭階層に固定化されなかった最大の理由は奨学金を与えてもらえて学校に行けたからで、それがなければ今頃どうなっていたか全く想像つきません。

トヨタや中部電力が「真のエリート」を育成するんだ、といって学校を開設するのは良いですが、それなら生徒の家庭が払えるカネの多寡で生徒を選別するような真似はやめて、まあ、取れるところから取るのは良いですが、一方で、優秀だが年間300万円も払えない家庭の子弟を一定枠タダ同然で受け入れてもバチは当たらないのではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-25 23:24:43
>yokoyariさま

公共投資に反対なのは、政府には、有効なお金の使い方をを考える能力が民間ほどにあるわけではない、と思うからです。加えて、公共投資が、公共事業をめぐる腐敗のガソリンになるから、ということもあります。

全ての公共投資が悪いわけではなく、いい物もある、ということは認めますし、乗数効果は同じ赤字に対して公共投資の方が減税よりも大きいわけですが、景気対策としての公共投資に対しては、私は、もう絶望しており、「有効なインフラ投資などに今事使うべきだ・・・」という種類の意見は、金を無心する言い訳に聞こえるわけです。

私の言っている「減税」は、消費税も所得税も法人税も、全ての税金をたとえば、同じ率で引き下げる、というような減税です。実際には、何らかの選択的な減税になるのでしょうが、「現在の税金が各所から文句はあっても、一応手続き的にフェアだ」と考えられるなら、このバランスをなるべく保ったままで、需要を追加しようという訳です。

また、来週のJMMにも書きましたが、民間への政府の介入を嫌って「小さな政府」という場合に、税金に関しても小さな政府である必要があります(これは飯田さんに教えていただいて、なるほど、と思いました。飯田さんがこうした意図をお持ちかどうかは、分かりませんが)。

>作業員さま

フリードマンがかつて提唱したマイナスの所得税構想は考えてみる価値があるかも知れません。

これは、たとえば、年収500万円を越えた部分の25%を税金で取って、500万円を下回った部分の25%をマイナスの所得税として、生活保護的に支出する、というような制度です。

このアイデアの優れている点は、たとえば300万円の稼ぎの人はマイナスの税金を50万円受けて、350万円の所得になりますが、400万円稼ぐと、トータル425万円になる、といった調子で、稼ぐことに対するインセンティブが失われない点です。

あと、私がいいと思っている「減税」の手段ですが、例えば、課税最低限度の引き上げを行うなど、貧困層に配慮する手もありますね。

もっとも、減税を行っていけばなおのこと、政府の所得再分配機能は低下して、貧困層には厳しい世の中になるようにも思えます。これについては、どうせ政府は当てにならないのだから、「自分のことは、自分で何とかする」と考える以外にないし、その場合には「余計な税金や無駄な政府支出は出来るだけ少ない方が気持ちが良い」と考えた方が爽やかではないか、というのが、目下の私の趣味嗜好です。

もちろん、それで、我が故郷の北海道が貧しくなるのも全く構いません。北海道は、北海道なりの生活をすればいい、と思います。(そういう爽やかな北海道に帰りたい、と個人的には思うのですが、私の場合、東京に居ないとシノギがままならないので、故郷には帰れそうにありません)

正し、これが絶対的に正しいものだと思っているわけではなく、このブログで経済政策の問題を取り上げたり、倫理関係の本を読んでみたりしながら、考えてみている、というのが現状です。



初期のJMMの頃に、困った生活の数字として年収600万円という数字を挙げたのは、お恥ずかしい限りですが、たとえば、あの頃、金融業界で食い詰めた人が再就職すると、そのくらいの年収のイメージでした。金融界の収入が当時、少々高すぎた、ということもあります。その後、年収の下方向への柔軟性というか、拡がりが出てきたことはご存知の通りです。今なら、数値を変えて話さないといけませんね。

>ふ様

「海陽学園」の評判は、最終的には、卒業生がどれくらいのレベルの大学に行くかで決まるのでしょうが、今の段階では、それほど学力が無くても入れるようですね。たぶん、あれは、自分の子供を世間の雑菌に触れさせずに、安全に育てたい、という親の「甘やかし」のニーズに応えたビジネスなのではないでしょうか。

ふ様の仰るように、貧困層の子弟を一定数受け入れるようなことをすると、本当にトヨタは立派だと思いますが、もともとの目的が、「世間の雑菌の排除」なのでしょうから、そんなことはしそうにないですね。

親の気持ちも分からなくはないですが、いまのところ、大した人間が育ちそうには思えません。(もっとも、所詮、教育よりは素質でしょうから、立派な卒業生が出る可能性もありますが)

<多重投稿のコメントについて、後で整理しておきます>

>どんぐり様

こんにちは。

あの大企業をぐるりと囲んで客待ちをしているタクシーには、私も疑問を感じることがありますし、私は、なるべく彼らを避けて、流れている車を拾います。

ひとつには、私は近距離の客なので彼らを失望させるからですが、もう一つには、ただただ客を待っていたという倦怠感が車内に漂っているのが嫌だからでもあります。

>Dialecticianさま

リフレ政策≒バブルと榊原氏が言ったのかどうか、私は知りませんが、確かに、そういった面はあるように思います。GDPと失業率だけを政策目標にして金融政策を行ったばあいに、資産市場は適当に機能するかどうか、或いは、資産市場(価格)に対する介入はどの程度認められるのか、というのは、なかなか難しい問題だと思います。

金利、あるいはマネーサプライといった単一の手段で、物価、景気(雇用)、資産価格といった実際には三つの変数をコントロールしなければいけないわけで、物価が景気にくっついて動くとしても、資産価格の問題をどうすべきか、という問題は確かに残ると思います(本ブログでは香西氏の意見としてかつて取り上げました)。
 
 
 
語録 (Dialectician)
2006-11-26 12:52:31
作業員さんがどこからこんなにボコボコ、山崎さんのお言葉を引っ張り出してこれるのか知りませんが、どれもこれも結構
面白い!
ですねぇ。勿論ほかの皆様のコメントも為になります、テーラーコウちゃんとか海陽学園とか新入社員ですら月に100万円かかるんですとか、仮に引用はあっても基調は自分のコトバで語るというコメントにはやはり迫力があり、勉強になります。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-26 13:49:13
Dialecticianさま

確かに「本人の言葉で述べた意見」には力がありますし、価値があります。私は書籍やホームページの引用による意見は、大雑把に意見としての価値を「話半分」と考えています。

引用による意見は、引用者が原典を正確に理解していない可能性がありますし、しょせん自分でポイントを表現できないから、引用に頼るのだろう、と考えてしまいます(それで、概ね間違いないことが多いようです)。

私は、ブログ上のやりとりは、論争とか勝ち負けのある勝負のようなものとは全然考えていないので(もともと文章や対談でも、要は「良い結論」を出すことが目的なので、やりとりの勝ち負けにはこだわりません)、暇がある場合は、文献や引用ページも読んで、やりとりに参加しようと思いますが、やはり、自分の言葉で論を構成してくれる方との意見交換に張り合いを感じます。

もちろん、発想のオリジナルが誰であるかを示すための引用はいいし、時には必須なのですが、せっかくやりとりをするなら、自分の言葉による意見をたくさん聞きたいですね。

尚、作業員さんが引用される私の「語録」の引用元はたぶんJMMのホームページだろうと思います。最近、昔の回答が全て載るようになりました。昔の発言というのは、時に汗顔モノですが、せっかく書いたものが残っている、というのは喜ばしいことです。
 
 
 
すまんねえ (作業員)
2006-11-26 15:57:00
わし、興味を持った人の「全発言」フォローする趣味があってなあ。村上ヘイポーとかもほぼ全発言フォローしとると思う。他にも二十人ぐらいそういう人間がおるなあ。気色悪いとか粘着質とか言うなよ。仁義やろうに、それは。

わしはネットに書き込んだりはここでしかしてない。JMMは製本を手元において、山さんのコメントはすでに全てにわしのコメントを付けてフォローした。ところで、松田林氏とかは、まだ生きていますか? まあ、ここは山さんのとこやから関係ないが。
で、この製本やけど、誠に自分だけおいしい思いをして悪いが、大学院に通う残念ながら胸の薄いおねーちゃんに以前○費で買ってもらったものだ。ボリューム7までしかないが。もういらないというので、もらっちゃった。おねーちゃんは絶対に胸が大きくないといけないかというと、まあそれその、バランスっちゅうか。希少性ちゅうか。
ところで、改めて振り返ると、金貸しと株屋にポリシーミックス勝手にやらせたら、作業員は殺されてしまうということがよく分かった。今後も個人的利益を中心に読書していこうと思う暖冬の初冬であった。わしは、今年は神様を信じることにした。去年は金がないのに灯油が高騰しやがって、毎日糞ブッシュ死ね、とつぶやいていた。悲惨は伝えられるが、世界はよい方に向かっていると、絶望の底で思いたい。
 
 
 
潔さは買うのだが (作業員)
2006-11-26 18:59:01
>北海道が貧しくなるのも全く構いません

夕張とかって、結局、原発建てるか、原発の糞地中埋設するか、しかないよな。放射線牛乳とか、絶対、左翼は呼ぶぞ。で、牛乳で言うと、雪印はたしか、互助会的なそういう出自を持っていたはずだよなあ。ダスキンは、宗教やったかなあ(忘れた)。
一旦、そういう世界に帰ったらどうか。と言いたいのだが、ムツゴロウの晩節も、大変なことになって、王国は千年もつことないからなあ。結局、牛乳に水まぜるか、タラバのメスを密漁に行くか、なのかなあ。エンガイで、沿岸は死んでいるそうやし。故郷なんだから、山さん、知恵貸してあげても、おせっかいじゃないんじゃない。誰か、知恵ないですか、夕張について。

わしの田舎もねえ、廃村に近くなった。が、わし、一山当てたら楽隠居で、庵を結んで暮らそうと思っている。めちゃ早いが、世はロハスなんやろ。庵は、オヤジが自分で建てた物置にしかみえない茶室が、すでにある。二畳半だ。オヤジの口癖は、よく言われる、
「立って半畳寝て一畳、天下取っても二合半」
というもので、この二合半は、飯は二合半しか食えないだろうに、という意味が本来と思うが、二合飯、ニゴウメシ、と伝わっている地方もある。
で、わしの田舎の辺りにも大型店が出来て、昔からやっている万屋やなんかつぶれていっているのだろう、と思って家の物に聞くと、感動的な話が返ってきたので、紹介すると。

男の手押し車
ある薬屋の側に大型ドラッグストアーできて、ティッシュなどタダみたいに買えるから、みんなそっちに行くかというと、そうでもなくて、人のいいオヤジの薬屋は、なんとか商売を続けている。そんなことあるのかと聞くと。そのオヤジの人の良さはとびぬけていて、手押し車でティッシュを買いにきた婆さんの、その手押し車を家まで押してやるために店を閉めるらしい。わしの田舎は一事が万事こんな感じで、およそ名古屋とは違う天国のようにわしには見える。ただ、それでも早晩、夕張になるのかと思うと、複雑な心境である。名古屋にだけは、なってほしくない。
 
 
 
Unknown (とりさん)
2006-11-26 21:23:53
>作業員さん

縁があって北海道で仕事を続けさせていただいており、
家族と一緒にちまちまと生きています。
作業員さんのコメントは独特なので、自分なりに
考えて、正直理解出来なかったのですが、北海道の
酪農と漁業に関してのご発言で理解できました。
私は自分の今いるポジションは、過去に自分の選択した結果だと思う人間なので、今の自分の姿は自分のせいではないと他者を批判しても始まらないと思っている。
嫌なら別の選択をして生きていけばいいだけの話。
自分の意志と妥協とのバランスをどう考えるかの
判断だけでしょう。他人なんて関係ない。
作業員さんより人間の器が狭い自分の戯れ言です。
好きに切ってください。
 
 
 
男の器 (作業員)
2006-11-27 18:41:33
>過去に自分の選択した結果

これには思うことがある。あるホームレスと話していると、ほんの最近まで、完璧な社会人だった、何十年も税も年金もすべて払ってきて、突然破産した、ということだった。夕張の人にしても、昨日まで税も年金も、国会議員よりもタコ経営者よりも厳格に払ってきているはずだ。関連しないけど、もうひとつ言うと、同友会が五年で全社員の首を切る、と息巻いていることを紹介して、山さんに一笑にふされたが、わしは、笑い事ではないと思っている。五年間まがりなりにもやってこれたその会社の存在を可能にしたのは、誰か。誰が稼いだ金で、新しい社員を雇うのか。解雇される彼の持つ技術が古くなったのは何故か。会社に身を捧げて、教育コストをかけて自己投資する時間がなかったからではないのか。過去の積み重ねが今日であり、未来はいかようにもなる。確かに過去と現在は自分の選択した結果である。それは正論だ。正論が、なんだ。産経を読もう。読売にとっとと買収されてしまえ。

男の器
電話がかかってきて、これまた残念ながら胸の薄いおねーちゃんのお誘いだ。母親の暦が還って、退職の日だから、プレゼントを選んでほしいという。とりあえずラーメンをおごってもらって、高島屋だ。わしの世話になっている親方は、わしと同レベルに小説を読んでいて、わしの骨董の師匠でもある。現場より美術館などを巡っている回数が多いと、わしらは業界では有名だ。
プレゼントの予算は少ないので、生活雑器ぐらいが適当だと思った。おねーちゃんの父は病気で入院したままだ。母は、パートから始めた介護職で正社員になりケアマネにまでなって、結局、今の所に六年勤め、定年をむかえた。退職金は、五十万。この五十万に、母は涙したという。予想の倍の額だったからだ。入院している父親が亡くなると、年金が入らなくなって、親子は家を売ることが決まっている。わしにできることは、小さなアパートに移っても、毎日うまい飯が食えるような、落ち着いてはいるが辛気臭くない器、この器なら明日も飯が食いたいと思えるような器、もっとも費用に対して効果が大きい器、を選んでやることだけだ。自分の持っている全情報を総動員して、有田の飯茶碗を買った。安かったので、同じ柄の湯のみをつけた。おごってやる金は、持ち合わせていなかった。おねーちゃんと高島屋を出ると、おねーちゃんが、「雨が上がってよかったね」と言った。
 
 
 
他者もたまには (作業員)
2006-11-27 19:51:22
若干ぶさよ臭がきついから好感、なのか、三ツ谷氏の言葉を引用させていただく。
『年収2000万円の幸福や暮らしと年収500万円の幸福や暮らしとに何の違いがあるのだろう』

違いはない。ただ、二千万と百万の暮らしには、違いがある。この百万円世帯を量産したのは、誰か。まあ、ひとまずは、自己責任でよかろう。金融政策の大失敗、という大合唱、が聞こえてくるが。しかし、百万というのは、もう経済学の入り込む余地がほとんどない。救済の世界だ。日本人が救済しなければ、シャネルの社長かビル・ゲイツか誰かが、救済してくれるだろう。なに? 甘えるなと。甘えさせてやるのが、男の器でっせ。政府が救済できない、救済しない、となれば無政府主義の躍進、わしと山さんの時代の到来。アナボル論争、はもう忘れたが、ケツの穴の話はだいぶアウフヘー便できたと思う、異常に暖かい初冬で、これぐらい暖かいと、気色悪い。なんか、起こりそうだ。
 
 
 
ソープのオヤジ? (yokoyari)
2006-11-27 22:56:33
>私は、もう絶望しており、
よろしければ「なぜ絶望しているのか」お教えいただけないでしょうか?

もし山崎さんが「国道も、JR(旧国鉄)も、NTT(旧電信電話公社)も、郵便局etcも 国のサービスは一切合切使ったことはない!!」とするなら「公共事業は駄目だ!!」というのは納得が行くのですが、もし使ったことがありながら
その様に言っているのなら、私から見ると、よくビート武の言う「ソープのねーちゃんに世話になっといて、終わってから『こんなことをしていては駄目だ!!』説教するオヤジ」に見えます。
「世話になっといて何を言うのか。説得力無し」という良い例です。下世話なことを言えばですが。

汚職が嫌なのは同意しますが,それを持って公共事業を毛嫌いするのは筋違いではないでしょうか?
それなら汚職が発生しないような仕組みを作ればいい話だろうと思います。

それでも駄目だというのなら、偽装請負が起こるような経済活動そのものも否定しなくては筋が通らないのではないですか?あれもルール違反という点では汚職と同じですし。

減税でも良いのですが、格差が広がらないようにしないと
意味がないですね。
平等というなら、国民一律100万円とかのほうが平等だと思います。
 
 
 
リバタリアン? (yokoyari)
2006-11-27 23:07:12
リバタリアニズムについて調べてみました。wikiですが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3

ベンサムの功利主義ですね。引用させていただくと「個人は、他人の同様の自由を侵すか又は他人への害とならない限りにおいて、自分とその財産を自由に出来るべきである」となっております。
この「他人の同様の自由を侵すか又は他人への害とならない限りにおいて」というのがポイントではないかと思うのです。但し書き付きなわけですね。
「自分第一」というまでは良いのですが、「そのために人に害を与えても構わない」というのはリバタリアンたらないだろうと思うわけです。
当然ながらデフレを容認している限り、デフレによる他人への害を許容していることになります。もちろん高インフレでも害はありますが。

というわけで「デフレのため貧乏になる人が居ても良い。生活苦となり死ぬ人が出ても良い。政府のリフレも保護も不要」とおっしゃって居るように見えますが,これはリバリタリアンなのでしょうか?

もちろん、それを超える「ジャイアニズム」であるならば一向に構いませんが
子供のいじめ自殺の記事を見るにつけ、ジャイアニズムとは矛盾したものを感じてしまうのです。
 
 
 
差別な世の中 (yokoyari)
2006-11-28 09:02:13
とりさん様

人間、選択のしようの無い物もあります。最たるものは「生まれ」です。

私は「人は生まれで有利不利になるような事があってはならない」と父に言われて育ちました。
曰く「生まれは本人の努力ではどうしようもないものだ。だからそれをもって有利不利になってはいけない。それをやるのは人として最低の行為だ。」と。

人間、親は努力して選べるわけではありません。

貧乏人の子は努力が足りなかった?
障害を持って生まれた子供は努力が足りなかった?
虐待を受けている子は努力が足りなかった?
被差別の子供は努力が足りなかった?

違いますよね。どうしようもなかったんです。本人の努力では。
私は生まれが何であれ、スタートラインが同じ世の中が望ましいと思います。
だから政府が手厚く再配分を行い、そういった差異が出ないようにする必要があると考えます。
デフレでは金持ちはより金持ちになりやすく貧乏人はより貧乏人になりやすい。生まれで差が着きやすい世界です。


そういう意味で、私は相続税は100%にすべきだと思っています。金持ちの子供は金持ちの子供になるために努力したわけではないからです。
 
 
 
Unknown (yokoyari)
2006-11-28 14:32:18
>もちろん、それで、我が故郷の北海道が貧しくなるのも全く構いません。北海道は、北海道なりの生活をすればいい、と思います。(そういう爽やかな北海道に帰りたい、と個人的には思うのですが、私の場合、東京に居ないとシノギがままならないので、故郷には帰れそうにありません)

そういう北海道が果たして爽やかなのかどうかは分かりませんが、気になった点が

>北海道が貧しくなるのも全く構いません。北海道は、北海道なりの生活をすればいい、と思います。

といいつつ、ご自分は

>東京に居ないとシノギがままならないので、故郷には帰れそうにありません。

自分の考えを他人に押し付けるのはリバリタニアンではないのでは?
北海道にいて「いくら貧しくなっても構わない」というならまだ説得力がありますが
東京で生活していながらそういうことを言える感覚が分かりません。

ものすごく高いところから見下している感じがします。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-28 14:50:47
>yokoyariさま

公共サービスを一切合切使わないという状況は公共サービスの縮小を主張するにあたって必要ありません。私がいいたいのは、公共サービスに対する支出の効率が概していえば悪いから、縮小する方が良い、ということだけです。

(ゼロ・イチ的な決めつけは、論理を貧しくするので、ソープのお姉さんにも嫌われると思いますよ)

たとえば、なぜ北海道の雇用対策のために、キタキツネが歩くような場所に高速道路が必要で、そのための負担を本州の納税者がしなければならないのか、といった状況に「絶望」しているわけです。いい迷惑です。

尚、リバタリアニズムにはいろいろなバーションがあり、必ずしもベンサムの功利主義とは一致しません。主張が面白くて、参考になるという意味では、マリー・ロスバードの「自由の倫理学」のご一読をお勧めします。尚、私は別段、リバタリアニズムに帰依しているわけではありませんし、リバタリアンの代弁者をする義理を持っているわけではありませんが、リバタリアンは他人に危害を加えることを好まないはずです。

私の立場としては、当面、自由と所有権への公的介入(より正確にいえば、公を装った他人の介入ですが)が嫌いであり、かつ、多くの場合公的な組織による経済行為は非効率的だと思う、ということだけです。

また、ご理解いただいていると思いますが、私は、デフレを支持しているわけでも希望しているわけでもありません。しかし、デフレ対策のために、たとえば無駄な公共事業を行うとか、為替の介入を行うといった財産権への介入や非効率を敢えて犯すことには反対です。

通常、経済の話にあって、目的は一つだけではないし、もちろん手段にも依存します。
 
 
 
神のみえざる糞 (作業員)
2006-11-28 15:16:52
株はやったことがないのだが。昼に、田舎右翼の糞爺に呼ばれて茶をしばきながら、最近株屋と話をするようになったんや、というと、爺がネタをくれた。仮名の物語で書いておく。

男の分け前
あれは、昭和三十一年の話や。わしは初めて株を買った。ちょうどまとまった金が入ったんでな。憂さ晴らしに県庁に怒鳴り込んだ後に、ニッコリ証券によって、何が上がるねん、と聞くと、黄金トヨタという株がいいでっせ、というので、手持ちの金全部で買ったんだ。すると数日で、もう十分な値上がりを見せた。その話を、つきあいのあった占領軍に昔金もらってた左翼のヤマというのに言うと、頼むからその半分を分けてくれ、というので、まあ腐れ縁だから、わしはヤマに、わしが買った値段で半分株をくれてやった。それで、ヤマは金にめざとい男なので、相場を見ていてくれと任せた。それからしばらくして、「おい、ヤマ、株どうなってる」と聞くと、「作業員ちゃーん。とっくに売って、ぼろもうけよ。ありがとね。ちょっと赤線いくべーか、ヒロポン打つべーか」と言うので、そんなに儲かったのかと聞くと、「ああ、ここに金のヤマがある。いくらでもおごるよ」と札束見せてくれたので、赤線に直行した。それから一月あそびたおして、わしの株はいったいいくらになっているとヤマに聞くと、「何言ってんだ。もう一緒に使ったじゃないか。最初に買った金ぐらいは残ってるから、分け前を返すよ」と言われた。以来、株は買っていない。依頼、糞トヨタと呼び続けている。

さっき、ツレの郵便屋がこう言った。「けち臭い糞トヨタが、かんできて、時給が下がってしまったので、バイトの募集に誰も応募してこないで困っている。いいかげん、株屋と遊んでないで、作業しに来い。糞トヨタ方式、たたき込んでやる」世の中はなぜ、こんなにもうまくできているのだろう。神の見えざる糞、でもあるのだろうか。
 
 
 
Unknown (とりさん)
2006-11-28 21:30:09
yokoyariさま

レスありがとうございました。勝手な自分の思うところを
書かせていただきますので、ご批判もあると思います。
さらにご意見をいただければと思います。

>人間、選択のしようの無い物もあります。最たるものは「生まれ」です

生まれを選択できないのは当然だと受け入れるしかありません。
そのあとは、自分の努力でしかありません。
その努力には、二つあります。
報われる努力と報われない努力です。
無駄な努力は報われません。生まれは、関係ありません。
人のせいで(子どもなら親のせい。社会人だったら会社や上司のせい)努力が報われなかったというのは、言い訳です。
親がだめだったから自分は悪くないという言い訳にしか聞こえません。自分の親は、貧乏人です。茶碗や湯飲みのふちが欠けているというのは自分にとっては常識だった時代があります。どうでもいい話ですが、自分の経験なので(汗。

>違いますよね。どうしようもなかったんです。本人の努力では。

自分の力でどうしょうも無いということが正論ならば、
どうしようもない自分を自分で受け入れるべきでしょう。

>だから政府が手厚く再配分を行い、そういった差異が出ないようにする必要があると考えます。

富の再配分を政府がするべきではありません。弱者の甘えを増強し、努力した人間の労働のインセンティブを奪います。

リバタリアンとリベラリストの典型的な会話になってしまったかと思います。
自分がリバタリアンという自覚はあまり無かったのですが。。。
 
 
 
機会平等の費用 (作業員)
2006-11-28 23:56:26
山さんの立場は、
「タコ社長は、殺すわけにはいかないから、退職させるようにみんなで努力しないといけない。美しい国とは、金融政策をいじることによって、損をする人が出たり、不当に得をする人が生じたり、しない国だ」
であります。ここはぶれておりません。貨幣の中立性について、できれば私見をお尋ねしたくはあります。下流の匂いも悪くないと最近いくらか「善意」にかぶれて、バケツの底も少しは厚くしてやるかな、ぐらいのところだと思います。大切なのは、心に訴えることと、わしなんかは思います。氷のような心もやがて解けるものであります。
などと若干いやみですが、目の前で人が倒れていたら、誰でも救急車ぐらいは呼んでやるのでしょう。救急車が来るという制度はないといけませんでしょう。わし個人は、国家主義を標榜する人がこれだけいて、愛国心を強制までしてくるのですから、最低限の国家の品格は保ってほしいと思います。クソウヨがだめなのは、伝統右翼思想とは、国家社会主義であり、大アジア主義である、という基本を押さえていない点であります。北一輝から読むのが面倒なら、何故か正論系文化人の松本健一から読みましょう。ちなみに、わしは、野村秋介が死んで右翼はこの世からいなくなったと思っています。
で、国家など財政状況であてにならないのですから、基本は、金持っている人間が飢え死にしそうな人間に恵んでやるしかないでしょう。(ヘイポーもそう言っています)国は再配分するべきではない、と言っても個人で寄付ぐらいはするのでしょう。ちなみに、わしの書いたことに十円払ってもいいかと思った人は、ペシャワールの会の中村哲医師に寄付でもしてください。わしの贔屓筋です、なんの関係もないですが、大勝したときは罰が当たらないように寄付したもんです、かつて。で、大乗小乗金剛乗のまあどれでもいいと言えばいいのですが、とりあえずオーソドックスに仏教徒になった人間と、嘘でも社会主義者になった人間は、まあなんとか飢え死にしそうな人間だけは、救済してあげましょう。できることだけは、してあげましょうね。人口から七千万の神道信者を引き、池田学会を引き、残ったのは四千万ですか。あとクリスチャンが少しいますが、曽野や山谷といったクリスチャンはなんとなく、ケツの穴が小さそうなので、個人的にはヤソもいいです。基本は仏教系アナル好きと主義者でいいのです。まあそれでも何千万かはおるでしょう。慈悲深さ、見せてあげましょうや。
で、スラムから天才ボクサーや天才サッカー選手、あるいは文字通りの天才、が出てくることは当然ありますが、まずもって、天才を拾うシステムだけは必要なので、そのコストだけは払いましょう。資源を合理的に配分するために、公正な競争とその結果を公正に評価するシステムが必要なのですが、糞御手洗のようなズルばかりする大人が、市場を歪めてしまうわけです。ドケチなので費用も出しません。死ねばいいのに。
 
 
 
なんか暗いなぁ (Dialectician)
2006-11-29 00:10:04
作業員さんの何気ない一言アナボル論争で懐かしく思い出しました、若かったときに読んだトロツキー入門。今では第四インターぐらいかな(詳しい人いたら乞う訂正)。
貧困問題という疫病は日本だけのことじゃなくてどうも先進国を含めた世界中に飛散・深く静かに浸透しまくってるようです。これは一個人・一集合体の才能・努力だけで退治できる病では決してない。この既に忘れられた運動が、近い将来実は最も光輝くことになるかもしれない、などと思う晩秋です。トロツキーそのまんまじゃああまりに芸がないけど基本的にはやっぱり歴史は繰り返すからね。作業員さん、ヨヨギ嫌いなんでしょ、丁度いいではないですか、神様を信じる前にトロツキー。ネオコンと全く座標が逆ながらどこと無く似たところがある。第五インターでも六でも構わないし。市場原理無視しない型なら自分も旗振ります。差別の天敵は他ならぬ市場原理だしね。
こういっちゃナンだが、自分はバブル崩壊=デフレで浮き上がったほう。デフレには足向けて眠れない。デフレを絶対悪と教条的に頭悪くパターン思考するひとがいるが、これも人によって相対的なんだ。持たざる者にとっては、以前までコビトとゴリアテぐらいに格差があって永遠に不動とさえ思われていた状況が、一気に武器対等にリセットされた瞬間がほんの4~6年前。なにしろ今まで相手が持ってた大砲が無価値になっちまったんですから。同じスタートラインに強制的に並び直し、としたのがデフレに他ならない。あまり細かくいうと、おい、自慢話かよってなるから言わないが、虎視眈々と底値を窺い株は7・8千円台になるまでは決して買わないと決めていたがホントにボタ餅みたいに市場のほうが落ちてきてくれたので買い捲り不動産は勿論金借りて目一杯買い買い買い。もっとも、バブルのときにカネ持ってたらきっと自分も被害者たるを免れていたどうかは自信がない。山崎さんはどこかで企業は正社員に懲りているのだとイミジクも言っておられたが、今の政策決定者層というのはバブルにそれはもう殺されかけた人ゴッチャリの層だからバブルに懲りてるともいえる。勿論年金生活者のことも考えないといけないし、アナウンス効果のほうがデカイ局面ともいえるしね。それに私のような不労所得でリッチになっていくような者の存在は目障りでしょう。(7千円台を底と分析したのは決して不労じゃあないんだけどね)
但し、世の資産価格は上がり巻くってしまっているのに不況で職がない・あっても馬車馬のような扱いを受けるという今の状況は這い上がるチャンスが全く見えてこない最悪の状況とも言える。
市場原理の市の字を見ただけでそれはもうぎゃーぎゃー言い出すヒステリーも世の中にはいるがそれは被害妄想だよ。どんな原理も万能ではないとこを知った上で使えばいいのだよ。(そうでもない昨今だけど。)おぎゃっと生まれていきなり普通人の競う競技場に放り込まれるわけじゃないんだから。要保護性のあるひとにはそいういう別の囲いがちゃんと競技場にもあるわけでね、未成年制とか被後見制とか被保佐制とか諸々。別の囲いというハンディキャップ貰えないと逆に公平でないことになるからね、なにしろ競技のルールさえ分からない者をメイン会場に放り出すわけにはいかないでしょ。さらに言えばこのメイン会場で破れた競技者が致命傷を負ってなお、完全に死ぬまでその場にいて戦いつづけろっていうのもルール違反だろ。そこんとこ経団連関係のひと、役人、アベっちなどには気づいてもらわないとならないと、世界同時トロツキーカクメイが待ってます。
 
 
 
機会あるごとに (作業員)
2006-11-29 00:12:05
>障害を持って生まれた子供は努力が足りなかった?

紹介したい言葉がある。馬鹿の壁の養老先生の言葉である。
「お母さん。あなたのお子さんは、障害を持って生まれたのですね。お母さん。残念ながら、その子は、あなたがなんと言おうが、もはやあなただけの子供ではないのです。その子は、社会の子であります」

いえ、私だけの子です、名前は鈴木その子です。というリバタリアンなる生き物がいるとしたら、シャポーを脱ぎます。で、わしの知り合いの福祉系の先生が、一年の初めの講義でしゃべる決まり文句があるので、それも紹介する。
「戦前、私たちが愛する二つの言葉が、蛇蝎のごとく忌み嫌われました。なんだと思いますか? 社会と福祉、であります」
ブサヨもたまにはええこと言うとわしは思う。
 
 
 
そういえば (作業員)
2006-11-29 00:22:18
暇つぶしにもぐりこんだインチキゼミの先生が、トロツキイストでありまして、ゼミの終わる頃、そのゼミが、レギュラシオン学派だということを知りました。印象ですが、左翼は資本論ではなく、帝国主義論が好きなのです。レーニンなあ。いやー、佐藤優って言うのかなあ。ラスプーチンっぽい人も、資本論読むもんねー、って言ってました。内橋克人によると、もはやむき出しの資本主義なんだ、そうですから、当然にして資本論に帰るのですが、わしはナニワ金融道でもう十分であります。ソローの森の生活あたりを枕に寝たいですな。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-29 01:07:58
作業員さま

ソローといえば、たまたま今読んでいる本にソローの話が出ていました。

自然主義的で静かなエピクロス的な快楽主義について書かれた文脈で彼がやや否定的に登場します。

=====================
・・・。 実際、このような自然主義的な考え方は人生の理想のひとつとされ、ソロー〔アメリカの作家。1817-62〕や古くはエピクロスの快楽主義に遡ることが出来る。もしもあなたがある日突然、この世界でたったひとりきりになったら、生活はかなりシンプルなものになるだろう。ソローはウォールデン湖のほとりで、ただひとり二年にわたってそのような生き方をしようとした。しかし実際のところ彼は、自身が認めるよりもずっと頻繁に近くの居酒屋に通っていた。ソローでさえ友達を必要としたのだ。
(グレゴリー・バーンズ著、野中香方子訳「脳が『生きがい』を感じるとき」NHK出版。p27)
======================

「自身が認めるよりもずっと頻繁に」というところが、いいですね~!

まだ全体を読み切っていないので(〆切の近いゲラのチェックなどがあって、本が読めない)、要約はできませんが、この本では、脳が幸せを感じるためには、「新しいこと」が大事であるということと、「自分自身の行動」が重要な役割を果たしていることが強調されています。
 
 
 
下流をなめた男 (作業員)
2006-11-29 14:35:26
男の反ヨヨギ

わしは山さんほど年くってないので、学生運動の残滓と関わっていないし、労働運動にも関わっていない。だからして、わしの反ヨヨギは、単にヨヨギとヨヨギ的人間嫌い、を意味している。ほんと聞いてくれ、男の嘆きを。
高校を出て、わしは土方をしながら社会人向けのコースで学校に通った。場所は大学で、少し長くがんばれば、大卒扱いしてもらえる制度だが、こっちは端からただ本が読みたかっただけであるので、アフターファイブのいくらか高級な眠たい趣味の時間だった。当然同じ大学の普通の学生とすれ違い、ヨヨギのビラとかもらうのだが。ある日、わしのバイト先に(このときは果物屋の棚卸し)見た顔の学生がやってきて、この男が全く使えないでので、わしや店長に罵倒された。で、あんまり落ち込んでいるので、帰りにバイト代で飯でも食うかと誘うと、男はとてもよろこんで、おごります、というので、そうか、あんちゃん悪いね、と言ったが、まあ一応の同級生なわけだった。ほんでから、この同級生がいわゆる民コロの活動家で、自分は革命家であるというようなことを言うので、「おめーもアナルが好きな土方の息子か?」と問うと、教師の息子だった。奨学金をもらってその金で日本中を回っているという鉄オタと聞き、酒も入ってわしはだんだんむかついてきた。対照的に同級生の革命家は、資本論だの生産手段だのと弁舌さわやかになって、「労働者の給料が僕の父親のように安くていいわけがない。搾取を許してはいけないのです」とついに宣ってしまい、どう考えてもうちのオヤジの年収の倍はあると思ったので、とりあえずオヤジに代わり、「あの世で、電車乗っとけ」と、オタマで頭かち割ってやった。
これもなにかの縁だろうということで、わしと同級生の自称革命家はお友達ということになり、都合三百回ほど飯をおごってもらった。自称革命家は民コロの委員長になったが、いつもわしに頭を下げていたので、わしは反ヨヨギの幹部だと噂されるようになってしまった。わしはホンダにオジキが勤めていたせいか、無類のバイク好きで、四耐までは出るぐらいの遊びをしていたのであるからして、ヘルメットに色を塗ってついでにゲバ棒を持ったりしたことはない。そんな格好ではコーナー曲がれんだろうに。自称革命家の友達の話を聞いていてつくづく思ったのは、「自分の四百万の収入を六百万にしたい人間はいても、親戚でもないどこかのどなたさまかの百万の収入を革命によって二百万にしてやりたい男はまずいない」ということであった。さらに。
政治思想史の先生は結構有名な、これまたヨヨギの先生で、彼はわしにこう言った。
「もはや日本はすっかり豊かになり、貧乏な人も悲惨な生活もなくなりましたね、作業員ちゃん」
当然わしは、おめーの目に見えている世界だけが世界だと勘違いしているから、いつまでも革命は成就しないのではないですか、このタコ。と言ってやったのだが、先生はひるまず、こう言った。
「そうは言うものの、あなた、えらく、いい体してるじゃないですか。飢えている人が、そんなに太っていてはおかしいでしょう」
事実を提示されたのであるし、近くにオタマがなかったので頭をぶん殴ってやるわけにはいかず、とりあえずわしは、わしのデスノートに名前を書いた。今なら、藤原新也の本をパクって、「菜食主義の極みはルーツは食べないというものだ。だからして、葉っぱムシムシの牛は偉いのである。神聖であるのである。馬にニンジンを食べさせるのが薬物効果があるのは、ルーツにそういう穢れが宿っているからである。そして、人間は牛と同じく、修行によって葉っぱからタンパクを合成することが可能だ」と、いんちきな反論ができたかもしれない。この思想史の先生との対立から、わしは以後結構まじめに勉強をすることになる。ヨヨギに感謝しないといけないのかもしれない。他に二人ほどオタマで頭ぶん殴ってやった先生がいるが。たぶんこういうのは、衣食足らざれば礼節を知らず、三つ子の魂百まで、土方の子死ぬまで現場忘れず、とかいう格言になるのであろうよ。
あ、今思い出した。初めに書いた民コロのツレは、実は両親ともに教師だった。そのことを死ぬ思いで隠し続けたのかと思うと、ほんと彼はいいやつだったなあ。ソローの書は、わしにとっては結構キックのある革命の味がする本だった。内容は、忘れた。
 
 
 
下流を装う浅知恵 (作業員)
2006-11-29 18:36:09
わしはパチンコの負けを取り返すべく、一時、パチンコ業界に潜入していた。シマ大工の手伝いや、台の据え付け、配線など、なんでもしたので、ロムの中以外はだいたい知っている。日本中、ゲリラのように回ってきつい仕事をしたのだが、結構いい思い出だ。北陸のパチンコ戦争まっただなか、だったので、そのあたりの土地をよく回った。当時日本で一番台数の多い店の千単位の配線もこなして、さすがにこのときは発狂寸前だった。あまりにも台が多いことと、もう一つ、音響のチェックで一日中わしの大嫌いな女性ボーカルの歌が流れていたせいだ。がまんならんので、なんでもいいから変えてくれと言うと、歌は憂歌団にかわって、作業員はみんなほっとしたもんだ。ノイローゼ寸前まで追い込んでくれた歌手の顔が、今日の新聞に出ていた。休憩で通ったドーナツ屋で、生涯で一番かわいいと思う女の子に出会ったことを思い出す。酒も肴もうまかった。そんな夢の北陸ではない、パチンコの本場名古屋で知り合った大工の棟梁の話をしたい。

男の名古屋
棟梁は右手と左手が同じように使える人で、仕事が三倍速いといわれていた。いい時期に仕事をしたこともあり、すでに億の金を持っていた、が、棟梁は、ごくごく普通のつましい職人の暮らしをしていた。娘がいて、この娘の器量がよくてわしは仲がよかったのだが、やっぱりただの職人の娘で億万長者の娘な感じはなかった。みごとな爆乳だったけど。棟梁にはさらにもう一人の娘がいて、この娘も爆乳だが結婚をした相手が貧たれた若者で苦労していた。娘なんだから援助してやれば、と思ったがまあ、わしは黙っていた。それからその娘に子供ができたが、まだ億万長者の孫としては育てられず、娘の家庭は貧たれたままだった。わしは我慢できず、棟梁の弟子の大工に言った。
「あのなあ。ケチとは言わんが、金は使ってくれないと、庶民にはいいことがないのよ。なんで金を使わんのだ、棟梁は。孫には無限の可能性があるんだぞ。最終的に大工にすればいいけれど、ひょっとしたら何か才能があるかもしれんではないか。庶民の暮らしも、子供までなんじゃないのか。もう、どうつくろっても、棟梁の家はセレブだぞ」
わしは弟子の大工にこっぴどく怒られた。金を使わないことが、悪いことのわけがない。おまえは作業員のくせに本など読むから、そんなことを言うのだ。大工の子は大工でいいのだ。だいたい他人の家の財布など気にするのが、卑しい。
それはそうだが、大工の子と言っても、大金持ってる大工の子ではないか、とはさすがに言えなかった。棟梁の影響を受けて、一円もいわゆる無駄な金は使わない、一本の釘も無駄にはしない大工に、丼勘定の土方の息子の言葉は通じなかった。ただ、心の中で、ひょっとして、こいつら真性のドケチなのではないか、という疑念は広がった。
それからしばらくして、棟梁の家にマルサが入り、棟梁はこっぴどく怒られてたっぷり追徴をくらった。棟梁は、「職人は明日が知れないのだから、工夫して金を貯めていただけだ。金を貯めて何が悪い」と言ったが、もはや、「名古屋人なだけでしょうが」とまわりはつぶやいていて、わしも、弟子のことを便所大工とまでは呼ばないが、名古屋大工とは呼びたいと思った。糞トヨタには、何も期待していない。期待することが、卑しい、正論だ。
 
 
 
愛国心の愛は愛知の愛 多分愛とは関係が無い (アベルフ・シンドラー)
2006-11-29 19:38:15
既知外から逃れた流浪の芸術家が何処に流れ着くか、は安倍ユーゲント的にも気になるところではあります。

ゴーギャンが流れ着いたのが愛知でなくタヒチで本当に良かった。もし間違って愛知になどたどり着こうものなら、既知外をはるかに越える正気のケチの恐怖を噛み締めながら中学生の浮浪者狩りでゴッホ以上の無惨な屍をさらしたことでしょう。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-11-30 17:53:51
>作業員さま

「名古屋人がケチ」というエピソードは、どなたに聞いても、一つ二つ出てきますね。私は、あれはあれで、彼らの勝手だし、割合自己完結しているので、いいのではないかと思っていますが、それは、強烈なケチの被害に未だ遭っていないから、ということなのかもしれませんん。

>アベルフ・シンドラー様

「正気のケチの恐怖」という表現と、「愛知とタヒチ」の対比に感嘆いたしました!

座布団2枚ッ!! という感じですね。

もっとも、例えば私が流れ着くとすれば、中京競馬場のある愛知の方がいいかな、などと思いますが、愛知の怖さを知らないだけかも知れません・・・。
 
 
 
競馬は動物虐待じゃ (作業員)
2006-11-30 19:28:08
わしは競馬はせんのよ。せんと決めたんよ。したら、破滅が早まるから、せんと決めたんよ。やりたいけど。さて、そろそろ、下流を生きる知恵もまとめていかなければいけないので、思いつき、書いておこう。

できることは限られている、というより決まっていると思う。国の政策は、マクロミクロに詳しい人がしっかり議論してくれ。わし個人は、国に頼る気はないんよ。愛国心押しつけてくるような連中が口にするその愛国が、愛国民心でないことに、むかつくだけ。ほんと、糞御手洗に、教えてほしいんだ、愛国の意味。国の若者を悲惨な目に遭わせて、何が愛国心だ。おめーは、結局のところ、「特攻で死んでこい」なわけで、死なないやつは、家族全員特高に監視させて、特効薬だと偽って青酸カリでも飲ますんだろ、非国民だ朝鮮人だと井戸に投げ入れるんだろ。

どうも話がそれていかんな。で、教育コストを自分で払う仕組み、という山さん考えの、わしなりの答えなんやが。大工の話やないが、まずもって、一族で会議を開いて、困っている身内に貸与してやれや、と思う。棺桶にはあるほどの菊しか、投げ入れてもらえないわけや。一族の資産を、早めに若年層に移転してしまえ。五十の息子やなくて、二十五歳のフリーターに金渡してやれ。二十五歳本人が、なんとかこれならきつくても、修行だと思って一生やっていける仕事を特定すること。その仕事につながると思えるような、学校を探し、親方を捜し、あるいは国なんかどこでもええやんけ、とにかく手から口へ、であっても、とりあえず毎日食っていけそうなもの、探すしかなかろう。名古屋の人には言わないが、それ以外の人へ。血が水よりも濃いのだけはほんまの話やんかいさ。

で、核化、セル化、した人間は、ほんまは、弱音吐いたらあかんのや。リバタリアンの言うことは、無慈悲には聞こえるが、正論であることは間違いない。七面倒な田舎の因習を拒絶し、兄弟の縁その他、家族共同体国、との紐帯を切ったわけやろ。あのな、それは、リバタリアンなどというオバタリアンの反対みたいな言葉を使わなくても、世捨て、ちゅう日本語があるわけ、大昔から。おめーらは、世捨ての身、世捨ての家族、なんじゃよ。わしのオヤジなんかと同じ、民生委員の世話なるくらいなら死んでやる、それも一つの生き方やし、恥がきわまって自死する人は、田舎の方が実は多い。迷惑かけて申し訳ないので死にます、というのは、なんとか止めたいですがな。

でまあ、金融のプロの山さんにお願いできるとしたら、国の徴税権を発動しない形で。なんとか自発的な意思の表れで、若年層に富の再分配してやってほしい。
たとえば、六十歳以上の高額所得者が作った基金で、若者の事業でなくとりあえず、就業活動に投資する。若者が順調に働けるようになったら、少しずつ金を返す。あしなが奨学金じゃないか、と言われれば、そのとおり。でも、それしかないように思うなあ。わしとしては、投資している若者の、顔が見える形がええなあ。死ぬ前に、もう一人、子供育てたったで、という人生って、ええのとちゃうかなあ。それって、里親やろ、と言われれば、そのとおりなんよねー。
ちなみに、ビックリしてほしいんだが。わしは、四十すぎたヨイトマケのおかんから生まれた、いわゆる恥かきっ子でなあ。わしが生まれる前に、すでにおかんは、二人ほぼ成人させとんやで。種違いの兄弟やがな。
ええでっか。読み書きのできない明るいだけが取り柄のヨイトマケの女が、二度、子育てをしたんですよ。元気な糞団塊なら、まだまだ子育て、あるいは、人間育て、できるんじゃないですか。何度でも言いましょう。棺桶には、あるほどの菊しか投げ入れてはもらえませんよ。
 
 
 
たまには (作業員)
2006-12-01 15:07:20
女のロースクール

たまたま隣の席に座ったおねーちゃんが、悲壮な顔で法律を勉強しているのをみて、なにか試験でも受けるのか、と声をかけた。数年前の話だ。おねーちゃんは、ある事件にまきこまれていて、誰も助けてくれないので自分で法律を勉強していた。行政書士に落ちたレベルで悪いが、と前置きして、わしはいくつかアドバイスして仲良くなった。事件が一段落して、ただの事務員だったおねーちゃんは、社会に対する憎悪を口にし始めた。弱者が人間扱いされていない、このような社会は絶対に許せない、と言い始め、法曹になる、と言い始めた。ちょうどロースクール制度ができたので、冗談で、「法科出、でなくても受けられるみたいだから受ければ」とわしは言った。すると事務員のおねーちゃんは会社を辞めて背水の陣でロースクールの受験準備をし、なんと、確実に上位五校に入るロースクールに受かってしまった。一番驚いたのは、わしである。このおねーちゃんは少し変わっていて、検事になりたいらしい。こないだ会うことがあったので、糞キャノンの糞御手洗の偽装請負の話をしてやったら、「企業の顧問弁護士は糞ばかりだ」と言っていた。検事になったらまず偽装請負から、わしの告発を受けて立件してくれよ、と言っておいた。が、どうも検事は信用ならん。
前に、おねーちゃんの暮らす街に行くことがあったので、泊めてくれよというと、もう新しい猫を飼っているの、と無碍に断られた。扉は閉ざされていた。サムターン回しの技術は、わしにはない。わしは、いいもーん、胸の薄いおねーちゃんに、興味なんかないもーんと叫びながら、ウクライナ人ばかりだと聞くグローバル化した花街へと急いだ。世界の扉とびらびらは・・・。あー、観音様キャノン様。合掌。
 
 
 
ひさびさ下流を生きる知恵 (作業員)
2006-12-04 14:55:40
男の発破

薄化粧というきっつい映画を覚えている方がおられたら、かなりのおっさんと思う。この薄化粧の緒方拳が、わしのオヤジにあんまりそっくりで、泣いた記憶がある。殺人鬼とそっくり、と書くとオヤジがあまりにかわいそうなので、映画は暇なときに見てくれ。
わしのオヤジは簡単にいえば元ホームレスで、飯場を転々としているうちに鉱山の町に流れ着き、そこで性欲に負けて子を持った、まあ極道もんだ。鉱山は閉山して土方に逆戻りだし、餓鬼はなんと三人できるし、こりゃ大変だ、と考えたオヤジは、地下数百メートルで見よう見まねで覚えていた発破の資格を取ろうと、ミカン箱の上で勉強を始めたらしい。で、全くの文系浪漫派のオヤジは、ちゃんと発破の資格を取得をした。田舎のことなので頻繁にあるわけではないが、ダイナマイトドンドンの仕事が入ると、いくらか家計は潤った。すでに二度の落盤事故を奇跡的に生き延びていたオヤジは田舎のスーパーマンであったが、こういう男に発破なんか持たせた国は、懐が深い。すぐキレル子供、とマスコミで言われ始めた頃、そんな奴はわが町には昔からいる、とみんなオヤジを指さした。今は廃人の俳人のヨイヨイとなったが、オヤジは結局四百戦無敗のヒクソンのまま昇天していくようだ。わしは北の核が本当に怖い。季違いに発破、季違いに核、だろ。わしの家のタンスは、ダイナマイトの箱でできていた。近所で工事があるときは、ヤクザがお頭の鯛を下げて挨拶に来た。オヤジは、落雷によるマイトの誤爆という三度目の大事故も、奇跡的に生き延びた。人生は、運だと思う。運は常に、偏りすぎ、だとは思うが。
 
 
 
中流を生きる費用 (作業員)
2006-12-05 19:26:39
男の郵便屋

トヨタ方式を導入したところで、地方の郵便局の郵便部門はほぼ全滅で赤字らしい。郵便会社は、成り立つのだろうか。郵便局で働くわしの友人は、死ぬほど働いている人間と、死ぬほどは働いていないが時短くらって首つりそうな人間に、割れている。年賀ハガキは先入れ後出しになることがあるそうで、結構運に左右されるらしい、何日に着くかは。
親友の話をしよう。高卒で郵便屋になって主に窓口で働いているケンちゃん(仮名)だ。ケンちゃんは、病的にまじめで、郵便局の業務の全てを完璧に把握し、完璧に遂行しないといけないという強迫観念に日々さいなまれているのだが、そんな神経症的な日々もすでに十分に長い年月となった。ケンちゃんは、いわゆる田舎左翼でときどき組合活動とかもしていたが、労働運動の衰退期と重なったこともあり、運動からは早くに足を洗った。あとはわしのようなトンパチがやらかすことを楽しみにするだけで、ひたすら郵便局業務にいそしんでいる。わしはこれまで、ケンちゃんに数えきれないぐらいおごってもらったし、金も貸してもらった。金は一度も返したことがないし、返せと言われたことがない。ケンちゃんは、まわりからケチと言われているが、ケチなのではなく、使い道を知らないのだ。本当に局ごときにそんなに仕事があるのか、と思うほど、ケンちゃんは郵便局にいる。朝一番に行って掃除をし、最後にカギをかけて帰ってくる。帰りに毎日同じ飯屋で飯を食って一杯だけひっかけ、家に帰って、寝るだけだ。ケンちゃんは、郵便屋の年収程度では結婚などできないと、何故か思っていた。ので、独身だ。何度か見合いはしたが、自身の職業と年収と偏固な性格にどうしても自信がなく、結果はでなかった。一度だけ、かなり気に入った女性がいて、今度こそとは思うが相手がポリの娘なのはいいのだろうか、とわしは相談を受けた。ポリでも重信でも娘がかわいいならいいじゃないか、とわしは言ったけれど、やっぱり結果はでなかった。それ以来、ケンちゃんとは女の話はしたことがない。
貧乏には二種類ある。働けど働けど我が暮らし楽にならざりじっと手ばかりみているワーキングプアーと、稼ぎに追いつく貧乏はなし、という明るい高度成長のロマンである。山さんは、正規非正規について、ドライな発言ばかりしているが。正規で一生稼げる、のに貧乏などということは、普通はありえない。貧乏が追いついてこれないからである。
ケンちゃんの例で言うと。ケンちゃんは高校を出てから一年に百万ずつタンスに金が貯まっていたので、三十で一千万持っていた。それから三十代、もっと働いてばかりいたので、早くに二千万に到達した。さて、このまま結婚せずに、五十歳になると、おそらく四千万以上の現金がタンスに積み上がるだろう。六十まで郵便局でなんとか働けるとして、退職金と合わせると、さて、六千万ぐらいか。老後は安泰だろう、ちと寂しいが、独り身は。
で、ケンちゃんの父は製鉄会社の典型的ブルーだったが、社宅を買い取ってすでにその家と土地は手に入れ、借金はないばかりか、母が締まり屋で、パートの金を貯金し続けていて、結局ケンちゃんにはその家土地等遺産がそのまま入る。ケンちゃんは、確実に一億持った爺さんになる。ケンちゃんが自身の収入に謙虚な意味が、わしには正直わからんのだが、財布の感覚というのは、それぐらい個人差があるようだ。男前とは言えないが、心優しき仕事師のケンちゃんの顔を見ながら、女は本当は金の匂いにも鈍感なのだろうとわしは思う。ケンちゃんは最近、どうせ女にはみんな逃げられるのだから、一緒に老人ホームに入るか、とわしに言い始めた。ようやく、自分が実は十分に勝ち組だということに気づき始めたようで、実にありがたいこの頃である。ケンちゃん。わしはヘルパー二級を持っているので、オムツは替えてあげます。
ちなみに素人に株を勧めるのが山さんの仕事だが、素人というのは本当に素人なのであって。たとえば、郵便局には一千万の貯金しかできないと、今ここでわしのインチキコラムを読んでいても思っている人が必ずいると思う。郵便局の口座には、実はいくらでも置いておける。そんなことも知らない庶民に株を勧めてはいけないと、わしは思う。株など、とりあえず郵貯から金が溢れたと勘違いしてからの話だろう。と書いたが、勘違いの人生も、またよしと、わしは思い直した。
 
 
 
男の○○シリーズ 海の話はないのかね (アベルフ・シンドラー)
2006-12-05 20:18:39
> ちなみに素人に株を勧めるのが山さんの仕事だが、素人というのは本当に素人なのであって

暫く前に少年マガジンで株の漫画を連載していたことがありました。もののわからぬ高校生の欲を煽ってデイトレードに走らせ、男子はマグロ、女子は雄琴に沈める意図が見え見え、と、当代の漫画読みたちから非難ごうごうだったことを思い出します。

で、この前始まったのが『マグロ漁船漫画』。
……まさか作業員さん、マガジンの編集者じゃあるまいね。
 
 
 
麻生太郎先生! (作業員)
2006-12-06 16:24:58
少しだけ後悔していることがあって、それは、ほとんど漫画を読んだことがないということである。エロ本はおびただしい数読んだのだが、漫画は、小林まこととか土屋ガロンぐらいしか読んだことがない。いわゆるオタクのおねーちゃんと遊ぶようになって、オタクの人たちがどれほど心優しき人かということが、今頃わかった。だからして、山さん以外ならやっぱ森永さんだろう、評論家は。
マガジンとかサンデーとかも、年がばれるが、けっこう仮面までだ。アラレちゃんの頃にはすでに、川端とか村上ヘイポーとかスキャンティーとか読んでいたと思う。麻生太郎ほど漫画を読んでいたら、もっと偉い人になっていたのかもしれない。ちなみにわしがヘイポーのように麻生にインタビューできるのなら、
「麻生さん。野中はがらみだから権力を与えてはいけない、って、あんた、ほんとに言ったんですか?」
と、とりあえず聞いただろう。次期首相に聞くべきは、そういうコアなことであって、好きな漫画の類ではなかろう。
ちなみに土屋ガロンのオールドボーイ、原作の方がシナリオ的には好きだが、韓国の映画、わしは好きだなあ。傑作だ。
昔は、炭坑や鉱山やダムの飯場やマグロ船や、人を殺したぐらいなら受け入れてくれる職場というものがあった。そういう職場の機能を、偽装請負会社が果たしているのならば、それはそれで、微笑ましくもある。
 
 
 
関係ないけど (アベルフ・シンドラー)
2006-12-06 22:53:18
> 麻生太郎ほど漫画を読んでいたら、もっと偉い人になっていたのかもしれない

顔が右に湾曲した麻生太郎
顔が左に湾曲した中川昭一
足して2で割ったら湾曲は補正されるでしょうか。

答え:下に向かうベクトルが残るので両方の頬が垂れ下がる
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-12-07 03:19:06
>作業員さま

ケンちゃんに、女が寄ってこない理由は何なのでしょうかね? もっとも、最近読んだ、アメリカ人のセックス行動を調査した論文では、所得とセックスのパートナーの数や年間の回数には統計的に有意な関係は無いそうですから、異性が寄る・寄らないは、経済力とは別の要因で決まるものなのでしょう。

>アベルフ・シンドラーさま

中川昭一氏の不規則発言は、ここのところ絶妙のコースに決まっていますね。核を「議論することは悪くない」し、政治は「情の側面がある」というのも、その通りで、一定以上にツッコムことができません。酔っぱらい、なかなかやるな、という感じですね。
 
 
 
下流を生きる腰 (作業員)
2006-12-07 17:06:50
今現在ケンちゃんに女が寄ってこないのは、たぶん燻っているからだと思います。バリバリ組合運動や平和活動をしていた頃の彼は輝いていました。右翼が殴り込んできたら殴り返してやるというので、人の殴り方と止めの刺し方を教えたのが私です。男は、仕事だけしていては、たぶん輝けないのです。仕事というのは、本来そういう地味なものなのではないでしょうか。ちなみに、私はまた新しい女性と知り合いました。勤務医の嫁さんで爆乳です。間違いを起こす気はありませんが、旦那には悪いぐらい会話等エンジョイしております。仕事ばかりしていてはいけませんぞ、そこの勤務医。
まったく関係ないですが、ドイツの夫婦の半分ぐらいは、肛門性行を楽しんでいるそうです。飽きのこない人生には、工夫がどの局面においても大切だと改めて思います。

男の二人と五人
そろそろ下流を生きる私の知恵を書いて、ここもまとめに入りたい。師走やけんね。わしが言いたいのは、山さんと同じ、誰も助けてくれない、ということに加えて、助けてくれる人をあらかじめ用意しとけ、ちゅうことやね。二人と五人というのは、大昔のエロ漫画からとったが、わしとしては三人と五人ぐらいがいいと思う。三人は女で、五人は男だな。人を殺したぐらいなら匿ってくれる女が三人いて、一月の生活費ぐらいならいつでも貸してくれて返せといわない友人が五人いたら、飢え死にするのは難しい。大切なのは、親、親戚以外に、二人と五人、用意できるだけの人間になれるか、だと思う。どうせ最後は親兄弟泣かすわけやからなあ。借金の二枚腰、これが人生における最大の工夫。男は腰だ。
もちろん、二人と五人を用意するまでに、並々ならぬ努力が必要なわけで、女二人については刺し殺される覚悟が必要。どう生きても、人生はリスキー。わしもすでに五人の方は失いつつある。ケンちゃんだけが頼りだ。たまにはケンちゃんの腰でも、ももう。
 
 
 
リクエストに応える (作業員)
2006-12-08 18:58:31
男の水平線

わしの家の出は、実は海沿いの町で、どうせ海賊の末裔だろう、てなこと言われている一族である。で、実際、じーさんは海運をしのぎにしていて、港港で派手な喧嘩をすることで有名な田舎相撲のチャンピオンだったらしい。じーさんも、オヤジ同様四百戦無敗のまま死んだのだが、死に様は戦死である。もはや徴兵されるような年ではなかったが、なんせ船が操縦できたので、軍需物資を運ばされて撃沈くらってしまったそうだ。わしのオヤジはこの死を犬死にと今なお考えているからして、反国家のスタンスを崩さないでいる。じーさんは、船長は最後まで船に残った、という美談で語られたので、海沿いの町では英雄扱いであったらしい。親をとられた子供に、そんな糞美談は通用しない。
今日は開戦の日だったな。オヤジはじーさんの半分の度胸しか自分にはないと言い、わしはオヤジの半分の度胸しかないといつも言っている。それでも、板子一枚下は地獄の四分の一、その血が体に流れていてよかったと思う。ここは経済の話をするところなので、カネの話をすると。戦後直後のハイパーなインフレで、じーさんの持っていた小型船は、コート数着にしかならなかった、と伝えられている。からして、カネと国家を信じるのは、ほどほどに。あと、オヤジは、じーさんが生きてさえいれば海運王の息子だったのに、と言うのだが、それは大嘘だと孫のわしは思う。とてもそんな血には思えないからである。ちなみにわしの顔はじーさんに気色悪いほど似ているらしく、そのせいでオヤジはわしを叱れなかったらしい。血は水よりも濃いな、やっぱ。海が見たくなった。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-12-09 04:17:44
作業員さま

「二人と五人」というハードルは、容易ではないですね。

せめて、女2人を幸せにし、男5人に「恩」と言われて恥ずかしくない程度のものを与えたい、というくらいに思っていますが、これは、「匿ってくれる女2人、黙って金貸してくれる男5人」を持つという目標よりも、遙かに小さい、リバタリアン的で、チンケな目標に思えます。とは、いえ、私ごときでは、どcいらも、なかなか、達成できそうにはありませんが・・・。



海賊の子孫というのは、なかなか良いお血筋ですね!喧嘩に強そうなところもいいし、何よりも、「国」などというツマラナイものにこだわらないところが、非常にいいと思います。

ご先祖自慢をするなら、私の父方の祖父は、北海道の鉱山を掘り歩いた山師でした。経営の才か、運がなかったようで、山を当てては失敗し、の繰り返しで、転職回数でいうと、20回くらいになるらしいのですが、晩年はカラダを悪くして、最後は、旭川でラーメン屋だったそうですが、私が生まれる3ヶ月前に亡くなりました。父は、家族まとめての夜逃げを何度か経験しています。そういえば、父方には、風刺漫画を描いていた共産党員もいました。岸信介を醜く描いた漫画の印象をまだ覚えています。

一方、私の母方の祖父は、今では自主廃業してしまいましたが、日本最北(旭川)の地場証券会社の創業者でした。あまり相場は上手くなかったらしいのですが、堅実経営で、地元の欲張りな客に皮肉を言うのを楽しみに会社に行く、おしゃべりな爺さんでした。しかし、彼は、跡継ぎを間違えて、二代目で会社が曲がり、その状況が許せなくて、私が高校3年の時に、首吊り自殺しました。

父方、母方、どっちをどう遡っても、国立大学出は一人もいない家系ですが、「山師」と「株屋」の孫という血筋は、自分で勝手に気に入っています。

尚、有り難いことに両親共に健在で、北海道に居り、父は80歳目前ですが、絵を描き碁を打つ毎日です。

72歳になった母親はゴルフ三昧です。彼女は、中年になってからゴルフを始めましたが、近年、まあまあの調子だと80台半ばで回るようで、その辺の銀行の運動神経の鈍い支店長よりも、ずっと上手くなっているようです。

酒席などで、下手なゴルフの話を長々とするオヤジが居る時には、「うちのオフクロの方が上手いね」と話すことにしています。たいてい、直ぐに話題が変わります。
 
 
 
Unknown (yokoyari)
2006-12-09 09:49:04
お久しぶりです。
公共事業が「嫌い」というのは良く分かりました。
感情的な話であるなら仕方がありません。
カルト宗教にはまった人を抜けさせるようなものですから。

私の親族(祖母の妹の息子)がはまり、家族の生活費まで注ぎ込むから抜けさせようと努力しましたが、話が通じなかったようで。色々と矛盾点をついても
最後には「なんと言われようと正しいから正しいんだ!!」
と言って聞かなかったそうです。
結局その家族は離散してしまったそうです。
祖母もその妹ももうその話はしませんが。
息子さんはカルトに拉致されたようなものです。
「どんな宗教にはまるのもその人の自由」みたいな正論を
はいて悦に入っているコメンテーターは見るたび張り倒したくなります。


話が逸れました。私が貧困層を何とかしたいと思うのも感情的なものが多分にあります。


山崎さんの親御様はのんびりと老後を送っているのですね。
誰の親でもそういった老後を送って欲しいものですね。


ワーキングプア2が放映されます。気が向いたら録画でもしてみてください。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/061210.html
 
 
 
何流を生きても大変 (作業員)
2006-12-09 15:53:17
男のエステ
オッパイのためなら命なんぞ、とかっこをつけても、無様にションベンちびりそうな姿をさらすことも、ままある。一年ほど前、爆乳のエステのねーちゃんから相談を受けた。正確に言うと元エステのねーちゃんで、タコ社長の無知と無恥と鞭から逃げて、実家に帰ってきたら、住み込みの家賃や備品の使用などについて難癖をタコ社長がつけてきて、脅迫されている、ということだった。どうせ鼻くそのワカゾーだと思って、いつものように、こういうときだけの関西弁でどやしあげたりして、とりあえずこっちの言い分を伝えたのだが。おねーちゃんが申し訳なさそうに、あいつはただのワカゾーだが父親が本職だと教えてくれる。あのね、ちみ、そういうことはほんと、先に言ってよ、ほんとね、そういうことはだね。ということで、とっとと逃げようと思ったのだが、まあオッパイのためなら命なんぞ、と言っている手前、とりあえず最後まで踏ん張ったらワカゾーが謝ってくれて、君、みかけより良い奴だなあ、これからもよろしく、と言って握手して別れた。大きな胸で、怖かったよー、と泣くぐらいのことはさせてほしい。

で、話はかわるが、このケース、会社で用意するマンションの連帯保証の欄に無資力の女性従業員の名前を書くという、やり口、が見受けられた。普通は資力のある親だの会社だのが保証して普通と思うが。不動産屋がグルの場合、非常にまずいことになるので、そこのエステのねーちゃん、糞が経営している店で働くときは、そういう契約までちゃんと確認せんといかんぞ。故意に滞納額を積み上げて、実家の親御さんを脅迫する、ということが起こるからなあ。男とタコ社長は、信用すんなよ。
 
 
 
重要且つ重い課題 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-12-10 23:31:00
yokoyari様

今しがたNHKスペシャル『ワーキングプアーⅡ』見ました。
貴コメントでのご紹介無かりせば、危うく見られない処でした、感謝します。
感想・私見等はまた別の機会にコメントさせて頂きます。
取り急ぎ御礼まで。

 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-12-12 00:51:05
時計の日付が狂っていて(自動巻の腕時計なのですが、月初に日付の調整を忘れていました)、「ワーキングプアII」を見逃してしまいました。

その代わり、といっては何ですが、またM総務部長の事を雑誌のコラムに書くつもりでいます。
 
 
 
再放送があります。ご安心を (yokoyari)
2006-12-12 09:26:40
以下日程で再放送予定です。

12月19日(火)深夜【水曜午前】0時~1時14分 総合
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html

もう時計の日付をお直しになっていらっしゃるでしょうから今度は大丈夫ですね。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-12-12 14:23:43
yokoyariさま

ありがとうございます!
今度は録画をセットしておきます。

 
 
 
 
たまにはマクロな話も (作業員)
2006-12-12 18:48:36
最近マクロな話があまりないので、せっかく勉強したのに淋しいじゃないか。マクロ政策が個人の生活にいかに影響を及ぼすか、及ぼすことができるのか、気になるんだがなあ。わしの勉強の成果と言えば、労働組合は企業別ではマクロな影響を与えることはできない、というのを母校の先生の本で読んだりしたので、確信しているのは、全員参加する形の労働者あるいは生活者の組織が必要だということぐらいである。
まあ、そんな作業員のちんけな発想はどうでもいいのだが、JMM斜め読みしたら、絶望するじゃないか。
竹中的成長重視路線というのは、成長が各階層に等しく利益を与えるというものだったはずで、格差は一時的、というものだった。が、そんなことはあるはずがないと、素人考えでみんな思っているところで、イノベーション便が出てきたわけだなあ。壊して成長する。成長してからのことは、言わない。とにかく下流からむしり取って、成長する。で、最下層は救済するしかないか、という貧困問題にすり替わってしまった。もう足立区困民党ができそうな時代じゃないか。嘘も方便か。

清算的に政府が動いて廃墟の中から成長が起こったとして。さて、その次の問題は、消費性向でしょうに。消費性向がアメリカ様のように高まらないと、わしら下流にええことなんか、なーんもないでしょうが。そこで成長も終わりでしょうに。そのときは、下流に上納させた糞金で、上流様は日本など捨ててモナコあたりで、世界の田舎者扱いされながら左うちわでっか。まったくダッカ事件でもとは言わんが、なんか起こせ足立区困民党。
 
 
 
マクロな話 (yokoyari)
2006-12-13 14:03:18
せっかく勉強したのにさみしいですね。

さて、なんでデフレが駄目であるのかといえば
お金を持っていることが価値上昇に繋がってしまうためです。
お金を使わない方が得になる→お金を使わなくなる
という訳ですね。
で、インフレになればお金を使わないほうが損になる→お金を使うようになる というわけです。
お金は使われてなんぼの交換財に過ぎないので,それを
持ってた方が有利なんてことは困るわけです。

で、シュンペータの言っていたイノベーションですが,
好況の方がイノベーションが起こるという研究結果が
カバレロとハマーによりまとめられています。
(経済論戦は甦る)

「不況は非効率な経営を撤退させる」とか「不況必要論」みたいなものを言う人が居ますが,
「不況下で起こることは非効率の撤退なんかではなく、
単なる資本による支配である」と。
企業買収とかは効率的な企業が非効率な企業を買収しているわけではないですからね。
単に資本がでかいかどうかという話で。

「不況には経済的メリットなぞ何もない」わけです。

で、デフレは困るので脱出してインフレにしましょうと
言う話になるんですが
余り高いインフレも困るので、10%未満くらいが
良いのではないかと言われております。
どうやってするのかといえば,金なんて政府信用で成り立ってる紙切れなので国が刷りまくって使え という話になるわけです。
どうやら山崎様も福祉に使うのであれば同意していただけるようですから
刷った金は福祉に使いましょう。
あと、最低賃金保証も必要ですね。500万くらいかな
児童手当を厚くしたり,障害者手当てを厚くしたりとか

個人的には累進課税強化と消費税廃止をしたいですが
金持ちが反対するんですよね・・・
別に自分が金持ちになっても累進課税は強化してもらいたいと思うんですが
金持ちの人はそうは思わないんですかね・・・
 
 
 
風呂場で安倍のミックス (作業員)
2006-12-13 15:48:35
なんか、風呂場でお好み焼きの粉説いているみたいで笑うが。積み上がった本のなかに、斉藤先生が訳だったんだなあ、誰がケインズを殺したか、がホコリかぶっていたので風呂場で読んでみたら、山さんのおかげでよくわかる。ケインズと旬ペーターの対比も既出であって、この時期すでに論点は出そろっていたのね。

で、安倍のミックスやけんど。九州のドン百ショー糞御手洗がアメリカで見てきたというレーガノミクスは、もろサプライサイドな政策なはずだが、安倍のミックスでは、イノベーションにすりかえられている。それは、個人の減税ができないからやろう。税・社会保障等個人負担を上げて、消費意欲促進、なんかならんもんねえ。ほんでから、財政再建名目で国債発行を抑えるわけよねえ。景気優先でもいいんじゃないか。需要不足は間違いないんでしょ。なんか、意地でも景気をよくしない、(輸出依存)大企業だけに恩恵を与える、というのが、安倍のミックス、な感じがするんだがなあ。

山さんは買いオペ買い切りオペにあまり言及しないですよね。減税とミックスするのが効果的なんではないですか? ほんのもう少し景気が回復すれば、四パーぐらいの失業は吸収できると、作業員は思います。もちろん、四パーの時短とセットですが。ワークシェアーも、そろそろマジで考えた方がいいですよ。少なくとも偽装請負よりは、世間さま世界さまに、顔向けできるでしょう、糞便所企業でも。
 
 
 
政治の話 (yokoyari)
2006-12-13 17:18:47
もともと、何でこの不況が起こったかといえば
バブルのときに総量規制やら金融引締めをやりすぎたせいで
景気をすっかり冷やしてしまったためです。
(あれもバブルなんて大層なもんではない。ボヤ程度)
ボヤ相手に国家プロジェクトの消火部隊が出動した。
ボヤは消えたが、その後はご覧のとおりです。

で、なんで政治が景気回復を言わないかといえば
それ以上にマスコミが借金だ財政再建だと
あおり、公務員の無駄を紹介しまくるためです。
そういう意味で小泉はまさにマスコミの主張をそのまんま
具現化した首相でありました。

そこでマスコミは「公務員が羨ましい。公務員許さん!!」とルサンチマンを煽っているんですな。
「公務員並に国民生活を保証しろ!!!!!」となればいいんですが・・・


また「景気回復なんて無理」「経済成長はもういい」「デフレはグローバル化のため」「人為的にインフレにするなんて」なんていう御用コメンテーターも
マスコミに跋扈しているから、そういう奴は潰していかないといけません(田原とか田原とか田原とか)
 
 
 
木っ端役人考 (作業員)
2006-12-13 17:54:32
>「公務員並に国民生活を保証しろ!!!!!」

保証はどうかと思いますが、確かに、役人を羨むような人間にだけはなりたくなかった、ですなあ。今は、いやー役人はいいなあ、とかも時々は思いますが、基本的には、なりたければ木っ端役人にぐらいはなれるでしょう、誰でも。三種二種一種、よりどりで。わしが格闘技を教えていたウンチな若者が、「自分はウンチだけど作業員師匠のおかけで、かっこがつくようになり、大変自信がつきました。つきましては、公務員試験を受けるつもりであります」と言うので、おまえほどのウンチは見たことがないし木っ端役人になりたい人間の気持ちはわしにはわからんぞ、と言っていたのだが、ウンチな若者は、一種に通ってしまって、みんな腰を抜かした。このウンチな若者はロリコンのド変態で、頭もどう考えても大したことない青年だったので、とりあえずお祭り騒ぎであった、と同時に、日本国の将来をみんなで心配した。こんなやつでも、通るのか。
高級官僚の天下りをまねて、県だの市だのの木っ端役人も、退職後、関係企業に飯食わせてもらっている、そういう現状は、どうかせんといかんが、民間で生きると決めたのなら、木っ端役人のつまらない仕事とそれに対する鼻くそほどの報酬を羨んだりは、やっぱかっこ悪いと思う。武士の一分ならぬ、一文無しの一分だな。
 
 
 
木っ端役人を羨む美しい国 (yokoyari)
2006-12-13 19:23:33
>木っ端役人のつまらない仕事とそれに対する鼻くそほどの報酬を羨んだりは、やっぱかっこ悪いと思う。

実際、私も役人の報酬は大したことないと思うし、マスコミの論調は阿呆と思うんですけどね。
(そこでコメントしてるお前の年収は幾らなんだと見るたびに突っ込んでますが)

それが支持を得ている現状ということは、民間はそれを羨むような現場に居る人が多数居るということです。
偽装請負とかね。察してやってください。

昔のバブルのころなんか役人になる奴は小馬鹿にされたもんですが。
 
 
 
問題は分割統治 (yokoyari)
2006-12-13 19:46:25
マスコミの批判が阿呆であるのはそのとおりなんですが
政治家としてみた場合、これは非常に有利な状況な訳です。
なぜなら、役人を叩いていれば自分に批判は来ませんから。むしろ賞賛されるわけです。

本来、貧困層を生み出すような政治が問題であり、そのような政治を行っている政治家が問題なのにも関わらず、
それが役人の無駄遣いによるものだとマスコミがミスリードすることにより政治家は役人粛清を行っていれば庶民が持ち上げるわけです。
そんなことしたって景気は回復しないし、あまつさえその役人は自分のお客様だったかもしれないのにもかかわらず。

マスコミは役人と庶民とがいがみ合う構造を作り上げた。
そして政治家はそれを利用している。
それが現在の状況な訳です。

「公務員並に国民生活を保証しろ!!!!!」と書いたのは、
この公務員と庶民がいがみ合うという
実に阿呆な構図を打ち破るためのキャッチフレーズです。
もっといいのがあれば良いんですが、私の頭ではこの辺です。
 
 
 
下流を生きるえげつなさ (作業員)
2006-12-13 21:58:03
男の器カレー皿

ある店の景品が当たっていたのだが、取りに行くのを忘れていたので、少し期限が過ぎてしまった。景品は大事なおねーちゃんが楽しみにしていた器だったので、ダメモトで店に行き、「器は、もう店にないかい?」と言ったところ、もう店にはない、とバイトさんが言うので、残念だったなあ男の器に化けるはずのおねーちゃんが楽しみにしてたカレー皿なんだけどなあ、と呟いて普通に帰ろうかと思ったのだが、なんせこのわしのことだから、「本社の電話番号教えてくれる?」と、とりあえず言ってみた。すると、店の奥で会議が始まり、バイトさんは景品のカレー皿を持って出てくる。バイトさんは、「今回だけですよ」と言い、「おめーは、店にはないって言い切っただろうが、このホラ吹きが」などと心に思っても、そんなえげつないこと言うわけがない、わしは亀田パパ程度には紳士だ。「ありがとよ」と言って、楽しみにしていたおねーちゃんにカレー皿を届ける。このカレー皿一枚が、飯に化けその他えろんな物に化けるのであって、これをして、乗数効果と呼ぶかどうかは、経済学者ではないのでよく分からない。わらしべ長者の方があっているようにも思うが、長者までは遠い。最近この店、上場したと聞くので、株を買ってやってくれ。長者になれるかもよ。しっかし、わしの器もしれとるのう。ウンコ味のカレーか、カレー味のウンコか。どっちでも盛ってやる。オチはいつもこれだな。反省。
 
 
 
ワーキングプア 1 (yokoyari)
2006-12-14 18:53:24
山崎様

ワーキングプア2は1の続きになっている(1を見た視聴者の投書から始まる)ので、
ワーキングプア1を書いておきます。
長文駄文ですが。(文章はかけないなぁ)
誤字脱字は適宜修正してください。

=========ワーキングプア===================

-------------秋田 大仙市-------------
今年三月、収入が少ないため税金が払えない商店主や農家が集まり、集会を開いていた。
その数、200人以上。次々と現在の窮状を訴える。
「この冬、石油を買う金が無い。一食分抜かしてそれをまわさないといけない」
集会所に悲痛な叫びが響く。

   ワーキングプアと呼ばれる「『働く』貧困層」が今全国で拡大している。

-----------深夜のガソリンスタンド-------------
50歳でガソリンスタンドで働く男性-彼はリストラで会社を解雇された。3つのアルバイトを
掛け持ちしているが、年収は200万円程度しかない。
11年前は年収は600万円だった。家族で遊園地にきたりもしていた。今はそんな余裕は無い。
彼は「今の収入のままでは子供たちの将来を閉ざしてしまう」と心配している。
「大学は居る文くらいのお金は貯めなくちゃいけないよね」彼は自分に言い聞かせるように言う。
「それは親の責任だと思ってるし、それは自分を犠牲にしても作らなくちゃいけない」
語られる言葉に、覚悟の重さが覗く。

----------東京の公園-------------
日雇いの男性-彼は住む家が無く、日雇いの仕事を続けている。
ダンボールで寝起きしているのだ。
路上生活を抜け出そうにも、安定した仕事は見つからない。
14年前、東北の公立高校を卒業。警備会社で働いていた。
その後、景気が悪化。仕事が無くなった。
彼の口から不安がこぼれる。「不安と言うか、このまま仕事が出来るのだろうか、とか」
たどたどしい言葉に、辛さが滲む。


まじめに働いても、報われない。働いても働いても豊かになれない。
ワーキングプアの現実に迫る。

キャスターの説明が入る。
「今、景気は良くなったと言われているが、逸れを実感できない人が多いのではないでしょうか。
一方で、一部の人はマネーゲームによって巨額の富を手に入れ、『お金が全てだ』という風潮が
この国に広がっているように見えます。戦後日本は、額に汗して働けば報われるはずの社会でした。
しかし今、競争に敗れた人、その結果貧しくなった人は『個人の責任だから、仕方が無い』と
言われてしまいます。本当に個人の責任にしてしまっていいのでしょうか。私たちはこの社会の
底辺で何が起きているのか、今、何が求められているのか、考えてみることにしました。
注目したのは、ワーキングプアと呼ばれる人たちです。ワーキングプアとは働いているのに生活保護水準以下の生活しか出来ない人たちです。生活保護水準以下で暮らしている人は、日本の全世帯の10分の1、400万世帯ともそれ以上とも言われています。その正確な数は把握されていません。

まず、御覧頂くのは若者のワーキングプアです。
若い人の場合、20代まではアルバイトで仕事が見つかりますが30代になると極端に働き口が少なくなってしまいます。さらに、近くに頼れる親が居ないと、収入が途絶えた途端、家を失い、路上生活を送らざるを得ないのです。こういう若者が最近増えていて、深刻な問題になっています。
私たちは社会の最底辺で生きる、ワーキングプアの若者を取材しました。」

-------------都会を彷徨う、若者たち----------------
現在の若者は高校や大学を出ても安定した仕事になかなか就けない。
ここは東京 池袋のとある会社。ここには定職を持たない若い人が集まってくる。この会社では、建設現場などの日雇いの仕事を斡旋している。
ここで仕事を紹介してもらっている若者は3000人。この3年で2倍に増えた。
一日働いて、手にするのは7000~8000円だ。若者が次々お金を受け取っていく。
ここで働いている人にインタビューを試みた。二人の若者がインタビューに応じてくれた。
「仕事のことに関して言ったら、すごい不安です。毎日毎日」(22歳[大卒])
「気持ちのゆとり、っていうか、一人になると怖いです」(31歳[高卒]
 
 
 
ワーキングプア 2 (yokoyari)
2006-12-14 18:55:22

若者の間で広まる、ワーキングプア。働きたくても仕事が見つからず、路上生活をせざるを得ない人も目立っている。
今年4月、東京の公園でボランティア団体の炊き出しを貰いに来ていた男性に出会った。彼の名前は小山良人さん(34歳・仮名)。宮城県石巻市の出身。4年前東京に出てきた。
アルバイトや日雇いの仕事を続けてきたが、最近は中々仕事が見つからない。
小山さんは働いて稼いだお金をこまめに貯金してきた。しかしこのところ仕事が無いため、少しずつ取り崩し、この3月、ついに底を突いた。
「中々こう、難しいですね。このまま仕事、できるのだろうか、とか。考え、考えちゃうっつーか、思っちゃうというか」
小山さんは仕事を探すため、履歴書をいつも持ち歩いている。
これまでに経験した仕事は20を超える。食品会社や警備会社、それに機械工場・・・いずれも短期契約の仕事だった。
平成4年に石巻の高校を卒業した当時はバブル経済崩壊の就職氷河期で、希望する事務の仕事は見つからなかった。
---宮城県 石巻市---
小山さんが一番長く勤めた、警備会社。2年余りの間、契約社員として働いていた。仕事は道路工事現場での車の誘導。給料は働いた分が支払われた。
公共工事が減ったため、15万円あった収入は10万円を切るようになった。
小山さんは警備会社を辞め、工場の仕事を請け負う会社と契約した。宮城、愛知、山形、群馬・・・。会社の指示で、3年間で7つの工場を転々とした。その頃の給料は寮の家賃などを引かれ、手取りで7万円。単純作業の繰り返しで技能も身につかず、ワーキングプアから抜け出せない不安を感じていた。

「働いても働いてもね、こう、安定しないままなんですよね、こう・・・まったくね、あの、その将来のね、これからの見通しが立た、うーん・・・立て、立たないと言うか、立てようが無い。」小山さんは言葉を選びながら言った。

安定した仕事につきたい - 4月下旬、小山さんは若者向けのハローワークで仕事を探していた。
ここでは、34歳までを対象に仕事を紹介している。小山さんはここに来る3日前、34歳になった。
仕事を探そうとパソコンの前に座っていると職員らしい女性が話し掛けてきた。
「今、お住まいどちらですかね」
「・・・今、あの、申し訳ないんですけど、ホームレスで・・・」小山さんはバツが悪そうに応えた。

小山さんは経験のある警備の仕事を探してもらうことにした。
「今どんなお仕事をお探しでございましょうか」職員は聞いた。
「前に長くやってた仕事で、警備、警備の仕事を」
職員が検索するが、住み込みを条件に検索したところ、面接に応じてくれる警備会社は無かった。

ようやく見つかったのは、ビルの清掃会社一社だけ。短期契約の仕事だった。
住む家の無い小山さん。履歴書には最後に住んでいた群馬県の住所を書き込んだ。
面接の日、小山さんは一時間早く会社の前に来ていた。
この日は久しぶりに髭を剃った。面接は一時間にわたった。
「明日からきて欲しいって」彼は嬉しそうに言った。
しかし、その後手続きの問い合わせのため公衆電話から面接先へ電話をしたところ、住所のことを質され、即刻内定取り消しとなった。
小山さんは公園で一人ただ、うなだれる。
翌日、小山さんはまたハローワークに出向いた。住み込みを条件に検索してもらったところ、
埼玉と神奈川の建設会社があった。
しかし、彼はそれを断らざるを得なかった。交通費が無いのだ。
「申し訳ないんですけど・・・」彼は断る旨を伝えた。
ハローワークの職員が言う。「一銭も無いと言うことに驚いてしまったわけなんですが・・・我々としては如何ともしがたいですねぇ」

2ヵ月後、彼はビルの地下で洗車するという仕事をようやく見つける。毎日20台近くの車を洗っても手取りで10万にしかならない。働いても働いても豊かになれない、小山さん。

ワーキングプアが増える背景として非正規雇用の増大がある。非正規雇用は雇用されている人の3分の1、1600万人におよぶ。この10年、日本の企業が人件費を削るため、正社員の採用を抑えてきたのだ。
 
 
 
下流を生きる恨み (作業員)
2006-12-14 23:06:50
わしのように昨日今日下流の暮らしを見てきたわけではない人間は、それなりの発言をしなければいけないと思う。今現在、貯蓄ゼロに象徴される下流層が増えている事実、非正規あるいは日雇い労働が増えている事実、否定などできない。竹中が、「貯蓄についてみんな本当のこと言ってるかどうかわからない」、とふざけたことをぬかしていたが、同じアンケートに「貯蓄ゼロ」と答える人が増えたのであるから、傾向を否定などできんだろう、おまえほんとに学者か。

わしが言いたいのは、日本は福祉国家ではなかったし、今しばらく、そちらにカジをきることもないだろうということである。談合で儲けたのはゼネコンであって、末端の作業員の日当は、いつまでも変わらない。当局が日当四万円出すと言っても、日雇いは一律七千円なわけだ。わしのオヤジの日当を参考までに書いてあげよう。わしがガキの頃五千円だった日当が八千円になり、バブル期に一万二千円まで上がったときは、オヤジは天下を取ったような顔をしていた。オヤジは監督もどきだったから、現場の日雇いとは少し違う給与体系だったろうが、大差はない。誰かが、奨学金申請時、家計収入が四百万だったと書いておられたが、そう違わない時期に、わしの家は三百万にとどいていなかったことを覚えている。今、オヤジはかろうじて最低額の年金を受け取っているが、一族に無年金者は珍しくない。遊んでいたわけではない。身を粉にして働いたが、かけるべき年数に少しだけ届かなかったのだ。ほんの少しの余裕がどうしてもつくれない、そういうことはよくあることだ。
こんな感じで下流を生きてきたわしが、社会を恨んでいるかというと、実は全くそのようなことはない。わしの前の世界は開かれていた。どうぞお入りくださいと、扉とびらびらを開いてくれる人は大勢いた。わしが言うのだから間違いない。悲惨の数は数限りないが、この国はそんなには悪い国ではなかった。美しい国と言ってもいいかもしれない。問題は、現状をどう変えるのか、であると思う。安倍ごときに頼って美しくしようなどと思ってはいけない。昨日と同じ程度には、この国を美しいままにしておく、そういう心がけだけが、明日を開く。まったく、臭いコメントだなあ。糞御手洗に拘泥しすぎたか。
 
 
 
下流を生きる信用 (作業員)
2006-12-15 16:48:00
わしはコンサル系の現場作業員もしていたので、二千件以上の住宅をつぶさに見てきた。それぐらい見てきたのに、印象に残る家は、ほんの数軒だ。どんなに、こってみても、リーマンの暮らす家に大差などない。マンションとなると、少し広い監獄にしか思えない。
などという話は、ひとえにわしの一本気にひねまがった性格による評価で、持ち家も賃貸も好きにしんしゃい、というのが結論だからして、家の話もこちらに書いておく。資産という考えなら、上物の価値はゼロだから、土地代を中心に論じた方がリアルかと思う。
で、わしのオヤジはわしが家を出るのを見計らって家を建て直した。田舎の一軒家で、ささやかな広さだが、いわゆる借景がばつぐんで、田舎の一等地、と今では呼ばれている。わしが暮らした頃は、山際のぼろ家で、好きな女の子を家に呼ぶと、おかんが御手洗失礼肥えをくんでいたりして、もう死んでしまおうかと悩んだ家だった。

男の土下座
やっぱり、字が読めて法律も読める、ということは下流を生きる基本だろうと思う。字も法律も読めないなら、今すぐ夜間中学からやりなおした方がいい。わしのオヤジは、ある日、日給月給の土方の状態だが、どうしても家を建ててみたくなり、どうすれば家を建てることができるか、それから半年考え抜いたらしい。で、まあ時効だが、信用金庫には年収を偽ったみたいだ。公庫の金利も低かった。基礎工事などは、全部自分でやった。だが、大工仕事は、一切口だしせずに、腕のいい棟梁にまかせた。トラブルはなにもなく、家は新築された。ように見えたが、家というのは、たぶんトラブルなしでは建たないのだろう、大昔から。
役所の手続きが遅れて、振り込まれるはずの金がわしの家の口座に届いていなかった。オヤジは大工に電話して、どうも一週間ほど支払いが延びそうだ、と伝えた。その場では、そうですか、と言った大工が、一週間待てずにわしの家にやってきて、「金は本当に払ってもらえるのか。支払いが遅れるのなら金利をつけろ」などと、オヤジに迫ってしまった。ひとえに、信用のない人間が家など建てるからだ、とわしは思うが、ここからの展開は意外だった。オカンはぶち切れて、「そんなこと言うならほんとに払わんよ、この便所大工が。貧乏でも人を裏切ったことなど一度もないでしょうが」と叫んだわけだ。で、オヤジはどうしたかというと、悲しそうな顔で大工を玄関に連れて行き、「おめえ、ここの細工、手ぬいただろ。俺は腕のいい大工が手をぬいたんじゃなくて、うっかり忘れたんだろう、ということにしていたんだ」と言った。大工の手抜きは、玄関だけではなく、オヤジはそれら手抜きの全部を見抜いていた。「安い金で仕事を受けてくれたのは、感謝しているよ。別に手を抜いて問題のある場所でもないしな。おまえに金を払う義理があるかどうか、わからんが、金は払う。それが信用だろ」と最後にオヤジは言い、大工は帰った。数日して金は振り込まれ、大工に約束通りの金が渡った。金を受け取った大工は、新築のわしの家の土間で、いつまでも土下座していた。家に上がって酒でも飲んでくれとオカンが言っても、大工は家に上がらず、土間で正座したまま、大酒を飲んで帰った。
住宅ローンは無事終わりつつあり、わしの実家の持ち家計画は大成功だったろうと思う。が、一つだけ、読み違えた。デフレの問題だ。オヤジは、インフレさえ続けば、借金など怖くない、という一般的知ったかぶりをしていた。この長期デフレ、持ち家計画の成功と失敗は、本当に紙一重だったと思う。デフレという存在すら、あの頃は語られていなかった。案外素人の直感あるいは直観と糞度胸だけが、道を拓くのかもしれない。
 
 
 
イチモツだけの無一物なので (作業員)
2006-12-16 18:20:00
>半年幸せになりたかったら

資産の話に加わるのはよそう。このことわざの続きは、開高健によると、「一生幸せになりたかったら、釣りを覚えろ」ではなかったかと思う。最近、へいぽーがハローワークでばかり働いていて、あまりわし好みの仕事をしてくれないので、わしは寝るまえに敬愛する開高健を読んでいる。オーパ等は繰り返し雑誌に登場するが、小説が語られなくなってしまったので、ちと寂しい。ちなみに「岸辺の祭り」を昨日は読んだが、おそろしい完成度だと思う。もう五十年にもなるのか、山さんでも生まれてないなあ。ベトナムも遠くなりにけり。

家の話だが。
今年は西の大都市のど真ん中のおねーちゃんのワンルームのいわゆるセキュリチーがしっかりしたマンションに身をよせることが多かった。保証金制度は異常な馬鹿高さで、家賃もアホらしくて田舎者には考えられない額だが、中心部では割安らしい。毎日移動してシトネを整えるゴリラにあこがれるような健全な青年なら、ワンルームに暮らすより、風呂便所共同アパートの方がよほど精神衛生によいと思う。おねーちゃんのワンルームマンションなど、壁が構造壁でもなんでもなく、パーテーションに毛の生えたもんなんだろう、隣の住人のあえぎ声からため息から屁の音から、みーんな筒抜けで、「これは一つのプレイなのか」と誰にとはなく問うてみたりした。まず第一にセキュリチーを考えなくてはならん女という生き物でなくてよかったと思うのと、誰か得してる人間はいるのかな、と思う。こんな高層ワンルームマンションなんか仕事で請けても、利益なんか出ない。あらためて、耐震偽装の木村建設が本当のところどれぐらい儲けていたのか知りたい。

家のローンについて。
年収の何倍か、というのは、田舎者にはピンとこない。家は、ほとんどの場合、親の資産を利用して建てられているし、ローンは二世代、支払いは家族全員で分担、ということもよくあるだろう。

さて、開高の話に戻すと、男は家など出て、一人川面に釣り糸を垂らしていたいもんだろ。となれば、家はやはり嫁さん子供のものか。わしのオヤジが家を建てたのは、ヤクザものに連れ添ったヨイトマケのおかんの葬式をぼろ家でするわけにはいかんだろ、という男の矜恃である。と書くとオヤジが立派にみえるかもしれんが、実際は早くに隠居しやがって、オヤジ以外で必死でローンの返済をした。我が家の場合、家が本当に必要だったのはオヤジの方であったわけである。たぶん、家は持ってみないとわからんのだろう、価値が。
 
 
 
こっちは貧乏くさくいきまっしょい (作業員)
2006-12-17 15:51:35
下流を生きるパンに涙の塩家族の知恵
ある評論家が、「昔は大黒柱が一人で稼いで、家族全員を食わせていた。が、今は、家族全員が働いて、やっと食えている。確実に我々は貧しくなっている」と言っていて、そりゃオヤジの威厳もあったもんでないわい、と同感はするが。社会が昔に戻ってくれるわけではないので、人生の欠陥を家族という工夫で補うしかない。

たとえば、わしの家のように、オヤジが現場で監督を殴っては帰ってくるので、世帯の所得が年二百万しかないとしよう。兄弟が三人いるとするか。子供三人が稼げるようになるまで、オカンはパートだのタノモシだのに走り回ってさあ大変、だわなあ。
しかしだよ。長男ハツリ屋。次男型枠大工。三男左官。と自立すると、まだ小僧で一人二百万しかかせげないとしても、世帯の所得は一気に、一千万を超えてしまうのであるね。貧乏人の子沢山ドリームやね。
ここで辛抱できるかどうか、が、鍵なんだなあ。たいてい、この段階で、三人の馬鹿息子が小ベンツやセルシオをローンで買って、オヤジは酒の量が増えて仕事に全く出なくなり、オカンは化粧と服が派手になってカラオケ全国大会用の衣装に何十万もかけてしまったりしてしまうわけだ。ついでに三男坊が、はらませたおねーちゃんの責任取らされたりも。これではいかん。
ここで、賢い家族というのはどうするか。十年辛抱するわけよ。世帯の所得が一千万。昔の倍の贅沢でも年五百万ずつ貯金できるわけやから、十年で五千万。その五千万、山分けして、一千万の現金それぞれ握って、十年は好きなことできるわけよ。仮にその金を全部使い果たして実家に舞い戻っても、五人のうち誰かは金を増やしているか、貯金したまま。しかたねえなあ、しばらく家の御手洗失礼肥えくみ係じゃ。と、かつてパンに涙の塩をふりそれを分け合った家族は暖かく迎えてくれるわけ。
家族で十年貯めた金で、学生アパートの大家になる手もあるしなあ。いつの時代も、会社より家族、とわしは思うがの。もっとも、次の代も貧乏人の子沢山のまま、というのもオツだとわしは思うが。


おいしい家の話
さて、家(土地)というのはやっぱ吸引力が強いんだなあ、実家の旅館を(国のせいで)失った藤原新也は、「ベランダの鉢植えの土だけしか私は所有していない」、とかっこつけとったよ、山さん。
わしは地方のことしかわからんが。占領軍の改革があったとはいえ、地主は地主のままなんじゃよ。わしの住んでいるところなんか、ほぼすべての土地を四家系ほどの人が所有していた。わしはこの地域の地方史の編纂過程で作業員バイトしたのでよく知っているのだが、明治期、地主が商売を初めて自分たち用の銀行を作って工場を造り産業を育て学校に宗教施設に、まあブルジョアを育成していくわけやね。焼け野原とはいえ、戦後は、土地が一貫して上がったわけやから、土地が細切れになっても資産は順調に増え、いわゆる右回りの金も身内の政治家使っていくらでも入ってくる。田畑は調整はずしてマンションコーポ駐車場、いわゆる利回り計算で算盤なめなめ。
まあ、だからなんだ、というと。株のインサイダー情報は気にしなくていい、と前に山さんが言っていて、わしも概ねそれは納得するのだが、不動産については、インナーな連中だけがおいしい思いしているように思えて仕方ない。かつて銀行は、計画が発表される前に道路(予定地)の角地押さえたりしてましたな。
最近の私的実話ナックル図を紹介すると。

友人の土建屋の役員が無一文のわしに土地を買えと言ってきて、買えるわけなかろう、と当たり前に答えるのだが、金借りて買え、とまで言うのでどういうことかと聞くと。知り合いが住○がらみで開発した団地の土地がいくつか余っていて、とっとと処理して会社を精算する、それに乗らないか、ということだった。物件は悪くない。明日にでも電気水道が引けるごくふつうの宅地。六百(仮)と出していて売れ残ったが、五百なら確実に売れる。三百で身内で回そうということになった、てな風な話だ。どう、みんな買いたいでしょ。でも、リーマンにこういう話はなかなか入らない。入っても手が後ろにまわるか、ヒューザーな悪夢な話かになってしまう。
家というのは地盤と構造と屋根、雨露はいつまででもしのげる、というのが基本ですからな。田舎には百年前の家がいくらでもありまっからなあ。ただ、地震はべつ。これはどうしようもないですなあ。基礎ごと数メートル前に飛び出したりするんですから、驚異かつ脅威、お手上げです。ほったて小屋でも、揺らしさえしなければいつまででも、もちますからな、白アリとかはいかんが。ほんと、人生はギャンブルだと思います。
ちなみに、わしは金を借りる信用はないので、土地の話にはのれず、土地は運良く?普通の値段でパンピーに渡ったそうだ。おなじ団地でもう一区画売れ残っていたかなり広い土地は、友人の会社が手に入れた。しゃんしゃん。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-12-18 03:42:09
作業員さま

開高健は、年末にでも、読んでみます。私は、小説の鑑賞眼を持っていませんが、まあ、いい小説は、きっとそうした素人にも「いい!」のでありましょう。ちなみに、私の母親は、数十年小説を読みまくっていましたが、学生時代の息子には「小説は、アタマがわるくなってからでも読めるから、無理にいまのうちから読む必要はない」と言っておりました。いい教育だったのか、悪い教育だったのか、得失は微妙だと思っていますが、もちろん、これは、息子の自己責任。



家・土地には、独特の吸引力があるようで、それは認めますが、そこに拘らない生き方というのも、いいのではないか、と思います。

株式投資のような世界では、自分の「拘り」に高い値段を出す(一流企業は株価が高くてもいい、といった感じで)人は、傾向として儲けにくい。「拘ると不利だ」という危険察知の本能は、心のどこかに、インストールしておかなければなりません。
 
 
 
日本語についてなど (作業員)
2006-12-18 22:29:05
山さんの世代は、やたら四畳半フォークの好きなお人好しが多いというのが、わしの印象なんだがなあ。開高とか読んだ世代でもあるはずなんだが。メジャーすぎて開高を語るのは恥ずかしい。まあ、角川文庫岸辺の祭りは、ネットでなら中古が手に入るみたいだから、どうぞ。森と骨と人達、なんか今時書いてくれそうな作家おらんなあ。みんなマジメだったと思う、ふりかえると。赤面しつつ一冊あげろと言われれば、やっぱ「夏の闇」だが、メジャーすぎて恥ずかしいなあ。山さんには、ウエットに過ぎると思うし。小説を読むと頭が悪くなる、というのは正しく言い換えると、働く気がなくなる、かもしれん。

わしの借家、よく考えたら日経なんとかというチャンネルが映るんだった。お好み登録してなかったから、全然見てなかった、資産ないし。で、このチャンネル環境は、家の裏に馬鹿でかい病院ができましてな。「作業員ちゃんは、あとで電波障害やないか、この糞藪医者が。とかどなりこみそうだから、全部先にやっときまっさ」と、その病院が言ってくれて、唯でチャンネル増やしてくれたので、全くありがたい話である。これを経済学では、有効な威嚇ないしは、先手必勝型ゲーム、と呼ぶかどうかはしらん。
朝から晩までジェニのこと考えている人間というのは、お付き合いしたくないが、日経なんとか、おもろいなあ。妙にオッパイ強調している女子穴とかおったり、若いやつの日本語むちゃくちゃやし。ジェニまみれ一生、が顔に出ているコンサル爺とか。
しかし、日本語なんとかならんのかね。若いのがこんなこと言ってたぞ。
「この会社の株価、低迷しています。社員さん、あくせく働いて、会社の業績を上げてください」
あくせく、って、おめーどこまで偉いんや。漫才よりおもろいで。ボラチリチー、とだけ言い続けている解説の人もおるし、いまいち、知的な営みに見えんぞ。山さんが酔っ払ってエロ話した方がはるかにましやな。
と言いつつ、前記精算は清算が正しくは、か。(初めては、始めて)日本語は面倒やなあ。今遊んでくれている人妻が帰国子女で、日本語がおぼつかんのだが、教師になってもらって、わしも日本脱出のために英語やろうかな。山さんと遊んでいるのもそのうち、共謀、とされて麦の飯食わされそうやからなあ。わしはまあ一向かまわんのやが、本だけ塀の中に入れてくれたら。

不動産投資あるいは取得については、リコースノンリコースとかも語ってほしいものだ。暇なので、さっき不動産本を立ち読みしてきた。買うなら、下がっても後悔しない、買い方じゃないかな。

最後は御手洗な話だが。
九州の人をルーズとか言うと怒られるが、ミサワはその辺りで粉飾やらかしてしまったらしい。ミサワの監査法人が現場立ち入りしたとき、すでに新築の家で人が暮らしているように装ったというので、涙ぐましい必死さが伝わる。
にしても、キヤノンの監査法人は、ラインに立ち入ったりしないのか。それとも、ラインには正規合法の純然たる下請けが働いているように、その日だけ偽装したのか。御手洗さん、教えてくらはいませ。
あと、あんたのとこ、マテリアルフローコスト会計というのを新しいシノギにしたいみたいだが、そんなものより、「ブルシット偽装請負会計」を製造業各社に売り込んだ方が荒利が大きいんじゃない?
 
 
 
現場から (作業員)
2006-12-18 23:00:54
別に誰も小説を読むと頭が悪くなる、とは言っていないので、家の話でも。小説読むなら、十代のうち、とわしは思うが。

わしは、いんちきリフォーム屋の下請けとか、いんちき不動産屋の下請けとかで働いていたりするので、何について信用していないかというと、会社の存在、である。十年後、取引した会社がまだ存在する、とどうしても思えない。働いている人間見れば見当がつくのだがなあ。
わしの知り合いはこないだ家を増築したんだが、重機で掘ったらば、水が溢れてきて何事かと思ったら、共用の配管が敷地の下に通っとるがな。破ってから分かるんやからなあ。もうデベロッパーなんか、どこにおるか分からんし。ほんでから、水が簡単に止まらんからして、擁壁傾かせてしもうて、余分に何百万も金かかったがな。代々住んでいるところしか、信用ならんでしょう。地下のことは、事前に調査してもなかなか確定的なことは言えんしなあ。水脈は必ずあるから。もちろん、配管もあるかもしれんが。
 
 
 
Unknown (yokoyari)
2006-12-28 17:32:17
>サイレントじゃないマジョリティー様
返事が遅くなりまして申し訳ありません。
いや、礼を言われるほどのことではないので。

山崎様もそろそろご覧になったと思いますので
何か感想を書いていただけるでしょう。

>山崎様
申し訳ありません。まだワーキングプアⅠのテキスト起し中です。YouTubeあたりに落ちてればいいんですが・・・
 
 
 
環境 ()
2007-07-01 18:48:25
漁業の悩みはなんですか?
 
 
 
マオ (knockoff handbags)
2012-02-06 23:40:18
ビロリアもこけちまったみたいですし、私はやっぱり内藤大助選手との試合が見たいです。しかしマッチメイクとしては、有名でないなら弱い選手でないと組まないでしょうねぇ・・sruyhr
 
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