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種芋 (空海望)
2007-07-02 06:06:54
今年、私は種芋無しで ジャガイモを
バケツ一杯 収穫した。

普通は 種芋があって そこで農作技術と労働を
投入して 収穫と言うことになる。

種芋を供給できなければ
労働意欲も技術も農場もと言った財産が
運用できずに 収穫は得られない。
この種芋を食べても手元に残っている
裕福な人が 種芋を持たない人に 融通する。
こういう基本構造を持っていないマネーゲームは
金融を破壊してしまう。

バブル期の銀行はこの基本を無視してた。
一個のジャガイモは半年足らずで十倍以上にもなるが
その影には、労働、農地、技術、そして季節
と言った条件がある。その条件の後押しが金融。
その影を生かそうと言う姿勢が消えた?
その知識を捨てた運用業者は詐欺でしかないのでは

と思うのですが金融のこと知らない者としては

いつも、楽しく読ませて戴いています。
コメント欄が充実しているし。
ときどき、足跡のつもりで…
 
 
 
資本開国論 (赤野他人)
2007-07-02 10:04:45
いつも楽しく読ませていただいております。

辻広氏の話は、おそらく野口悠紀雄氏の、「資本開国論」、ダイヤモンド社刊をベースにしているのではないでしょうか?
そういえば、本日13時から朝日ニュースターで、両氏の対談が再放送されるようですが。
 
 
 
Unknown (かう)
2007-07-02 10:10:32
「富」を構成しているのは何か,ということをきちんと理解できていない感がありますね~。
 
 
 
Unknown (BirdFlow)
2007-07-02 11:04:44
週刊ダイアモンドとは関係ない話で申し訳ありませんが・・・。

他のブログで山崎さんが楽天での講演会で話された投資理論についての評価を拝見し、知らなかった思想・理論がある事を知りました。

どこかで文章にしてみえましたら、お教え下されば幸いです。
 
 
 
日本は特殊である (snowbees)
2007-07-02 13:24:39
1.成田空港の不便さ。空港から都心まで、道路が渋滞するので、タクシーを利用できない。成田エクスプレスなどの特急電車は、朝の時間帯は、通勤電車と同じ路線を共用するので、東京駅駅まで通常より長時間かかる。
*海外主要都市では、空港から市内のホテルまで、道路が渋滞してもタクシーで1時間程度で到着できると。
2.東京など大都市では、商業施設間の競争が激烈である。山手線の主要駅ごとにデパートが乱立しているのに、新築ビルの下層階に商業テナントが相次いで開店し、小売店間の競争が激化している。これは、日本独自の現象である。
*海外の大都市の主要デパートは、NYではサックス。フィフス・アベニューなど、ロンドンではハロッズなど数店に限られる。また、ロンドンなどでは人口減少や天候不順でも、小売売上高は好調であると。
3.一流ホテルの宿泊費と朝食。東京では、ホテルが1泊3万円程度、朝食は「吉野家」や「なか卯」で食べれば300-400円で食べられる。日本では、採算を度外視した小売店とメーカー間の過当競争が、デフレが続く理由である。
*NYなどの一流ホテルは企業割引を利用しても1泊5万円程度であり、ホテルの朝食はコンチネンタルでも¥4,000-5,000すると。また、ロンドンの地下鉄の初乗り料金は4ポンド=約¥1、000もすると。(週刊エコノミスト6月26日号、菊池正俊氏の記事より)
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-02 13:30:44
>空海望さま

ご指摘のように、生産につながらない「投資」には限界がありますね。

投資の話は、個人の話も、大きなレベルの話も、金融業界の利害と、人間のお目出度さ(努力すれば、リターンが増えると信じる・・)が絡んでくるので、なかなか、冷静に論じられないようです。

また、時々お越し下さい。

>赤野他人さま

野口悠紀雄先生の「資本開国論」はまだ読んでいませんが、先生は、金融工学を教えておられるので、運用ノウハウを教えることに対する効果を、大きめに評価(あるいは表現)されているのかも知れません。

ただ、同じリスクのベースでリターンが増えることが「運用能力の向上」ですが、リスクを増やさずに、リターンはリスク・フリー金利以上に増えないというのが、金融工学の基本ですから、最先端の金融実務知識が主に金融工学を指すものなら、かなり奇妙な感じがしますね。

もっとも、所謂「金融工学」がファイナンスの最先端だったのは、たぶん15年くらい前のことでしょう。

>かう様

仰るように、「富」の構成をよく考えることが大事ですね。

>BirdFlowさま

楽天証券の講演は、ラジオ日経との共催なので、私の話は、ラジオ日経で流される可能性があります。また、同様の講演会が21日(土)に大阪でもあります。

もちろん、私も、投資理論について、知っていることがそうたくさんあるわけではないので、どこかで、文章を書いている(あるいはこれから書く)可能性はあります。何の話題にご興味をお持ちでしょうか。
 
 
 
日本の金融機関は本当に駄目なのか? (ケビン67)
2007-07-02 13:48:02
週刊ダイヤモンド、読みました。

辻広さんのコラムで、私が引っかかったのは、「日本の金融機関の運用能力は極めて低い」の部分です。

確かに、多くの人は、漠然とそう思っているのは事実だと思います。

◆もし本当なら
金融機関の運用能力を高める対策が講じられるべきでしょう。ただし、現実的にどのくらいの利回りが期待できるのかについても、しっかりとした議論が必要だと思います。

◆もしウソなら
根拠のない期待を打ち消すために、しっかり「そうではない」と宣伝されるべきと思います。
「日本の金融機関は優秀だ」と言っても、あまり説得力はないように思われますが・・・。

野口悠紀雄先生も週刊ダイヤモンドのコラムで、最近の円安に絡んで、辻広さんと同様の主張をされているようです。(日本には、金融工学面での人材が足りない、から海外金融機関には勝てない、と主張されています。)
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-02 14:53:18
ケビン67さま

内外の運用力格差論の背景には、海外金融機関の(営業的)ビジネス能力による稼ぎを、運用能力によるものと、勘違いされている可能性がありますね。

例えば、米国のミューチュアル・ファンド運用業界には高度な金融教育を受けた人がたくさん居るはずですが、アクティブファンドの運用力はベンチマークと較べる場合、平均して、「ベンチマークから手数料を差し引いた程度」、つまり、リターンに換算するとほぼゼロです。

他方、投資銀行のデリバティブだの証券化だのを利用したビジネスは、いい客を見つけて来て上手に売るから高収益です。しかし、これは、金融ノウハウだけで狭義のマーケットに立ち向かって得られた収入ではありません。

やっぱり、何か勘違いがありそうですねェ・・。
 
 
 
投資セミナー (ベルカンプ)
2007-07-02 18:50:44
”効率的市場仮説は嘘です”というのにどあーとなりました。
確かにそうのような気がします。
この理屈は私も好きではないですがどんぐりの背比べの人間がインデックスファンドを買うのは理にかなっているような気もします。

ニューロン市場化モデルでしたかそれが興味深かったです。
カードを引いていくと30枚目で脳が反応して80枚目でどの山が儲かるか認識するという物でしたね。
こういうのが好きな人はそこそこ居そうな気がします。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-02 19:50:45
ベルカンプさま

「効率的市場仮説」は、やっぱり嘘だと思います。

胸に手を当てて、我が身を振り返ると、個々の銘柄の株価は幾らが正しいのか、指数についても幾らなのか、意見は言えても、自信など持てません。お互いに分からないどうしが市場で取引していて、勝ったり負けたりしているという状態を、一昔前のファイナンス学者風の先入観を持ってみると、「効率的!」と見えるのだろう(バカめ!)、という理解をする方が、はるかに現実を綺麗に説明できます。

また論理的には、「市場が効率的」→「アクティブは市場平均に勝てない」は言えても、「アクティブは市場平均に勝てない」→「市場は効率的」とは言えません。
 
 
 
不勉強なのですが (ny)
2007-07-02 19:58:00
利回りを1%上げればDGPがあがるというのは随分大雑把な気もしますが、例えば日本国債の運用に偏っている金融機関はそえ以外のものに投資をしろ、つまりリスクをとれといいたいんでしょうか?

ちなみに海外の金融機関が儲けているのはご指摘の通り運用というよりビジネスの部分でしょうね。日本の銀行などは引き出し手数料などで儲けるような構造でしょうから。

少なくとも3時にお店を閉めてしまうような銀行や証券会社がビジネス上手とは思えませんし。
 
 
 
Unknown (かなやま)
2007-07-02 20:59:13
ココロの師匠ジム・クレイマーによれば、ウォール街ですら5億ドルを越えた資産運用はインデックスを越えられないとあります。

ましてや500兆円。競馬場の馬券の大半を買い占めてしまっては、+の運用など期待できません。

ゼロサムゲームで勝つのでなく、新たな付加価値創造のキャピタルゲインを狙うにしては、あまりに骨の折れる投資規模ですね。
 
 
 
キャリートレード (fda)
2007-07-02 22:58:04
「欧米の投資銀行は低金利の資金を調達、先端技術を生かしリスクマネーに転換、高利回りで運用し、多大な国富をもたらす。」に関連して、低利の日本でお金を借りて、海外で運用する「キャリートレード」が行われている、
海外で株価が急落すると、「巻き戻し」が起こって円高になる、と言った話を聞いたことがあります。
この「キャリートレード」のうまみは何処にあるのでしょうか?
為替リスクを考えると金利の差によるリターンの期待値はほぼ0になるはずだと思うので、円で借りて、例えば米$で運用しようが、米$で借りて米$で運用しようが同じ事だと思うのですが、低利の円で資金調達すると何か良いことがあるのでしょうか? それとも円だと気前よく貸してくれるのでしょうか。
 
 
 
Unknown (hiro)
2007-07-02 23:02:30
山崎 さん

>我が身を振り返ると、個々の銘柄の株価は幾らが正しいのか、指数についても幾らなのか、意見は言えても、自信など持てません。お互いに分からないどうしが市場で取引して・・・

また、別エントリー(保険法改正に望むこと)にて下記のようなレスを頂いております。

>過去のデータも勿論大切なのですが、理屈の上でどうなのか?という思考がもっと大切な場合があると思いますし、・・・

そして、以前、山崎さんは個人の資産運用として、個人向け国債と(インデックス投資に替わる)分散された個別株ポートフォリオを推奨されていたことを記憶しております。

国債については、経済の成長である実質金利を目的とするものでしょうから合理的ですが、株のポートフォリオの優位性については、過去のデータに支持されるように思えますが、どうなんでしょうか?

個別株ポートフォリオにしろ、高金利外貨にしろ、「理屈」のうえでは自国実質金利と無差別なら、投資の拠り所としては過去の実績に求めることになるように思われます。

立派な理屈のひとつである「効率的市場仮説」を実績に基づいて否定される一方、為替については「購買力平価」という理屈もありながらも、必ずしも過去の実績で支持されるとはいえない「金利平価」という理屈には過大な評価を与えているように思えます。


 
 
 
質問です (覚醒)
2007-07-02 23:10:07
山崎さま

米国の企業年金や公務員年金では、年金基金とか言う組織で海外投資を含めて投資運用をしていますが、その利益の源泉は、「企業の利益を株主間で薄めて取り合うだけのものであったり、資産価格形成の歪みや、各種のリストラクチャリングなどから得るものである。」であり、米国GDPを増やしているものではないのでしょうか。

日本の資産を例えば利率の高い海外債券投資(株にするとフラクチュエーションがあるので債券にします)を行なった場合はどう考えればよろしいのでしょうか。(為替リスクの話が出ると思いますが、米国債として実質4%として10年で、概算40%の利子を得たとする時、為替が40%円高になるとは到底思えないと判断したとします。)
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-02 23:28:42
>fdaさま

為替ディーリングの経験でもあれば、当然、fdaさんの仰るように考えると思います。キャリートレード自体は、低金利通貨で借りて、高金利通貨で運用して、結果オーライを狙う一種の投機に過ぎません。

>hiroさん

「株のポートフォリオの優位性については、過去のデータに支持されるように思えます」という部分ですが、私について仰っているのだとすると、誤解です。過去のリターンが高かったから、株は良い、などと、阿呆なことを、私は言わないはずです(たとえ、酔っぱらっても・・・)。

現状について敢えて言えば、リスクはあるけれども、期待リターンがリスクフリー金利よりもかなり高いと思えるような水準に株価と企業の状態があると、私は判断しています。株を買っても悪くない、と進めるのは、それが理由です。昔から、過去のことは、あまり考えておりません。

また、個別株ポートフォリオは、投資のリスクを取っていますから、「『理屈』の上で自国の実質金利と無差別」とは言えません。証券市場線上で取引可能ですが、効用の判断としては、当然、別のものです。

想像で、物事を決めつけずに、もう少しご自分で考えてみて下さい。

また、「理屈」と名の付くものが、全て同程度に立派とか有効とかではないので、その点もよく考えて下さい。購買力平価と、金利も含めた合理的な期待形成は、理屈として、超長期で、両立するとは思いますが、その現実的な有効性は、前提条件によって、いろいろでしょう。どっちも、「理屈」の身分だから、同じくらい有効な筈、などということはありません。

尚、為替市場には、単純な合理的期待形成では片付かない、累積経常収支分のポジションのリスク(プラス又はマイナスのプレミアムを持っていておかしくない)の問題があります。この点については、私は、かつて「ファンドマネジメント」(きんざい)という本で、自説を述べているので、ご興味があれば、立ち読みしてみて下さい。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-02 23:43:55
覚醒さま

珍しく、ご質問ですか。もちろん、歓迎です。

外国が絡むと、リターンの源泉の範囲が広くなるので、議論がぼやけがちなのですが、大きなお金で、確実に1%以上余計にリターンを稼ぐ、というのは、やはり至難の業でありましょう。

さて、ご質問のケースでは、「米国債として実質4%として10年で、概算40%の利子を得たとする時、為替が40%円高になるとは到底思えないと判断したとします」という判断を、一つの(円安方向に偏りがある)「相場観」と言わざるを得ません。現実には、もっとひどく円安になるかも知れなしし、40%では効かない円高になるかも知れない、というしかありません。

仮に、「10年後に、絶対に(あるいは、ほぼ確実に)、40%円高にならない!」と思う人が多数いれば、現在の為替のスポットレート自体が、もっと円安になっていないとおかしいのではないでしょうか。

理屈上は、為替レート(直物、先渡し両方を含みます)と、金利とは、セットで提示されて、市場で取引されており、どの組み合わせ(例えば、ヘッジ無しでの高金利通貨の債券買い、低金利通貨での借り入れ、など)が一概にいいとは言えないはずで、これが、基本です。

もちろん、過去にどうだった、これからどうなりそうだ、という個別の問題はありますが、原則論は、上記だと考えます。



米国の年金運用に関しては、海外投資分を除くと、主に米国のGDPに代表される米国内の経済活動を源泉とする投資のリターンを得ている、ということだと思います。年金運用だけが、運用スキルを使って、特別に高いリターンを稼いでいる、ということはないと思います。もっとも、運用業者は(顧客もですが)、上手く行ったケースを喧伝するので、向こうから発信される情報だけを見ていると、勘違いすることがありますが。
 
 
 
詐欺みたいな論考はアカンぞ。 (瑞穂の人)
2007-07-03 00:12:34
アクまでも個人的な観想ですが~

このまま、日本円が下落しまくって
海外に行ってしまった工場群が
日本国内に戻って来てくれないかと思っている。

典型的日本人は、職人気質の人が多いように見受けられる。
あんまし、ゼニカネには関心無いな。
いいものを造った時の喜びこそ
人生の醍醐味だと看破してる人が多いと思う。

残念ながら、今の日本国内で発生してる
「詐欺」事件の増大なんて
日本的じゃないな。

まあ、命まで奪われるわけでもないが
なんか、すごく哀しい~んや、俺は。
どうなってるんねん、、、瑞穂のクニっちの人よ~。

って言っておきますか。
 
 
 
質問です (犬飼多吉)
2007-07-03 22:16:20
山崎流マネーここに注目   を読んで以来、山崎さんのファンです。
小生、山崎さんと同年の戌年、、、ながら金融記事は好きなものの理解力がおぼつかないのが歯がゆいところです。

たとえば今回の「初年度から、年間一五兆円、現在のGDPの約三%の付加価値が新たに必要で、このハードルは毎年高くなる。国民が預貯金を株式に乗り換えただけでは、生産は急に増えないし、企業の利益を株主間で薄めて取り合うだけだ。」..
今一つ内容が咀嚼できないのです。
これぐらい理解するのは当然なのかもしれませんが、是非とも子供ニュースのようなタッチで具体的にお教えいただければ有難いです。
特に頭を抱えたのは2点
(1)付加価値が新たに必要という部分
(2)なぜ乗り換えると企業の利益を株主間で薄めて取り合うことになるのか?

運用で企業にお金が回っても株価などは押し上げるが、実体つまり 実際の業績、純利益とは必ずしも結びつかないということでしょうか?
 
 
 
もう1つ頭の中がスッキリしない (覚醒)
2007-07-03 23:08:49
山崎さま、ご返事ありがとうございます。

澤上篤人氏の書かれたものにこのような内容があります。

>米国の巨大ファンドICAは、1934年に設定され、今や10兆円を大きく上回る規模まで成長したが、2006年末までの73年間で運用成績は年率12.8%で、基準価格は6650倍になっている。1万円投資した人は、6650万円になっていると言うことである。同時期の米国の株式市場は、インデックスファンドで配当を全て再投資したとすると、年率11.3%の投資リターンをもたらすものとなっている。

その間の物価上昇率は3.8%であった。<

1%の運用は難しいと言うお話でしたが、「確実」を前に付けるせいなんでしょうか。日本人は、「確実」を前に付けると銀行預金しかなくなって、(現金を含めて)現預金で51%も握り締めてることになっていると思うのです。年率12.8%あれば為替の変動など恐れるに足らずのような気も致します。仰るご説明と現実とが符合しないような気がするのですが、理解が間違いなんでしょうか。
 
 
 
竹中氏も (そま)
2007-07-04 02:50:09
山崎さま

先日の社保庁の年金ダイヤルバイト募集の件へのご回答ありがとうございました。週刊誌等にも取り上げられるようになって実態が知れ渡って良かったと思います。

また講演会でのお話は興味深く伺いました。特にニューロエノコミクスの話は多少知っていましたものの市場関係者の方が関心を寄せられるまでになっているとは驚きました。

さて辻広氏は経済学者じゃないでしょうけど、専門家であるはずの竹中平蔵氏も(広告中でですが)似たようなことを言っています。

http://www.asahi.com/ad/clients/moneyplan/interview.html

引用開始---

講演会で資産運用の話をするとき、私は「まず1%の利回り上昇を実現しましょう」とお伝えしています。1%上げるのは難しくないはずです。しかし、1%をあなどることはできません。1500兆円の1%は15兆円。私たちが払っている消費税額はおよそ11兆円です。資産運用で得られる資産所得の重要性を誰もが感じる時が近づいていると思います。

引用おわり---

ところでこの方は経済学者としての業績はあるんでし
ょうか?言っていることの経済学的妥当性は政権にいたころもあまり問題にされていなかったように思うのですが。
 
 
 
ブラジルの金融機関が儲かるのは (南のトトロ)
2007-07-04 05:07:08
山崎さん、こんにちは。(昔某ゼミで一緒でした)
いつも楽しく拝読しております。
現在、地球の反対側、ブラジルで勤務中。
世界で一番収益性が高いといわれるブラジルの銀行業界。その実態は日本人の常識を超えています。
預金の口座維持手数料は毎月2000円弱。但しATM利用料はタダ、これはまだ良い。
貸越金利は通常月利18%(月利ですよ)、私は優遇金利で月利8.9%。公定歩合に相当する基準金利が年利12%と、日本に比較してかなり高いとはいうものの、利鞘の厚さは世界一ではないかと思います。中小零細企業向けローンの利鞘も年利30%くらい、消費者金融では年利100%を越すものもザラ。これは信用リスクに応じたもので、背景は色々あるわけですが(ここでは説明省きます)、経済的裏付け無くローンの上限金利を国が決め、金融をインフラとして管理する社会主義国家日本では、金融機関に高収益を求めること自体筋違いでは。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-04 05:12:48
犬飼多吉さま

確かに、「子供ニュース」はよくできていますね。たとえば、ライブドア事件の一番分かりやすい解説は子供ニュースだったという記憶があります。

なかなか子供ニュースほど分かりやすくは説明できませんが、次のような話です。

たとえば、預金が、企業の株式に向かうとします。既存の株券を買うとしても、企業が資金調達するとしても、株主のリターンのもとになるのは、企業の利益ですね。これが急には増えないだろう、と言っているわけです。

預金が株を買う、ということが起これば、一時は株価が上がるかも知れませんが、仮に二倍に上がった株価に対して、企業の利益がついてこなければ、株価が割高になって、結局は、将来株価が下がることで調整されてしまいます。

企業が資金調達してお金が入った場合でも、このお金を今の効率で投資して今と同じように儲けることは、少なくとも急には無理でしょう。たぶん、企業は投資できないお金を再び預金なり債券なりで寝かすことになるでしょうし、そうすると、資本金は増えても、一定の利益を取りあう株主が増えるだけのことです。

結局、株式投資の額に見合う新しい利益が必要なのですが、これは、企業の経済活動から生み出されなければなりません。

1500兆というのは荒唐無稽な数字ですが、これが1%の利益を追加的に生み出すためには、年間15兆円の純利益(ということは、税金を考えると、もっと必要ということですね)が増える必要があり、もちろん、GDPに反映する付加価値が増えていなければなりません。GDPを今よりも年率3%(課税前だから本当は6%くらい)付加価値を増やすというのは、大変なことですね。

また、一年だけ15兆円増えたのではダメで、翌年も15兆円×1.01の利益がないと、元本が増えていくので年率1%のプラスを維持できませんね。ハードルが毎年高くなる、というのは、そういう意味です。

結局、経済全体を眺めると、企業の生産活動が伴わなければ、株式保有を増やしても、利益は増えません。企業に資金注入されたとしても、企業はキャッシュを抱えるだけで、この部分は、純資産として増えますが、株数も増えているので、株価は概ねそのままの理屈です。
 
 
 
巨大資金の運用は、難しい (山崎元)
2007-07-04 14:29:26
>覚醒さま

ICAの73年間で平均してベンチマークに年率1.5%勝ってきたという実績は大したものですが、これは、成功例を後から取り上げたものですね。セールスマンや投信コンサルタントがよくやる手口ですが、同期間内に設立して、失敗して消えたファンドも数多くあるわけで、たまたま「良いファンドを事前に選ぶことが出来た」ケースを、今後の判断の参考にすることはできません。

10兆円を超えてなお、これまでのような運用効率を確保できるかどうか、という問題もあります。それにしても、10兆円の6650倍は、想像するだけで、くたびれてしまいますね。

一般に、預金に固執することの愚かさなどを巧みに対比にひっぱりだされると、つい、リスクを取って運用すると上手く行くのではないか、と思いがちなのですが、10兆でなく、500兆、1500兆ということになると、やはり運用は難しいし、上手く行くとすると、経済のどこかで価値が大規模に生まれる必要があります。

それに、12.8%というリターンは、あくまでも過去の平均なので(しかも後から選ばれた特定のケースの)、これを以て、期待リターンとすることは出来ません。

それにしても、顧客が、こんなに簡単に、運用に希望を持って下さるなら、投信のセールスマンは楽でいいなあ・・・・。特に、大きなお金を扱う人は、もっともっと疑り深くないとマズイと思います。

>そま様

私は、竹中氏には、恩も恨みもありませんが、確かに、1500兆円で1%余計に稼ぐと・・・、という話をされているようですね。「GDPの3%・・・」とまで、口にしていれば、気づきそうなものですが、ご自分で気がつく時が来るのではないかと、話を聞いている方はハラハラしますね。もっとも、彼なら、何でもスラスラと言い訳してしまいそうですが。

>南のトトロさま

伯剌西爾ですか。それにしても、日本で銀行をやるのが馬鹿馬鹿しくなるような、凄い数字が並んでいますね。

なるほど、日本では、ビジネスとしてではなく、インフラとして公的に管理されているから、銀行は保護され、銀行員は官僚的で、午後3時には窓口が閉まるのですね。

もっとも、筋違いなのに、銀行に収益性を問うから、このごろ、投信だの個人年金(変額)保険だの、妙なものを、強引に売っているようで、困ったものです。

彼我の銀行業の違いほどではないでしょうが、環境の違う場所でのお勤め、ご健康には、気をつけて、ついでに、大いに楽しんで下さい。
 
 
 
質問よろしいでしょうか? (新之助)
2007-07-04 17:37:33
>「効率的市場仮説」は、やっぱり嘘だと思います。

ということですが、外国株も含むインデックスファンドやETF投資の、個別株やアクティブ・ファンドに対する優位性も全く理論的根拠がない、実はたまたまインデックス投資が優位である時期と見たほうがいい、ということでしょうか?
これから個別株投資から海外ETF投資へ移行しようと考えているのですが、移行するだけの優位的かつ説得的な理論的裏づけはない、ということでしょうか?

ご教授をよろしくお願いいたします。
 
 
 
Unknown (NTK)
2007-07-04 19:03:48
新之助さま

こちらが参考になると思います。
https://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/yamazaki/in05_report_yamazaki_20070504.html#skip2

「市場が効率的=アクティブ運用は有効でない」とは言えても、その反対、つまり「市場が非効率的=アクティブ運用は有効」とは言えないのだと思います。
 
 
 
訂正2つ (山崎元)
2007-07-04 22:17:48
辻広氏から、メールがありました。「1%」は、お気楽だったかも、という内容と共に、重要なご指摘が二点ありました。

(1)辻広氏は、週刊ダイヤモンドの前編集長ではなくて、前々編集長です。

(2)また、現職は、「営業担当取締役」ではなく、「金融情報局長」です。

何れも、私の、勘違い、というよりも、確認の甘さ、認識の不足、から生じた間違いです。固有名詞と肩書きは正確に書く、というのが、いかなる所に書くにしても、この種の文章の基本のキでありまして、これは、私がいけません。

「いっぱいやりましょう」とメールの文末に書かれていたので、ご本人には、その折りに、謝罪することにします。
 
 
 
ありがとうございました (犬飼多吉)
2007-07-04 23:23:57
山崎さん、ご多忙にもかかわらず私ごとき市井の一凡人の為に、懇切丁寧なご返答 本当にありがとうございました。
愚鈍な私でも完全に理解できたと思います。   机上の論理と実体経済の揺れ幅が分かり面白かったです。
こういうことは、どの分野でもありますね!
常々思うことですが、全くの善意で その道の専門家の方から懇切丁寧に無料でご教授いただけることに ただただネットの素晴らしさを感じます。
山崎さんのお書きになったものは「山崎流マネーここに注目」のほかにも村上龍さんのサイトのものも目を通しておりますので、此処のブログ以外のことでも疑問に感じたことに御解答いたただければ嬉しく存じます。   また、お世話になると思いますので宜しくお願いいたします。
 
 
 
楽天証券のセミナー (toyshop)
2007-07-05 00:30:47
先日の楽天証券のセミナー、楽しく拝聴させていただきました。

ただ、山崎さんの前までのゲストの方の話がゆっくりだったせいか、
山崎さんのトークが始まったときには、しばらくその話の速さに
ついていけませんでした。(途中から慣れましたが。)

私は大学生のころ情報工学専攻で、経済は専門ではありませんでした。
しかし、セミナーでのニューロエコノミクス、および生態系によるメタファーの話を聞いたとき、
私が学生当時(5年程前)、エージェント技術が流行って
(経済学でいうところの、プリンシパル・エージェント問題については
後で知りました。)いたことを思い出しました。
学生当時、研究室の先生に「エージェントの研究をするなら、
マーヴィンミンスキーの『心の社会』(産業図書)を読んでいないとモグリだぞ」。
と、言われ読んでみたものの、当時は「なんのこっちゃ」という感じでした。

ただ、ここ最近になって、当時役に立たないと思って学んだことが
立体的に結びついてきたという感じがしています。
自分もニューロエコノミクス等、機会があったら調べてみようと思います。

そうそう、ある教授がニューラルネットワークやファジー理論を使って、株価の動き
を予想するシステムを紹介していましたが、専門がソフトウェアだったからか、
全員が同じ手法を取ったらどうなるか等の問題までは突っ込んでいませんでした。

まあ、何れの理論も、儲けるために実用的に使えるものはなく、非合理な賭けに
参加しないために活用するのがいいのでしょうね。
 
 
 
インデックスでも11.3% (覚醒)
2007-07-05 01:33:06
山崎 さま

ICAは、お説のように後から選んできたもので、後知恵だと言うことで納得することにしましょう。

しかし、アメリカンのインデックスでも平均年率11.3%の利回りになっていると言うことは、拡大する株式市場にインデックス運用でお金を置いておけば長期ではそれなりの利回りになるということではないのでしょうか。

私は、「確実」にと言う前提をつけると選択の幅がなくなり、銀行預金しか出来なくなるように思います。それとも、今の日本人の現預金50%超が賢いお金の持ち方なんでしょうか。インフレになっても銀行預金せよと言うこととは思えないのですが。
 
 
 
Unknown (栗田昌孝)
2007-07-05 10:57:28
数年前、教育ビジネスの雄「Z会」が、
「小学生からZ会」
というフレーズでCMを流していました(覚えている方もいらっしゃると思われます)。
CM終盤に差し掛かってくると、画面一杯にテロップで、
「東大合格2人に1人」
ろ表示されたのが印象的でした。

あたりまえですが、
「東大合格者の50%に相当する人がZ会を利用していた」からといって、
「Z会を利用すれば東大合格の可能性が50%になる」
わけではありません。


もし
「東大不合格も2人に1人利用していた」
のであれば、

「受験生全員が利用してただけ」
であって、少なくとも「Z会の利用」が「任意の受験生の事前の合格確率の向上」に貢献していたとは言えなくなります(あるいは、していなかったとも言えない)

要するに、サンプルが偏っている(=合格したという事実が判明した受験生)と、それから導き出された帰結は論証不十分であり、「なんとも言えない」のです。

したがって、受験と同様、ファンドに関しても「合格体験記」ばかりではなく「不合格体験記」も併読すべきと思っております。

同じ(似たような)オペレーションを実行して失敗した人も、「わんさかいる」のが運用業界です。

 
 
 
Z会 (覚醒)
2007-07-05 14:50:21
Z会の話面白かったです。ただ、

>同じオペレーションを実行して失敗した人も、「わんさかいる」のが運用業界です。

そうだとは思えない。なぜなら、ニューヨーク株式市場のインデックス運用の利回りは年平均11.3%だから、ダウ銘柄を購入して保持しておれば、長期では運用益は平均近辺で出せるのではないでしょうか。だから、ニューヨーク株式市場を信用して多数の人が参加し続けている結果が、インデックス運用利回りになっているのだと思う。しかし、それだけ多数参加してもPERが、18近辺らしいから各企業も株価の上昇と同程度の利益向上と配当性向の維持ないしは向上をしてきたのでしょう。それもすごいことです。しかし、ICAを40年ぐらい持っている日本人いるのでしょうかね。(73年前は鬼畜米英で無理でしたでしょうが)

「わんさかいる」と言う前提は、恐らく株式市場はゼロサムと思っておられるのではないかと推しているが、個別株では、ロスをしている人はわんさかといるかも知れないが、分散させている人についていえば、ロスの人は「わんさかいない」のではないだろうか。

投資を専門にする評論家のお仕事は、なぜニューヨーク株式市場が、そのような拡大を継続できているのか等の要因を把握したり、ICAのインデックスより高い利回りを確保できている原因を掴み、次の投資の利回りを上げたり、リスクを減少させる方法論を客先に提示することだと思ってるのですが、間違いなんかなぁ。

「危ないぞ」「危ないぞ」だけ言うのは、官僚の仕事で、自分に責任が来ないようにする方法論のように思う(わたしゃ皮肉れてますからね)。「わんさかいる」と言うのも実証的なデータをベースにするなら分かるが、尻馬にのって言うのなら無責任のような気がします。

後は戯言、お聞き流しを。
Z会ですが、合格者の1/2、不合格者1/2なら、受験者全員が利用していたことにはなりません。受験者の半分が利用していたのですが、このデータでも何もいえないわけで、Z会を受ける前の偏差値のデータさえあれば、判定が付きます。偏差値平均45の人達がZ会の添削を受けて、半分合格なら、「スゴーい!」話。偏差値平均70の人達が受けて半数不合格なら、成績を落とす効果が「スゴーい!」話です。しかし、実際の話、近くで見ていてZ会を続けることは生半可では出来ない代物のように思いました。継続できる人は、それだけで忍耐力があり、また基礎学力があるから、合格できる人の資格を持ってるでしょうね。合格者の半分がやっていたと言うのはすごいことだと思います。
 
 
 
わしゃ博打しかしたことないが (作業員)
2007-07-05 15:00:51
賭場がいくつあっても、市場(賭場)の原理は一つではないかなあ。もっといえば、テクノロジーを駆使すれば、株式市場は、ひとつにできる、やろ。それがグローバル化の最終形だと思うがなあ。そのときは、ポンちゃん、なんて言うのかなあ。子供にジェニ残すという動機にしては、リスクとりすぎやで、ポンちゃん。わしのボートとかわらんように、見受けられるがなあ。
あとは、投資専門家、評論家の背骨がへし折れている山さんから、倫理の背骨がへし折れているポンちゃんに、有り難い解説です。
 
 
 
投資を専門にする評論家のお仕事 (山崎元)
2007-07-05 15:28:18
覚醒さま

アメリカの株式市場は、今後はどうか分かりませんが(ここが肝心です)、なかなか大したものです。PERを維持しながら拡大してきているということは、アメリカの企業経済の逞しさですね。ここに分散投資していれば、確かに、投資としては、成功した可能性が大きいでしょうね。

ごく大まかにいえば、益利回りと名目GDP成長率の合計値くらいが、長期的に株式が供給可能なリターンです(但し、国際比較には、通貨の違いの調整が必要です。或いは、実質ベースで考えてみて下さい)。

また、私が説明する必要は無いのだと思いますが、栗田さんの言う成功・失敗は、主に相対評価でしょうし、公的年金について私が心配するようなヘッジファンドの連中は、その上下の幅が大きいのが特徴です。



さて、「投資を専門にする評論家」のお仕事についてですが、役に立たない連中が多いので、「よく見てくれ」とは決して言いませんが、投資の世界の評論家は、「儲かるぞ!」「大丈夫!」「やらないと、遅れますよ」と投資家をけしかける人が圧倒的な多数派です。これは、単純に、その方がシノギがしやすいからです。

官僚も評論家も無責任なのは同じですし、そのことには何の異議もありませんが、国民の金融資産が運用を工夫するだけでホイホイ増えるようなことを言う評論家の方が(竹中さんも評論家ですね)、社会的な影響は、ずっと悪質ですし、本人がそういった言論活動で儲けていることを、消費者常識的な常識として、知っておいて下さい。

もちろん、投資のリスクを取るのは、悪いことではありませんが、金融業者とその取り巻きを甘く見ない方がいいとは、この業界を長年見てきて、切実に、そう思います。

なお、アメリカをはじめとする外国株式への投資は、ETFを使うのがいいでしょう。証券会社の店頭で、海外ETFと言うと、「こちらの方がいい」と言って、もっと手数料の高い投資信託を勧められることがよくあるそうですが(笑)。
 
 
 
Unknown (栗田昌孝)
2007-07-05 17:58:37
山崎さんの指摘の通り、私のZ会の話は「相対評価」に関わる話です。

またZ会話で恐縮ですが、

そもそも
「クラス全員がクラスの平均を上回る」
ことはありえないことですし、

ここでZ会の効果を見る場合、
「クラスの平均を上回っていたヒトはZ会を使っていた」
が、。
「クラスの平均を下回っていたヒトはZ会を使っていなかった」
という逆命題が成立しないと、なんともいえないということを申し上げたかったのです。

(あるいは「Z会を利用してないならば、クラスの平均を上回っていない」という対偶の成立でもよいです)

「Z会を利用してないけれども、クラスの平均を上回るヒトが結構いる」のでは
「Z会効果」に「?」が付くと思われます。

(ここでは、小職の論点に関する「ざっくりとしたイメージ」を説明することを主眼としているので、実際上、あるサンプル規模に対してに少なくとも何%のZ会使用者(不使用者)が存在なければ、命題が成立する統計的なα(有意性)が保たれない・・云々という統計マニアな内容にまでは言及するつもりはありません)

その辺りが抜け落ち気味な「検証」が散見される、ということを言いたかっただけです。


・・・・

話は変わりますが、
「米国のインデックス運用の利回りは年平均11.3%」という情報に基づいて、これをグローバル組の“クラス平均”とみなした場合、日本君も追随可能かどうか?ですが、

そもそも米国は

・2つの世界大戦で「合格(戦勝国)」した
(その意味では、日本は二次で不合格でした)
・英語は共通語として「合格」しつつある
(日本語が話せる外人って・・何%くらい?
少なくとも、日本にいるにも関わらず(会社が外国籍ゆえ)私が英語を話す機会の方が多い)
・資本主義イデオロギーの流布に成功(その国の経済運営方式を”OSソフト”だと思ったとき「米国式XP」と「日本式ビスタ」では導入先に圧倒的な差がある。)

つまり、米国は戦争によって経済が破綻しないで済み、経済イデオロギー対決でも他を凌いで席巻でき、コミュニケーション・ツールである言語の普及でも有利であった、という「合格者」であり、したがって、「米国のインデックス運用の利回りは年平均11.3%」というのも、そもそも、「合格体験記」っぽいのでは?と考えるのです。


 
 
 
Unknown (ちゅう)
2007-07-06 11:19:48
ちょっと前に会社のエライさんと株vs債券について議論したことを思い出しました。

その人は、長期的なリターンの高さを考慮すると株の方が有利な投資だ、と言っていたのに対して、僕は100万円分の株と100万円分の債券は現在価値が同じなのだから、後で結果は異なるだろうが、現時点でどちらが優位とは言えない、と言いました。するとその人は、お前は悟りを開いた坊さんか、と訳の分かるような分からないようなことを言っていました。

これって、結局良し悪しの問題ではなく、好みの問題だと思ってます。日本人の好みは非常にリスク回避に偏ってますけど、それはそれで別に良いのではと思ってます。

それに多分個人の金融資産の殆どはお年寄りが持っているのでしょうから、そういう人達に対してもっとリスクを取るべきだというのは、どうかと思います。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-07-06 14:54:38
ちゅう様

仰るとおり、リスクの違いを考慮せずに有利とか不利とか論じることがおかしいですね。

理屈の世界でいえば、証券市場線(横軸にリスク、縦軸にリターンを取った、右上がりの直線)上は、取引によって到達可能なリスクとリターンの組み合わせなのだから、この線との比較で有利不利を考えるべきでしょう。

エライさんには「いずれにせよ、株と債券の何らかの組み合わせが正解の筈ですから、株が有利か、債券が有利かという、問いの立て方自体が、間違いですね」といってあげれば、正しかったかも知れませんが、正しすぎて、相手の顔が潰れて、拙かったかも知れません・・・・。
 
 
 
Unknown (ちゅう)
2007-07-07 13:55:51
山崎さま

なるほどその通り、ポートフォリオ・セオリー的には証券市場線上が最も効率なリスク・リターンになるというのは分かります。

ただ最近ちょっと悩んでいるのは、たとえどんなアセット・アロケーションにしたところで、「現在価値が変わらない」のは何故なのだろうかと、相当アホなことを考えたりしています。

一案としては、ポートフォリオ・セオリーは究極のリスク・テイカーである個人投資家には有用でも、企業とか年金基金には意味がないのではないかということです。

企業の存在意義が、正味の現在価値がプラスになるビジネスに投資することだとすると、(ウォーレン・バフェットのような特殊なケースは除いて)ゼロの正味現在価値である金融資産に投資するのは、たとえどんなアセット・アロケーションだろうと株主にしてみれば非効率的なのではないかと思います。

また、年金基金もその目的が企業の倒産リスクから従業員に将来払う年金を保護することであるならば、基本的にリスク・フリーの資産に投資するべきなのではないでしょうか?どうせ担保にとるなら、株よりも債券とか現金の方が良いじゃないですか。ポートフォリオ・セオリーでいくら効率的なリスク・リターンのアセット・アロケーションを追求したところで、従業員にとって何の利益にもならないのではないかと思います。

結局、企業や年金基金はただの器であって、それらを通じて様々な人々(株主・債権者・従業員など)がリスクを取っている訳ですから、その最終的な利害関係者にとって何がベストになるのか考えると、ポートフォリオ・セオリーの弱点というか、適用範囲の狭さが見えてくるようなきがします。

リチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子説で、すべての生命体は遺伝子を運ぶビークルであるというような考えがありますが、同様に企業も年金基金も所詮はビークルに過ぎないのではないかと思います。
 
 
 
Unknown ()
2007-08-24 00:43:11
本エントリに対するコメント中で言及された野口悠紀雄先生の週刊ダイヤモンドの記事ですが、下記URLの文章ではないかと思います。

http://www.noguchi.co.jp/essays/?p=43#more-43

「対外資産の運用利回り向上は、確実に実現可能」とのことですが、私のような初心者にはどうしてそうなるのかよくわからないところです。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2007-08-24 10:09:07
羊さま

こんにちは。確かに、野口先生のこの文章は、印象に残っています。

対外資産について「しかし、その利回りは3%程度であり、あまり高いものとは言えない。ファイナンス理論の活用により、これを数パーセントポイント向上させることは、決して不可能ではない。仮にそれができれば、経済成長率を同率だけ引き上げたのと同じ結果が得られる。」と書いてあります。

確かに、米国債一本槍は芸がないのですが、利回り向上のためには、たとえば株式のリスクを取ったり、別の通貨・債券のリスクを取ったりと、大きさや質の違うリスクを取らなければなりません。特にこの文章では、大きなインパクトのあるリターンを上げようとしているので(率だけでなく、金額的にも)、リスクを大きくしないで、ということは難しいと思います。

現在と同じかそれ以下のリスクで簡単に利回りが上がるというような話は、それこそ、ファイナンス理論を知っていると思いつかないはずなのですが、つい文章に力が入ったのでしょう。

もっとも、分散投資で別の対象にも投資して、リターンを上げましょうという話は、ファイナンス理論なんて大仰な話を持ち出さなくても、出来る資産運用です。

野口先生は、現在ファイナンスのセンセイなので、世の人々に勉強のモチベーションを与えるべく、ファイナンス理論の効用について、少し大袈裟に書いたのだ、と私は推測しています。
 
 
 
Unknown ()
2007-08-24 20:46:09
山崎さん

金融の世界で「確実に利益が得られる」などと言われるとつい「本当かな」と身構えてしまうのですが、今回は野口先生の情念がこもった文章だったのだろうと思います。
ご意見ありがとうございました。
 
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