駄文的な、余りに駄文的な

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[歌詞]高速道路

2017-02-11 19:48:00 | 歌詞
何もせず
ただ時が過ぎて行く
重たい目を擦って
今日もひとり
何かを成し遂げたくて
何にも出来もしないまま

ただ時が過ぎて行く
ただ時が過ぎて行く
高速道路のスピードで
ただ時が過ぎて行く

電車に乗って
乗せられて
バスに乗って
日々に乗って

俺はまるで動かず
今日もどこかへ

はるか遠く
連れられてく
何かを求め
探してるふりをしながら
何もせず
突き動かされてく

ただ時を眺め待ってる
何も起きやしないのに

ただ時が過ぎて行く
ただ時が過ぎて行く
高速道路のスピードで
ただ時が過ぎて行く

車が去って
過ぎ去って
人が去って
日々が去って

俺はひとり動かず
みんなどこかへ

誰も彼もが
過ぎ去っていく
ひとり
何か求めてるふりをしながら
何もせず
待ち望んでるだけ

はるか遠く
連れられてく
何かを求め
探してるふりをしながら
何もせず
立ち尽くすだけ

https://m.youtube.com/watch?v=YD8KOL8H4to

時計の男

2017-01-26 19:50:50 | 小説
時計が嫌いなんです、と男が言った。男は腕には幾つもの腕時計を巻き、首からはおびただしい数の懐中時計を下げていた。彼のオーバーオールのポケットからもかちこちと、時を刻む音が聞こえてくる。恐らくは、目に見える以上の量の時計を維持しているのだろう。「毎晩、彼女らの時間を合わせなければなりません。」男は話を続けた。「私は彼女らに自分の時間を奪われてしまっているのです。」

「ならば、全てをお捨てになれば良いだけの話ではないですか。」私は言った。それとも捨てられない訳でもあるのだろうか。

「捨てる?あなた捨てるとおっしゃられましたか?」
男は青白い顔を紅潮させ、かぶりをふった。
「よくもまあそんな恐ろしい事が言えますね。あなた、時計を捨てた人間がどうなるか、知らない訳ではないでしょう。」
男は語気荒げに取り乱したが、最後の方はしりすぼみに小さく、ささやくようだった。

私と男の二人しか居ない部屋は一時の静寂に包まれた。

あなたが、何をしたいのか解らない。
私は、時計のひとつを凝視しながらゆっくりと言った。

「それがわかれば、この様な話はしません。私は彼女らを愛し、慈しみ、憎み、畏れているのです。」
男はそれだけ言うと、一礼をし、去って行った。

部屋には静寂だけが残された。

【歌詞】ダメかな

2016-12-27 01:46:58 | 歌詞
きみの首を切り取って
花壇に埋めて育てたい
そしたら毎日お水をあげる
寒い日には一緒に布団に入ろう

ダメなことがしたい
したくないことがしたい
本当にしたくないことは
したくない

きみの手足を全て切り放して
ぐるぐる巻いて暖炉にくべたい
寒い日にはそうして暖まって
残った灰は残さず食べよう

そしたら本当に一つになって
争いなんてなくなるよ

ダメなことがしたい
したくないことがしたい
本当にしたくないことは
したくない


穴(小説)

2016-10-18 23:06:41 | 小説

おわぁああぁぁあぁ

穴の奥から声が聞こえた。

おわぁああぁぁあぁ

まただ。

洋子はそう思った。

また声が聞こえる。


幼少の頃からそうだった。
洋子だけに聞こえる声。
洋子は穴という穴をみる度に、その奥から何者かの声が聞こえていた。

公園の砂場の穴から、マンホールの下側から、時には自分の膣の奥底からもその声がした。

声は耳をふさぎたくなるほど大きい事もあれば、蚊の鳴くように小さな事もあった。
それは穴の大小に関係はなく、どういった場合に大きく、また小さくなるのかは、長年声を聴き続けた洋子にもわからない。

幼少時は誰にでも聞こえるものと思っていたが、物心が着くに従って、この声が自分にしか聞こえないものなのだと理解していった。

何故自分にしか聞こえないのか。
その事に興味を持った時分もあったが、特にこれといった答えを得る事も出来ず、いつしか、単なる日常の一部として興味を失ってしまった。

穴からは声が聞こえるもの。それが日常であるし、別にその事は自分の人生にさしたる弊害をもたらすものでも無いからだ。


おわぁああぁぁあぁ……ゐ

ある日洋子は耳を疑った。

排水溝から聞こえる声が、いつもと少しばかり違って聞こえた為である。

洋子が知っている穴からの声は決まって
「おわぁああぁぁあぁ」
であったはずだ。

おわぁああぁぁあぁ……ゐ

まただ。

聞き間違いではない。

こんな事、40と数年生きてきて初めての事だった。

洋子は初めて穴の奥の声に恐怖を覚えた。

平穏無事、退屈ともいえるような毎日に初めて異変が訪れたのだ。


延々と続くはずの日常が、唐突に終わる予感に、洋子は怯えた。

おわぁああぁぁあぁ……ゐ
……ぁ…

まだ先がある!

穴の中からのみ聞こえていた声はもはや穴だけに留まら無かった。

おわぁああぁぁあぁ……ゐ
……ぁ…

ブラウン管から

おわぁああぁぁあぁ……ゐ

エンピツの先から

おわぁああぁぁあぁ……ゐ
……ぁ…

母親の目の奥から。

あらゆる場所から聞こえてくる声は、家の中から、外から、駆け回り、輪唱し、ぐわんぐわんと大きくなっていった。

もはや洋子に逃げ場はない。


おわぁああぁぁあぁ……ゐ
……ぁ…そぼ

ああ、そうか。
この声は幼なじみだ。

その事に気付いた時には、洋子の鼓膜は既に破れていた。

半身不随(歌詞2016var)

2016-06-21 02:38:47 | 歌詞
君がまだそこにいるみたい
君の影はさよならといって
はるか遠くに旅に出た

片割れを失った僕は
半身不随となりました

ヘルパー雇うも皆気に食わず
首にしては咳き込んでいる

どこか遠く
君の歌う声が聞こえる
聞こえているのに
僕の役立たずの身体は動かない
あの日から今でも

君の温もりが残ってる
君はまたねといって旅に出た
見知らぬ街へ
旅に出た

君を失った僕はひとり
何もできない身体で

君を追いかけて旅に出たくとも
半身不随で動かないのさ

君の泣き顔を覚えてる
あの日僕らはさよならをいった

君を懐かしみ影を追い求めても
半身不随で動かないのさ