フリージャーナリストは「良い子が住んでる良い街」に住んでる？

調書漏出の鑑定医に有罪、秘密漏示で初判決　奈良地裁（朝日新聞）

調書漏えい：関係者、それぞれの思いで判決迎える（毎日新聞）

別にオレが見解を申し述べてもどうなるもんでもないが，至極常識的な判決だと思うなぁ。毎日のほうの記事で被告は「あくまで彼（事件を起こした少年）のため」とか言ってるが，あの本が出たことで彼になんかいいことがあったとはとても思われない。

この事件にオレがうさんくささを感じるのは，このサキハマ被告やその被告から資料を見せてもらって本を書いたクサナギアツコが終始一貫して「（本を書いたのは）少年のため」とキレイゴトを並べているコトである。

オレかて一応（近年はホントに一応なんですけど）「著述業者」の末端に身を置くもの，出版だって商売なのであって「イチからジュウまで彼のため」みたいな美談で本が出ないことくらい知っている。買う方だって半分（全部かも）は「自分の母親と妹殺して火をつけた高校生ってどんなヤツ」って野次馬根性で金を出してるに決まってるだろ？

それをこの，まるで政府答弁のようなカマトトぶりっこはどうだ。自分の本を買った読者がみんな，少年の病気（広汎性発達障害と診断された）について理解を深め，同じ病を持つ人々をなんとかケアしようと意を新たにしたはずだ，とでもいうのか。あんたが住んでるは「良い子が住んでる良い街」か？

そんな能天気な目で世間を観てるヒトがよくもまぁルポライター（あ，フリージャーナリストだっけ？）なんて職業を選んだもんだと感嘆を禁じ得ないぜ（これ，皮肉ですから）。

一番唖然としたのは，このクサナギアツコが少年の父親らによる告訴に対して「サキハマ（被告）さんのおかけで（少年は）保護処分になったのに告訴するなんて」とコメントしているコトである。「サキハマさんのおかげ」とはどーゆー根拠があっての発言か。今度は保護処分の決定権を持ってる裁判官（なの？）から秘密の資料でも見せてもらったの？