日々雑感

プーチン発言 ”核を最初に実戦使用したのはアメリカ”発言

先月(2022年9月)末にプーチンが”核を最初に実戦使用したのはアメリカである"と発言したことが報じられた。ウクライナの戦争で核使用もあり得ることを正当化しようとの発言だ。

日本人はあまり問題にはしないが、アメリカが第二次世界大戦末に日本に対して核爆弾を使用したのは事実であり、この非戦闘員への核爆弾使用は明らかに国際法違反・戦争犯罪である。
戦勝国は戦争犯罪について裁かれることは実際にはまずないが、国際法で”戦勝国は戦争犯罪を問われない”というルールはない。連合国による第二次世界大戦中の戦争犯罪は多々あれど、最低限、広島・長崎への核爆弾投下による非戦闘員殺傷についてアメリカは非難されるべきであった。それが全く罪に問われなかったことが今回のプーチンの”核を最初に実戦使用したのはアメリカである”との発言につながっている。

もし第二次世界大戦末にアメリカが核爆弾を使用せず、日本への上陸作戦を行った場合にどれくらいのアメリカ兵が死ぬかとの見積もりは最初のアメリカ軍による見積もりで”数万人”であった。核兵器の悲惨さが戦後明らかになっていく過程でその見積もり数字が”百万人”へとインフレしていったのは良く知られるところ。”百万人”の数字はスミソニアン博物館での広島へ原爆投下の展示をめぐり1990年代にアメリカ国内でもめた時にも出てきていて、”百万人の命を救った”とのロジックで1990年代においても原爆投下はアメリカにて正当化された。

プーチンの世界観は西側の世界観とは相いれないものだろうが、彼の世界観のなかで核爆弾を使用する必要ありと考えれば彼は使用するであろう。広島・長崎への核爆弾の実戦使用を明らかな戦争犯罪として裁かなかった戦後世界の落ち度が彼の核爆弾使用への敷居を明らかに低くしている。(2022/10/14)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「日記」カテゴリーもっと見る