こんばんは。Aokiです。
本日のレポートは、BW級に関する『2.アメリカンウイスキー・バーボンウイスキー・テネシーウイスキーの違い』です。
『1.地理・歴史・法律」(4)法律による定義』とも関係が深いです。
☆☆☆
まず、三者の関係を例示で簡単に表現しますと・・・
・アメリカンウイスキー ⇒ 日本
・バーボンウイスキー(「以下、バーボンと表記します。」) ⇒ 北海道
・テネシーウイスキー ⇒ 札幌
ということになります。
つまり、バーボンは全て、アメリカンウイスキーでもあります。
しかし、テネシーウイスキーの条件を満たすバーボンもあれば、バーボンではあるがテネシーウイスキーではないものもあります。
補足ですが、2013年の州議会でテネシーウイスキーの条件として「新樽使用」が義務づけられるまで、テネシーウイスキーの中には、バーボンの要件を満たさないものがありました。
では、三者の関係を、具体的に比較いたします。
基本となりますのは、アメリカンウイスキーの定義です。
これは、アメリカ合衆国連邦規則集(第27編第5条22)に規定されています。
ポイントは、以下の通りです。
・原料は、穀物であること。
⇒果実を原料とするワインや、馬乳を原料とするアラヒなどは含まれないことになります。
・蒸留時のアルコール度数は、95%(190プルーフ)以下であること。
⇒連続式蒸留機で、大量生産が可能ですね。
・オーク樽での熟成が必要であること。
⇒ただし、コーンウイスキーは例外です。
材質は限定されていますが、熟成年数の制約はありません。
・ボトリング時のアルコール度数は、40%(80プルーフ)以上であること。
⇒加水制限により、ウイスキーの品質を担保する狙いです。
上記アメリカンウイスキーの定義を踏まえ、バーボンでは、さらに条件が付加されています。
・蒸留時のアルコール度数は、80%(160プルーフ)以下であること。
⇒より香味を残すために、低アルコール度数での蒸留を義務づけています。
・熟成に使用する木樽は、オークであればよいのではなく、「内側を焦がしたホワイトオークの新樽」を条件としています。
⇒これが、バーボン特有の香味を生み出しているといっても過言ではないでしょう。
・バレルエントリー(樽詰め)のアルコール度数は、62.5%(125プルーフ)以下とされています。
⇒高アルコール度数で樽詰めする方が、樽の個数は少なくて済みます。
その意味では、高コスト構造と言えそうです。
ただし、木の成分がウイスキーに溶出しやすいアルコール度数が62度前後であることを考えますと、ウイスキーの品質を担保する条件として、納得感があります。
このように見てみますと、バーボンは、より品質にこだわっていることがわかります。
なお、バーボンの定義にも、熟成年数は記されていませんが、別の形で差別化を図っています。
例えば、2年以上の熟成で「ストレートバーボン」を名乗れること。
4年未満の熟成の場合、熟成年数をボトルに表記することが義務づけられていること。
・・・などです。
年数表記が無いということは、4年以上熟成させている証になるわけですから、蒸溜所としては、4年間辛抱したいと考えるのも自然です。
そこで、4年経過後にすぐ払い出して製品化することがあり、これを「バースデーバーボン」と呼んでいます。
最後に、テネシーウイスキーは何が違うのか・・・ですが
これは、「原産地呼称」と「製法」です。
まず、テネシーウイスキーは、テネシー州で造らなければなりません。
次に、蒸留後にサトカエデの炭で濾過することが条件とされています。
ウォッカは白樺の炭ですが、いずれも、雑味を炭が吸着しますので、クリアな酒質になります。
ジャックダニエルがクリアでメロウな風味を醸し出す要因が、ここにあるのです。
以前も記載したことがございますが、ジャックダニエルは「テネシーウイスキー」です。
しかし、「バーボン」でもあるわけです。
BW級では、アルコール度数(プルーフ)に関する出題もあります。
特に、バーボンの定義は覚えておくとよいかと思います。
Z.Aoki
本日のレポートは、BW級に関する『2.アメリカンウイスキー・バーボンウイスキー・テネシーウイスキーの違い』です。
『1.地理・歴史・法律」(4)法律による定義』とも関係が深いです。
☆☆☆
まず、三者の関係を例示で簡単に表現しますと・・・
・アメリカンウイスキー ⇒ 日本
・バーボンウイスキー(「以下、バーボンと表記します。」) ⇒ 北海道
・テネシーウイスキー ⇒ 札幌
ということになります。
つまり、バーボンは全て、アメリカンウイスキーでもあります。
しかし、テネシーウイスキーの条件を満たすバーボンもあれば、バーボンではあるがテネシーウイスキーではないものもあります。
補足ですが、2013年の州議会でテネシーウイスキーの条件として「新樽使用」が義務づけられるまで、テネシーウイスキーの中には、バーボンの要件を満たさないものがありました。
では、三者の関係を、具体的に比較いたします。
基本となりますのは、アメリカンウイスキーの定義です。
これは、アメリカ合衆国連邦規則集(第27編第5条22)に規定されています。
ポイントは、以下の通りです。
・原料は、穀物であること。
⇒果実を原料とするワインや、馬乳を原料とするアラヒなどは含まれないことになります。
・蒸留時のアルコール度数は、95%(190プルーフ)以下であること。
⇒連続式蒸留機で、大量生産が可能ですね。
・オーク樽での熟成が必要であること。
⇒ただし、コーンウイスキーは例外です。
材質は限定されていますが、熟成年数の制約はありません。
・ボトリング時のアルコール度数は、40%(80プルーフ)以上であること。
⇒加水制限により、ウイスキーの品質を担保する狙いです。
上記アメリカンウイスキーの定義を踏まえ、バーボンでは、さらに条件が付加されています。
・蒸留時のアルコール度数は、80%(160プルーフ)以下であること。
⇒より香味を残すために、低アルコール度数での蒸留を義務づけています。
・熟成に使用する木樽は、オークであればよいのではなく、「内側を焦がしたホワイトオークの新樽」を条件としています。
⇒これが、バーボン特有の香味を生み出しているといっても過言ではないでしょう。
・バレルエントリー(樽詰め)のアルコール度数は、62.5%(125プルーフ)以下とされています。
⇒高アルコール度数で樽詰めする方が、樽の個数は少なくて済みます。
その意味では、高コスト構造と言えそうです。
ただし、木の成分がウイスキーに溶出しやすいアルコール度数が62度前後であることを考えますと、ウイスキーの品質を担保する条件として、納得感があります。
このように見てみますと、バーボンは、より品質にこだわっていることがわかります。
なお、バーボンの定義にも、熟成年数は記されていませんが、別の形で差別化を図っています。
例えば、2年以上の熟成で「ストレートバーボン」を名乗れること。
4年未満の熟成の場合、熟成年数をボトルに表記することが義務づけられていること。
・・・などです。
年数表記が無いということは、4年以上熟成させている証になるわけですから、蒸溜所としては、4年間辛抱したいと考えるのも自然です。
そこで、4年経過後にすぐ払い出して製品化することがあり、これを「バースデーバーボン」と呼んでいます。
最後に、テネシーウイスキーは何が違うのか・・・ですが
これは、「原産地呼称」と「製法」です。
まず、テネシーウイスキーは、テネシー州で造らなければなりません。
次に、蒸留後にサトカエデの炭で濾過することが条件とされています。
ウォッカは白樺の炭ですが、いずれも、雑味を炭が吸着しますので、クリアな酒質になります。
ジャックダニエルがクリアでメロウな風味を醸し出す要因が、ここにあるのです。
以前も記載したことがございますが、ジャックダニエルは「テネシーウイスキー」です。
しかし、「バーボン」でもあるわけです。
BW級では、アルコール度数(プルーフ)に関する出題もあります。
特に、バーボンの定義は覚えておくとよいかと思います。
Z.Aoki