ゲーム脳は、日本大学文理学部体育学科教授の森昭雄氏が、2002年7月に出版した著書『ゲーム脳の恐怖』において提示した造語である。森はゲーム中の脳波を測定する実験によって「テレビゲームが人間の脳に与える悪影響」を見出したなどと主張しており、この状態を象徴的に表現したものだが、専門家の間では科学的根拠のないトンデモ論であるとの見方が多かった。しかし、トンデモと騒いでいる連中は政府や企業寄りの御用学者が多く、むしろ、彼らの主張の方が私には「ご都合主義」のように思える。アメリカの学者が「二酸化炭素排出量の増加と地球温暖化との因果関係はない」、一部学者が「煙草と肺ガンの因果関係はない」と主張しているのと同じレベルであろう。
今回のような事件が起きても、ゲーム脳を「トンデモ論」と一笑に付すことができるだろうか?
本ブログでも「携帯電話のマイクロ波による大脳破壊」について警鐘を鳴らし続けていた。
今回の事件も、ゲームや携帯電話の使用過多との関連を考慮した方がいいと思われる。
23日午前11時ごろ、茨城県土浦市荒川沖東のJR常磐線荒川沖駅構内と東口を結ぶ自由通路で、、別の殺人事件で指名手配されていたK(24)が刃物で男女8人を次々と刺した。
県警によると、同県阿見町の会社員、山上高広さん(27)が首を刺され死亡、同市内の女性会社員(62)とつくば市の高3男子生徒(18)が重体。土浦署の男性巡査(29)を含む残る5人も腕などを切られ軽いけがをした。
19日に同市内で無職、三浦芳一さん(72)を殺害した疑いでKが指名手配されたのは21日。Kがゲームを買いに行ったことがあるとの情報から、秋葉原にも捜査員を派遣するなどして行方を追っていた。
Kは三浦さん殺害後、JR常磐線の同駅から上野駅を経て秋葉原駅に逃走。本人とわからないようにするために秋葉原駅近くの理容室で髪を切って角刈りにした後は、同駅周辺の複数のビジネスホテルなどに22日まで宿泊していた。
「早く捕まえてごらん」と、Kから県警に電話が入ったのは22日昼で、携帯電話の発信元は、同容疑者の自宅に近いJR荒川沖駅周辺だった。約1時間後、今度は無言の電話あり常磐線の取手駅周辺からと判明したが、携帯電話の電源が切れたこともあり、居場所を突き止められなかった。
Kとみられる男が23日午前9時ごろ、荒川沖駅付近を歩いているのが同級生の男性(24)に目撃されていた。この男性によると、 車で横につけると「にやっと笑った」という。男性は19日の殺人事件を知っており、車で追いかけるとKは細い路地に逃げた。
23日になり、Kが近くにまだ潜んでいるとみた県警は、始発電車が発着する時間帯から、常磐線やつくばエクスプレスの各駅を警戒した。荒川沖駅では改札口の内側と外側に2人、ホームに2人、東西のロータリー口に各1人、東ロータリーに2人、防刃チョッキを着た私服捜査員を配置した。
だが、Kを見つけることはできず、駅の通路では、警戒中の巡査も襲われた。巡査は同僚に取り押さえるよう伝えたが、追跡した捜査員も行方を見失った。
記者会見で県警側は「駅構内の数百メートルを全力で走りながら切りつけたので、追えなかった」と説明。本人を見逃していた理由については、捜査本部が入手していた顔写真が約2年前のものだったことや、本人が黒のニット帽をかぶり、銀縁めがねをかけていたことなどを挙げた。
関係者によると、Kは午前11時ごろに到着した下り列車に乗っていたとみられる。駅の防犯ビデオには、改札を出るKの姿がうつっていた。犯行に及んだのはその直後だった。
捜査員のうち、土浦署地域課のI巡査(29)は改札前で、警戒していた。改札から出てくる乗降客を見ていたところ、すでに改札口を出て通路に潜んでいたKに切りつけられた。
捜査幹部は「西口から東口に走ってきた。I巡査も何か頭を鈍器で殴られたように感じたと思ったら、出血していた。あまりにも突然のことで、追跡できなかった」と説明。I巡査から知らせを受けた改札口内にいた捜査員が追跡したが、見失った。
残りの6人も、追うことはできなかった。捜査幹部は「駅の乗り降り客が多い不幸な時間帯だったという事情もある」と釈明する。
目撃者の話では、Kはうなり声をあげながら、同駅西口から東口方面に全速力で移動。片手に文化包丁、片手にサバイバルナイフを持っていた。刃物を振り回し、途中の改札口付近で5人を刺し、その後、駅に隣接するスーパー「長崎屋」に通じる歩道橋などで3人を刺した。
午前11時ごろ、荒川沖駅の2階改札口で山本美恵子さん(59)は、同駅で電車を降り、改札口から連絡通路を、東口のショッピングセンター・長崎屋の方に向かおうとしていた。
西口から東口方向へ走るKに追い越された瞬間、包丁を左胸にぶつけられ、出血した。
その直後、岡田好充さん(50)はKに首を切りつけられた。追いかけようとしたが、血が流れ出したのに気づき、首を手で押さえてうずくまった。
西口から改札口前まで、男女5人が肩口や額、腕を押さえながら、呆然とひざまずいたり、座り込んだりしていた。
近くにいた人たちが駅員とともに、タオルで被害者の止血をしたり、「大丈夫ですか」と声をかけたりしていた。パニックになる若い女性もいた。
Kはそのまま東口の長崎屋2階の入り口近くへ向かい、長崎屋1階付近で、亡くなった同県阿見町の会社員山上高広さん(27)を襲った。1人目に切りつけてから5分足らずの凶行だった。
Kは駅北側の跨線橋を渡り、駅の西約300メートルの交番に向かい、交番前に並んだバイクのタイヤをナイフで刺した。
Kは交番から土浦署に電話で「私が犯人です。早く捕まえてください」と連絡した。逮捕時は、とくに抵抗することはなかった。
その際、両手に刃渡り約21センチの文化包丁とサバイバルナイフを持っていた。
県警は、この日は捜査員170人を投入して身柄の確保を目指していた。
石井孝刑事部長は「事件認知時から、二次犯罪を絶対に起こさせない、阻止するよう本日までやってきたが、死傷者を出したのは捜査幹部として、極めて残念しごくだ。駅やネットカフェへの張り付きなど、ベストを尽くしたつもりだ」と話した。
この日は午前11時から、4日前に殺害された三浦芳一さん(72)の葬儀が荒川沖駅近くの寺で行われていた。式に参列後、駅に立ち寄ってK逮捕を知った三浦さんの知人男性(59)は「容疑者が捕まったのは葬儀の最中。亡くなったおやじさんが天国で『自首しろ』と言ったんだ」と無念そうに語った。
Kは19日朝、自宅から市立中村小学校にマウンテンバイクで向かったが、襲撃はしなかった。「先生や保護者が多かったため襲うのをやめた」と理由を供述している。
三浦さん方は学校から東約200メートルのところにあり、K疑者宅から小学校への通学路沿いだった。19日午前9時15分ごろ、自宅2階にいた三浦さんの次女が「助けて」という悲鳴を聞いており、三浦さんが玄関前に倒れていた。Kは「人を殺してみたかった。誰でも良かった」と供述しており、偶然屋外にいた三浦さんを襲った可能性もある。
Kはその後、マウンテンバイクを三浦さん方に乗り捨てて家に戻り、服を着替えて逃走した。
Kは父親の仕事の関係で94年ごろ、宮城県から中村小に転校した。同小から地元の中学、高校に進学。高校を卒業した後は定職についていなかった。
Kは1月にコンビニエンスストアのアルバイトを辞め、70万円近くためた。数万円ずつ引き出してゲームなどを買い、東京・秋葉原に行くこともあったという。三浦さん事件の数日前には約40万円を口座から引き出していた。県警はこのころから犯行を計画していた可能性もあるとみて、詳しい動機などについて事情を聴いている。
Kが2、3年前まで勤務していたコンビニの店長(58)は「暗い性格だったが、さぼったり遅刻したりすることもなく、きまじめな印象だった。お客とのトラブルも一切なかった」。
近所に住む年配の女性は「Kの家族6人とも皆良い方。Kもおとなしそうな人だった」と話した。
所持していた文化包丁についてKは、「1月に土浦市内の店で買った」と供述。また、サバイバルナイフは、「携帯電話のインターネットを通じて購入した」と説明している。
Kは両親と弟、妹2人の6人家族。関係者によると、自室にこもってゲームに熱中、食事も自室でとることが多かったらしい。三浦芳一さん殺害事件のあった19日朝も、家族は姿を見ていないという。
Kの自室で一緒にゲームをしたという知人の男性(22)は「格闘ゲームが好きだったが、負けると機嫌が悪くなりちょっと切れやすい一面もあった」と振り返る。
(記事)
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