スパイクとサボテン

写真 ニュージーランド ニート 恋愛の文章ブログです。

30代Vol57・・・・・自己喪失

2006-06-30 11:47:30 | Weblog
こんなやりとりが2年強続いた。
僕もすっかり自分を見失った。一日中携帯が気になる。部屋の下でタクシーの止まる音がすると「瞳さんかな」ってドキッとする。
瞳さんは、何もせず、自分ばかり追っかけてくる僕を男としてみなくなってきた。
絵の方は、認められもう少しで個展。もっと時間がなくなる。
僕もいい加減嫌気がさしてきた。もうやめたい。
それでも瞳さんは時々僕が落ち込んでいないか心配して連絡してくる。
瞳さんも会いたい時がもっとあった。
寂しさを埋めるために僕と会うことが僕の為にならないことを、瞳さんはわかっていた。
瞳さんも一人の女、弱くなる時もある。
頼りたい。でも僕に頼れば堂々巡りになるのはわかっている。
何回繰り返しても、会った瞬間に僕は虜になってしまう。
瞳さんは虜になった僕が重荷になる。
こうやって何通りのかの悪循環のパターンが出来上がる。

この頃までは、瞳さんも僕にまだ少しは好きという気持ちはあったと思う。でもその気持ちは僕では無く、NZでの僕。瞳さんは、大阪に帰り現実の生活に戻った。現実の生活は忙しく辛い。絵の道を邁進するのも周囲を犠牲にしながら。ただ奪いにくるだけの僕には興味が無くなって当然。そんな瞳さんは、どうしようもなく辛く、寂しい時にNZでのなんのしがらみの無い自由な生活を思い出す。そして僕に連絡。僕はいわば楽しい思い出のショートカットみたいなもの。本当の愛情は瞳さんのディレクトリの階層の奥深くに保存されている。現実の自分は愛されていない。わかっている。何も与えるものなど無いことを。僕は少しの時間の癒し役でいることに眼をつむる。愛されたい。

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