和歌山歴史地理研究会

和歌山歴史地理研究会の紹介&連絡ブログです。

第12回見学会のお知らせ

2017-10-15 21:52:20 | 研究会事務連絡
第12回見学会の案内 
和歌山歴史地理研究会
  万葉の歌枕新説の妹背山と桛田荘絵図の故地を歩く 

当会は会員制ではないので、この見学のテーマに関心のある方はどなたでも参加できます。  

日程   11月18日(土) 11時50分集合  解散 4時30分頃 西笠田駅
集合場所;JR笠田駅(かつらぎ町)
(JR和歌山駅 10:50分発 11:37分着、JR橋本駅 11:30分発 同48分着
  が便利です) 
帰途;西笠田駅発
   和歌山方面 16:43発 17:21和歌山着、橋本方面  16:33発 同58分 橋本着

案内者;額田雅裕(和歌山市立博物館館長)、 水田義一(当会会長)
    村瀬憲夫(近畿大学名誉教授)、 森和弘(宝来山神社宮司、現地説明)
見学コース;(地図参照)
① 笠田駅          ② 笠田中、無量寺(文覚井東線の用水) 
③ 文覚井西線を辿る     ④ 宝来山神社・桛田荘絵図
⑤ 小田井背山隧道入り口   ⑥ 妹背山(167m)  歌枕、畿内との国境
⑦ 西笠田駅解散  4時30分頃
 連絡)○ コース;約6km、標高差110mの妹背山に登ります。
    ○ 文覚井では、用水の狭い堤を歩きます。歩きやすい服装でお願いします。
    ○ 昼食はなるべく済ませて参加してください。なお軽食持参の方のため、2時頃宝来山神社で小休憩を取ります。

参加費; 500円(資料代)
申込み; Eメール、FAX、葉書のいずれかで申し込んでください。
11月14日(火)締めきり
申込み先; 和歌山歴史地理研究会
  Email;y2mizuta6(a)utopia.ocn.ne.jp    (a)を@にかえて下さい
      Fax;432-3361
640-8057 和歌山市鷺ノ森新道17 ブルーメ鷺ノ森202号 
緊急連絡先; 水田 義一  携帯;090-7962-2785

見学の趣旨;
大化の改新で畿内との国境と定められ、歌枕となった妹背山と、中世に神護寺領となった桛田荘を歩きます。寿永2年(1184)に作成された桛田荘絵図は、5つの黒点(傍示)と紀伊川、静川や丘陵によって荘園の領域が明確に示され、堂・八幡宮を中心にして4つの集落が展開している様子は、中世の荘園の姿を髣髴とさせます。
見学のポイントは次の点です。
1 絵図には描かれていないが、荘園の農地は灌漑水利が備わってはじめて作物が収穫できます。北部の穴伏川の水を引き入れた文覚井(一の井)が、絵図作成時にすでに完成していたのか、近世の初頭になって整備されたものか意見が分かれています。文覚井を辿って分水の方法、山腹に水路を作る技術、水路の維持・修理方法などが観察しましょう。
2 絵図の中央に描かれた八幡宮と堂は、今も同一地点に宝来山神社と神願寺があります。
現在の宝来山神社は、本堂4棟が慶長19年(1614)、2棟が17世紀半ばに建設されています。宝来山神社には15世紀の絵図の写しが残され、神護寺との深い関係がうかがえます。
隣の神願寺の建物は文政13年(1830)に建立されたものです。
3 萩原は古代南海道の驛家に想定されています。古代の南海道は飛鳥から五条をぬけて紀ノ川に沿って加太に行きます。都が京都に移ると、ルートは和泉国から雄ノ山峠を越える道に変り、弘仁2年(811)に萩原駅も廃止されました。
4 妹背山の西にある穴伏川は那賀郡と伊都郡の境界ですが、古代の大化の改新(645年)の詔では、妹背山が畿内と南海道の境界とされています。紀ノ川に南北の両岸の山が迫り、川の中央には船岡山(島)がある。この地は国境にふさわしい場所に思えます。
またこの地は妹山・背山が対となっていると、万葉集などに多くの歌が詠まれ、妹背山は歌枕になってきました。妹山、背山は長く両岸の丘と考えられてきましたが、北岸の2つの峰が妹山、背山にあたると新説が提唱されています。現地で専門家から解説を聞けるのが楽しみです。



最新の画像もっと見る