10/8(土) 午前
新聞の仕事で出る廃棄物を丘の上の処理場へ持ち込もうと行ってみれば、第2土曜日は「おやすみよ~」とゲートには施錠されていた。
トホホなり。
が、せっかくなので、近くのJAところの牧場草地に立つ一本の木に久々に会いに行こう!
牧場の縁を回るように細い農道が林の中を走る。いくつかのカーブを過ぎたところで放牧中の牛たちの姿が目に飛び込んできた。
車を止めて近づけば目と目が合って、つい「アイシテル」。
伝わったかな~
丘の上の一本の木
マサジさんが写真集にしてから何年過ぎただろう?二十年以上かな。一本の木は、あの頃と変わっただろうか。すこし貫禄がついたかな。
この丘から見下ろすオホーツクの大地
あの頃、地域づくりの助言をいただいていた小松光一さんは、この風景をドイツのバイエルン地方に重なるな~と言っていた。もちろん、どんなところか知らないけど。
しばし、深呼吸で地球を食らう
一本の木は牧場の草地の中に。今は10月、この時期に刈り終えた草がまだ収穫されていない。雨のせいで作業が遅れている。帰り道、大きなロールベーラーをけん引したトラクターとすれ違う。これから最後の牧草収穫作業かな。
何かゆるりの気分。帰り道、あっそうだ。あそこは、台風被害のあったあと、どうなってるかな?
で、市街地への戻り路、常呂川沿いに少し上に移動したところにある鮭の捕獲場へと、ちょっと寄り道。
あれ、なんだか作業している人並と違う小グループが何やら鮭を囲んで場長さんから話を聞いている。あれ、市の職員らしき作業服姿が3人。
声かけてみれば市の社会施設見学ツアーでやってきたとのこと。市内の3親子が参加。
場内、常呂川にはウライと呼ばれる鮭の遡上を抑える竹の柵が見える。台風後の時は増水した川水に沈していたもの。聞けば流木でウライは壊されずに済んだとのこと。
見上げる道路に見える赤い旗の所まで増水したんだよ~に、ひえ~!で、よかった~。
あの時の増水で、ウライを超えて沢山の鮭たちが市内の無加川や小町川などまで遡り自然産卵している風景も見られたのではと、場長さん。
そういえば、スミタさんのFBで、そんな話が紹介されていたことを思い出す。
ここで捕獲された鮭や鱒たち。
鱒は二年後に、鮭は四年後に回帰予定。鮭の美味しい部分も教えてくれた。せっかく来てくれたからと、場長さんは風景を見て説明するばかりでなくスペシャルプレゼント。
鮭の切腹。間切りと呼ぶ小刀でスルリと腹を捌く。切ったお腹を開けば白子や卵がおいしそうに見えてきた。
なぜ?鮭の肉はピンク色か知ってるかい?もともとは白身魚なんだけど、海で食べる沖アミがピンクで染まったんだよ。 に、へ~っ!
雌のお腹に卵は何粒入っている?お父さんからは1万。そんなわけない。子どもは千粒。もう少し。でだいたい2500粒程度だと。へ~っ。
鱒のコブは年をといるとでてくるんだよ~。何ででてくるの~?と子どもから質問が。
場長さん、いい質問だね~と一呼吸おいて鱒の雄雌二匹を横に重ねるように寝かせて話し出す。
このコブはね~、産卵の時に出会った二人、他の雄から雌を守るために。雌を隠すんだ。
ほ~っ、愛し合ってるな~
何でカラフト鱒と呼ぶ?カラフトが主産地だから。
何で鮭と言う? 鮭はね、焼くと皮が一枚ずつ裂けるからサケ。
何で変色する?人間と同じさ。しわみたいなもんだよ。
鮭の口の中を観たい!
わお~っ!
見聞きする。
何気ない問答。でも生活の中ではなかなか聞けない話、食べ方などが、こうやって現場に来ると知ることができる。お~っ、これこそ「食育」だね。
はい、時間になりましたで、一行は次の場所に移動。
場長と二人になって尋ねる。
今年の遡上状況は?厳しいです。水温が高いんですか?
いや、その一番大きな要因は、今の水温ではなく、実は4年前に稚魚の放流されたときの条件。その時の水温やら餌の状況やら。川を下り大海に放たれた稚魚が、どれだけ多かったか。それが回帰率に表れているのかも。
なるほどね~。
お礼を言って帰路に。
帰り道の川と並行して走る道の山側には地肌に出ていて目視できる「常呂貝塚」がある。
自然豊かな常呂
磨けば光る
宝の山が、身近にたくさんあるんだな~。
想いもかけず楽しませていただいた午前だった。
ところで、思うな~。
こういう事業の報告が役所の書類として整理して終わりでなく、リアルにホームページやフェイスブックで紹介されれば、もっと参加者増えるのではないだろうか。
と、よけいな話もつい頭の中に浮かんできた。
体験を経験として活かす。社会資源を仕事の邪魔にならない範囲で
多くの人に見てもらう。知ってもらう。
めんどくさがらずに。
だよな。担当の仕事を踏まえた横の連携も欠かせない。
どれだけ、そんな意識を職員が持っているか。
試されているな。北見市は。
さて、昼からはハーフマラソンの手続きに行ってこようっと。
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