2012年10月3日
広島県教育委員会 教育長 下崎邦明様
学校給食の放射性物質検査に関する要望書
poco a poco ~あったか未来をつくる会~from Hiroshima
日頃は、広島県内の子どもたちの教育にご尽力いただきまして、大変感謝しております。
私たちは、2011年3月の福島原発事故以降、原発をとりまくたくさんの問題に取り組んでいるグループです。
原発事故以降、汚染された食品が全国で流通しており、検査体制が十分であるとは言えない状態です。
昨年12月時点で、放射性セシウムが入った可能性のある給食を出した学校は18都府県46市区町村433校26園あり、食べた可能性のある子どもの数は18万人に上りました。
原発事故から1年半がすぎた現在でも、全国の学校給食の放射性物質検査は十分ではない為、これは氷山の一角かもしれません。
広島県では2012年8月に、三次市で生産された生シイタケから基準値を超えるセシウムが検出され、三次市内の学校給食で使用されたことがわかりました。
低線量内部被ばくの影響については、専門家によって大きく意見が分かれます。基準値を越えた食品を摂取しても健康に全く影響はない、という意見がある一方で、人工放射性核種は、自然放射性核種と違って体内に濃縮・蓄積する為、1ベクレルでも摂取すべきではないという意見もあります。
広島県教育委員会におかれましては、未来を担う子供たちに対して、予防原則の観点から最善を尽くしていただけますよう、下記のように要望いたします。
【要望事項】
以下のことを、各市町に指導し、支援することを求めます。
1.各市町、少なくとも1校ずつ、できるだけ毎日測定してください。
2.子供たちが給食を食べた後ではなく、食べる前に測定してください。
3.測定方法は1食まるごと検査ではなく、検査対象産地(17都県)で生産されものや、
放射性物質が検出された例のある食品を中心に、食材ごとに測ってください。
4.検出限界値が1ベクレル/kg以下の測定能力を持つ検出機器で測定を行い、公表基準とされている10ベクレル/kg未満であっても、各市町で公表してください。
5.保育所の給食に関しても、同様の検査を実施してください。
6.各市町で独自の放射能検査をする場合でも、補助金を交付してください。
【理由】
1.県内23の市町で本年度末までに3回測定することで69回の検査が可能となりますが、その結果が全て不検出だったとしても、学校給食で使用される食材の品目数に対して検体が少ないため、安全が確保されたとは言えません。
また、2012年9月24日に東京電力が発表したように、現在も、福島第一原発から、1時間あたり1000万ベクレルもの放射性セシウムが大気中に放出され続けていますので、継続した検査が必要である、と考えます。
2.子供たちが口にした後で、食材の汚染が発覚する、という事態が全国で続出していますが、それだけは避けて欲しい、というのが保護者の願いです。
3.1日分、あるいは1週間分の給食まるごと検査を行うと、もし汚染された食品があった
場合、まぜて測定する事によって濃度が低くなり、検出されない事があります。(添付①)
4.放射線には「この値までなら浴びても危険はない」という「しきい値」は存在しません。微量でも、摂取量に比例して健康被害を引き起こす危険がある、と言われています。(添付②)特に、細胞分裂が活発な子どもは、放射線による被ばくのリスクが大人よりも高く、国の食品安全委員会でも、この点を考慮する必要があるとの評価をまとめています。
ドイツ放射線防護協会は、大人8ベクレル/kg、子ども4ベクレル/kg以上のセシウムを摂取するべきではない、としています。(添付③)
内部被ばくゼロを求める姿勢に対して、風評被害を懸念する声も多いですが、学校給食で一番大切なのは安全性です。
より正確な情報を公表する事によって、汚染の実態が明確になり、風評被害を無くす事にも繋がるのではないでしょうか。
5.各市町の管轄である保育所で提供される給食等に関しても、上記と同様に測定するよう指導してください。
6.下記のように市独自で厳しい検査方法を実施している所もあります。
広島県が指定した検査実施方法を採用しなければ補助金を出さない、というのではなく、
より厳しい検査を実施する自治体に対しても、支援をお願いします。
横浜市(神奈川県) 毎日・全食材(1校のみ) 給食使用前 検出限界値3ベクレル/kg
添付①給食まるごと検査の意味と問題点
添付②「原発のウソ」p-69 小出裕章著 扶桑社新書より
添付③ドイツ放射線防護協会資料
広島県教育委員会 教育長 下崎邦明様
学校給食の放射性物質検査に関する要望書
poco a poco ~あったか未来をつくる会~from Hiroshima
日頃は、広島県内の子どもたちの教育にご尽力いただきまして、大変感謝しております。
私たちは、2011年3月の福島原発事故以降、原発をとりまくたくさんの問題に取り組んでいるグループです。
原発事故以降、汚染された食品が全国で流通しており、検査体制が十分であるとは言えない状態です。
昨年12月時点で、放射性セシウムが入った可能性のある給食を出した学校は18都府県46市区町村433校26園あり、食べた可能性のある子どもの数は18万人に上りました。
原発事故から1年半がすぎた現在でも、全国の学校給食の放射性物質検査は十分ではない為、これは氷山の一角かもしれません。
広島県では2012年8月に、三次市で生産された生シイタケから基準値を超えるセシウムが検出され、三次市内の学校給食で使用されたことがわかりました。
低線量内部被ばくの影響については、専門家によって大きく意見が分かれます。基準値を越えた食品を摂取しても健康に全く影響はない、という意見がある一方で、人工放射性核種は、自然放射性核種と違って体内に濃縮・蓄積する為、1ベクレルでも摂取すべきではないという意見もあります。
広島県教育委員会におかれましては、未来を担う子供たちに対して、予防原則の観点から最善を尽くしていただけますよう、下記のように要望いたします。
【要望事項】
以下のことを、各市町に指導し、支援することを求めます。
1.各市町、少なくとも1校ずつ、できるだけ毎日測定してください。
2.子供たちが給食を食べた後ではなく、食べる前に測定してください。
3.測定方法は1食まるごと検査ではなく、検査対象産地(17都県)で生産されものや、
放射性物質が検出された例のある食品を中心に、食材ごとに測ってください。
4.検出限界値が1ベクレル/kg以下の測定能力を持つ検出機器で測定を行い、公表基準とされている10ベクレル/kg未満であっても、各市町で公表してください。
5.保育所の給食に関しても、同様の検査を実施してください。
6.各市町で独自の放射能検査をする場合でも、補助金を交付してください。
【理由】
1.県内23の市町で本年度末までに3回測定することで69回の検査が可能となりますが、その結果が全て不検出だったとしても、学校給食で使用される食材の品目数に対して検体が少ないため、安全が確保されたとは言えません。
また、2012年9月24日に東京電力が発表したように、現在も、福島第一原発から、1時間あたり1000万ベクレルもの放射性セシウムが大気中に放出され続けていますので、継続した検査が必要である、と考えます。
2.子供たちが口にした後で、食材の汚染が発覚する、という事態が全国で続出していますが、それだけは避けて欲しい、というのが保護者の願いです。
3.1日分、あるいは1週間分の給食まるごと検査を行うと、もし汚染された食品があった
場合、まぜて測定する事によって濃度が低くなり、検出されない事があります。(添付①)
4.放射線には「この値までなら浴びても危険はない」という「しきい値」は存在しません。微量でも、摂取量に比例して健康被害を引き起こす危険がある、と言われています。(添付②)特に、細胞分裂が活発な子どもは、放射線による被ばくのリスクが大人よりも高く、国の食品安全委員会でも、この点を考慮する必要があるとの評価をまとめています。
ドイツ放射線防護協会は、大人8ベクレル/kg、子ども4ベクレル/kg以上のセシウムを摂取するべきではない、としています。(添付③)
内部被ばくゼロを求める姿勢に対して、風評被害を懸念する声も多いですが、学校給食で一番大切なのは安全性です。
より正確な情報を公表する事によって、汚染の実態が明確になり、風評被害を無くす事にも繋がるのではないでしょうか。
5.各市町の管轄である保育所で提供される給食等に関しても、上記と同様に測定するよう指導してください。
6.下記のように市独自で厳しい検査方法を実施している所もあります。
広島県が指定した検査実施方法を採用しなければ補助金を出さない、というのではなく、
より厳しい検査を実施する自治体に対しても、支援をお願いします。
横浜市(神奈川県) 毎日・全食材(1校のみ) 給食使用前 検出限界値3ベクレル/kg
添付①給食まるごと検査の意味と問題点
添付②「原発のウソ」p-69 小出裕章著 扶桑社新書より
添付③ドイツ放射線防護協会資料