海も霧も絵皿に盛れば 【その2】 瑠璃子は或る断崖から投身自殺をしてしまった。海の藻屑と消えた君の骨を拾い集めて白川村に持ち帰ったのは私ではなく、君がその頃交際していた高校の教師...
海も霧も絵皿に盛れば 私の目を閉じさせそうにさせた自動車のヘッドライトは、右側から連続的に疾走してきた。その間隔は1回息を吐く間もないくらいだった。私も周囲の帰宅途上の通勤者も...