記録的なインフレ:ヨーロッパで最も打撃を受けた国はどこで、どのように比較されている?

新型コロナウイルスのパンデミック (世界的大流行) から期待されている欧州の経済回復は、この数週間でさまざまな要因によって阻まれており、欧州のすべての地域が物価の上昇に直面している。ロシアのウクライナとの戦争、そしてロシアと他の欧州諸国との経済関係の断絶が経済に打撃を与え続けているため、欧州連合全体のインフレ率は今年6.8%に達すると見られている。欧州委員会はEUの成長予測を下方修正した。パオロ・ジェンティーローニ経済担当委員は、成長率の低下は予測の間に行われた 「最も急なものの一つ」 だと述べた。

EU以外では、イギリスのインフレ率は1982年以来の高い9%にまで急上昇した。ロシアは17.8%のインフレに直面している。ヨーロッパ各国のインフレ率を見てみよう。

何がこのインフレ率を引き起こしているのか。欧州をはじめとする世界の多くの地域は、2月下旬にロシアがウクライナに侵攻する前にすでに、エネルギー価格の高騰で打撃を受けており、それがインフレの一因となっていました。紛争は、ロシアからの石油や天然ガスの供給の中断につながるかもしれないという世界的な懸念をあおって、エネルギー危機を悪化させた。ロシアはEUの石油、天然ガス、石炭の最大の供給国で、EU全体のエネルギーの約4分の1を占めている。

EUは8月からロシアの石炭輸入を禁止しており、今年はロシア産天然ガスの需要を2/3削減する自主的な取り組みが行われている。提案されている石油禁輸は、ハンガリーなどロシアの石油に大きく依存しているいくつかの内陸国の留保のなか、障害にぶつかっている。だが、COVID-19の新型コロナウイルスのパンデミック (世界的大流行) によるロックダウンが2年前に始まって以来、多くの商品の価格は高騰しており、世界中のサプライチェーンに負担がかかり、作物の腐敗が進み、スーパーでのパニック買いが発生している。特に食料品は高騰している。ロシアとウクライナは世界の小麦と大麦の3分の1近くを占め、調理用のひまわり油の輸出の2/3を占めているため、ウクライナでの戦争は見通しを再び劇的に悪化させた。ウクライナは世界第4位のトウモロコシ輸出国でもある。

国連食糧農業機関によると、小麦価格は2月と3月に過去最高を記録し、世界銀行は今年、小麦価格が40%以上上昇する可能性があると予測しています。Gentiloniはまた、状況はEUの統計学者が現在予測しているよりもさらに悪化する可能性があると警告した。「我々の予測は非常に高い不確実性とリスクにさらされている」 と彼は言った。「我々が予想しているよりも成長率が低く、インフレ率が高いシナリオも考えられる」 。