署名のない遺言

手に取るな やはり野に置け 蓮華草

大阪で生まれた女18 フルバージョン BORO

2017-10-05 13:07:05 | 歌詞

(1)

放課後のグランドで 待ち合わせて帰る

二人を西日が包んでいる 生徒手帳の中の写真が

愛を教えていた 

大阪の風を受けて歩いた まだ何も知らなかった

大阪は二人にとって大きすぎて 怯えるように眺めていた

放課後のグランドで 待ち合わせて帰る

風にほこりが笑っていた 

 

(2)

ある日 母が眠った朝 ただ戸惑っていた二人

全てがその日から変わり始め 男は夢に向かい始めた

大阪の街を二人で歩き 少し大人を演じていた

大阪の街は二人を見ていた 小さな恋人達を見ていた

ある日 母が眠った朝 小さな男が歩きだした

 

(3)

卒業を迎えた3月のある日 二人はもっと愛し始め

この愛の崩れることだけが とても怖かった

大阪でぎこちなく生きていても 夢を見れないと思ってた

大阪を出る事でそれに代わる 夢を手に入れようと思った

卒業を迎えた3月のある日 愛はより深くなった

 

(4)

踊り疲れたディスコの帰り これで青春も終わりかなと呟いて

あなたの肩を眺めながら 痩せたなと思ったら泣けてきた

大阪で生まれた女やさかい 大阪の街よう捨てん

大阪で生まれた女やさかい 東京へはようついていかん

踊り疲れたディスコの帰り 電信柱にしみついた夜

 

(5)

男は夢に立ち向かうけれど 女は守るものがある

男は壁を乗り越えるけれど 女は愛をさがした

大阪で生まれた女やさかい この街を守りたい

大阪で生まれた女やさかい この街で何かを探していた

男は夢に立ち向かうけれど 女は守る愛を見た

………

(6)

たどり着いたら一人の部屋 裸電球をつけたけど又消して

あなたの顔を思い出しながら 終りかなと思ったら泣けてきた

大阪で生まれた女やけど 大阪の街を出よう

大阪で生まれた女やけど あなたについて行こうと決めた

たどり着いたら一人の部屋 青春に心を震わせた部屋

………

(7)

ひかり32号に乗って東京へと 涙がとめどなく流れつづけた

街を捨てることの涙と 止める言葉をふりきる涙

大阪の街をふりかえると そこにも夢はあった

大阪の街をふりかえると そこにも愛はたしかにあった

ひかり32号に乗って東京へと 二人きりの夢を持って…

……… ………

(8)

立教大学の近くの小さな部屋 それが二人の愛のかたまり

夢を追い続ける二人は 現実のすべてを見た

大阪で生まれた女やさかい 負けられへんと思った

大阪で生まれた女やさかい がんばらなあかんと言い続けた

立教大学の近くの小さな部屋 何もないけど輝いていた

………

(9)

学生たちでにぎわうこの街に 似合いもしない二人の暮らし

求人広告を目で追いながら なんとかなるよとつぶやいた

大阪で生まれた女やもん 夢をもたんとよう生きていかん

大阪で生まれた女やもん 負けられへんそれが口癖

学生たちでにぎわうこの街に 今夜小雨の空の色

……… ………

(10)

今日 西口のロータリーでの揉め事 警官が学生を追いかけてた

生きることに必死の二人には 馬鹿げたことだと思えた

大阪で生まれた女にとって 夕焼け色のビルは喜び

大阪で生まれた女にとって 明日を感じる何かがほしい

今日 西口のロータリーでの揉め事 テールランプに揺れる人影

………

(11)

熱い日々を生きてた二人 夢は現実にくずれ去ろうとする

苦しみの中で二人の愛だけが ただ一つの本当のこと

大阪で生まれた女にとって 喜びはどこにあるのだろう

大阪で生まれた女にとって 悲しみはどこにあるのだろう

熱い日々を生きてた二人 愛しか信じるものはなかった

……… ………

(12)

ゆうべ二人の部屋に届いた手紙 つらいメッセージだった

そんな暮らしをはやくやめて 大阪に帰れと言っている

大阪から飛び出した若い二人は とまどうばかりだった

大阪から飛び出した若い二人は この街で怯えていた

ゆうべ届いた手紙に 目をふさぐ二人がいた

………

(13)

なすすべもなく眠る人よ あなたの夢は終わりじゃない

現実にくずれ去ることよりも 現実を生きてほしい

大阪で生まれた女が今日 東京を一人出て行く

大阪で生まれた女が今日 生まれた街へと帰って行く

なすすべもなく眠る人よ 自分をこわさないでほしい

……… ……… ……… ……… ……… ………

(14)

扉をあける 扉をしめる きしむような 音がする

心に扉があったら 二人の扉には鍵がかけられた

大阪からの手紙はやがて 色あせた悲しみに変わり

大阪からの手紙はそして 色あせた人生の事実となった

二人には好きな人が出来 やがて大人の扉をあけた

……… ……… ……… ……… ……… ………

(15)

やがて愛する子供が出来 あの青春を思い出す

やがて愛する子供が出来ても あの日々は消えない

大阪はめまぐるしく変わって行く 時代を創る人達の手で

大阪を変えて行く時代の中で あなたのうわさを聞くことがある

ここで愛する子供が遊んでいる あの日の思い出にありがとう

………

(16)

最後の手紙 夢をつかんだ人へ すばらしい人生を創る人よ

あなたがくれた日々に乾杯

大阪は今日もあの日のまま あなたの青春が残っている

大阪は今日も活気にあふれ 又どこからか人が来る

最後の手紙 夢をつかんだ人へおめでとう

大阪で生まれた女より 大阪で生まれた女より……… ………

(17)

全てを包む力があれば 愛は終わらない

たとえばあの陽のように 全てを包めば

そこに街が有り人が住む そこに川が流れ鳥が舞う

そこに小さなアパートがあり そこに永久(とわ)の愛があるかも知れない

でもそれを 大人達は知らない

 

(18)

青春は何かを つかもうとする時

ゆがんだ正義を つかまされもする

それを否定する事は出来ない たとえ小さな過ちでさえも

それは小さな二人の 愛のせいではなく

青春そのものが 揺れ動く時代

(番外)【カラオケ用】

踊り疲れたディスコの帰り これで青春も終わりかなと呟いて

あなたの肩を眺めながら 痩せたなと思ったら泣けてきた

大阪で生まれた女やさかい 大阪の街よう捨てん

大阪で生まれた女やさかい 東京へはようついていかん

踊り疲れたディスコの帰り 電信柱にしみついた夜

 

たどり着いたら一人の部屋 裸電球をつけたけど又消して

あなたの顔を思い出しながら 終りかなと思ったら泣けてきた

大阪で生まれた女やけど 大阪の街を出よう

大阪で生まれた女やけど あなたについて行こうと決めた

たどり着いたら一人の部屋 青春に心を震わせた部屋

 

大阪で生まれた女が今日 大阪をあとにするけど

大阪は今日も活気にあふれ またどこからか人がくる

振り返るとそこは灰色の街 青春のかけらを置き忘れた街

青春のかけらを置き忘れた街


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