添田啞蟬坊の詩だ
地主金持は我儘者で 役人なんぞは威張る者
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
お前この世に何しに来たか 税や利息を払うため
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
苦しかろうが又辛かろうが 義務は尽くさにゃならぬもの
権利なんぞを欲しがる事は 出来ぬ者だとあきらめる
たとえ姑が鬼でも蛇でも 嫁は柔順(すなお)にせにゃならぬ
どうせ懲役するよなものと 何も言わずにあきらめる
借りたお金は催促されて 貸したお金は取れぬもの
どうせ浮世は斯様(こう)したものと 私ゃ何時でもあきらめる
米は南京お菜(かず)はひじき 牛や馬ではあるまいし
朝から晩までこき使われて 死ぬより増しだとあきらめる
どうせ此の世は弱い者いじめ 貧乏泣かせだ是非もない
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
汗を絞られ油を取られ 血を吸い取られた其の上に投(ほう)り出されてふみつけられて これも不運とあきらめる
長い者には巻れて了(しま)え 泣く子と地頭にゃ勝たれない
貧乏は不運で病気は不孝 時よ時節とあきらめる
あきらめなされよ あきらめなされ あきらめなさるるが無事である
私ゃ自由の動物だから あきらめられぬとあきらめる
地主金持は我儘者で 役人なんぞは威張る者
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
お前この世に何しに来たか 税や利息を払うため
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
苦しかろうが又辛かろうが 義務は尽くさにゃならぬもの
権利なんぞを欲しがる事は 出来ぬ者だとあきらめる
たとえ姑が鬼でも蛇でも 嫁は柔順(すなお)にせにゃならぬ
どうせ懲役するよなものと 何も言わずにあきらめる
借りたお金は催促されて 貸したお金は取れぬもの
どうせ浮世は斯様(こう)したものと 私ゃ何時でもあきらめる
米は南京お菜(かず)はひじき 牛や馬ではあるまいし
朝から晩までこき使われて 死ぬより増しだとあきらめる
どうせ此の世は弱い者いじめ 貧乏泣かせだ是非もない
こんな浮世へ生れて来たが 我身の不運とあきらめる
汗を絞られ油を取られ 血を吸い取られた其の上に投(ほう)り出されてふみつけられて これも不運とあきらめる
長い者には巻れて了(しま)え 泣く子と地頭にゃ勝たれない
貧乏は不運で病気は不孝 時よ時節とあきらめる
あきらめなされよ あきらめなされ あきらめなさるるが無事である
私ゃ自由の動物だから あきらめられぬとあきらめる