父ちゃんの小部屋

自称「仕事と子育てに忙しいオトーサン」のオフタイム充実ブログ

聲の形

2024-08-25 14:02:28 | ブログ

重度の難聴を抱える少女「西宮」と、度が過ぎた悪ガキぶりから周囲に拒絶された経験を持つ少年「石田」が、高校生になって再会し、それぞれ周囲との関わり方を見つめ直して成長を遂げていく物語。

最近テレビで放送された映画版を見て気になり、動画配信サービスでもう一度見直し、さらに原作を読むに至った。この作品、登場人物が曲者揃いだ。客観的に見れば明らかに加害者側の立場にありながらもそれを全く自覚せずに善人ぶり、更にそのことに気づくことすらないナルシスト「川井」、個人的興味で事態に介入し、その時の断片的な状況判断で無責任に正義を振りかざす「真柴」、周囲を顧みず、好意を寄せ続ける石田に振り向いて欲しいと過去の石田さながらの直情的な言動に走る不器用で一途な「植野」、過干渉と放任の対局にある西宮と石田それぞれの「母親」、自己責任を盾にする無責任な「教師」など。登場人物内面への描写や幾つかのエピソードがカットされている映画版では幾分トーンダウンしているものの、それでも、他者への無関心を含めた登場人物達によるエゴイズム丸出しの言動は本作品を見る者に強烈な印象を与える。しかし、現実社会で見られる様々なものを濃縮して彼らが代弁しているだけのようにも見える。西宮にしても、過去の自分を徹底的にいじめた張本人である石田に好意を抱くだなんて、フツーに考えればどうかしてるぜ?なのだけれども、面倒を回避すべく他人と向き合うことをずっと避けていた彼女が唯一、取っ組み合いの喧嘩をする程に感情をぶつけた相手が石田だったことが鍵なのだろう。アプローチの仕方はともあれ、結果として、西宮にとって石田は、常に真正面から自分と向き合ってくれる存在だったのだ。

世の中には様々な考え方の人がいて、価値観や表現も十人十色。そうした社会の中で、我々は常に何がしか周囲の他人とのコミュニケーションをとりながら生きている。全ての人と分かり合える訳ではないし、全く理解できない(したくない)相手もなかには存在する。表面的には伝わったかのように見えて、しかし本質的なところでは共通認識の形成には至れておらず、それが後々トラブルの元になったりもするなど、なるほど他人とのやりとりというのは、それが例え家族のように身近な存在であったとしても、時に面倒で実に難しいものであるとは日々自分も感じているところだ。「そもそもコミュニケーションというものは難しいものなのだから、たとえ上手く行かなくても諦めずに(でも気負わずに)、続けていこうとする姿勢こそが大切」というのが、本作のメッセージなのだと理解するに至った。

父親が拾ってきた感染症が妊娠中の母親にうつったことが理由で、自分の意思と無関係に耳が聞こえない西宮(おそらくは先天性風疹症候群)と、過去の自身の体験を理由に周囲との関わりを自ら断った石田は、他人とのコミュニケーションに難しさを感じながら現世を生きる人々のメタファーであり、いずれも自己肯定感の低さから一時は自死までを覚悟した2人が、相変わらず癖強(クセつよ)な周囲とのやりとりを通じて生きていくことの価値を見出し、希望を胸に前に進んでいこうとする。そこには「他人に変化を期待することは難しいが、自分はいつだって変わることができる」というメッセージが込められている様に思う。最初は加害者としての贖罪の対象、それが共依存の関係を経て、やがて互いに信頼を寄せ合える相手となった西宮の手を引いて扉を開ける石田の吹っ切れた表情と、そんな石田に委ねる西宮の横顔が印象的であった(映画版ではエンディングが変更され、描かれていない)。

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徒然雑感_36

2024-06-01 12:45:48 | 

かつて、”カリーナED (Exciting Dressy)”という車がトヨタから販売されていた。2ドアクーペのセリカとメカニカルコンポーネントやインテリアを共有する、スタイル重視の平べったい4ドアセダンだ。後席ドアと独立したトランクを持ちながらも流麗なスタイルを纏うこの手の車は、個人的好みの”直球ど真ん中”。当時の自分は独身というか学生だったので、もっと小さな車に乗っていたけれども、家族4人がちゃんと乗れて趣味性も求めたい今の自分ならば、指名買いしていると思う。当時のツーリングカー選手権では、姉妹車のコロナExivがサーキットで活躍していて、自分もトムスExivのプラモデルを本棚に飾っていたっけ。

(カタログより)

最近、その最終型となるST202型カリーナEDのカタログを四半世紀以上ぶりに目にする機会があり、懐かしく思い出された訳だけれども、諸元表に並ぶ数字を見て驚いた。当時、伸びやかでワイドに見えたそのボディは、全高を除いて、今手元にあるカローラツーリングとほぼ同じ大きさで、ホイールベースなど、むしろカローラの方が10 cm長い。実は割とコンパクトな車だった様で、車重に至っては、2.0L 3S-GEを積む装備充実モデル(つまり重い)でも、現行型カローラツーリングWxBの1.5Lガソリンと比べて80 kgも軽い。つくづく、今の車はどれも大きく重くなったものだと実感した。

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徒然雑感_35

2024-05-29 22:31:41 | ブログ

@PC交換

社用PCが更新されて、CPUが第13世代i5搭載機になった。普通に仕事をこなす分には、これまでの第10世代のそれでも特に不満はなく、むしろ今回メモリー搭載量が8GBから16GBに増えたことの恩恵の方が大きい。アンチウイルスやクライアント管理アプリなど、バックグラウンドで何気にいろいろと走っているがために、これまでの8GBでは日常的にメモリーが逼迫していたので。

第13世代coreでは、高効率コアと高性能コアのヘテロ構成になっているため電力効率に優れ、バッテリーの持ちが良くなるのでは?と期待していたのだけれど、そこはあまり変わっていない印象。例えば、web会議を何件かハシゴする時などには充電器が無いと不安になる。使用中は本体がほんのりと温かくなるため、CPUがそれなりに発熱する(=電力を消費する)ことが分かるのだけれど、そう考えると、自宅のMacBook Proは本当にクールで、バッテリーの持ちが良いと感じる。長男が持ち歩いているMacBook Airは更に少食で、毎日授業で使っても週末に1回充電するぐらい(?!)だというから驚きだ。AppleがIntelと袂を分かったのも、この辺りに理由がありそうな気がしている。

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カローラ半年点検(6ヶ月)

2024-05-03 22:05:14 | 
カローラツーリングが我が家にやってきてから半年。気温が上がってきたこの頃は、起動してもエンジンが始動しないことが多く、そのまま無音で走り出す。バッテリーやエンジンの調子を、キーを捻って一発目の様子で探る習慣が身についている自分の様なアナログ人間にとって、これはちょっとしたカルチャーショックで、最初のうちはその違和感に戸惑った。ここまで半年間、約3800kmを走ってメーターに表示されている平均燃費は21km/L超と、ハイブリッド車のエネルギー利用効率の高さには感心する。もちろん、動力性能にも不満はない。
半年点検は、購入時に付けてもらったメンテナンスパックに含まれるオイル交換と基本点検にて、30分足らずで終了。「ノアにシエンタなど、ここのところリコール続きで修理対応に追われており、整備場の予約がなかなか取れずに申し訳ない」とは、ディーラー担当者の談。そんなところへ最近また新たにプリウスで問題が発生したらしい。納期も長い上にリコールも多いとは、トヨタの生産管理、品質管理は一体どうしてしまったのだろうか?
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徒然雑感_34

2024-04-13 19:05:40 | ブログ
桜咲く:
今春は、満開の桜の下で息子の入学式を迎えることができた。自分達の頃は、そうして桜は進級、進学など春からの新生活を祝福するように咲き誇るものだったと記憶している。しかし、地球温暖化の影響だろうか・・・この頃では時期が少し早まって卒業式の頃に花が咲く様になってしまっており、桜のある入学式がちょっと嬉しかった。

水漏れ修理:
ちょっと前から気になっていた、洗濯機用の水道栓からの水漏れ。止水コマのパッキンの劣化だろうと言うことで、新しいコマ(ケレップとも言うらしい)をホームセンターで買い求めてきて交換。前にいつ交換したものが付いていたのかは知らないけれども(賃貸の集合住宅住まいなので)、スピンドルがガチガチに固着して抜ける気配が全くなさそう・・・こう言う時には、スピンドルを蛇口本体に固定しているナットを外した状態でハンドルを組み直し、反時計回りに力を入れてグイッと回せば、ネジの力でバキッと浮き上がってくる(スピンドルは、ネジで噛み合い上下することによって止水コマを押し付け、水流を止めている。しかし、今回のは固かったなぁ)。仕組みさえ知っていれば、DIY恐るるに足らず。
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