事務所通信

ご焼香

私が税理士になったのは、平成4年の2月でした。

その頃は、某会計事務所に勤務していて、お給料を貰っていました。

その事務所では、相続税の仕事が出来るのは私だけで、

お客さまのAさんが亡くなった時、私が相続税の申告書を作りました。

相続税については、専門学校で講師をしていたので、理論的なことは判っていましたが、実務は初めてです。

しかもソフトも無いので、手計算で相続税の申告書を作りました。

無事に申告書を提出して、1年後くらいに税務調査もあり、全て一人で対応しました。

20年も前の事なので詳しく覚えていませんが、調査の立会いの時は、無鉄砲に調査官に立ち向かった記憶があります。

調査が終わり、大きな修正事項もなく、結果を遺族(故Aさんの配偶者さま)に説明をした時に、遺族の方から、お礼とねぎらいの言葉を頂き、

『これは、あんたに やるのだからね』 っとおっしゃって、会計事務所の報酬とは別に、私に商品券を下さいました。

私は、勤め人でしたが、自分の税理士の仕事を初めてお客さまに評価して頂いた事が嬉しくて、今でもはっきりと覚えています。

その方が、一昨日お亡くなりになってしまいました。

きょうは、自分のお金からお悔やみを包み、霊前にしっかりと手を合わせて、お礼とお別れの言葉をお伝えしてきました。
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