都立学校保護者のつぶやき

このごろ学校が何かヘン。前は都立高校と言えば「自由、自主」の校風を誇ったのに今はキュウクツで重苦しい。どうなってるの?

こんな校長先生の学校へ行きたい!

2008-05-26 17:35:15 | Weblog

  今注目の都立三鷹高校の土肥校長先生*は
どんな方なのでしょうか。

   (*注:
      土肥先生が「職員会議で挙手・採決を禁止」する通知を
      出した 都教委に対して通知撤回をもとめたことが5月
      1,2日のTBSTV 「NEWS23」で報じられた。
      また5月2日の毎日新聞朝刊および21日の朝日新聞夕刊
      でも 「現職校長が都教委の方針に異議を唱えるのは
      異例
」との記事が掲載された。)


都立三鷹高校の保護者の方にお会いする機会がありました。
保護者に「土肥校長先生はどんな先生ですか?」とお聞き
しました。

まず土肥先生は全校920人の大方の生徒の名前を覚えて
いるそうだ。
アルバムを始終手元において、生徒の名前を覚えるよう
になさっているそうで、とくに3年生はほぼ全員覚えていると
のこと。
毎朝校門に立って生徒にあいさつ。  
遅刻も減ったそう。

生徒といっしょにスポーツをするのも半端じゃない。
チームの人数が一人足りないと生徒が校長先生を呼びに
くる。職員が校長の姿が見えないので探すとジャージー姿
で生徒といっしょに校庭を走り回っていたり。
テレビに映っていたサッカー姿は演技ではなく、日常のこと。
                     
生徒の部活動参加率は95%以上。勉強に、部活動に、学校
行事に、全力で打ち込む高校生が多いようです。

三鷹高校サッカー部が昨年度全国大会初出場でいきなり
ベスト8へ進出したのも、こんな環境にはぐくまれたからで
しょうか。
サッカー部の生徒たちも皆さんの支援に感謝しています
と, ことあるごとに言っているそうです。

PTAの委員会もとても楽しくやっています。二次会もなか
なか終わらないのです
。」

 校長先生の周りは笑いが絶えないよう。

併設の定時制高校の校長もつとめる 
土肥先生は「学校へ行くのが楽しくてしょうがない」と
おっしゃって、定時制高校の給食を生徒といっしょに食べる。
もちろん定時制高校の生徒の名前も覚えています。

生徒の声「おもしろい、いい先生
保護者の声「 嘘がなくて、安心して子どもをあずけられます

担任と生徒の関係も親密で、生徒は何かあるとすぐ
先生に相談しなきゃ」と連絡。
卒業しても担任との関係は続いているそうだ。

三鷹高校のホームページを見てみました。ふだんはあまり
関心をもたない<校長挨拶>をじっくり味わいました。
簡潔な中にも、こうあってほしい都立高校の理念が言い尽く
されています。
ついでにパソコンの小さいスピーカーで聞いた校歌が、これ
また実によかったです。        
                         (ドラゴン桃)

                               
P.S.
上記の記事について、三鷹高校の元保護者の方から次の
コメントがありました。 ありがとうございました。

「三鷹高校のよさは土肥先生おひとりによってつくられたわけ
ではなく、伝統的にこれまでの先生方の力によって積み重ねら
れてきたものなのだということを忘れてはならないと思いました。
                   
4年前、PTA広報で文化祭を取材したときのことです。、
2日間の文化祭が終わり、夕方から始まるフィナーレの前
2時間の間に、全員参加ですごい勢いで文化祭の片づけが
始まったのです。 
ぷらぷら遊んでいる生徒の姿は少なく、でもみんな楽しそうで
先生たちも一緒になって走りながら働いておられました。
自主性を大切にするけど、やるべきことはやろうぜ!という
約束と信頼関係が、先生と生徒の間にきちんとあるんだなと
感じました。 
そこへ持っていくには、先生方の日々の活動があり、それに
ついてはきっと職員会議でも何度も議論されるんだろうなと
思いました。

土肥先生が来られたおかげで、三鷹高校はさらによくなった
ことももちろん確かでしょう。
でも、こうした先生たちの日々の仕事を支えるために、
そして生徒の自主的な活動を続けるために

今回の土肥先生の発言はとても重要なのだと思います。」 

                   

 


NEWS23「もの言えぬ人々」を見て

2008-05-06 13:28:55 | Weblog

5月1、2日放送のTBS・TV NEWS23特集「もの言えぬ人々」が
反響を呼んでいます。都立学校教員で、都立学校保護者ねっとわーく
のメンバーでもある方から感想が届きました。

                     

 NEWS23特集「もの言えぬ人々」を見て、とても勉強になりました。
 まわりに配慮しながら、自粛により、ものを言わなくなり、ものが
言えなくなっていくことの怖さ、不安から「安全・平穏」を国家に委ね
て、監視社会を許していく傾向への警鐘でした。

 私は、最近ずうっと考えていることがあります。戦前の教員の
戦争責任という問題です。
 学校教育での国旗掲揚・国歌斉唱にたいして、教員が拘ること
について、一般の人には分かりにくい、分からないらないという
指摘がよくあります。 他にも学校には山ほど問題があるのに、
なぜ、こんなに拘らなければならないのだろうかと、自分でも疑問
に思い、気が付きました。
 
戦争に向かった時代の、教師の戦争責任について、明らかにな
っていないからではないかと
。   

『戦争に反対できなかっただけでなく、なぜ、教え子を積極的に
戦場に送り出すまでになってしまったのか?』

 ①
バカだった? 
 「客観的な国際情勢も分からず、政府や軍部の情報を鵜呑みに
 して 踊らされた、単なる無知だったのか。 知識も教養も身に
 ついていな かったのか??」

 ②弱虫だった?
 「自らの保身のために、何もできなかったのか?
 誰でも、自分の命が奪われるのは怖い。でも、その前の段階が
 あったのでは??」

  でも、ニュース23特集「もの言えぬ人々」を見て、①でも②でも
なかったのではないかと気が付きました。特集の最後に95才で
戦前を知る朝日新聞の記者の方
(注:むのたけじ氏)が、軍部や
政府から言われていないのに、社内で自粛して、反戦気分を起こ
すような表現部分をカットする取り決めがされていったことが語ら
れていました。

  会社を守る、学校を守る、組織を守る、家族を守る…ために、
まわりから攻撃されないように自粛する。自分自身の保身という
よりも、自分が含まれる集団を守るためにと思って自粛して、
まわりから攻撃されそうな発言を抑え、どんどん縮こまっていき、
何も言えなくなっていくというのは、ありそうなことだと、現在を
生きている私にも感じることができました。 

  「二人なら、言いたいことを言っているのに、もう一人が来ると、
押し黙ってしまう。」という戦争中の状況を語る発言には考えさせ
られるものがありました。 

 母たち、80才代のおばあちゃんたちの中に、 「なんだか説明
できないんだけど、最近の世間の様子が 戦前のあのいやーな
雰囲気に似てきたのよね
」 
と仰る方がいます。説明できないけれど、あのいやーな雰囲気と
いうのは、攻撃を避け、会社・学校・組織・家族…自分が含まれ
てる集団を守るために、自粛しなければならないという雰囲気な
のかも知れないと思えました。

 こんな世相の時代には、思い切って発言する人が必要。
一定の社会的な組織の中に組み込まれ、社会的な地位を得て、
仕事をしてきた人も、自分の持つ裁量の中で、自粛をせずに、
できることがあるはず。
 59才の反乱? イラク派兵違憲判決を出した裁判長、
都教委にNOと言った三鷹高校の校長。       

自分の含まれる組織を守るための自粛を振り払って、できる
ことがある人が、他にもまだいるはずですよね。
 
 口封じの「自粛」は戦争への一里塚と知りました。
 再び戦争への道を歩まないために、私たちは、もっともっと
知らなければならないことがあると思います。

 都立学校保護者ねっとわーく、根気よく都立学校校長への
手紙を送る取り組みをしていただいていましたが、三鷹高校の
校長先生のような人が出てきたという点で、やはり、意味が
あったのだと思います。
他の校長先生たちも、少しでも「もの言える校長」になって欲しい
と思いました。
 今後の他の校長先生たちの動きに期待したいですね。

                

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