福来心理学研究所の平成26年度第3回月例会で気診治療について引き続き」講演をいたしました。この時の事後抄録を転載します。http://www1.odn.ne.jp/fukurai-psycho/text/ngyoji.htm
気診とは兵庫県加古川市在住の整形外科医・小田一氏により開発された気の診断および治療システムの総称である。私も気診治療を歯科治療に応用して今年で15年ほどになるが、診断し、経穴等に気を入れるとより効果的な治療も可能である。
気の存在を確認する方法はOリングテストやFT等が一般に知られていると思われるが、ここでは胸鎖乳突筋検査法を使う。胸鎖乳突筋の位置や掴み方を始めに覚える。気の感知と診断については、筋肉の緊張と弛緩を利用する。一般にアプライド・キネシオロジー(AK)とは、筋肉の反射を調べて、心身のバランスをとる技法のことを言うが、OリングテストやFT等と同様に胸鎖乳突筋検査法もAKの一種とみることができる。Oリングテストと比較して胸鎖乳突筋検査法の優位点としては、鋭敏であり、一人でも可能な検査法であり、応用が広いこと等が挙げられる。
胸鎖乳突筋検査法で具体的にわかることは、食べ物や飲み物が自分の体質に合うか。衣服や住宅そして薬も同様である。さらには霊格の診断等も可能である。私が日常臨床の診断で患者さんを交えてよく使うのは、Oリングテストを併用した薬物や金属等のアレルギー検査である。もちろん胸鎖乳突筋検査法は、気の異常を感知できるので、少なくともすべての診断の補助になると思われる。
胸鎖乳突筋検査法習得のための施術者の留意点としては、気が全身に満ちていること。左右の大脳が共に働いていること。霊障がないこと。霊格が高いこと。気が活性化していること等であり、更に上達が難しい人は、喫煙者や釣りや狩猟等を趣味とする人であると気診研究会では述べられている。なお、ここでいう霊格とは、個人的には意識状態と解釈している。術者として霊格が高いというのは、もちろん理想的であるが、初学者としては困惑してしまうので、施術時には、できだけ仏の意識と繋がるような高い意識状態に上げておく(コントロールしておく)必要があるだろう。
練習法としては、日々の鍛錬が前提になるが、身の回りの物を手に載せて反応を診てみる。胸鎖乳突筋が緊張するか、弛緩するか、その変化を筋肉を掴む手で把握できるようになれば良い。明らかに食べられず、体に悪いと思われるナフタリン等で練習すると良い。それから、携帯や腕時計やネックレス等と検査する対象物を徐々に広げていく。
音叉を使う方法も良い。音叉を鳴らして筋の緊張や弛緩を記録してみる。
ドレミファソラシドの音階と経脈には密接な関係があり、緊張した音階は、気の滞りの可能性がある。このように気と音には、密接な関係があり、言葉も同様である。このことは、後述する気が音素に感応する理由でもある。
気の力を高めるには、座禅をすると良い。気診研究会では、以下の手順で行っていた。
1とつぶやきながら、息を深く吸い込む。
このとき、足の底から気が入るようにイメージする。
目はつぶらずに少し遠くをぼんやりながめるようにする。
吸気とともに足底から取り入れた気を引き上げ、臍下丹田で少し止める。
さらに頭頂部まで引き上げ、天の気と混和させる。
次に2から10までゆっくりと数えつつ以下を行う。
息を吐きながら気を下降させ、また、気を上肢に巡らせ、臍下丹田に下ろす。
途中で心臓部に少し注意を払うようにする。
足底から気が出て行くイメージをしながら、息を最後まで吐き切る。
以上をワン・クールとし、また1から10まで数えながら繰り返す。
気診研究会では、肉体の治療の前に霊障治療と風邪の治療をする。診断して反応が無ければ、肉体の治療に移る。
(1) 霊障治療
気診研究会では、霊障治療とは、憑依している霊格の低い生命体にエネルギーを与えて霊格の高い生命体に変換し、憑依状態を解除することと定義している。
診断法は、患者が男性であれば右足(非基準側)、女性(非基準側)であれば左足の下腿外側に手をかざし、音素で「アーオ」とつのぶやきながら、胸鎖乳突筋で診断する。この時緊張があれば、霊障反応があると診断する。
霊障治療の方法として、以下三つあるが、気診研究会では。2)で対応する事が多いと思われた。
1)霊障の存在の確認に止めて、次の治療に移る。他の治療の進展に伴い、霊障が取れる事が多い。
2)太極図、又は蓮華座を患者の体の上に載せ、合掌する。この時、真言を唱えるとより効果的。
3)霊障を取るために治療をするという目的で、通常の東洋医学的な治療をする。
最後に患者の足に手をかざし、霊障が取れていれば、「アーオ」で反応がなくなり、音素の「りゅ」(仏)で反応がある。
(2)気診による霊格診断
霊障の霊格を気診で診断するには、音素を使って診断する。次の言葉で胸鎖乳突筋の緊張を確認する。
仏 菩薩 縁覚 声聞 天 人 修羅 畜生 餓鬼 地獄
りゅ みゅ ひゅ にゅ め へ ね て せ け
(音素を十界にあてはめたもの)
霊格は、それぞれある言葉に対応している。神智学派の分類にあてはめると、以下のようになる。
こ そ と の ね へ ほ も
霊人 生命霊 霊我 意識魂 悟性魂 感覚魂 アストラル体 生命体
よ
肉体
患者の体に以下を記した八分割した円を重ねて想像し、筋の反応を見る。
霊人 アーディ
生命霊 アヌパーダカ
霊我 アートマ
意識魂 ブッディ
悟性魂 コーザル
感覚魂 メンタル
アストラル体 アストラル体
生命体 エーテル体
肉体
(3)霊障治療としての聖書の言葉
ヨハネの福音書の一節を唱える。「初めに,ことばがあった。」
参考)ヨハネの福音書 第1 章
初めに,ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。 この方は,初めに神とともにおられた。すべてのものは,この方によって造られた。造られたもので,この方によらずにできたものは一つもない。この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光は闇の中に輝やいている。やみはこれに打ち勝たなかった。
(新約聖書から引用)
(4)霊障治療の留意点
気診治療の初心者は、正しい診断をするために施術前に霊障治療をして、患者の霊障を取り除いておく必要がある。霊障治療は、易しいが、初学者は、真言の力等を借りると良い。霊障治療は、料理における隠し味のようなものなので、むやみに患者に指摘したり、脅かしたりするのは、慎む。霊障で、特に悪い作用を及ぼすのは、畜生霊・餓鬼霊・地獄霊の三つで、凶悪霊と言われる。霊障は、衣服・鞄・装身具・自動車・家等の無生物にも憑く。これらの解除法も同じ。
(5)真言の選択法
患者の体に以下に記した4分割の円を重ねていると想像し、どの部分で胸鎖乳突筋が反応するかを診断する。反応があった真言を選択する。
向かって右上から時計周りに4分割した円に以下の順に配列した図を使用。
薬師如来 オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ
弥勒菩薩 オン・マイタレイヤ・ソワカ
虚空蔵菩薩 オン・バザラ・アラタンノウ・ソワカ
地蔵菩薩 オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ
(6)風邪の治療法1
患者に手をかざし、音素で「ぴゅ」とつぶやきながら、胸鎖乳突筋の緊張があれば、風邪の反応があると診断する。
男性→右足の下腿内側(非基準側)
女性→左足の下腿内側(非基準側)
漢方薬の葛根湯、麻黄湯、桂枝湯、麻黄附子細辛湯を用意し、患者の膝に乗せ、「ぴゅ」とつぶやきながら、夫々緊張を確認する。夫々の音素でもよい。胸鎖乳突筋の緊張した漢方薬を選び、これから気が出ているとイメージし、患者に気を送る。あるいは、音素をつぶやきながら気を送る。
再度患者の足に手をかざし、「ぴゅ」の反応が無くなっていること確認し、終了。
(7)風邪に効く漢方薬の音素(例)
• 葛根湯 :ねるる
• 麻黄湯 :ろみる
• 桂枝湯 :なれる
• 麻黄附子細辛湯 :とみぞ
(8)風邪の治療2
患者の体に八分割した図を重ねる。どの部分で、筋の緊張が強くなるかを診断する。男性は基準側の左から。女性は逆。
向かって右上から時計回りに京骨(委中)外丘(陽陵泉)臨丘(陽陵泉)外丘(陽陵泉)承山(委中)条口(特鼻)ふ陽(委中)懸鐘(陽陵泉)の各順に円を八分割して配列した図を使用。
(9)十二正経の音素コードと真言
気診治療の際に十三仏の真言を唱えるとより効果的である。
1)太極 :大日如来 「オン・バザラダト・バン」「ナウマク・サマンダボダナン・アビラウンケン」
2)肺経 「ゆ」 :阿しゅく如来 「オン・アキシュ・ビヤウン」
3)大腸経「も」:虚空蔵菩薩 「オン・バザラ・アラタンノウ・ソワカ」
4)脾経 「る」:勢至菩薩 「オン・サン・ザン・ザンザク・ソワカ」
5)胃経 「め」:阿弥陀如来 「オン・アミリタテイゼイ・カラ・ウン」
6)心包経 「ぎょ」:薬師如来 「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」
7)三蕉経 「りょ」 :観世音菩薩 「オン・アロリキャ・ソワカ」
8)心経 「れ」:地蔵菩薩 「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」
9)小腸経 「む」 :弥勒菩薩 「オン・マイタレイヤ・ソワカ」
10)肝経 「よ」 :文殊菩薩 「オン・アラハシャ・ノウ」
11)胆経 「ま」:普賢菩薩 「オン・サンマヤザトバン」「オン・バザラユセイ・ソワカ」
12)腎経 「ろ」:不動明王「ナウマク・サマンダバザラダン・カン」
13)膀胱経 「み」 :釈迦如来「ナウマク・サマンダボダナン・バク」
(10)付記
1)自己調身
施術者が、仏「りゅ」と同じ意識になる必要がある。音素コードで、「りゅ」の反応を自ら確認してから、他者の診断に入る。あるいは、超自我、真我、ハイヤーセルフ等と同調した意識になるとも言える。測定器具で言えば、0度調整である。いわゆる、審判者(さにわ)的な意味合いがある。目に見えない霊気を扱う世界においては、診断が主観的になりやすいので、こういった配慮は、必須であろう。
2)五行色体表
以下の五行色体表も参考になる。前述の経絡と音階の対応にも注意。いろいろ応用できる。
五行 木 火 土 金 水
五臓 肝 心 脾 肺 腎
五腑 胆 小腸 胃 大腸 膀胱
五色 青 赤 黄 白 黒
(音階) ミ ソ ド レ ラ
3)気診治療例の具体例
患者 女性 69歳
歯科病名 歯周病
現病歴 糖尿病
患者さんに対して前回紹介した気診プロトコール(略)を適用すると、以下にとなった。始めに自己調身し、必ず「りゅ」の反応を確認する。
a)身体の霊障(内外−)
b)身体の異常部位(+)
c)診断盤の所在(人)
d)治療法(経絡)
e)経絡治療(正経)
f)脈診にて、膀胱経反応。
g)正経自病
h)通谷反応
i)左右の通谷に気を入れる。(男性は左から、女性は、右から)
ここで、b)にもどり、異常部位の反応があれば、以下に迅速に続ける。
異常部位の反応は、日々変わる事が多いし、一カ所とは限らない。適宜に対応する。鍼灸治療の場合は、このようになるが、診断の途中は省略形でも良いと思われる。なお、経絡を活用しない場合は、いたって簡単でc)から気の低下している箇所に気を入れても(ヒーリングも)良いだろう。術者のみならず、患者も「りゅ」の反応が出たら、その日は、終了としたい。
最後に小田一氏も述べているが、気功にせよ、レイキにせよ、気を扱う施術者は、より客観性のある診断術を持つ事は大切なことである。確かに気診研究会以外にもAKで気の診断をするヒーラーはいるが、懸命なことだと思われる。そういった意味で、胸鎖乳突筋検査法をマスターするのも一法であろう。
参考文献:
1)気と気診(小田 一著、鍼灸気診研究会発行)
2)気診初級コース(東京気診研究会平成11年版)
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