札幌にある北海道唯一の朝鮮学校を舞台にしたドキュメンタリー映画。韓国人のキム・ミョンジュン監督が３年間にわたってこの学校に滞在しながら撮影した作品。子供たちや先生方の姿を監督自身の語りで紹介していく。この映画を見るまで札幌に朝鮮学校があるということだけは知っていたけど内情について知る機会は全く無かった。どんな子供たちがどんな思いで通っているのか？どんな風に学んでいるのかなど。そもそもどうして日本に朝鮮学校が出来たのか？この映画を通して在日として生まれ、日本社会の中で生きていく人達の心の葛藤や実際に直面している問題の一部分を垣間見ることができたし、少なくとも関心を持つきっかけになった。明るく優しく強く純粋な生徒たちと、子供たちと同じ目線から彼らの成長を温かく見守る先生たちを取材していく中でミョンジュン監督と子供達、先生方の間に生まれた強い信頼関係と絆がこの作品の土台になり、映画に携わった人たち一人一人の思いがこの映画を作り上げている。イデオロギーとは全く別の次元で、純粋に生きることと向き合い、自分のアイデンティティについて悩み、それをなんとか受け入れ、守り抜こうとして全力で立ち向かっていく彼らの姿に素直に感動した。もっともっとたくさんの人に見てもらえるといいな