声高泡たち草

何気ない日常で感じ思ったことを遠慮なく書き綴っていきます。

日本式コミュニティー形成の方法

2006-06-15 16:00:05 | マンション管理士として


マンション管理で一番大切なことは、「良好なコミュニティー形成」とよく言われます。

逆説的な表現をすれば、ペット、騒音等の隣人トラブルの絶えないマンションは
「良好なコミュミティー形成」がなされていないことを意味します。

現状のマンション実情をみても、隣人でありながら顔も名前も分からないということがあると聞きます。こんな未熟なコミュニティーでは、マンション管理活動が活性化するはずがありません。また、どんなに懸命に、理事長が管理活動に積極的な参加を呼びかけても情けない結果が待っているだけです。

なぜ、こんなに「コミュニティー形成が大事」と、あえて叫ばなければならなくなったのでしょうか?

一言で、時代がそうしたと片付けていいものでしょうか。日本には昔、「向う三軒両隣」といって、最低近所付き合いは当然としてお互いが何かと助け合ってきた良き習慣があったのです。そこには、信頼と安心によって結ばれたコミュニティー存在してしていました。みそが無くなったといっては隣に駆け込み分けてもらい、子供をちょっとあずかってくれと頼まれれば快く自分の子供同様にかわいがるといった風情があったのです。

それが、戦後の教育だけが悪いとは言えませんが、アメリカ的思想や習慣を闇雲に導入し、今や個人主義花盛りです。日本の習慣、風習は野暮で時代遅れと言わんばかりに捨て去ってきました。個人主義的な考えで良いはずはないわけで、昨今のいろんな事件をみてもこの考え方に起因しているのではと思ってしまうほどです。まずは、自分ありきが先で、他人はどうでもよいという傾向の強い個人主義から方向転換をしないといけないのではないでしょうか。

そこで、「向う三軒両隣」の助け合い精神を思い出してもらいたいのです。

マンション管理士長沼憲治のホームページ

あなたの故郷は?

2006-06-14 01:07:25 | マンション管理士として
山形県は私のふるさとです。ふるさとを離れて30年も経ってしまいましたが、やっぱり顔はいつも山形に向いてしまいます。自分が生まれた土地であり、純真無垢の子供時代の同級生の顔は何十年見ていなくても忘れることはできませんし、自然いっぱいの環境で育ったことは今でもつい最近のように思い出すことができます。

こういう環境は、喧騒の真っ只中の都会生活では望めるものではありません。たしかに、都会には都会の良いところもたくさんありますが、自然環境にふれあうことなく育った人間はどうしてか、時代の先端で生きてきた人間と勘違いしているものが多いようです。また、日本本来の情緒や風情を残す田舎を軽視する西洋かぶれの人間も多いようです。

どうみても、格好や表面的な考えを西洋風に真似たところで無理があり、ある意味軽薄で滑稽さだけ目立つ人間が都会では多いようです。

そのような傾向が、テレビ等の影響か地方都市にも浸透してきました。たしかに今に始まったことではありませんが地方都市に関して言えばどこに行っても、同じような消費者金融会社の看板だったり、スーパーの看板だったりと画一的な町並みになって独自の街風情もなくなりつつあります。
昔は良かっただけでは進歩はありませんが、これだけ成熟したのであれば少しは立ち止まってみても良いように感じます。

マンションは、リゾートマンションのような特別の目的がなければ僻地には建てません。したがって、マンションは都市部特有の建物と言ってよいでしょう。であれば、今の子供の10人に一人はマンションで育った子供とデーターから言えます。さらに具体的なことであれば東京を中心にした首都圏の場合は数人に一人と割合が高くなるはずです。

コンクリートジャングルで育った子供はどうしても情緒的に良いとはいえないでしょう。積極的に自然の残っている田舎に足を運んでいまだに残っている日本文化の原点を継承してもらいたい。

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エレベーターの性能の違いはあるのか?

2006-06-12 23:01:54 | マンション管理士として
マンションでのエレベーター故障による高校生死亡事故について思うことを述べてみたいと思う。

どの分野の工業製品をみても、日本製品は優れています。まちがいありません。
我々日本人は生まれた時から、優れた工業製品に囲まれて生活しているので特別意識しないだけです。

それは、なぜでしょうか?
まず、考えられるのは一つ一つの部品の段階から厳しい品質管理を行っていることがあげられます。そのような厳選された部品でつくられた製品であれば故障が少ないのも、もっともなこです。

ちょっと昔のことですが、こんな話があります。
ある精密部品を許容誤差0.5mm以内で、日本の職人とアメリカの職人とに依頼したところ納品された製品は見た目はほとんど同じに作られていたそうです。ところが、許容誤差を調べてみたらアメリカの職人の製品のほとんどは0.5mmの誤差のある製品を納入してきたそうです。それに対して日本人の職人のは限りなく誤差0に近いものを納品してきたそうです。

もう、何を言いたいのか分かりますよね。西欧の職人は「言われた誤差の範囲内で作ったからOK」というわけで、根本的に合理主義なんです。それ以上の製品を工夫してみようという向上心が日本人より欠けているんです。

このことは、その国の文化として根付いていることでしょうから、すぐ明日から日本人の「もの造り精神」を真似ろと言っても無理なことでしょう。

なにもけしかけるつもりはありませんが、エレベーターメーカーを選定する場合はまずは国産を考えることも重要な要素であることは間違いないようです。

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