家庭学習を自宅でかなり世話している親御さんが手を焼いて塾に来たら、私は自宅で使っている教材を必ず確認します。
問題集は全部持ってきてもらい、中身を確認します。追加のご購入があれば必ず塾での個別指導に組み込みます。
家と塾で宿題が出されていると正確な時間配分ができないからです。
併せて教材を一切聞き出すことにしています。
塾でご依頼致しました問題集しか買っていないが自宅学習はプリントとゲームとテレビで進める方もいらっしゃいます。(ぜひ都度ご伝達ください。)
(ほんとに都度ご伝達ください。)
1枚ずつ解き捨てられるプリントは飽きっぽい人にはちょうどいいように思えますが、ぜひ欠点も押さえておいてください。こちらです。
①なくす
②生活の端々に入り込む
③達成感を蓄積しにくい
④達成度を換算しにくい
オンライン上で解けるならともかく、私は原則プリントで宿題は出しません。
もし自分でオンライン授業をやることになっても、生徒さんが持参した教材からページを指定するか、こちらで指定する教材をご購入いただきます。
普通、なくします。
大人でも整理術の本が売れる紙モノです。ファイルすればファイルしたでどこにあるか探しにくい。
プリントは紙なのでなくすものです。
成績その他申し分ない生徒さんでもカバンの中で片付かずにいることがよく有ります。
なくす一方で自宅の思いもよらない所から見つかります。
自宅学習は切り替えが要。家庭で生活と勉強と遊びを全て処理しなくてはいけません。勉強机が無ければ全てが同じテーブルです。
遊びの時間に勉強を鋤き込む形式を取ると次第に生活は勉強一色になります。
しかもプリントはぐっちゃぐっちゃになって見つかります。
薄汚れて破れたプリントが生活の端々に散らかるのを見ていると、誰でも勉強が嫌になってきます。
あくまで解き捨てるのがプリントの身上。解き捨てるには? 100 点を取る必要が出てきます。
勉強にプリントを採用すると失点箇所が溜まっていきます。解けなかった問題は取っておかなくてはいけない。苦手な箇所を絞って重点演習をしないと苦手なままです。
するとどうなるか。
解けなかったプリントを溜めるので100 点を取ったらすぐ捨ててできなかった問題だけを残すことになります。勉強をがんばると苦手分野だけが残る。
その子と学習するべき範囲を共有できていても、結構これは勉強した人の身に堪えます。
中学入試では間違えた問題だけを保護者の方がノートにまとめ「解き直しノート」として出すように指導されたりします。手間はご推察の通りです。スクラップブックの要領で、その子用の教材を作らなくてはいけない。作っても間違えた問題ばかり入ってるので嫌がられます。もちろんつるつるピカピカの問題集ではない。
しかも、プリントになっていた時は見やすかった問題がノートにあると妙に読みづらい。がんばった結果なのにあまりパッとしない。
全ての結果は勉強した人の頭の中にしか蓄積されないのがプリント演習の特徴と思ってください。
プリントで学習した結果は改めて問題集で確認テストを行う必要があります。
そのつど引き出して解いてきたプリントと、確認テストでは、範囲は違っていて当たり前。
形式を変えて同じ問題を反復演習するプリントもありますが、範囲の違う問題には必ず触れさせてください。勉強をする人は解くときに読み込むので、一回やった問題内容は見抜かれがちです。
手軽で安いプリント式家庭学習には後の始末がついてきます。ご注意ください。