http://video.google.com/videoplay?docid=-805356140396822349
サンボマスター『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』の歌詞
さ、走ってきますわ~
元々流行りモノが好きではありません。
『嫌い』ではなく『好きではない』のです。
悪くは無いから流行るのであって、実際自分自身で体験してみれば大概にして『良い』と思ってしまうのですが、やはり『好きではない』のです。
(『良い』という認識は各個人によって大分変わってしまうので『悪く無い』と表現しました。他意はありません。)
恐らく
自分の中で物事を消化せず、
『流行っていること』を理由に良く感じてしまう事
に浅ましさが漂い、それを好ましく感じないからでしょう。
同じ理由で
「博士の愛した数学」も敬遠していました。
正確に言えば
読んでみたいけれでも流行っているので躊躇していた
ですね。
それを一転させ、本の購入にまでしたのはとある深夜番組でした。
しかも映画番組。
銀幕会議
フジテレビ土曜深夜放送
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/ginmaku/index.html
佐野史郎・入江雅人と言ったマニアック(イイ意味で)な方々が新作映画の予告編を吟味する、といった内容らしいです。
語尾が断定で無いのはまともに観たことがないから。
何度か見たことはあるのですが頭にはまったく入ってませんでした。
その中で映画版の話題になった時でした。
佐野史郎が作中のフレーズを紹介したのですが、それでやられてしまいました。
あまりにも好みな言葉のつなぎ方で…。
内容に関してはあまり語りません。
少し世間の話題にもなっていましたので、ちょっと調べればあらすじや内容を漏らしているところも見つかるでしょうから。
ましてや自分自身本を読むときにはノーデータで読むのが好きなので…。
もし期待された方がいらしたら申し訳ありません。
印象を語るとしたら、とても静かな本です。
静かであるが故に些細な、さざなみの様な出来事が少し大きめの波に感じられる。
しかしその波自体も静かに表現されている為印象は『静かな本』です。
~~~以下内容に触れます~~~
(触れると言うよりも本文を少しだけ引用し、感想を書いています)
パソコンで閲覧の方は空白部をドラッグしていただくと字が出てきますので、内容を知っても構わない方だけご覧下さい。
ケイタイで閲覧の方は消えてませんのであしからず。
もし有識な方が以下をご覧になって、著作権法に抵触するように感じましたらコメントにてご指摘下さい。
判断の上削除することを検討します。
一応、いくつか調べて『引用』としては大丈夫だとは思うのですが…。
(斜体が引用部です)
なんのコトは無いのですが、読んでて気に入った言葉達を
・友愛数
・素数
・賢い心
そして文章を
それでもあきらめずに一歩一歩進んでゆく。地平線の向こうに、澄んだ水をたたえた、素数という名のオアシスが見えてくるまで、あきらめずにね
博士の数学に対する態度が見える文です。
博士の目には数字と人間と世の中の現象・物質が同等に見ていたのではないでしょうか?
けれど今回は、かつて目にしたどの涙とも違っていた。いくら手を差し出しても、私が拭うのことのできない場所で、涙は流されていた。
子供から大人へと変わっていく瞬間。
もちろん過程はあるでしょうが、分岐点と言えるものは存在すると信じています。
現実の人間にも、ね。
直感は大事だ。カワセミが一瞬光る背びれに反応して、川面に急降下するように、直感で数字をつかむんだ
佐野史郎が番組内で引用していた文章です。
直感のイメージと表現のイメージがあまりにも一致し過ぎました。
以上です。
不覚にも最終数十ページで目が潤んでしまいました。
博士の愛した数式
小川 洋子著
新潮社文庫
2006.2.4購入
2006.2.5読了