”広島の果物屋”トド店長のひとり言

3代目のトド店長が、今日も美味しい果物を求めて東奔西走、果物の豆知識に旬の果物から新品種、はたまた雑感まで呟きまくり!

トド店長の独り言 みかん

2017-01-31 12:15:17 | 独り言

すなわち、みかんを磨くことでした。
まずローラーの上をゴロゴロ転がして、みかん同士をこすり合わせ、外皮に付いている汚れを落とします。
次にブラシ掛けをして水を上から撒いて洗い、温風で乾かしていたのでした。
数十メートルもある一台の大きな機械で、大小の選別もしながらこれらの作業を自動的にこなしていくのですから、機械の購入費用もバカになりません。
でも、この頃はまだ等級分けには人の手と目が必要だったのですが、最近の機械は、センサーでキズの有る無し、糖度の判別もこなしてしまうのですから驚きです。
ともあれ、このように外皮に付いていた汚れ(石灰硫黄合剤も含む)を落とすときに、ついでにみかんの外皮に生成されているクチクラ層(天然のワックス)をも落としてしまいます。
そのままでは、みかんの外皮がしなびてしわが寄りやすくなってしまいます。
そのため、ワックスを掛けてローラーの上を転がしていくのも、合わせてこの機械がおこないます。
これだけみかんに物理的刺激を与えてしまうと、余計に浮き皮になりやすくなります。
特に、青江早生は外皮は晩生のみかんでありながら、中の果肉は早生という、キメラ構造をしています。
暖冬の年には、外皮の成長は止まらないのに中の果肉は成熟して成長が止まってしまう→浮き皮になりやすい という困った性質を持っていましたので、後は推して知るべしです。
そんなときに、青江早生にトドメを刺したのが、平成3年に襲来した台風19号でした。


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