旅とか写真とかバイクとかの何か

ついったー補完計画

Tiny Train,Tiny Station

2023年10月01日 | 旅行
今回は三重県にある珍しいローカル私鉄を探訪しました。
いずれもレール幅が762mmという、いわゆるナローゲージの小さな鉄道です。小さな列車と小さな駅の愛すべき風景が広がっていました。

まずは名古屋から近鉄かJRで桑名駅を目指します。桑名駅の自由通路で東口に出ると、バスターミナルの片隅に小さな改札口があります。三岐鉄道北勢線、西桑名駅です。

駅の位置と発車時刻を確認したので、ちょっと駅の周りを見てみます。線路沿いにしばらく歩くと、とても珍しい踏切に出会いました。ナローゲージ、狭軌、標準軌の3種類のレール幅が異なる線路を一度に渡る踏切です。おそらく、全国でもここだけなのではないでしょうか。

更に歩くとナローゲージのか細い軌道が坂道を駆け上がって行きます。そしてJRと近鉄の線路をオーバークロスしていきます。古い石積みの橋脚に細い鉄骨の橋桁で、やっとの思いで大手鉄道の上を乗り越えて小さな列車が駆け抜けていきます。

下をくぐるJRの電車が実に窮屈そうですね。

1914年開業という古い歴史を持つ北勢線、鉄さびにまみれた石積みの橋脚のわきを近鉄の特急列車が駆け抜けていきました。


そろそろ次の列車の時間なので、西桑名駅に戻ります。誇らしげに歴史を語る駅舎、駅員さんもキリっとしてホームに立ちます。


北勢線の小さな電車は3両編成、車内はこんな感じで冷房機械が車端部に置かれています。床下にも屋根上にも配置するスペースが無かったのでしょう、幅も狭くちょっと電車というよりバスの車内に近い感覚です。

扇風機が回る昭和レトロな電車が発車します。車体が低いためパンタグラフが背伸びをしているように見えます。


北勢線は桑名を出ると針路を北にとり緩やかに田園地帯を登って行きます。車内は土曜のお昼という時間帯でも結構な乗車率、とても車内で撮影できる感じではありませんでした。
そしてこの列車の終点、楚原駅に到着。

ここから先にも線路は続いていますが、ここで折り返して戻ることにします。
ワンマン運転の電車は彼岸花が咲き誇る田園地帯を、のんびりゆらゆら下って行きました。



遅いお昼を食べてから近鉄電車で四日市に向かいます。JRの四日市ではなく、近鉄四日市の駅に向かいます。この2駅、けっこう距離が離れているので間違えると汗だくで歩くことになります。
近鉄四日市の駅前は大都会、その大都会の真ん中から次の鉄道、四日市あすなろう鉄道の旅が始まります。

こちらも軌間762mmのナローゲージの鉄道です。車内はこんな感じで、思いの外近代的な電車で洗練された感じがします。大きな窓にクロスシートが並ぶ車内は快適で長距離でも楽そうですが、この鉄道は市街地の中を短距離だけしか走りません。

一日フリー切符550円を買って小さな電車で路地裏を巡る旅のスタートです。


列車は日永駅に停車。住宅地の奥にある、どこかのお家の入口みたいな小さな駅です。

ところがここは支線との乗換駅、立派なY字型のホームがあります。ナローゲージの鉄道はここと北勢線、富山の黒部峡谷鉄道しかありませんが、支線と分岐するターミナル駅はここにしかありません。そんな日永駅には日中1時間に4本の列車がやってきます。日中でも結構な混み具合で座席がさらっと埋まる程度。そのお客さんがここで乗り換えます。三重県最大の都市の近郊電車として日常の交通に定着している感じです。

せっかくなので、日永駅で降りてみます。
Y字型のホームで目立つのが、3種類の軌間の比較ができるモニュメント。ナローゲージ、狭軌、標準機のレールと車輪を並べて大きさの比較をしていますが、ナローゲージは車輪も小さいのがよくわかりますね。路面電車より少し大きい程度でしょうか。


駅の改札脇には小さな池のある庭もあってよく手入れされてます。古い街に馴染んだ地元に愛される駅のようです。

ところで、この鉄道にもATSが設置されてるようですが、よく見るとATSの地上側のセンサがレールの外に配置されています。ほかの鉄道ではレールの間に設置されているのですが、さすがにレール幅が狭いので外側にしか配置するスペースがないのでしょう。こんな所にもナローゲージならではの工夫が見られますね。


そんな日永駅を出発して終点の内部駅に到着しました。「内部」と書いて「うつべ」と読むんですね。
終着駅も市街地のはずれ、バイパス道路に行く手を遮られる形で終わります。周囲の土盛りに取り残されたように一段低いところに駅があります。

駅と併設して小さな機関庫もあります。何だか町工場みたいな佇まいで微笑ましい感じです。

この鉄道はローカル線、というより普通に都市近郊の通勤通学路線でした。帰りの電車も下校途中の学生や買い物客でそこそこの混み具合です。
小雨も降りだした夕方の電車、電球色の車内照明が落ち着いた気分にさせてくれました。


さいごに、今回旅した鉄道のサイトを載せておきます。
三岐鉄道北勢線 https://sangirail.co.jp/kouhou/benri/route/h-business/
四日市あすなろう鉄道 https://yar.co.jp/
北勢線もあすなろう鉄道も、これからも地元の人にたくさん乗ってもらって末永く活躍してくれるといいですね。






たぶん最後の北海道ツーリング:エピローグ

2023年07月25日 | 旅行
2023年6月27日

6時半起床、曇り
良く寝たけどあまり疲れが取れてない。朝食とってごろごろするうちに10時下船。
降りたら途端に日が射して猛烈に暑い。給油して仙台東道路に乗って一路南へ。あとは淡々と休み休み常磐道を南下する。
南相馬のサービスエリアで給油と食事を済ませ、さらに走る。楢葉からはぽつぽつと雨が降るが、路面が濡れるほどではない。
その後も渋滞に捕まることもなく、17時過ぎに帰宅した。


今回の北海道ツーリングは終始お天気に恵まれて、一度も雨に当たらなかった。途中一日だけ曇り空だっただけで、道内ほぼ毎日快晴だった。こんなに晴天が続いたのは今回が初めてだ。
で北海道ツーリングのまとめだが、ひたすらロードムービー。走りながら移り変わる景色を楽しむ以外これといった観光もなし。
異常な距離感と情報密度の低い景色の中を、ただひたすら走り抜けるというのはなかなか味わえない体験だ。
見どころがギュッと詰まった本州四国のツーリングとは対照的で、これが北海道ツーリングの特別なところだと改めて実感した。

【完】

たぶん最後の北海道ツーリング:8日目

2023年07月25日 | 旅行
2023年6月26日

6時半起床。快晴。
昨日の無理が祟ったのかベッドが中途半端に柔らかいのが悪かったのか、右の首筋に凝りが残る。ちょっと調子が悪いので今日は無理できないな、と思う。ホテルの朝食は貧相なバイキング。これを平らげて8時半頃出発。名寄の町は建物の間がスカスカに開いてて散漫な感じがする。
町外れで給油してR40を淡々と南下する。道北を貫く幹線道路にしては交通量が少ない。
剣淵、和寒と通過する。沿道は細長い盆地状の平地で水田が開ける。名寄はモチ米の生産が盛んらしい。どこか新潟あたりを連想させる眺めだ。
日が高くになるにつれ暑くなってくる。どこで高速に乗ろうかなと思案しているうちに塩狩峠を超える。名前は有名だがさしたる急勾配も無くR40は淡々と直線道路で超えてゆく。
峠を越えて旭川盆地に入ると交通量も増える。R40からR12に右折、旭川市街地の外側を走る旭川新道は3車線いっぱいに車があふれる。ただハイペースで流れるので渋滞は起きない。街路樹に植えられた黒松がいい芳香を放つ。このスッとする香りは気分が落ち着く。

R12で旭川盆地を出て神居古潭に寄り道。神居古潭駅の跡が保存されているので立ち寄る。連日の疲れと首の凝りで気分が悪くなりかけていたので、この寄り道は助かった。

風通しの良い日陰に入ると湿度の低さもあってか、かなり涼しい。駅舎はきれいに手入れされ、日陰で休むにはうってつけだ。緑の風の中ゆっくり休憩するとちょっと体調も復活してきた。

神居古潭を過ぎると一気に石狩平野へ駆け降りる。深川インターから道央道に乗って、1区間だけ走って滝川インターで降りる。

とにかく暑い。どこかで休憩したい。
滝川の市街地はずれで、たまたま目についたびっくりドンキーに入る。ここのハンバーグ脂っぽ過ぎて好きじゃないが。
13時すぎに出る。R30を西へ。そのまま道なりに石狩川徳富川とわたって新十津川の市街地に。今日の目的地の新十津川駅跡につく。


時すでに遅し、公園整備の名目で新十津川駅跡地は駅舎も何もかも更地になっていた。
仕方ないので元来た道をそのまま引き返し、道央道に乗ってひたすら南下する。走っている間は風が涼しい。
三笠の鉄道記念館見学はパス。これ以上失望したくないし体調もすぐれないし。
札幌JCTを南へ。今日は風が強い。ペースも上がらない。輪厚SAを過ぎてようやく少し涼しくなる。そして行く手の空には雲が広がり始める。新千歳空港インターを過ぎるころにはどんよりと曇り空、というより上空を霧が覆い始め、一気に気温が急降下する。体感温度で10度以上下がった。
すっかり薄暗くなった空の元、苫小牧中央インターまで寒さに震えながら走る。苫小牧中央インターで降りると見覚え尾のある道。先週の月曜に洞爺湖から戻ってきた道だ。
これにて見事に一周してきたことになる。
苫小牧中央インターからのR276を突き当り、R36を東へ。そのまま港へ直進すると見覚えのあるフェリーターミナル。

到着後午後5時、すでに乗船手続きが始まっていたので手続きをする。今回はエコノミーシングルという個室。
今日の苫小牧フェリーターミナルは8月並みのバイクの台数。まぁ半分は大洗航路へ乗るようだが。
無事乗船して風呂、レストランでバイキングの夕食。前回6年前に乗ったときはインバウンド景気のおかげで料理も良かったのだろうか。
疲れが出たのか眠くなる。すぐ部屋に戻って寝てしまった。


たぶん最後の北海道ツーリング:7日目

2023年07月24日 | 旅行
2023年6月25日

6時起床、快晴。
ホテルの朝食バイキングは混んでいたがウェイターが丁寧に席を案内してくれたので混乱はなし。こういう所が上級のホテルらしいところ。メニューは可もなく不可もなくだが、知床豚のウィンナーは美味しかった。あと塩パンも。


8時すぎにチェックアウト、まずは宗谷公園に上ってみる。ひどく急勾配急カーブで強引に丘に登る感じ。市街の眺めは最高。反対側にちょっとだけ利尻島が見えたので、道道106に戻って海面から頂上まで見事に見える利尻富士を写真に撮る。

その後宗谷丘陵に寄り道。自衛隊のレーダーサイトがまるで古城のような佇まいだ。6年前にも走った「白い道」に行ってみる。帆立貝の貝殻を砕いて散布した未舗装路だ。タイヤ周りが石灰をまぶしたように真っ白になる。黒いレンタカーで乗り入れてる人もいたが、後の洗車が大変そうだ。こちらも一日ずっと白い粉が取れなかった。


そして宗谷岬。ステッカー買ってその場で貼り付けてR238をオホーツク沿岸に向かう。ちなみに給油は宗谷岬の手前で済ませたので、最北端の給油証明は入手しなかった。あの稚貝の貝殻、何個貰ったことやら。

猿払村まで走っていい加減飽きる。左手は海右手は牧草地、これの繰り返し。この繰り返しは以後数時間続くことになる。

猿払の道の駅でちょうどお昼。平凡なほたてラーメン850円。パッとしない塩ラーメンに茹でた帆立貝がひとつ乗るだけの代物。素材はいいが料理としては最低限か。せめてホタテをバター焼きにでもしてくれたら多少マシになるだろうに。
その後R238から猿払村道エサヌカ線に入る。これは宗谷岬で話をしたライダーに教えてもらったのだ。ひたすら真っすぐな2車線路の農道が延々と続く。海に面したところはハマナスの花が満開。ちょっと内陸に入ると左右とも牧草地に変わる。

一直線に伸びる道路に逃げ水が光る。途中でエゾシカを発見。減速してクラクション鳴らしたら逃げてくれたので一安心。
これは気をつけて走らないと危ないな、と気を引き締める。
R238に戻って浜頓別に着く。ラウンドアバウトをぐるりとまわり道の駅に停車。トイレ休憩だけで出る。ゴミ箱も空き缶入れも無いので缶コーヒーすら買わなかった。近くのコンビニは空き缶入れもゴミ箱もあってフレンドリーで良い感じ。
浜頓別で給油の後、先を急ぐ。ちょっと寄り道しすぎた。このままR238で興部に出て、そこからR239で名寄に出る予定だがもう2時すぎ。山越えのR239を夕方走ることに不安を感じる。クマとか出ると困る。そんな気持ちで浜頓別からはペースを上げて飛ばす。
今年はヒグマの被害が多発しているので、ルートから出来るだけ山間部を抜いていたのだ。天北峠で夕暮れになるとヒグマが出没する危険が増す。急がなくては。


枝幸から雄武までの絶望的な距離感。自分としては珍しく遅い車をどんどん追い抜く。雄武の道の駅までトイレすら我慢してひたすら走る。減速するのが何となく怖かったのだ。
雄武から興部までの20キロももどかしかった。
興部の道の駅に3時半到着。名寄まであと70キロ。トイレだけ済ませる。とにかくオホーツク沿岸は風が冷たくて身体が冷え切ってしまった。
R239を西へ。内陸に入ると途端に気温が上がるのがわかった。このルートはかなり奥地まで平地が続き、畑作農家が多く人の気配が濃厚だ。路面が荒れているものの道幅は広い。
そして思ったより交通量が多い。かつては国鉄名寄本線が走り、今でも内陸とオホーツク海側をつなぐメインルートであるらしい。
そんな交通量の多さに少し安心して淡々と走る。午後4時半過ぎには西興部の集落に着く。西日がまぶしい集落はひどく静かで、コンビニの販促音楽だけが響く。
懸念していた山越え区間も交通量は多く野生動物に対する不安は払拭され落ち着いた気分で淡々と走る。
なだらかな下り坂で下川村を通過。ここも広い谷底平野に農地、しかも水田地帯が広がっている。これでかなり気分がリラックスするのがわかった。
5時すぎに名寄の市街地に到着。盆地の底らしく熱気が籠った感じで暑さが肌にまとわりつく。めざすホテルは迷わずに到着。
シャワー浴びてゆっくりしてから夕食に出る。がめぼしい店がないのでセイコーマートで弁当と飲み物を調達して帰った。


今日はひたすら距離が脅威となった一日だった。
オホーツク沿岸の、特に枝幸から雄武までの区間は人の気配がしない区間だった。わずかに小さな漁村が点在するばかりでコンビニも自販機もない区間が数十キロも続くとは。
北海道の人口の希薄さを思い知る。こんな所に国鉄興浜線を敷設する計画があったとは信じ難い思いだ。

たぶん最後の北海道ツーリング:6日目

2023年07月24日 | 旅行
2023年6月24日

6時起床、薄曇りのち快晴。
ホテルの朝定食(バイキングに非ず)を食べて8時すぎ出発。今日は稚内までの200キロ弱の行程なのでゆっくり行く。
土曜日だけあって道内各地の車とバイクが押し寄せる。


慌ただしく走る車をやり過ごしつつゆったり目のペースで淡々と走る。道東走った頃とはペースがぜんぜん違う。
R239を北上、小平を過ぎたあたりから雲が切れてくる。鰊番屋の道の駅はスルー。見た目変わらないな初めて来た頃と。
その後も見覚えのある建物を次々と通過。沿道の風景も記憶の中とそっくり同じ。この道は時が止まってるかのようだった。



遠別まで来てお昼。いつぞや入った小さな町のレストランは行列が出来ていてびっくり。何かのメディアで紹介されたんだろうか。

引き換えして遠別の道の駅で天丼食べる。ここで停めたバイク、自分のSRX400とVTZ250、VFR400。3台並んだ様はそこだけ90年代の雰囲気だった。
天塩の町に入って給油、河口の港でまったりしてから、快晴の眩しい青空のもと、海沿いの道道を北上。

それにしても単調な道だ。いい加減飽きてきたのと喉が渇いたのとで、豊富の町へコンビニを探しに寄り道することにした。
この寄り道は大正解、途中のサロベツ原野は花盛り。そして湿原の花畑の向こうには利尻島がぼんやりと浮かんでいる。

豊富の市街地まで10キロ以上走ってようやくコンビニを見つける。店先の日陰でコーヒー飲んで一服つける。

元きた道をそのまま引き返し、道道106に出て北上。ここまで来ると車の数も極端に減る。道路の真ん中で写真撮れるくらいだ。


淡々と走って午後4時すぎには稚内の市街地に出てしまった。日本海側を回り込んでノシャップ岬へ。ここも観光客でごった返す。
午後5時すぎにホテルにチェックイン。一番目立つ一番高いホテル。28000円。失敗したかなと思ったが、これが正解だっと思うようになる。



シャワー浴びてゆっくりしてカメラ持って街に出る。防波堤ドーム、すっかりもぬけの殻になってる。以前はライダーのテントが並んでいたのに。
その代わりと言っては何だが、今は駐車場に車中泊の車がびっしり。それなりに高そうなキャンピングカーが目立つ。
駅前を一廻りしたが食事できる店はない。そしてコンビニには車中泊の老人たちが列をなす。町の寂れ具合と車中泊の群れ。
すっかり小綺麗に整備された稚内駅とは対象的に、取り残された町並みが夕闇に沈む。何度か泊まったモシリパYHは、そのままゲストハウスになって残存していた。


何だかやり切れない気分になってホテルに戻り、高いバイキングで夕食とする。5900円だ。それなりに美味しいが、食が細くなってあまり量は食べられない。
さっき見た車中泊の群れを思い出す。みなコンビニで安い食事を買い漁るばかりで地元の飲食店には立ち寄らない。そのため飲食店はどこも閉店に追い込まれる。宿泊しないから宿は減っていく。
結局、地元には金を落とさずゴミと排ガスを撒き散らすだけの存在なのだ、車中泊は。これじゃ観光地は衰退するばかり。
せめて自分はちゃんと地元にお金を落とそう、そんな気持ちになって高いバイキングに敢えて手を出した次第。
まぁ稚内に来るのもこれが最後だろうから、奮発してよかったのかも。宗谷牛ステーキ美味しかったし。
明日は宗谷岬からオホーツクを南下、雄武から名寄へ入る予定。

たぶん最後の北海道ツーリング:5日目

2023年07月22日 | 旅行
2023年6月23日

6時半起床。曇。
ルートインのいつもの朝食を淡々と摂り、8時すぎに出発。曇っているが思いの外蒸し暑く感じる。
R39を西へ向かう。北見の町はこの国道沿いに東西に長く住宅地が続く。町外れのスタンドで給油したのち、60キロペースで淡々と走る。

広々とした道路が物流の大幹線であることを物語る。延々と続く玉ねぎ畑の中を一直線に伸びる道路は僅かずつ高度を上げていく。
快調に走っていたはずだったが腹痛に見舞われる。道の駅おんねゆ温泉でトイレ休憩。ちょっと苦しかった。

ここでトイレ借りた物産館の中を見てみる。食べ物より木工製品が多い。留辺蘂、訓子府、置戸とこの辺り一帯は林業と木工業が盛んな土地だ。どれも目を引くものばかりだが、買って帰るにはいささか大きすぎる。そしてエゾシカの革で作ったバッグに目が行った。エゾシカの革はとても柔らかく耐久性があるという。実際にサンプルの革を触ってみたが、上質なスエードである。この革だけ都内のハンドクラフトショップで売ってたら高値が付くだろう。
ちなみにエゾシカバッグは4万9千円。地元の若者が起業して作ってるそうだが、これ値付けに無理あるな。
そんな夢見がちな道の駅で鹿肉シチューの缶詰を買って一路西へ。R39はだんだん山の中へ。石北峠に差し掛かる。
2000年8月に転倒したのはどのカーブだっただろう、もう記憶も定かではないし、23年前のことだから道路も改修されて以前とは線形も変わってしまったのだろう。

大型トラックと歩調を合わせて石北峠にたどり着く。1050メートルの高度で気温22度。程よい気温。空は雨の気配は無いものの灰色の雲がべったり。
地元のライダーと少し話をしてから峠を下る。下りは直線ベースでクラッチ切って滑走しても全く速度が落ちないほどの急勾配。
峠を少し下ると大雪湖に出る。石狩川をせき止めた大雪ダムのダム湖だ。ここで少し寄り道をしてみる。ダムの天辺を走るR273に入り、除雪ステーションでトイレ休憩。何か売店でもあるかと思ったら本当に除雪ステーションとトイレしか無かった。

この先も道の駅とかなさそうなのでR39に戻って淡々と下る。層雲峡の温泉街もスルー。
上川の集落まで降りてきてちょうどお昼前。最初に目についたラーメン屋で塩ラーメン食べて、その向かいで給油。
R39で愛山上川インターから高速に乗り一気に道央道まで走り抜ける。上川盆地を駆け抜け神居古潭の山地を抜けると、眼下に石狩平野がいっぱいに広がる。
深川JCTから深川留萌自動車道に抜け、深川西ICで降りる。

水田地帯だ。田んぼの広がる風景は今回の渡道では初めて目にする。何だかホッとする風景だ。同じ文化圏に帰ってきた、そんな印象を受ける。
しばらく稲作地帯の平原を徘徊し石狩沼田駅にたどり着く。駅のホームはもう廃線になったのかと思うほど寂れ果てている。



駅から見えた踏切に行ってみると、踏切手前に新品の車止めが設置されていた。真っ赤に錆びた細いレールと真新しい車止めの対比が印象的だった。
あとはR233に出てマイペースで北上。沼田の辺りの緩やかにうねる丘陵とよく手入れされた畑が、実に伸びやかで気持ちのいい眺めだった。

R233沿道の廃線跡の写真撮ったりしながら走って留萌の市街地に着く。
今日の宿は以前も泊まったホテルなので場所は把握済み。道なりにまっすぐ走って黄金岬へ。
夕暮れには早い時刻だったが、雲間からぼんやり差し込む日差しにきらめく海を眺めて、かなり長い時間を過ごした。すごく落ち着く。欲を言えば飲み物の自販機があると良かったのだが。

夕食を兼ねて7時すぎに外出。前回来たときと同様ゴーストタウンのように静まり返った街だった。
駅まで行ってみたが駅舎はまだ取り壊されてはいなかった。しかし廃線駅の周囲に人の気配はない。



結局コンビニで食料調達となった。それにしてもこの町の住人はどうやって暮らしているんだろう。
どこに働きに出るのか、外食はどこに行くんだろう。

たぶん最後の北海道ツーリング:4日目

2023年07月22日 | 旅行
2023年6月22日

6時半起床。快晴のち曇り
昭和レトロ(配慮した表現)なホテルの一夜は謎の空調の騒音との戦いだった。床置きヒーターの暖房が入っていて、これを止めるのに一苦労した。おかげでスマホのアラームが鳴るまでぐっすり寝てしまった。
それにしても6月に暖房を入れるという異国感・・・・


貧相な朝食バイキングののち8時すぎ出発。まずはすぐ近くの根室駅へ。平日の朝とは思えないほど静まり返った駅前にカニの幟だけがはためく。

根室本線の終点の車止めまで行ってみた。観光客向けにこれ見よがしに設置された終点の看板が空しい。以前1992年に来たときには跨線橋があった記憶があるのだが、そんな形跡はどこにもない。
国道の終点を左折して根室港へ、そこから納沙布岬をめざす。路線バスが通る南側とは打って変わって高台の牧草地の中をひた走る。
左手は海、右手は草原という風景が10キロ以上も延々と続く。

納沙布岬は以前来たときと変わらない佇まい。展望台は廃墟と化していた。
ガソリンスタンドと土産物屋の廃墟は撤去される気配もなく、ただ放置されている。


そんな残骸の向こうにうっすらと霞む国後島の山を眺めて引き返すことにした。


R44をひたすら西へ。今日は少し暑いのでウィンドブレーカーは脱いで走る。沿道の工事中交互通行を数回やり過ごし厚床の集落で一休み。昨日根室の街の入口で給油したのでまだ余裕がある。
ここからR243を北上する。午前10時を回って日差しが暑い。加えて今日は南風が強い。メッシュジャケットで来て正解だった。
別海に入ったところでR244と分岐。内陸に入ると海からの冷たい風の影響が無くなり一気に気温が上昇する。
分岐のすぐ近くの旧標津線奥行臼駅に立ち寄る。今日は地元の中学生が見学に来るというので案内人がいる。


おまけに駅事務室内まで入れた。廃線後30年が経過しているが保存状態は良好だ。ピーカンの空の元、もはや廃線跡という侘しさも蒸発し尽くしたような佇まいだった。



引き続きR243を北上。別海町の集落のホクレンで給油。すると店員さんが別海町産のコーヒー牛乳をくれた。すぐ横のセブンでカレーパン買って日陰でコーヒー牛乳とともにいただく。コーヒー牛乳おいしかった。

別海町から国道は左折するが、直進してまっすぐ中標津町の集落をめざす。それまでの広々とした道からやや細くなった道路をひた走る。森は消え失せひたすら牧草地と湿地の繰り返しとなる。
情報密度の低い風景に次第に飽きてくる。
中標津の街でちょうどお昼。めぼしい食堂もないのですき家で牛丼。
R272を西へ。途中の分岐を直進し道道13を更に西へ。進行右手に山並みが見え始める。あれは斜里岳から屈斜路湖へ伸びる山脈かな?

途中で写真撮ったりしながら走って虹別でR243に再び合流、弟子屈方面へ西進。だんだん空が高曇りになってくる。少しずつ涼しさを感じるようになったのは標高が上がってきているからだろうか。
弟子屈の市街地を抜けてR243は屈斜路湖湖畔に入っていく。それまでの平原から打って変わって山間部の谷底平野を走るようになる。どことなく猪苗代湖の南岸あたりの景色に似ている感じだ。

屈斜路湖の巨大な外輪山を登り切ると美幌峠。初めての北海道ツーリングで訪れたところだ。
ひとしきり展望スペースで写真撮る。強い風で熊笹の茂みが鳴る。
20数年前と同じアングルで写真撮り終わると、いつの間にか高い空が一面雲に覆われていた。


美幌峠の下りは延々と急勾配の直線道路が続く。車が来ないのをいいことにクラッチを切って滑走してみる。まったく速度が落ちずに滑走している。よほどの急勾配なのだろう。
峠を降りるとあたりの景色が一変する。これまでの牧草地が消え失せ、沿道は畑に変わる。麦畑と玉ねぎ畑が延々と続く。畑が見えるとなんとなく安心感のある眺めに見えるから不思議だ。
思い返せば広尾から根室、そしてここまで一度も農産物の畑を見ていなかった。寒冷なのか土地が痩せてるのか、牧草以外育たない土地柄だったのだろう。
美幌の市街まで降りるとすっかり曇り空。生暖かい南風が吹き渡る。これはそろそろ雨が近いなと感じる。
ここから道道217を走る。前をゆくトラックを追い越せない狭い2車線道路が続く。午後4時を回ったところだがまだ日暮れには遠い。玉ねぎ畑が続く細長い盆地を焦らず急がず淡々と走り、ちょっとした峠のトンネルをくぐると北見市に入る。
高速のインターをすぎるとすぐ市街地に出た。
今日の宿はルートイン北見西。停車して地図を確認、すぐ見つけられた。午後5時前チェックイン。



ゆっくりシャワーを浴びて7時頃から出かける。北見の駅を見て、池北高原鉄道の廃線跡を写真に収める。
北見駅北口の町は旅行客向けのホテルが立ち並ぶが、通りを一本奥に入るとシャッター街。どこの地方都市でも同じか。
夕食はコンビニ弁当。今日はこれでいい。

たぶん最後の北海道ツーリング:3日目

2023年07月21日 | 旅行
2023年6月21日

5時すぎ起床、快晴。南東向きに窓があるので朝日が眩しい。6時半朝食。朝から分量が多いのは旅館ならでは。もっとも全部家庭料理だが。

7時半出発。眼の前の十勝港展望公園で写真撮る。穀物サイロが立ち並んでいて、ここが農産物積出港であることがわかる。

高台にある市街地から大きなアップダウンでR336はまっすぐ北東へ。曲がり角で道道1037に入る。牧場と原野が交互に現れる景色の中を一直線の道路が走る。

少し大きめの川を何度か渡る。河口がすぐ近くに見えるがどこも護岸工事をした形跡がなく、堆積した土砂で半ば塞がっている状態だ。
地形にお構いなしに真っ直ぐ引いた道路は、20m程度のアップダウンを繰り返し谷地と台地を貫いて行く。
適当なところで直角に交わる道を左折、R336に出て東へ。こちらも同様な風景が続くが、沿道は開けていて見通しが良い。

大樹町に入って、晩成温泉に向かう。高台を駆け下りて海辺に出る。左折して生花苗沼方面に。

2車線の舗装路が海岸べりの台地を走る。交通量ゼロで路肩が草生している。突き当りが生花苗沼。
護岸も何もない手つかずの池。河口が砂州で塞がってできた池だろうか、静かな湖面にすぐ近くの海鳴りが響くという不思議な空間だ。

引き換えしてR336を更に東へ。次第に牧草地が少なくなり原生林の只中を走るようになる。カーブとアップダウンが続くが2車線の幅広い舗装路。この道は道東方面から十勝港への最短ルートとなっているらしく、大型トラックがひっきりなしに通る。意外な物流ルートの存在に驚く。

道道911を右折、十勝川河口の集落に入る。堤防に上って十勝川の河口を眺める。ここも前回来たときは未舗装だったが今ではきれいに舗装されて走りやすい。
行く手に海霧がかかっているのを遠望し、R336十勝川大橋を渡る。

十勝太からかつて行き止まりだった道をまっすぐ。海岸に出ると海面から薄っすらと霧が立ち上っている。途中でウィンドブレーカを2枚重ね着したが、それでも少し寒い。
R336は根室本線を渡ってR38に出る。合流地点にライダーハウスがあった。まだ辛うじて食堂としては営業しているようだ。かつて旧友が贔屓にしていたというライダーハウスだ。


すぐ隣にも旅人の宿なる廃墟があって 、こちらは既に崩落しつつある。
青春の夢の残骸を投げ捨てて、みんな何処に行ってしまったのか。

その後もR38をひた走る。車のペースが速いのでこちらもスピードアップ。通行する車は8割が大型トラックとトレーラー。白糠をすぎると海岸沿いの平坦な道になる。白糠恋問の道の駅で休憩、食事にする。昼食は味噌ラーメン。この道の駅、以前来たときにも立ち寄ったなと思い出す。
13時すぎ出発。R38の釧路新道で市街地をバイパスする。無料だが対面通行の高速区間を終点まで走り、そこからR44に入る。
この道もアップダウンが激しい。そして車のペースも以前に増して速くなる。牧場も消え失せた樹海の中を国道だけが走る。
どうしてこんなに皆飛ばすのだろう、と不思議だったが走っているうちに何となくわかってきた。距離そのものが脅威なのだ。あまりにも沿道に人気がなさすぎる。早く抜け出したい気持ちがアクセルを踏み込むのだろう。これといったランドマークもなく、森と湿地と牧草地が無限ループのように連続する景色。早く抜け出したくなるのもわかる気がする。

厚岸の手前で海に出る。急に霧が出て寒くなる。厚岸をすぎると高台の上を走る。行けど進めど牧草地。放牧された牛馬の姿も見えず、ただ草原だけが続く。いい加減に見飽きてくる景色だ。うねる低い丘以外に山も見えず海も見えず、どことなく抽象的な、情報量の少ない景色が延々と続く。

気分を変えようと茶内の駅に向かう。浜中町出身のモンキー・パンチにちなんでルパン三世の立て看板があった。

簡易軌道の記念モニュメントは興味深い。JRはどうでもいいが自分たちで引いた簡易軌道には愛着あるということか。

日が傾く頃根室半島付け根の春国岱の道の駅に着く。湖が見えるというので見てみたが、半ば干上がった泥沼のような湖水にがっかり。まぁラムサール条約登録地というだけあって湖というより干潟、湿地というほうが正しいのだろう。
根室市街地の入り口で給油し、街へ。今日の宿は根室グランドホテル。

昭和レトロな雰囲気のホテルだった(悪い意味で)。熱いシャワーを使えたのだけは良かったが、なんとなく廊下全体が臭い。そしてエレベーターの案内はロシア語。
夕食を兼ねて外出。ロシア語の看板が目立つ根室の町はシャツだけでは少し寒い。根室駅はすでに無人駅となって駅前の商店は皆無。
近くのスーパーは閉店時間。19時で閉店する辺り、夜が早い街だとわかる。


仕方ないのでホテル裏手のラーメン屋でありきたりなラーメンと餃子。温かい食事が取れただけ有り難いと思おう。
すぐ近くのコンビニで飲み物を調達して今日の行動は終了。
それにしても今日は濃度の高い一日だった。そして根室の街は最果て感が凄い。国境の街といった趣だった。

たぶん最後の北海道ツーリング:2日目

2023年07月20日 | 旅行
2023年6月20日

6時半起床。快晴。ルートインお決まりの朝食をそそくさと取り8時すぎに出発。苫小牧市内の朝のラッシュをかいくぐり日高道に乗る。
無料区間を淡々と走る。10分も走ると周りは森と湿地帯に変わる。都市と原野の間の緩衝地帯というものが無いらしい。
高速の両側が緑一色の景色の中を走って鵡川インターで降りる。
海へ向かって走ると鵡川の市街地に。ホテル併設の道の駅は地元の人が三々五々集まる集会所も兼ねているようだ。


今回の旅のもう一つのテーマは、残骸。このところJR北海道の廃線が相次いでいる。何とかならなかったのかと思う反面、地元民が使わなくなれば廃止もやむを得ないだろうなとも思う。
そんな廃線跡を辿ってみるのが今日のルート。


JR北海道日高本線の現在の終着駅である鵡川駅に行ってみる。廃線後の転換バス停とほぼ変わらない佇まいだ。
ピーカンの快晴の真っ青な空の元いっそう寂しさを感じる。しばらく見て回ったが列車は1時間来ないので先に進むことにした。


R235をひたすら東へ。対向車線には大型トラックばかり。旧富川駅に寄り道するも廃屋のような駅舎と立入禁止の立て札があるばかり。

レールの撤去もされてないのは、施設の撤去と整備にかかる費用も捻出できないからなのか。札沼線の廃線跡はレールの撤去も進んでいるらしいが、その差は何だろうか。


引き続きR235を淡々と走る。
思いの外アップダウンが激しい。海まで迫る丘陵地帯を横切る形になるからだろうか。この地形のせいで日高本線は波打ち際を走らざるを得なかったらしい。その結果修復不能なまでに被災してしまったわけだが。

新冠でサラブレッド街道へ寄り道。潮風と馬糞臭の入り交じる風を感じる。ひとしきり馬を眺めてまたR235に戻る。

すぐ近くの道の駅で昼食とする。ランチセットのハンバーグが美味しい。食後道の駅の裏手に廃線跡を見つける。ここも草生したレールがそのままに残っていた。

午後になったので少し先を急ぐ。が、廃線の鉄橋が美しい眺めだったので引き換えして写真を撮る。河川敷に馬の放牧場があって、鉄橋と若い馬のコントラストが鮮やかだったのだ。

浦河まで出ると午後2時すぎ。いつか来たときと同じように浦河駅で同じアングルの写真を撮っておく。ここもレールと跨線橋と駅舎はそのまま残っている。敢えて残した、というよりは投げ捨ててあるという感じだ。


様似駅も放棄された駅だが、駅の裏手がすっかり整理され福祉施設のような立派な建物。そしてレールのすぐ脇まで駐車場になっている。廃駅と立派な駐車場という対比が真っ青な空の元鮮やかすぎるコントラスト。

様似をすぎると道が一気に険しくなる。相変わらず2車線道路だが海のすぐ脇を地形に沿って走るようになる。強い磯の香りがヘルメットのシールドの中に満ちる。
国道235から襟裳岬への分岐を曲がる。道幅が狭まりアップダウンもきつくなる。そして風も強く吹く。

襟裳岬は4時すぎに到着。ひとわたり見て回る。見覚えのあるたった一軒の食堂は何とか現在も営業中の様子。
風の強さも相まって寂寥感が心のうちに満ちてくるのを感じる。


寒くなってきて先を急ぐことにする。厚手のウィンドブレーカーを着ていても、やはりメッシュジャケットでは寒い。
百人浜はすっかり松林に変わっていた。93年3月に訪れたときにはまだ植林されたばかりの植え込みが、今では密集した松林に変わっていて時の流れを感じずにはいられない。
ほとんど車の通らない道をハイペースで飛ばす。そして黄金道路。以前来たときには無かった長大トンネルに入る。どこまでも続くトンネルはひたすら寒かった。
トンネル地帯を抜けると荒波が霧になって寒い。ロックシェッドが連続する急カーブの道を急ぐ。
とにかく日に当たる場所が恋しい。
広尾の市街地に出ると5時半過ぎ。コンビニでトイレ休憩し地図を確認。宿はすぐそこ。
十勝港へ降りる道の途中にビジネスホテルというかビジネス旅館の大宝。ここが今夜の宿。2食付で8030円という。現場作業で長期滞在の客がメインらしい。
部屋の風呂に湯を張ってゆっくり浸かる。気兼ねがなくていい。
夕食は旅館スタイルで品数が多い。どれも家庭料理だが、ひどく満腹になる。食後コンビニでタバコ補充。

夏至前日の夕暮れは美しかった。

たぶん最後の北海道ツーリング:プロローグ

2023年07月18日 | 旅行

北海道ツーリングは、恐らく他地域へのツーリングとは別格の特別な体験だと思う。
上陸までのアプローチ、雄大な景色、そして距離への挑戦。
そろそろ体力的に厳しくなってきたので、これを最後にしようと思って旅立った、3000キロの旅路の記録。

2023年6月18日
6時起床、7時半出発。寝付けず3時間くらいしか寝てないが、不思議と眠気は来ない。
今日も暑い。出発間際に革ジャンからメッシュジャケットに変更、下もTシャツに薄手シャツの組み合わせに変えた。
外環道から常磐道へ。既に猛暑が襲ってくる。メッシュジャケットに熱風が吹き込んで涼しさの欠片もない状態が続く。
天気は快晴、渋滞も無くスムーズに走行できるのは有難い。
10時半には常磐道中郷サービスエリアに到着、ここで給油し先へ進む。いわきジャンクションを通過し常磐道を北上。


楢葉のパーキングでは除染ダンプの出入り口が完全に封鎖されているのを見て時の流れを実感する。
使われないヘリポートの標識も風雨でかき消されていく・・・

南相馬サービスエリアで給油と食事を済ませる。日曜で地元の人達が大勢遊びに来ている。カンカン照りの暑さが堪える。
ここをすぎると阿武隈山地の山並みが次第に遠のいて行く。仙台平野の平坦な水田地帯に出る頃には空に雲がかかり始める。

仙台東道路仙台港インターで降りたら午後3時前。ちょっと早く着きすぎたかと思ったが、5時位に夕立が来たので結果としては良かった。

今回の船は太平洋フェリー「いしかり」。2011年3月11日に東京港で内覧会を行った船だという。
船室はS寝台。大部屋に1段ベッドカーテン間仕切りという、グレードが下から3番目の部屋だ。カーテン閉めると空気が淀んで蒸し暑い。

夕食は船のレストランでバイキング2100円。だがこれかなり安っぽい料理しか無かった。かつての太平洋フェリーのレストランと比べると質の低下が悲しいほどだ。
10時すぎ就寝。