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天声人語」: 朝日新聞デジタル

2015-11-13 07:03:45 | 日記
ありきたりに思える言葉に歴史が潜んでいる. 政府の手厚い沖縄振興予算に、仲井真(なかいま)知事は「格別の御高配を賜りましたことに深く感謝申し上げます」と談話を出した. この言葉が、ただちに過去と結びつく沖縄の人は少なくないはずだ▼沖縄戦の末期、海軍部隊の司令官だった大田実少将は、自決を前に一本の電報を海軍次官に打った. 焦土と化した沖縄の惨状や、住民の協力などを綿々とつづった電報は、有名な一文で結ばれていた. 「沖縄県民斯(か)ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」▼しかし戦後、島には過重な基地負担がのしかかる. 日本政府はアメとムチを使い分けて沖縄に向き合った. 「御高配」の言葉はしばしば、政府が繰り出す露骨なアメを皮肉る表現としても使われてきた▼仲井真知事は、言葉どおりの謝意だったらしい. 県外か県内かで揺れる普天間飛行場の移設問題が節目を迎えている. 知事はどうやら、名護市辺野古へ移すための国の埋め立て申請を認める方向と伝えられる▼振興策に加え、基地負担の軽減策に心が動いたようだ. 先月には県外が公約だった沖縄の自民党国会議員5人が態度をひるがえしている. 知事も県外が公約だから、外堀を埋めて本丸へ. ここにきて政府・自民の意図は露(あら)わである▼大田少将の最後の電報は、沖縄の辛苦に報いてほしいとの懇願だったろう. Samplレブロン ジェームスe Page 戦後68年、本土と政府は報い方を誤ってきたというほかない. 押しつけの愚を今また繰り返してはいないか.

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