韓国と北朝鮮、冷えきった外交関係でつながりを失い

2015-11-12 18:29:14 | 日記





(フィナンシャル?タイムズ 2010年11月24日初出 翻訳gooニュース) ソウル=クリスチャン?オリバー

韓国と北朝鮮の外交関係は今年、サッカーのワールドカップ南アフリカ大会の開会式で、最悪の状態を迎えた。ヨハネスブルクの会場の、トイレでの出来事だ。

プレトリア駐在の北朝鮮大使はトイレで、韓国大使の腕をいきなりつかみ、3月に哨戒艦「天安」を撃沈したのは北朝鮮だと糾弾するのを韓国政府が止めなければ、何らかの報復を受けることになると脅したのだ。

外交的とは言いがたいこの一件は、韓国と北朝鮮の間の連絡手段がいかに限られているか、そして両国がいかにお互いを理解していないかを、浮き彫りにする。

公式な対話は立ち消えてしまった。両国間の協議はもはや、こうした偶然の出会いを必要としている。北朝鮮は23日、韓国の島を砲撃し、死者4人と負傷者十数人を出した。これを受けて韓国政府は、形式的な形でわずかに残っていた両国間のパイプをすべて遮断する方向で動いている。

韓国は24日、貧困と飢餓にあえぐ北朝鮮に対する支援を停止すると発表したが、なくすにしても中身はもうあまり残っていない。食糧を中心とする月々の援助はもう約50万ドル相当しかなくなっていた。北朝鮮が大規模な洪水被害に見舞われた先月は、赤十字を通じて700万ドル相当に急増させていたのだが。

冬物の子供服を北朝鮮に送る韓国団体の代表、キム?ドゥヒュン氏は、政府のこうした姿勢は間違っていると批判する。「北朝鮮の攻撃に政府が激怒し、市民感情も悪化しているのは分かる。しかしそれでも、今の困難な状況を克服するために、人道援助は続けるべきだと私は思う」とキム氏は言う。

韓国はさらに、南北離散家族(1945年と朝鮮戦争によ Beats by Dr.Dre専門店 -ステファンカリー バッシュ半島分断でバラバラになった家族)の再会行事実施のための協議も停止。人道的なつながりはさらに断たれた。離散家族の再会は、死んだものと諦めていた家族や親族との再会を果たすこともある、喜びと悲しみに満ちた行事だ。

北朝鮮は韓国政府の決定について、「韓国の悪辣で無分別な戦争挑発行為」によって、月初めの再開業時で作られた友好精神が「再び脅かされている」と厳しく非難した。

哨戒艦「天安」が3月に撃沈された後、韓国は北朝鮮からの輸入量の半分以下に相当する物品の輸入を停止(貝類?甲殻類や亜鉛を含む)。北朝鮮の主要輸出品である砂の受け入れは、すでに中止されていた。

両国間に唯一残るそれなりの規模の通商関係は、北朝鮮の開城(ケソン)工業地区のみだ。ここで韓国企業は小規模な工場を運営し、北朝鮮側と断続的な交渉をしている。

北朝鮮の核開発問題に関わる韓国政府高官の多くが、北朝鮮当局者に一度も会ったことがないと打ち明ける。国連という多国間の場を除けば、北朝鮮と韓国の政府当局者が実際に会うことはほとんどないのだ。

北朝鮮と韓国は、今よりリベラルだった前の2つの韓国政権の下ではもっとやりとりをしていたが、今の保守派与党は、かつての交渉は北朝鮮に核兵器開発の猶予を与えただけだという意見で一致している。

「天安」撃沈によって、韓国国民がケソンへ行くことさえ現在は制限されているが、工業地区の閉鎖は難しいと韓国当局者は話す。そもそも韓国側は北朝鮮に、資本主義的な改革を受け入れさせようとして興業地区を造ったのだが、北朝鮮は今や工業地区を交渉道具に使っている。もし両国関係が悪化すれば、ケソンにいる韓国国民数百人を人質にするぞと、言外に脅しているのだ。

ケソンはそもそも文化交流の場所として使われていた。北朝鮮と韓国で使われる異なる用語の辞書を作ろうと共同作業していた学者たちは2005年から、言葉の定義を話し合うためにケソンで会合を開いている。しかしこうした辞書編纂の会合も、天安撃沈以降は中止された。

共同辞書事業の責任者、ハン?ヨングン氏は、「天安事件以来、会合を中止しているので、2014年の期限には間に合わないかもしれない」と話す。

韓国と北朝鮮の対話が完全に凍結してしまえば、言葉の意味を検討するなど、完全な机上論になってしまうかもしれない。




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(翻訳?加藤祐子)



From the Financial Times ?? The Financial Times Limited [2012].
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