この年の4月14日に熊本を中心とした震度7の地震が発生。人も建物も大きな被害を受けました。
Kiinaは8月28日に六本木ヒルズで行われた盆踊りにシークレットゲストとして参加したあと、9月3日に熊本市でNHKが主催する災害復興ライブ「明日へつなげるライブ」に出演しました。私はKii友さんのご好意で公開収録の観覧に参加することが出来ました。
初めて訪れた熊本。初めて目にした熊本城は満身創痍の姿を復旧工事の足組の隙間から覗かせていました。
ライブにはポップス系を中心に沢山のアーティストの方が参加、Kiinaは「きよしのズンドコ節」を歌ってくれました。
やっぱり「ズンドコ節」はみんなを元気づけ、心をひとつにしてくれる最強の歌です。
9月27日、「みれん心」がビジュアルとカップリング曲を変えて再リリースとなりました。
Dタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17224.html
Eタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17225.html
Fタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-17226.html
の3タイプです。
Kiinaが1年を通してシングル曲を1作品しか出さなかったのは、2006年の「一剣」以来ですから10年ぶりになります。
「一剣」の時は、最初からこの曲でレコード大賞を獲りにいくという明確な目的がありましたが、「みれん心」に関しては私の中では納得できる理由が今だに見つかりません。
ひとつには、演歌の中でトップを独走するKiinaの中で唯一弱い部分とも言えるカラオケファンの支持を拡げるため。
もうひとつ考えられるのは、CDの売り上げが先細っていく時代の流れの中で、絶大な人気を誇るKiinaであっても1年1作品のリリースでトータルの売り上げ枚数を稼がなければならなくなった現状があったのではないかということ。
そのあたりだったのかな?と漠然と思ってはいます。
実際、これ以降勝負曲としてコロムビアから発売されるシングル作品は1年1曲となりました。
世の中は既にCDから配信の時代に移りつつありましたが、Kiinaファンの主軸となっている年齢層を考えれば、コロムビアがなかなか時代の変化の波の中に飛びこんでいけないのも理解出来ました。だからと言って演歌だけが変わらないままでいては、ますますKiinaがよく口にしていた「古典芸能」になっていくのではないか、せめてCDと同時に配信にもチャレンジして若い世代にもKiinaの歌声の魅力を知って欲しい。
そんなこんなで、スッキリした気持ちでは喜べない「みれん心」の再リリースでしたが、実はスッキリしない一番の理由は別のところにありました。
私の中で"紅白歌合戦で「みれん心」を歌うKiina"の姿がどうしても想像出来なかったのです。
作詞された志賀大介先生は演歌作品を数多く発表されている大御所の先生でいらっしゃいました(もう亡くなられましたが)。「『みれん心』のタイトルで女歌を」というオーダーにサラサラと歌詞を書いてくださったのではないでしょうか。
でも、どんなにKiinaが心をこめて歌ってくれても、何度聴いても私には主人公の女性のプロフィールがはっきりした姿で見えてこないのです。恋にウブなお嬢さんなのか、恋のイロハを知り尽くしたすれっからしなのか。
例えば「貴男がすべて」に描かれたような、何度も恋に失敗して最後の人に全てを捧げている、そんな明確な女性像が浮かび上がってこないのです。
Kiinaご自身も「20代で元モデル」と言ってみたり「30過ぎ」と言ってみたり、人物像が固まらない部分があったのかもしれません。
もちろんコロムビアと事務所の専門家の方々が数あるシングル候補の中から、リスナー受けも販売戦略も考え尽くした結果として選んだ作品であり、Kiinaも心をこめて歌ってくれました。Kiina以上にこの曲を上手く歌える人はいません。私なりにファンとして精いっぱいの応援をし、拍手を送ってきました。
ただ、年末が近づいてくるにつれ、ぼんやりと「きよしくんは今年の紅白でこの歌を歌うのかなぁ…」という思いが浮かんでは消えていったのも正直なところだったのです。何というか。キラキラしたリズム歌謡でもいい、どっしりした王道演歌でもいい、Kiinaには全視聴者を「さすがは氷川きよしだ」とうならせるような、「氷川きよしここにあり!」と思わせるような、そんなパフォーマンスを紅白で披露して欲しいという思いです。
それはまったくもって私の個人的な感情であり、「みれん心」が大好き!というファンの方も大勢いらっしゃると思います。
どの曲もKiinaからの大切なプレゼントであることに変わりはありません。
さて、Dタイプのカップリング曲は「木曽路 着流し 気まま旅」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=fbS3lj89KPk
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/215614/
股旅演歌風ですが、Kiinaの説明によると股旅ではなく時代もので、「江戸時代のお金持ちの息子。商家の次男坊」という設定だそうです。
かず翼先生が"木""着""気"の「き」で韻を踏んだ歌詞を書いてくださり、宮下先生の軽快なメロディーで、気楽に聴けるカラッとした楽しい曲になっていますね。
余計なことは考えずにKiinaの声の良さ、歌の上手さを存分に味わえる一曲になっていると思います。