アルバム最後の曲は、加賀城みゆきさん「おさらば故郷さん」。
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=4mXDPmNTuw8
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/74174/
1966年、加賀城さんのデビュー曲でした。私も幼心ながら「おさらば故郷さん=加賀城みゆき」とワンセットで記憶していたぐらいですから、大ヒットだったのでしょう。
(今はどうされているのかな?)と思っていたら、40歳の若さで亡くなられていたんですね。
東京での暮らしに疲れて故郷に戻ってみれば、そこもやはり優しく迎えてくれる場所ではなかった…
室生犀星の「小景異情ニ」(ふるさとは 遠くにありて思うもの)に描かれた世界と重なります。
「つらくされても 生まれた土地にゃ
逢って泣きたい 夢がある」
悲しい、寂しい歌。西沢爽さん綴る詞が切ないです。
Kiinaの歌声は、程よく入れられたコブシも含めて、女性の演歌を男性が無理に歌ったという違和感が全く感じられません。
元々小さい時から耳に馴染んだ曲でしたが、Kiinaの歌い方が感傷に浸り過ぎていないところも、とても聴きやすかったです。
というわけで、カバー曲6曲は、ふるさと演歌に失恋もの、爽やか青春ソングに女性演歌と、よく言えばバラエティーに富んだ内容、別の見方をするとコンセプトが全く掴めない。乱暴な言い方をすると「何でも歌えるんだからアレもコレも歌わせてみよう」ということだったのかなぁという印象がしないでもありません。
もっとも、カバー曲のチョイスの統一感のなさは、このアルバムに限ったことではありませんが(笑)。
さて、このアルバムが発売されたのが12月10日。Kiinaはこの年も何の危なげもなく紅白歌合戦の出場を決めていました。
歌唱曲は「玄海船歌」だろうか、それとも「哀愁の湖」だろうかと思っていたら、まさかの「きよしのズンドコ節」という発表。
まだまだ修行の足りなかった私は「???」となっていましたが、察しの良い先輩ファンの方は「それなら大トリしかないでしょう」とズバリ推理されていました。さすがです。
あの日のKiina。白一色だけれど、お金も手間もかかっているのが一目でわかる、大トリに相応しい豪華な衣裳。涙を堪えての熱唱。大トリとしての責任を立派に果たしてからの号泣。
あれから15年経ちますが、Kiinaの一挙手一投足も表情も、昨日のことのように鮮やかに甦ります。