不惑のMBA日記

40歳を超えてMBAを取得したサラリーマンの独り言

TOKYO AIMにプロの投資家は魅力を感じるのか?

2010-06-08 01:52:42 | 日記
6月1日で、開設から1年を迎えたTOKYO AIMの
新規上場がゼロのままである。東証は、上場を希望する
会社があるのに証券会社がリスクをとらないことが問題だと
言っている。

確かに、上場や上場後の情報開示についての審査を
証券会社が担当することのリスクを証券会社が
とらないことが新規上場が出てこない要因かもしれない。

しかし、ジャスダックやマザーズなどの新興市場にも
上場できない規模の会社のIPOで得られる引受手数料と
上場審査を行うコストを考慮すると、TOKYO AIMの
幹事となることは、証券会社にとっては
ハイリスクローリターンなディールなのではないか?

また、機関投資家にとっても、流動性に乏しい
新興企業に情報開示基準を緩和させたTOKYO AIM市場での
売買のニーズがあるのだろうか?

既存の新興市場においても、委託者に占める
機関投資家の売買比率は、
東証1部と比較すると格段に小さい。
(下記の数字は2010年4月累計)

東証1部
外国人 58.8% 信託銀行 6.4% 投資信託 2.8% 個人 26.6%
東証マザーズ
外国人 18.7% 信託銀行 2.2% 投資信託 1.6% 個人 67.4%
ヘラクレス
外国人 9.0% 信託銀行 1.4% 投資信託 1.0% 個人 75.8%

上場している企業の規模が小さくなればなるほど、国内外機関投資家の
売買代金の比率も減少していることが明確に理解できる。

資金調達を望む新興企業が多いのかもしれないが、
既存の新興市場の上場基準を
満たせないステージの企業への投資を積極化できるほど、
機関投資家はリスクテイクに前向きでは
ないように思われる。

TOKYO AIMの1号案件が、決まること、さらに、その1号案件が
順調に売買されることで、TOKYO AIMが、ベンチャー企業が
資金調達を行える市場として、確立していくことが期待されるが…。

投資家のニーズを把握したうえで、開設されたかが
疑問なTOKYO AIMの前途は多難である。

コメントを投稿