〇 IntelにAMDは+42%で猛追。米Gartner(ガートナー)は、2022年の半導体世界市場における売上高トップ10社を2023年1月17日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。
韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が2年連続して首位だった(図1)。DRAMとNANDフラッシュメモリー双方の市場軟調により同社の半導体売上高は前年比で10.4%減少したものの、米Intel(インテル)が同19.5%減とさらに低迷したのに助けられた。
PC出荷台数についてもGartnerは2023年1月11日(現地時間)に発表している ニュースリリース 。2022年の世界のPC出荷台数は2億8620万台(暫定値)であり、2021年から16.2%減少した(図2)。同社がPCの出荷台数の発表を始めて以来、最も少ない台数だという。Intelはこの影響を受けた。さらに、競合の米AMD(Advanced Micro Devices)の追い上げも響いた。AMDの売上高はIntelの半分に満たないが、2022年の売上高は前年比で42.9%も増えた。PCだけでなくサーバー向けの半導体でもIntelの市場を侵食しているうえ、2022年2月に買収完了したFPGA(Field Programmable Gate Array)メーカーの米Xilinx(ザイリンクス)の売上高が加わり、大幅に増加した。AMDは売上高ランキングの順位を2021年の10位から2022年は7位に上げた。
Gartnerは、2022年の半導体世界売上高は前年比1.1%増の6017億米ドル(約77兆9400億円:1米ドル=129.54円で換算)になると見込んでいる。2022年は多くの半導体が不足する状態から始まり、当初は2桁成長が見込まれていた。しかし、「下期になると、急ピッチで進むインフレや金利上昇、エネルギーコストの高騰、中国でのゼロコロナ政策などで世界経済の減速懸念が高まり、消費者や企業が支出の削減を始めた。巣籠もり需要の一巡が加わり、半導体の成長に暗い影を落とした」(VP AnalystのAndrew Norwood氏)。
Norwood氏によれば、成長の足を引っぱったのはメモリーである。メモリーは世界半導体売上高の約25%を占め、全体への影響が大きい。そのメモリーの売上高は前年比10%減少した。一方、メモリー以外の半導体売上高は2022年に前年比5.3%伸びた。中でもアナログが同19%増、それに続くディスクリートが同15%増と高い成長率を記録した。アナログとディスクリートをけん引したアプリケーションは自動車と産業機器だという。