永遠の語らい

映画やアートや本や音楽を取り上げられたら、僕らは雲の長さでも測るしかなくなるのだ。

川村美術館へ行った!

2005-12-20 21:25:14 | アート・建築
遠いなー、でもキレイそうだなーと思ってずっと行かなかった美術館。
でも、先日遠出がしたかった週末に、千葉県佐倉市にある川村美術館へ。

さすが企業が作った美術館、美術館へと続く100メートル前から美しい並木道が続き、日常から離れた別世界へ。ここはすごく維持費にお金をかけている模様。本当にキレイ。

展覧会は「ゲルハルト・リヒター展」聞いたことありそうな名前だけど、イマイチ誰だかわからなかったが、今回ようやく分った。

写真を写実的に描いて、写真のような絵のような不思議な作品を沢山作り出しいる人だった。見たら、あーって感じの絵多し。
川村美術館 公式HP

でもここの本当の魅力は美術館の庭園。ここは日本とは思えないほど美しい風景が続いてる本当に素敵な場所。紅葉も本当キレイだった。

日常に疲れた&少し東京を離れたい人には是非オススメです。

絵本美術館に行きたい!

2005-08-08 01:06:47 | アート・建築
この前、テレビでやっていたのが、安藤忠雄建築の絵本美術館。幼稚園の園長先生が、私財を投げ打って作ったらしいから驚き。そういうロマンを持った人って素敵よね。その方は高齢なので、亡くなっても(縁起でもないですが50年後くらいの話)彼の想いが形として残るというのは、いいなーと思いました。

ま、何よりも私の心を捉えたのは、天井まで届く巨大な窓があり、そこから太平洋が見渡せること。そんな場所、私の子供の頃にはなかったなー。福島県の子供達がうらやましい。お母様方は、我先にと子供を連れて行ってるのだろうなー。

Rが旅から戻ってきたので、今度連れて行ってもらう約束を取り付ける。
スーパーひたちで行けばいいのでは?といっていたが、その電車は福島県のいわき市まで行くの?地理に疎い私は、まったく分からないのであった。

クリスト&ジャンヌ=クロード(ザ・ゲート)

2005-05-13 00:40:49 | アート・建築
昨年末だったか、原美術館で彼らのNYセントラル・パークで行う予定だったドローイングを見た。そして、今年の2月に彼らは26年前に叶わなかった夢を果たした。費用は20億円相当かかったようだが、全て自費でそのプロジェクトを仕上げた。

NHKの日曜美術館の特集でその実現された様子を見たが、本当にゲートの鮮やかなサフラン色の布が風に揺れる様子は、美しかった。参加者もセントラク・パークが様変わりしたことに驚き、喜び、みんな楽しんでいるように見えた。
勿論、いちばん楽しんでいたのは、クリストとジャンヌだった。

彼らの絵を初めて見たときは、さっぱり分からなかった。沢山の傘を日本の田舎に並べるアンブレラ企画など、図面みたいなのと、その完成図のドローイングがあるのだが、これは何?ということが多かった。

あちこちで色んなものを包んだり囲ったりする彼らの想像図を何だろう?とずっと思ってきたが、今年になりようやく彼らの活動が理解できた。

彼らは、彼らのプロジェクトを実現する上で、その完成図などのドローイングを描き、コレクターなどに売ってその費用を捻出し続けているのだ。購入者もプロジェクトの一部に関われることが出来る一種の参加型アートと言える。鑑賞者もコレクターも全ての人がそのプロジェクトに参加できる、素晴らしいアートの形態といえる。

彼らのような生き方ができたら、どんなにいいかと思う。目指したいところだ。
好きなことを実現するために、好きな絵を描いて夢を分け、時間をかけても実現する。

彼ら夫婦のようにいつかなりたいものである。

あと、彼らの活動を取り続けている方がいるらしく、ドキュメンタリー映画としていくつかあるらしいので、それも是非見てみたい。。。

「ジャパン・アヴァンギャルド」アングラ演劇傑作ポスター展のポスター

2005-05-11 14:17:18 | アート・建築
思わず、ポスターに見とれてしまった。
草月会館に張ってあったんだけどね。
しばらく見てたから、怪しげな人物に映ったかもしれないなあ。
だって100枚、全部載っけてるんだもん。
そりゃ、見るでしょ。
いやあ、スゴイ。横尾忠則、天才。他の人もすごいんだけど。
この頃のクリエイティブって、僕好みなんですよね。
100点の中には、持ってるものもあるなあ。
紀ノ国屋ホールでやってた寺山修司「観客席」とか。
このポスター好きだったなあ。

でも、ポスターに全部載っけてるから、
行かなくてもいいかな、なんて思っちゃった。
このポスターが欲しい。欲しいよーーーー。(R)

あ、ここに載せてるビジュアルは、その中の一枚(1ピース)ね。
こういうのがびっしり100ピース(10×10)載ってるのよ、
そのポスターには。

建築は、評価に時間がかかる(隈研吾さん「シドニーオペラハウス」の記事)

2005-05-09 11:36:31 | アート・建築
昨日の朝日新聞の「奇想遺産」に、隈研吾さんが面白い記事を書いていた。
シドニーのオペラシティが、現在の評価を得るまでに、
いかに紆余曲折があったかというもので、「なるほどなあ」だった。
建築は思想だからね。オーストラリアというコンセプトを伝えるのに、
あれ以上のものはなかったんだろうね。
後世の人からしか評価が得られなかった建築って、他にもたくさんある気がする。
いまでこそ、そこの象徴になってるけど、作られた当時は非難されてたものって。
エッフェル塔とかもそうでしょ?確か。
なんだか、いろんなことを触発される記事でした。(R)

記事はこれです。参考までに
朝日新聞の記事

タピエス展(原美術館)

2005-05-05 21:37:09 | アート・建築
タピエス展。タピエスって誰?というところから始まってしまう、私はまだまだ未熟者。
どうやら、スペイン芸術界の巨匠らしい。1953年生まれで巨匠と呼ばれるってすごい。

GW最終日の今日、原美術館はとっても混んでいた。昨日はもっと入ったらしい。
でもGW中は、通常現代美術になじみのない人も多いし、子供連れも多いので、コレクション展をやればいいのに、、、と思ってしまった。(別館の群馬のアークでは開催中ですが。)幼い子供も多かったが、きっと彼らには、タピエス展はきっと面白くないだろうなー、と思ってしまった。

で、本題のタピエス展ですが、土や砂を使った作品が多く、大きなキャンパスに、それを土壁にように盛った作品が多い。そこに記号のようにアルファベットが描かれている。

久しぶりにちっとも分からない、作品群であった。典型的な現代美術である。

ただ、彼がスペインの度重なる戦争や圧制の犠牲になってきた故郷をイメージしている、など背景が分かると、なるほど、と想像力を膨らませることができる作風ではある。
こういう観る側の知識が有って初めて成立する美術というのは、どうなのだろう。
否定はしないが、美術が高尚と敬遠される理由はこういうところにあると思う。
ただ、単純に土壁のような作品を見て、こういうのもありなんだ、とその新鮮さを楽しむのもありなのだとは思う。

そして、鑑賞後は、新緑が気持ちいい庭園に面したカフェで食事。ここのランチはとても美味しい。ただ、独りでシャンパンを飲んでパスタを食べているなんて寂しい、という指摘は禁止。
ここは女性独りで来ても、違和感のない、素敵なところなのだ。独りで読書している初老の男性もいた。この美術館自体が邸宅を改装して作られていて、展示物もゆとりを持って各部屋に展示されているので、とてもゆったりした時間が流れている。こういう家に住めたら素敵だろうな、と妄想を膨らませてました。

私が原美術館に出会ったのは、大学の時にたまたま土曜日に取っていた「現代美術」の授業においてだ。館長の原さんが講演に来ていて、その話に感銘を受けたのを覚えている。好きなことをやっているだけ、そのための資金は全部自分で集めている、という話だった。美術館運営を軌道に乗せるのは至難の業だが、彼は独創的なやり方で実現していた。

私は、原美術館が大好きなので、賛助会員になっている。年会費1万円ちょっとで、ゲスト1名も無料になる素晴らしいシステムなのだ。オープニングパーティの招待状や毎回とっても素敵なカードが送られて来る。私は会員になるのは、とっても嫌いなタイプだが、この賛助会員は本当にオススメです。(S)

神奈川県立近代美術館 葉山

2005-05-01 00:54:25 | アート・建築
海が久々に観たくなり、かつアートも観たく、突如思いついて「CASA」で取り上げられていた
葉山の美術館に電車で行った。グリーン車で、かつ行楽弁当も買って「逗子」まで行くと、
すっかり行楽気分に浸り、こういう休日もいいなーとしみじみ思った。

美術館は、葉山の一色海岸を目の前に臨む立地で、海と山にちょうど囲まれている。
ガラスを多用した内部は開放的で、こんな初夏の日には、本当に気持ちよかった。

展示は、「片岡球子」副題に「日本絵画の巨星。100歳を記念して」とある。
不遜にも私は彼女を知らなかったが、非常に有名な方らしい。
彼女の作品で気に入ったのは、晩年の「富士」を描いたもの。ひたすら富士と向き合い、
丹精に描いた富士は非常に美しく、かつタッチも軽く、現代アートに通ずる面白さがある。
また、彼女のライフワークという「面構(つらがまえ)シリーズ」も観ていて面白かった。

多数の歴史上の殿様や画家を取り上げては、彼らの正面の姿を描く。
画家のシリーズでは、彼らの絵をバックに描き、とてもユーモラスな印象を与える。
一休さんでは、彼の頓知を描いていたりも・・・。

非常に無邪気に楽しんでいる様子がこちらにも伝わってくる。

初期は、枠からはみ出さず、正統派の絵を描いてきた彼女も、
50を過ぎて、どんどん画風が変わり、しかし、非常に独特で魅力的な絵に変化している。

全く期待をしていなかった展覧会だったが、非常にいいものを観させてもらった気がする。
人は50歳からでも、それまで一生懸命悩んで向き合っていれば、大きく変貌していけるという
希望を見せてもらった気がする。

海も、建物も、展覧会もどれもよく、たくさんの活力を与えてもらって帰ってきました。(S)
神奈川県県立近代美術館 葉山HP

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最初に飾ってあった絵が「炬燵」。
「炬燵」という漢字を見ると、なぜだか「処女迎え今宵炬燵は血に飢えて」という中山千夏の俳句を思い浮かべてしまう。あ、片岡球子には関係ない話だけど。
しかし、作風が変わるっていうのはスゴイ。いろんな作風があるということでは、
横尾忠則も凄いけど、このオバチャマは、もっとすごいかもしれない。
100歳。いやあ、参りました。
というか、結構刺激されちゃいました。
しかし、海も眺められて、いいミュージアムでしたよ。
休日にふらりとどうぞ。
しかし、バス混んでたなあ。(R)







ゴッホ展(GW断念編)

2005-04-29 23:00:11 | アート・建築
国立近代美術館にて現在開催中のゴッホ展。

私はゴッホの中では最も好きな絵画「星降る夜」が観たくてGW初日の今日、行ってきた。
が、何と観たこともないような長蛇の列。
前回、草間展では、がっらがらだったのに、恐るべきGW&ゴッホ。
(注:そもそも「星降る夜」が来ているのかも、未確認。)

多少、混んでいてもマティス展くらいかなーというノリで来た私が馬鹿だった。
かつ、お堀の美しい街路樹を見下ろせるカフェテラスもかなりの人が待っている。

日本人って、アート意外に好きだったのね、と本気で驚いた。
日頃行っている美術館はがっらがらなのに。
確かに今思えば、車内刷りもやっているし、宣伝広告費もすごかったんだろうな。

ということで、ゴッホ展は早々に断念し、平日の夜、再度来ることに。
同じ位の面白さが現代アートにも、アート映画にもあるのになー。
それを知らしめる方法を考えなければ。。。


広告批評4月号表紙

2005-04-15 00:14:56 | アート・建築
表紙も売っちゃったのね。まあ、“表紙、売ります!”っていう雑誌は、「Variety」とか、アメリカのエンタメ業界誌などでもよくあることだけど。前もってどんな表紙が来るのかわからないから、アートディレクターは大変でしょうね。
 で、表回り全部を三井不動産がジャックしてます。芝浦にできる高層高級マンションの広告なんですね。よく出来てるなあ。表1は「代理店Hのみなさん。会社まで徒歩8分の、ちょっとすごい物件ができますよ」で、表4は「代理店Dのみなさん。深夜タクシーなら、ヘタすると5分とかで帰宅できる物件ですよ」。表2でも「お台場F社のみなさんも 汐留A社のみなさんも 銀座P社のみなさんも 品川S社のみなさんも、六本木L社のみなさんも、お子様から言われることでしょう。『お帰り!今日も早かったね!』と」なんて書いてあって、表3が、マンションの概要。社名はH、Dは当然として、S、FとL(誰でもわかるよね)もともかく、AとPはどこだ?うーん、わからん(誰か教えて!)。
 多分このマンションのターゲットは、代理店に勤めてるような、アーバンライフ好きな高給取りなんだろうよ!(って、嫉妬してどうする?)。まあ、明確なターゲットに対して、必ず届くメディアに広告を載せるのは、当たり前といえば当たり前ですものね。
 代理店勤務の人たちも、「なんだよ、これ?ここまでやるかぁ」なんて言いながら、こっそり休日に家族とモデルルームなんかに行って、同僚に出くわしちゃって、お互い「いやあ、どうも、どうも。近くまで来たものだから、ちょっと…」なんて、照れる姿が思い浮かぶぜ(なんだか悪意に満ちてるなあ、今日のオレ)。
 広告批評なんて、表回り全部買っても、そんなたいした金額にはならないだろうから、すごく上手い効果的な宣伝ですな。その号で、「広告のカタチ」って特集をやってるんだけど、それが、「最近の広告って、なんでもアリなんですよ」って内容で、まあ、何と言いましょうか、さりげなく表回りの言い訳もしてるんですな。さすがでげす。
 あ、でも、この表紙を見たとき、素直に「うまいなあ」って思ったでげすよ。担当営業の“してやったり”の表情が想像できやんす。(R)

横尾忠則と資生堂「薬用アデノゲン」のCM中止について

2005-04-07 21:27:26 | アート・建築
 横尾さんの滝の作品は、「森羅万象展」で見たけれど、それと、今回の資生堂のCMは結び付かなかったなあ。あくまで個人的な感じ方の問題だけど、むしろ僕は東京都現代美術館でちょっと前にやってた「愛と孤独、そして笑い」展の澤田知子の顔写真をズラリと並べた作品のほうを想起しちゃったくらいだもの。顔写真というより、真中で浮いてるって方なのかな?問題にしたのは。
 こういうのはとても判断が難しいと思います。横尾さんは横尾さんなりに言い分があるだろうし、CMを作ったタナカノリユキさんにもそれ以上の言い分があると思うんだよね。で、模倣の問題っていうのは、誰がこういうものを最終的に裁くかってことなんだけど。まずは、当事者間の話し合いっていうのがあるかもしれないし、それがだめなら第3者に委ねるって解決方法もあるだろう。
 かつて、イチハラヒロコさんの白い四角の箱にコピーを書いた作品と、ある雑誌のビジュアルが似てるっていう問題が身近なところで起こったことがあるんだけど、まずは当事者間で話し合うことからがスタートのような気がするのですよ。
 横尾さんとタナカさんが、今後どういう話し合いをしてくれるのか、それは、当事者じゃない者からすると、興味津々なわけで(あ、興味本位で書いてるみたいで、お二人には失礼に聞こえてしまうかもしれないけど、正直な気持ちです)、成り行きを見守りたいと思ったんですよね。
 …だけど、今回最も残念なのは、そういう本質的な(かな?)話に移行する前に、資生堂が降りちゃったってこと。コメントにも“事なかれ主義”の臭いがプンプンしてるしね。別に争うことを喜んだり、挑発してるわけじゃないのよ。横尾さんの問題提起から、何かしら建設的な意見交換が双方から行われることを期待したのに、その前に土俵から降りちゃう(降ろしちゃう!)んだもん。タナカさんも、クライアント背負って商売してるわけだし、アートじゃなくて、広告だし。オトナな対応しなきゃだしなあ。広告とアートとじゃ、どう考えても広告の方が分が悪いもの。
 この件、今後、広告批評とか美術手帳とかがどういう風に論じていくのか、それを楽しみに(あ、ごめんなさい!だから興味本意じゃないんだってば!)待ってます。(R)

http://www.asahi.com/national/update/0407/TKY200504070223.html?t1

*ビジュアルは僕の好きなポスターです。コレ、中学のとき部屋に貼ってたんだよね。