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Unknown
(
だぁ
)
2023-09-22 17:50:57
はじめまして。他の記事も含めて大変勉強になり、楽しく読ませて頂いております。
ロール軸に関してわからないことがあったので、もしよろしければ教えてくださると嬉しいです。
記事にあるとおり、走行中スタンディングでステップを交互に踏みながら左右にバイクを倒してみました。
が、やはりロール軸というのは私には理解できませんでした。スタンディングで先程のように走ってみても、峠を走る際も、やはり前輪が接地している限りは、前輪の接地点を支点にしてフロントが倒れているように感じます。
ロール軸とは人間が感じ取れる仮想の軸の話であって、バイクは実際にはそこを中心に回っているわけではない、ということでしょうか?
ロール軸は他のたくさんの記事でも同様に書かれており、わたしだけが理解できないように感じます。
感じる方法ではなくて、理論もしくは理屈でなぜロール軸がそうなるのか、もしそういう理屈があるとしたら、教えていただけると助かります。
だぁさん、ご質問ありがとうございます。
(
樹生和人
)
2023-09-22 21:27:27
だぁさん、ご質問ありがとうございます。
バイクの「ロール軸」がなぜ後輪の接地面から前輪に向かって立ち上がっているのか?
理論的に答えるなら、「バイクの構造がそうなっているから」。
では、それはどういう構造かというと、
前輪が操舵装置により、タイヤの向きが車体全体と変わる構造を持っているから」
となります。
それを、物理的に詳しく、正確に、一般向けに説明しきった本は、私の探した範囲では見つかっていません。
では、ロール軸は本当は存在しないのか?
というと、メーカーであるホンダでは、そのようなロール軸を設計の重要なキーの一つとして考えていました。
ホンダでは、「仮想ロールセンター」という名前で、バイクの設計上欠かせない重要要素の一つとして考えていたとのことです。(ホンダOBの本多和郎氏、小澤源男氏が言っています。本多氏と言えば、代表作はレーサーのNSR500、VFR750F、RC30など。小澤氏も2000年代の朝霞研究所でバイク設計の中心人物です。)
今は廃刊となってしまいましたがバイク雑誌、『BIKERS STATION』誌の2014年10月号(№325)22~49頁の特集に詳しいです。上記のお二人が登場しています。古本で手に入れば、お読みになることをお勧めします。
ただ、読んでも分かりにくいです。
バイカーズステーション2019年2月号(№377)と合わせて読むと、バイク全体の中でのロール軸のあり方がやや分かりやすいかと思います。こちらもお二人が登場しています。
…それでもわかりにくいですが……。
バイクのロール軸ですが、
ロール軸そのものを軸として認識しなくても、力まかせでなく、バイクの動き方に沿って無理なく倒したり切り返したりできているならば、実際に問題はないので、気になさらなくてもいいのではないかと思います。
ただ、バイクを傾ける時に、速度が同じくらいなのに時としてバイクが重く感じたりすることがあるならば、その時はきっとロール軸に沿った入力でなく、何が車体をねじったりひねったりするような入力をしているためだと思われます。
センタースタンド掛けをするとき、センタースタンドがフレームの支店から回転していって、路面に付き、その回転の延長の円弧方向(だいたい斜め後ろ)にバイクを持ち上げようとすれば、比較的軽く掛けられるが、スタンドが接地した状態から真上だったり前上方などに向けて力を入れても、ものすごく重くてなかなか持ち上がらない…というのと、似ています。
また、この話題については、下のリンクのブログ記事、moto1401(GSXR1000)さんの、「ロール軸の真相?」が分かりやすく正しく書いているように思いました。ご参考になさってみてください。
http://moto1401.blog114.fc2.com/blog-entry-506.html
だぁさん、お返事追加です。
(
樹生和人
)
2023-09-22 22:32:35
だぁさん、長くなりすみません。
お返事を少し追加します。
前輪に意識を集め、前輪からFフォーク、ハンドルまでの動きを注視すると、バイクがロールするときの動きは前輪の接地点を支点として傾いているように感じると思います。
上のコメントのリンクに貼った方も言っていたかと思いますが、もしも、フロントに舵角がつかないように固定されていたら、前後輪とも接地点を支点として、車体全体が右か左に倒れていくような動きをするはずです。
バイクの場合、フロントに舵角がついて、後輪とそれを結ぶフレームの先端まで(つまり車体の大部分)とは切り離された動きをします。
この違いにより、旋回状態に入る時に、通常のグリップ走行の場合、内輪差が生じて、前輪は後輪+車体よりも外側を、後輪よりも(わずかですが)内側を向いて転がるようになります。
基本的に前輪はキャスターとトレールによって、後輪+車体側に「前からから引っ張られて」回っている状態になっています。(キャスターとトレールはまた別の話題です。ここでは割愛します。)
つまり微速や意図的にハンドルを切っている状態のとき以外は、バイクは後輪からステアリングヘッドまで続く車体側が進行方向を決め、旋回しているわけです。(原理的に、傾いて旋回しているとき、バイクは後輪の向いている方向よりも内側に進もうとしています。)
重量的にも後輪+車体よりも圧倒的に軽い「前輪+Fフォーク」は、「後輪+車体」の動きにほんの少し遅れて合わせて、いかようにも首を振り、前輪の軌跡も後輪よりも頻繁に変えながらバランスをとりつつ走っているわけです。
そういう動きをしているので、前輪の接地点は、バイク全体から見る時には、前輪の接地点でバイク全体を支点として固定しているのではなく、微妙に首を振りながら後輪+車体の動きに追随していく動きとなり、その動きの支点はフロントフォークとフレームの接点、つまり、アンダーブラケット付近となる……というのが、ホンダの、大まかな考え方だと言っていいと思います。(これはホンダに直接訊いたわけではないので、間違っている可能性もありますが)
やっぱりわかりにくいと思いますが、理屈だけ述べるとしたら、このようになります。
体感するために、スタンディングのステップ踏みで感じられない場合は、教習所のスラロームの動きをさらに速く細かくする感じで右左と連続してやってみると、バイクの動きがわかりやすいと思います。
試される場合は、どうぞ、安全な場所で、速度を出し過ぎずに試してみてください。
長々とすみませんでした。
参考になれば幸いです。
Unknown
(
だあ
)
2023-09-22 22:53:52
なるほど!非常によくわかりました!
ありがとうございます。
わたしは以下のように理解しました。
バイクは確かに、常に前輪と後輪の接地点を支点に左右に傾く。
しかし、人間は後輪の接地点とバイクの重心を結んだ線(仮想ロール軸)を想像して、その線にそって傾ける!とイメージした方が、人間の感覚的に曲がりやすくなる。
もし、間違いがあれば、また教えてください!
ありがとうございました!
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ロール軸に関してわからないことがあったので、もしよろしければ教えてくださると嬉しいです。
記事にあるとおり、走行中スタンディングでステップを交互に踏みながら左右にバイクを倒してみました。
が、やはりロール軸というのは私には理解できませんでした。スタンディングで先程のように走ってみても、峠を走る際も、やはり前輪が接地している限りは、前輪の接地点を支点にしてフロントが倒れているように感じます。
ロール軸とは人間が感じ取れる仮想の軸の話であって、バイクは実際にはそこを中心に回っているわけではない、ということでしょうか?
ロール軸は他のたくさんの記事でも同様に書かれており、わたしだけが理解できないように感じます。
感じる方法ではなくて、理論もしくは理屈でなぜロール軸がそうなるのか、もしそういう理屈があるとしたら、教えていただけると助かります。
バイクの「ロール軸」がなぜ後輪の接地面から前輪に向かって立ち上がっているのか?
理論的に答えるなら、「バイクの構造がそうなっているから」。
では、それはどういう構造かというと、
前輪が操舵装置により、タイヤの向きが車体全体と変わる構造を持っているから」
となります。
それを、物理的に詳しく、正確に、一般向けに説明しきった本は、私の探した範囲では見つかっていません。
では、ロール軸は本当は存在しないのか?
というと、メーカーであるホンダでは、そのようなロール軸を設計の重要なキーの一つとして考えていました。
ホンダでは、「仮想ロールセンター」という名前で、バイクの設計上欠かせない重要要素の一つとして考えていたとのことです。(ホンダOBの本多和郎氏、小澤源男氏が言っています。本多氏と言えば、代表作はレーサーのNSR500、VFR750F、RC30など。小澤氏も2000年代の朝霞研究所でバイク設計の中心人物です。)
今は廃刊となってしまいましたがバイク雑誌、『BIKERS STATION』誌の2014年10月号(№325)22~49頁の特集に詳しいです。上記のお二人が登場しています。古本で手に入れば、お読みになることをお勧めします。
ただ、読んでも分かりにくいです。
バイカーズステーション2019年2月号(№377)と合わせて読むと、バイク全体の中でのロール軸のあり方がやや分かりやすいかと思います。こちらもお二人が登場しています。
…それでもわかりにくいですが……。
バイクのロール軸ですが、
ロール軸そのものを軸として認識しなくても、力まかせでなく、バイクの動き方に沿って無理なく倒したり切り返したりできているならば、実際に問題はないので、気になさらなくてもいいのではないかと思います。
ただ、バイクを傾ける時に、速度が同じくらいなのに時としてバイクが重く感じたりすることがあるならば、その時はきっとロール軸に沿った入力でなく、何が車体をねじったりひねったりするような入力をしているためだと思われます。
センタースタンド掛けをするとき、センタースタンドがフレームの支店から回転していって、路面に付き、その回転の延長の円弧方向(だいたい斜め後ろ)にバイクを持ち上げようとすれば、比較的軽く掛けられるが、スタンドが接地した状態から真上だったり前上方などに向けて力を入れても、ものすごく重くてなかなか持ち上がらない…というのと、似ています。
また、この話題については、下のリンクのブログ記事、moto1401(GSXR1000)さんの、「ロール軸の真相?」が分かりやすく正しく書いているように思いました。ご参考になさってみてください。
http://moto1401.blog114.fc2.com/blog-entry-506.html
お返事を少し追加します。
前輪に意識を集め、前輪からFフォーク、ハンドルまでの動きを注視すると、バイクがロールするときの動きは前輪の接地点を支点として傾いているように感じると思います。
上のコメントのリンクに貼った方も言っていたかと思いますが、もしも、フロントに舵角がつかないように固定されていたら、前後輪とも接地点を支点として、車体全体が右か左に倒れていくような動きをするはずです。
バイクの場合、フロントに舵角がついて、後輪とそれを結ぶフレームの先端まで(つまり車体の大部分)とは切り離された動きをします。
この違いにより、旋回状態に入る時に、通常のグリップ走行の場合、内輪差が生じて、前輪は後輪+車体よりも外側を、後輪よりも(わずかですが)内側を向いて転がるようになります。
基本的に前輪はキャスターとトレールによって、後輪+車体側に「前からから引っ張られて」回っている状態になっています。(キャスターとトレールはまた別の話題です。ここでは割愛します。)
つまり微速や意図的にハンドルを切っている状態のとき以外は、バイクは後輪からステアリングヘッドまで続く車体側が進行方向を決め、旋回しているわけです。(原理的に、傾いて旋回しているとき、バイクは後輪の向いている方向よりも内側に進もうとしています。)
重量的にも後輪+車体よりも圧倒的に軽い「前輪+Fフォーク」は、「後輪+車体」の動きにほんの少し遅れて合わせて、いかようにも首を振り、前輪の軌跡も後輪よりも頻繁に変えながらバランスをとりつつ走っているわけです。
そういう動きをしているので、前輪の接地点は、バイク全体から見る時には、前輪の接地点でバイク全体を支点として固定しているのではなく、微妙に首を振りながら後輪+車体の動きに追随していく動きとなり、その動きの支点はフロントフォークとフレームの接点、つまり、アンダーブラケット付近となる……というのが、ホンダの、大まかな考え方だと言っていいと思います。(これはホンダに直接訊いたわけではないので、間違っている可能性もありますが)
やっぱりわかりにくいと思いますが、理屈だけ述べるとしたら、このようになります。
体感するために、スタンディングのステップ踏みで感じられない場合は、教習所のスラロームの動きをさらに速く細かくする感じで右左と連続してやってみると、バイクの動きがわかりやすいと思います。
試される場合は、どうぞ、安全な場所で、速度を出し過ぎずに試してみてください。
長々とすみませんでした。
参考になれば幸いです。
ありがとうございます。
わたしは以下のように理解しました。
バイクは確かに、常に前輪と後輪の接地点を支点に左右に傾く。
しかし、人間は後輪の接地点とバイクの重心を結んだ線(仮想ロール軸)を想像して、その線にそって傾ける!とイメージした方が、人間の感覚的に曲がりやすくなる。
もし、間違いがあれば、また教えてください!
ありがとうございました!