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質問です (とあるZRX1100乗り)
2010-03-29 23:27:32
はじめまして。
大変興味深く読ませていただいております。
イラストも凄くわかりやすいです。

が、上から見た図のトコロなのですが

>しかし、上の図の後ろ側がスイングしながら
>倒れていく感覚は、乗車時に分かりやすい認
>識だと思います。

読んでいて少し混乱してまして、

右にバンク(ロール)させた場合
ステアリングヘッドを支点として見た場合
後ろ側がどちらに振られるように感じる
のでしょうか?
バイクが右へ旋回するのですから左側にスイングする感じなのでしょうか?
バイクを倒しこんでいく時に後ろ側がスイングしていく感覚はちょっと私にはわからないので
・・・
変な質問すいません。

 
 
 
お詫びして訂正します。 (樹生和人)
2010-03-30 07:18:16
「とあるZRX1100乗り」さん、こんにちは。
お読みいただき、そしてご質問いただき、ありがとうございます!

ご質問の件、実はコーナリング時、実際のバイクの動きと違うところがありまして、それで混乱されたのだと思います。
まずはお詫びいたします。

さて、「右にバンクした場合、車体後方はどちらに振られるか?」ですが、この答えは、
「右側にスイングしつつ倒れる」です。

ステアリングヘッド付近を動かない支点としてとらえた場合は、リヤタイヤの接地点とステアリングヘッド下を通るロール軸を回転軸としてロール運動を起こしますので、車体の後方・上方は右側に回転しながら、スイングするように動きます。

右コーナーに入るときに車体後部を左に振るのは、モトクロスなどでフロントを軸としてリヤをアウト側に振り出す、四輪で言えばブレーキングドリフトのような場合になります。
基本的なグリップ走法の場合は、グリップしているリヤタイヤの接地点とステアリングヘッド下を通るロール軸を回転軸にロールの動きが起こり、車体後方は内側にスイングします。

しかし、それはバイクを基準として考えた場合、自分が倒れて(バンクして)いく動きがそのように感じられるはずだということで、
実際のコーナリングでは、傾くと同時に車体のヨー運動(=つまり向きが変わる運動です)が起こり、ステアリングヘッド付近が動かないのではなく、右に向きを変えていきます。

ですから、「バイクを固定して考えれば」、「ライダーはステアリングヘッド付近を支点として後方を振りながら内側へ倒れていくような動きが感じられる」のですが、
路面(地球)を基準に考えれば、バイクは倒れながら(=ロール運動をしながら)右に向きを変えていく(=ヨー運動をする)ので、
そのように見る場合、「上から見た図」のように単純に感じられるわけではありません。

そのあたりで混乱が生じたのかもしれません。
だとしたらそれは「とあるZRX1100乗り」さんのせいではなく、私の記事の責任です。

「とあるZRX1100乗り」さんのご質問から
「上から見た図」の間違い、問題点も見えてきました。
この図は、直立したまま後方が弧を描いてスイングしているように書かれていますが、本当はリヤタイヤの接地点はこの図の場合動かないので、左右に触れた部分の絵は、右側は右に傾いて、左側は左に傾いて描かれなければならないのでした。
その不正確さが、「とあるZRX1100乗り」さんの混乱を招いてしまったのだと思います。

改めてお詫びいたします。
すみませんでした。
(「上から見た図」は正しい図が出来たら、下に訂正版をUPします。)

正確に言えば、右コーナーへの倒しこみの場合は、
車体が倒れると同時にロール軸事態が右へと方向を変えていき、その動くロール軸に沿ってバイクとライダーはさらに傾きながら旋回していくことになります。
(これがまた、わかりにくいかと思います。
(次回、なんとか図解したいと思います。)

しかし、ご指摘いただいたおかげで、図の間違いに気づくことができました。

「リーンとロール軸(5)」は、路面を基準にしたときのロールとヨーの動きについて書く予定でした。
この3次元の図が描けなくて記事のUPが遅れているのですが、
「とあるZRX1100乗り」さんのご質問を踏まえて、出来るだけ正確で、できればわかりやすい記事にしたいと思います。

ライテク記事の次回更新までまだ少し時間がかかると思いますが、どうぞご勘弁ください。

私の返答は「とあるZRX1100乗り」さんのご質問にちゃんと答えられているでしょうか?
ますますわかりにくくなったような気が…。

また、不明なことや、おかしなところなどありましたら、どうか、ぜひご指摘下さい。

「とあるZRX1100乗り」さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
Unknown (とあるZRX1100乗り)
2010-03-31 18:10:51
たいへん御丁寧なご説明ありがとうございます。
また更新を楽しみにしております。

バイクを力まずにスコーンと寝かしこんでる時はロール軸に沿ってる感じが確かにします。
(狭い道や急な下り坂などでは力んでしまってうまくいかない事が多いですが)
 
 
 
力を使わないライディング (樹生和人)
2010-03-31 19:52:48
とあるZRX1100乗りさん、ありがとうございます。
次回更新は週末頃となると思います、どうかお待ち下さい。

「力まずにスコーンと寝かしこむ」ことが出来ているときが、たぶん理想的な無理のないリーンの状態だと思います。
その「うまく行った時の感覚」を身体で覚えて、徐々に無駄な力みをいろんな場面でなくしていくことが、安全で、疲れず美しいライディングへとつながると私は考えております。

ZRX1100の場合、低速の狭い道でのターンでは、バイクだけを身体の下で遊ばせるように倒しこむ、リーンアウトに自然に持っていくようにすると、くるっと小回りしてくれると思います。
始めはもどかしくても、もう一段進入速度を落とし、四つ角を曲がるようにターンすると、きれいにきまることが多いようです。
慣れてきて、進入が遅くて物足りなく感じたら、はじめて進入速度を上げていくとうまく行きます。
苦手な人の多くが、早く走らねばという強迫観念?に迫られ、全体的に速度を上乗せしようとして、曲がり始めを苦しくしているように思うのです。
速度の上乗せはコーナーの脱出-立ち上がり加速の部分からトライするのが、安全で速く、気持ちいいライディングだと、私は考えています。

柏秀樹氏のライディング論ではそのようなことを述べられることが多いと思います。

ああ、また余計な事をおしゃべりしてしまいました。
申し訳ありません。
失礼の段、どうぞお許し下さい。
 
 
 
うむむ・・ (とあるZRX1100乗り)
2010-03-31 21:50:02
>>リーンアウトに自然に持っていくようにする
>>と、くるっと小回りしてくれると思います

度々の返信ありがとうございます。
長年ダラダラとバイクに乗り続けてきた私なのですが、最近リーンウィズ(と自分が思ってた)普通に交差点とかを右左折する時のフォームが結構リーンアウト気味だったのに気づいた次第です。
自分では若干(というか結構)リーンイン気味だろうという位置に頭を持っていってようやく
見た目がウィズだったという…
矯正前の感覚で「それじゃあリーンアウトで」
となると凄くおかしな感覚になってしまい、ますます混乱(当たり前ですが)

人によっては逆の方もいるでしょうし、その場合、雑誌等のライテク記事での読む側の感覚的な記事の捉え方は物凄い違った物になる可能性があるのだな~等と思いました。

いずれにしてもバイクの運転は奥深くおもしろいものですね。
 
 
 
無意識に (樹生和人)
2010-04-01 18:14:00
とあるZRX1100乗りさん、こんにちは。

無意識のうちに、力むことなくリーンアウト気味になっていたのであれば、前回の私のコメントの内容はもうすでに実践されていたのではないかと思います。

バイクは、無駄に力を入れず、バイクを動きを感じるようにして操作していくと、次第にそのバイクにとって一番効率のよい操作になっていくように出来ているらしいです。

理想は、ただ、曲がろうとする、ただ、乗っている、という境地、それでいて自由で自在な操作が出来ている境地なのですが、私の場合、道ははるかに遠いです…。

おっしゃるとおり、ライテク記事の表現は、人により受け取り方ががらっと変わってしまうこともあると思います。
出来たときがわかったとき、という場合も多く、このできかた、わかり方も千差万別で、なかなか難しいですね。

言葉にすると、どうしてもあいまいさや間違いが入り込んでしまうのですが、それでもライテクについて考え、いろいろ試すことが好きなので、これからも、書いて行きたいと思っています。

とあるZRX1100乗りさん、どうぞこれからもよろしくお願いします。
 
 
 
Unknown (けんごう)
2019-07-29 08:16:06
こんにちは
「バイク ライディング フロント 遅れ」
でヒットして参り、じっくり読ませていただきました。

大変丁寧な文面かつ、分かりやすい内容で好感が持てます。「コーナーには肩から入る」というところは昔、片山敬済氏のライテク本から学んだ記憶が残っており、今でも実践しておりますが、あらためて認識しました。

また寄らせていただきます。
 
 
 
ありがとうございます。 (樹生和人)
2019-07-29 20:29:46
けんごうさん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。

この記事を書いたのが2010年、今、2019年でほぼ10年が経とうとしています。
その間、タイヤもバイクも進歩し、電子制御がかなり浸透し、ライテクもかなり変わってきました。
しかし、二輪でフロントに操舵装置を持つ車体をバランスして走らせるという基本は変わっていないので、この「リーンとロール軸」の記事もまだ有効な部分が残っていると、私は考えています。

とはいえ、私自身、ただの一素人にすぎません。
どうぞ、批判的にも読んでいただき、この記事の有効性はご自分で判断くださるようにお願いいたします。

このようにごらんいただき、コメントをいただけるのは、書き手として非常にありがたく、うれしいことです。
けんごうさん、ありがとうございます。

質問や、ご指摘等ありましたら、コメントください。
返信が遅れることもありますが、必ずお返事いたします。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
よく分かりません (ヒデ)
2024-11-11 23:49:00
楽しいく、素晴らしいく、独創性にあふれた解説ありがとうございます。

私的には、そもそも、ロール軸などありません
確かに、ロールとヨーの動き方、前輪、後輪の動きを感じて、感覚的にあたかもロール軸を中心ロールが動いているようにお話しされていますが・・・

最新のスポーツバイクでは、キャスターが立ち、スイングアームが長く、重心が低いので、「フロントの遠回り」の感覚はほとんどなくなっています。

というのも、おかしいです。
それは、諸元から来ているものではなくて、フレームの剛性
ヘッドパイプのねじれ方が変わってきているので外回り感覚がなくなっているんですよ。

確かに、フレーム、リヤフォークの剛性バランスで、フロントの外回り感、リヤのステア感などを感じる事はありますし、それも剛性セッティングの一つですが
ロール軸は、存在しないとおもいますよ。
 
 
 
ヒデさん、ありがとうございます。 (樹生和人)
2024-11-13 15:26:15
ヒデさん、丁寧なコメント、ありがとうございます。

また、重要な指摘もありがとうございます。

外回り感が亡くなった理由についてのヒデさんのご指摘、その側面もとても大きいと思いました。一方で私が書いた理由も完全に間違いとも言い切れないとも思いましたが、長い話になるので、それは省略いたします。
大変重要なご指摘でした。
ありがとうございます。

さて、「ロール軸」は私の独創ではなく、昔からある用語です。
ホンダではバイクの設計時に「仮想ロールセンター」(概念的にはロール軸とほぼ同義)を重要項目として設定していました(2024年現在どうかは直接訊いていませんのでわからないため、過去形にします)。
これは例えば『バイカーズステーション誌』2019年2月号をご覧になれば分かります。詳しくは同誌、2014年10月号に詳しく掲載されています。語ってくれたのは、VFR750FやRC30の設計をした本多和郎氏です。
さらにさかのぼると、1980年代から『ライダースクラブ』誌でこの言葉は使われていました。

フロントの外回り、リアのステア感などは、むしろヨー運動の中心を車体のどこに感じるかという問題ですね。
私のこの記事では、ロール方向の動きとヨー運動の動きの両方を書いていますので、ロール軸そのものについては、この前の記事(リーンとロール軸3)をご覧いただければと思います。

ロール軸とは、バイクが傾く方向で動くときに、どのようにロールするか、その回転中心軸はどこか、という話題です。
その中心軸が「ない」というのは、これもまた難しい議論になっていくかと思います。

ただ、ここで私は「ロール軸はないと思う」とおっしゃったヒデさんの意見を否定するつもりはありません。
逆操舵(プッシングリーン)議論にしても、ロール軸にまつわる議論にしても、もううんざりするほど議論がなされてきていますが、その議論が互いに豊かな理解とMCに対するさらなる楽しさ、よろこびをもたらすかというと、そうではなくて、逆に罵倒や冷笑、苛立ち、分断を招くことがほとんどのように見えるからです。
どっちが間違っているか、ではなく、各自がそれぞれの意見を参考にしながら、自分の愛車との関係や動きを理解していく「よすが」にすればよいと考えています。

ヒデさんの今回のコメントも、私に改めて考えるきっかけを与えてくださいました。
改めて感謝申し上げます。
 
 
 
楽しみにしています。 (ヒデ)
2024-11-20 22:24:08
先日は、大変失礼しました。
以下に賛成します。

その議論が互いに豊かな理解とMCに対するさらなる楽しさ、よろこびをもたらすかというと、

どっちが間違っているか、ではなく、各自がそれぞれの意見を参考にし

最終的には、オーターサイクルライフを楽しむことが一番です。
 
 
 
ありがとうございます。 (樹生和人)
2024-11-21 21:43:10
ヒデさん、ありがとうございます!!
一番大切な部分で賛同しあえたことを、
とてもうれしく思います。
最初にいただいたコメントも全く失礼なものではなく、
真摯でかつ、モーターサイクルの車体設計のテクノロジーを継続的に追って理解されている方でないとできない指摘で、大変ありがたく思っております。
ヒデさんにいただいた指摘も含めて、さらに考えていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
 
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