日本の伝統技術

今日、仕入先候補の高橋刃物製作所を訪問しました。
初めて訪問したのは１０年前で、その時も社長と話し込んだ覚えがあります。
しかし、今日はショッキングなお話を伺いました。
来月でこの製作所を廃業するそうです。

この製作所では、ステンレス刃物を得意にしています。
ステンレスは柔らかくて元来刃物に向きません。
しかも43番ですから、サビに強い反面粘っこくて加工が難しいのです。
炭素をまぶして焼入れしても、炭化クロムが生成され固くならないそうですが、高橋社長は独自の技術で、炭化クロムから炭素を排出させ、表面を強靭にする技術を発見されました。
普通の砥石では刃が砥げないので、セラミック砥石を使用しなければなりません。
日本に後継者がいなければ、海外から研修生を派遣することも事業として考えていますが、なんとか続けていただきたい思いでいっぱいです。