**きっかけ**
積読本。いつ購入したのか不明。1年前くらい?
**あらすじ**
作品名/主人公:事件名
桜田門外の変/有村時治左衛門(薩摩):桜田門外の変
奇妙なり八郎/清河八郎(出羽):清河八郎暗殺
花屋町の襲撃/陸奥宗光(紀州)、後家鞘彦六(宇和島):三浦休太郎暗殺(未遂・龍馬暗殺の復讐)
猿ヶ辻の決闘/大庭恭平(会津):姉小路公知暗殺
冷泉斬り/間崎馬之介(長州):冷泉為恭暗殺
祗園囃子/浦啓輔(大和十津川):住谷寅之介暗殺
土佐の夜雨/岩崎弥太郎(土佐):吉田東洋暗殺
逃げの小五郎/桂小五郎(長州)、堀田半左衛門(但馬出石):-
死んでも死なぬ/井上門多、伊藤俊輔(長州):イギリス公使館焼打ち事件
彰義隊胸算用/寺沢新太郎(直参):彰義隊分裂
浪華城焼打/田中顕助(土佐):大利鼎吉暗殺 等
最後の攘夷志士/三枝蓊、田中顕助:イギリス公使パークス暗殺(未遂)
**感想**
短編だけに、ちと物足りなさが残った。
それに扱っているのが、暗殺を中心とした事件。
最近テロの話題が多くて、それに通ずるものを感じてちょっと暗い気持ちになる。
ただ、被害者の立場であれ、加害者の立場であれ、一途に「忠誠」を貫こうとした幕末志士達の、いきいきとした姿は、何の志もないわたしにはまぶしく感じる。
司馬氏はあとがきで
「暗殺だけは、きらいだ。」
としている。そして、
「このましくないが、暗殺者も、その兇手に斃れた死屍も、ともにわれわれの歴史遺産である。」
と言う。
また
「書きおわって、暗殺者という者が歴史に寄与したかどうかを考えてみた。
ない。」
とも言っている。
こうした姿勢が、いつまでも愛される司馬作品の核になるところなんだろう。
お気に入り箇所(そして人)
1
「死んでも死なぬ」井上門多(馨)
攘夷放棄を藩に提案したが受け入れられず、藩が戦いにやぶれて藩庁の意見が講和に傾くと、井上は「戦さを続けろ」と重臣に怒号する。
他の作品にも見られるシーンだが、やっぱりここでの井上の生き方は好きだなぁ。
2
「彰義隊胸算用」天野八郎
純粋に忠誠を尽くす。
味方が逃げ惑うなか、ただ一人戦う姿は哀れ。
3
「最後の攘夷志士」三枝蓊
世論が攘夷から開国に流れる中、頑なに攘夷を通そうとする。
数ヶ月前にこのイギリス公使パークス暗殺事件が行われていれば、それは正義だった。
維新後仲間は男爵等になっているが、この三枝は士籍を削られ斬首。
靖国神社にも合祀されていない。
辞世「今はただ何を惜しまむ国のため 君のめぐみをわがあだにして」は涙をそそる。
積読本。いつ購入したのか不明。1年前くらい?
**あらすじ**
作品名/主人公:事件名
桜田門外の変/有村時治左衛門(薩摩):桜田門外の変
奇妙なり八郎/清河八郎(出羽):清河八郎暗殺
花屋町の襲撃/陸奥宗光(紀州)、後家鞘彦六(宇和島):三浦休太郎暗殺(未遂・龍馬暗殺の復讐)
猿ヶ辻の決闘/大庭恭平(会津):姉小路公知暗殺
冷泉斬り/間崎馬之介(長州):冷泉為恭暗殺
祗園囃子/浦啓輔(大和十津川):住谷寅之介暗殺
土佐の夜雨/岩崎弥太郎(土佐):吉田東洋暗殺
逃げの小五郎/桂小五郎(長州)、堀田半左衛門(但馬出石):-
死んでも死なぬ/井上門多、伊藤俊輔(長州):イギリス公使館焼打ち事件
彰義隊胸算用/寺沢新太郎(直参):彰義隊分裂
浪華城焼打/田中顕助(土佐):大利鼎吉暗殺 等
最後の攘夷志士/三枝蓊、田中顕助:イギリス公使パークス暗殺(未遂)
**感想**
短編だけに、ちと物足りなさが残った。
それに扱っているのが、暗殺を中心とした事件。
最近テロの話題が多くて、それに通ずるものを感じてちょっと暗い気持ちになる。
ただ、被害者の立場であれ、加害者の立場であれ、一途に「忠誠」を貫こうとした幕末志士達の、いきいきとした姿は、何の志もないわたしにはまぶしく感じる。
司馬氏はあとがきで
「暗殺だけは、きらいだ。」
としている。そして、
「このましくないが、暗殺者も、その兇手に斃れた死屍も、ともにわれわれの歴史遺産である。」
と言う。
また
「書きおわって、暗殺者という者が歴史に寄与したかどうかを考えてみた。
ない。」
とも言っている。
こうした姿勢が、いつまでも愛される司馬作品の核になるところなんだろう。
お気に入り箇所(そして人)
1
「死んでも死なぬ」井上門多(馨)
攘夷放棄を藩に提案したが受け入れられず、藩が戦いにやぶれて藩庁の意見が講和に傾くと、井上は「戦さを続けろ」と重臣に怒号する。
他の作品にも見られるシーンだが、やっぱりここでの井上の生き方は好きだなぁ。
2
「彰義隊胸算用」天野八郎
純粋に忠誠を尽くす。
味方が逃げ惑うなか、ただ一人戦う姿は哀れ。
3
「最後の攘夷志士」三枝蓊
世論が攘夷から開国に流れる中、頑なに攘夷を通そうとする。
数ヶ月前にこのイギリス公使パークス暗殺事件が行われていれば、それは正義だった。
維新後仲間は男爵等になっているが、この三枝は士籍を削られ斬首。
靖国神社にも合祀されていない。
辞世「今はただ何を惜しまむ国のため 君のめぐみをわがあだにして」は涙をそそる。
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