塚田國之の独り言

信州の山奥に隠棲する自称・枯れ仙人の独白

若山牧水

2009年10月31日 04時33分11秒 | 日記
晩秋である。牧水の歌「白玉の 歯に染みとおる 秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」を心の中で暗唱しながら、崖上の小さな庵の床机に座り、月の昇るを待ちながら、松葉焚く五徳で燗をした大吟醸の杯を傾けている。

ターグ仙人は長野県佐久市岩村田近くの出身。牧水は大正11年10月、信越線御代田駅から岩村田へ向かい、そこの佐久ホテルに逗留(とうりゅう)、数々の作品を残した。仙人は、酒の味も知らない頃、牧水の作品の何たるかも理解せずに、彼の作品を眺めていたわけである。

牧水は一日一升程度の酒を呑んでいたと言われる。死因も肝硬変。夏の暑い盛りに死亡したが、死後しばらくしても腐臭がしなかったため、「生きたままアルコール漬けになったのでは」と、医師を驚嘆させたという。

海外航空事故があると、日本人の死体だけは腐らないそうである。理由は加工食品から多量の「腐敗防止剤」を摂取しているからだそうである。(-_-#)

月が昇った。酩酊の目には月光が朧になる。さて、下界に向かい絶唱するぞ・・
「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」牧水

山麓仙人の生活雑記①・・ドクトル・ジバゴ

2009年10月30日 04時30分18秒 | 日記
申し訳ないのですが、わが愛犬ラーラは映画「ドクトル・ジバゴ」のヒロインから頂戴した名前です。

昨日の朝、先月に栗を拾った車道脇に、成長したワラビの原野が、未だ青々と広がっているのを発見。春のワラビシーズンには全く気がつかなかった場所である。
こんな車道脇にワラビが密集しているなんて、仙人は考えもしなかった。
通る人や車の人も当然考えなかったであろう。
一本も手折られた気配のないワラビの集団がすくすくと葉を広げていた。

仙人は、急いで帰って、5年連用日記の来年5月1日の欄に、詳細な地図まで描いたメモを貼付。
来年の春には、愛犬ラーラちゃんとの登山の帰りにワラビ狩りだね。ふふ。

山菜やキノコなどは意外に身近な所に芽を出している。普段、車で通ると気づかない道も、歩いてみれば、両側に栗、キノコ、ワラビ、タラの芽、ラズベリー、コゴミなどなど、貴重は山の幸がいっぱいなのである。わ~い。(^o^)/

その場所と採れる時期を頭に入れておくのが仙人生活のコツなんです。

それにしても、今年はキノコの収穫ゼロ。山にキノコが出てません。
仙人の記憶でも、ここ十数年無かったこと。不思議・・・ムム(汗)

生まれつつある史上最大の過剰・・⑳最終回

2009年10月29日 04時19分29秒 | 日記
日本の隣り、中国の人口は13億人と推察されています。その向こうのインドの人口は11億人といわれます。

戦後の日本が経済成長への道を走り、最終局面では過度の輸出生産力と過剰流動性に翻弄されていた頃、中国大陸の13億の人口は共産主義体制の下、厚い氷に覆われたグーンランドやシベリア大陸のように、生産活動が行われることなく休眠をしていました。

今、中国は、開放経済の下、大陸の氷は沿岸部から徐々に溶け出し、暖かくなった水の中には沢山の魚や生物が発生し、活発に活動を始めています。

内陸部の氷の面積と厚みはどんどん小さくなり、近い将来、13億の人口全部が生産活動や経済活動に参加するようになるでしょう。

近い将来、お隣の国には、史上最大の「過剰」が発生する筈です。

1万円以下のスーツや千円以下のジーンズなどを話題に、日本の中に流入を始めている繊維製品や農水産製品の洪水は、そのささやかな前触れでしかないでしょう。これだけ近い場所に「史上最大の過剰が誕生する」事態がどういう未来を招くかは、誰も想像することができないでしょう。

でも、覚悟はしておかなければなりません。どうなるかを正確に予想することは誰にも不可能ではありますが、バブルが再度発生する99.999%の可能性と共に、その認識をしておくことは国にも国民にも必要なのではないでしょうか。

緑陰中の瞑想で、これに関し、皆様にアドバイスできるものが、少しでも見つかりましたら、何時の日か公開をしますね。(このシリーズは終りです)

*20回も理屈っぽいシリーズが続きましたので、明日から暫くは、仙人の山麓生活などを紹介する雑記風なもので行きますね。

今後も続く過剰の押し付け合い・・⑲

2009年10月28日 04時13分10秒 | 日記
バブル崩壊後の日本が辛うじて破綻せずに来られたのも、アメリカがサブプライムローンで、移民に家を持たせ、その人々が車やテレビなどを、もの凄い勢いで買ってくれたからです。最近までの日本の中部圏が元気だったのはその典型です。

これからも、世界は過剰の押し付け合いを続けるでしょう。世界大戦を防ぐには、何処かで誰かが壮大な浪費をしてくれる必要があるからです。

アメリカを中心に世界の何処かで、誰かがマネーを作り出し、壮大な浪費をし、それに乗せられて、日本のような真面目な国の国民が必死に働いて、その浪費を続ける国に製品を輸出し続けるでしょう。
そして受け取ったお札は、祭が済んでしまえば、一夜にして木の葉に変わっているという歴史を何度も繰り返すことでしょう。

夢を見たのです。あきらめましょう。
過剰を一気に消すために原爆が使われるよりはいいと考えましょう。

でも、日本も木の葉をお札に変えて、世界中から、いいものを買い集める「化けタヌキ」の側に、一度でいいから、なってみたいですよね~。

あ!無理ですね。武力がなくては。(続く)

仮の話・日米戦争勃発・・⑱

2009年10月27日 04時45分09秒 | 日記
日本の過剰マネーが米国ニューヨークの高層ビルやハワイのリゾートホテルを買い漁っていた頃に、仮の話として、日本が軍事力で米国に依存していない国だったとしたら、何が起きたでしょうか?

アメリカ人の精神を象徴するようなロックフェラーセンターを日本に買い占められたニューヨークのセントラルパークでは「日本はアメリカから出ていけ」というプラカードを掲げたデモが始まるかもしれません。やがて、デモはエスカレートして、日本が買い占めたビルの前で座り込みやピケ(封鎖突破を見張ること)が始まるかもしれません。

経済権益を阻害された日本は、強硬に米国政府に抗議します。
しかし数年たっても、この事態が解消されないことに業を煮やした日本政府は自国軍隊を派遣し、強制的にこのピケを排除しようとするかもしれません。
インド独立戦争やアヘン戦争の勃発と良く似ていると思いませんか?

「経済権益を侵された」「経済権益を確保する」は19世紀、20世紀を席巻した帝国主義戦争で掲げられた大義名分の常套句です。日本の泥沼戦争への始まりとなった満州事変の勃発理由も「満州権益の確保」でした。

世界で起きた戦争の多くは「ある地域で発生した過剰な生産品や資本が、まず外部の地域や他国に流出し、そこに発生した経済権益を確保するために、次に軍事力が外国に進出して行く」というパターンを踏んでいることが多いのです。

「過剰」が豪雨後の洪水のように周辺に押し出し、その経済進出が、最後には戦争となって世界の歴史を動かしてきた一例です。

*余談ですが、このシリーズ⑫「日米構造協議」で触れた事件も、徳川政権が外様大名に河川修復や城普請を強要し、その経済力を奪おうとした発想や、家康が豊臣方に方広寺大仏殿修復などをさせてその財力を削ごうとした行為と良く似ていると思いませんか?
権力側の発想としては結構シンプルで初歩的な手法が現代でも立派に活きていることは新鮮でもあります。