フレンチごった煮

フランスやら欧州やらいろんなトコロの情報をお届けします。

ジャン=マリー、孤立

2008-04-29 00:17:46 | Weblog
一時は大統領選挙の決選までに出てたジャン=マリー・ルペンおやじ。大声でがなり立てるフレンチ右翼でしたが、最近はマスコミ露出度もめっきり減った。去年の大統領選ではガタガタ、彼の政党「国民戦線」も資金不足に陥り、本部の「豪華客船」と呼ばれた立派な建物も売りに出てます。

でも、マスコミに注目されたいのか、先日は又もや
「ナチスによるユダヤ人大量虐殺は歴史のディテールに過ぎない」
と「ブルトン」誌のインタビューで答えてしまったんですな(以前も同じ発言で大騒ぎを起こしてる)。

これには、ジャン=マリーの後継ぎである娘のマリー・ルペンも「国民戦線」政党のスポークスマンも「同意できない」と表明してます。
今年80歳を迎えるジャン=マリー氏、孤独な老後になりそうです。

今晩のテレビ

2008-04-28 23:47:13 | Weblog
TF1ではテレビ映画、『Papillon Noir 黒い蝶』を放映。サッカー選手から俳優へ転向したエリック・カントナが出てます。台詞は棒読みなんだけど、存在感はズッシリ。お話は連続殺人事件を背景に、山奥で偶然に知り合った男二人が繰り広げる心理サスペンス、クリスチャン・フォール氏が演出。

フランス2では『モリエール賞』、セザール賞の演劇版ですね。誰が一番セクシーなドレス姿か、投票したいところです。

フランス3は『ルーベ市中央警察署』。ある老婆殺しを追う警官や刑事に密着して撮ったドキュメンタリーです。監督はモスコ・ブコー氏。

アルテではイジルド・ル・ベスコ出演の『A tout de suite 』(ブノワ・ジャコ監督)、若者たちの逃亡劇だそうです。ところで、ル・ベスコちゃんって監督もしてるんですねぇ、唯のむちむち女優かと思ってたワタシが無知でした。

パリ版「仁義なき戦い」

2008-04-28 23:46:27 | Weblog
先週ですが、パリジャン・ギャングの裁判がアミアン市でありました。

この方々は2000~2002年、北仏などで100人以上のお金持ちを強盗したオルネック兄弟とその一味。求刑は3年から7年の禁固ですが、、、オルネック・ファミリーといえば、パリの闇社会を牛耳ってたオソロシイ一家ですよぅ。

パリの東、モントルュイ市で育ったジプシー系のマリオ、ジャン・クロードとマルクの三人兄弟は盗難車の仕事から始め、銀行強盗、ギャンブルや麻薬に手を伸ばしていった。1980から90年代のお話です。
彼らの強みは連帯感が強いジプシーの家族や親戚で組織を作ったこと、それとマグレブ系やコルシカ系のファミリーと手を握ったことです。
対立したギャングのボスたちは消して(有名な「ベルギーのフランシス」も彼らに暗殺されたらしい)、マルク・オルネック氏はパリのゴッドファザーと呼ばれてました。

だから、金持ち宅に押し入って盗む、なんてお小遣い稼ぎですがな。

一応、判決が下るのは6月5日だそう。

ジャメル、ミッテラン、ダーウィン

2008-04-22 15:13:57 | Weblog
今晩のテレビはドキュメンタリー系で目白押しです。

フランス2局では史実を基にした政治歴史フィクション、『ヴィッシー時代のミッテラン』。ヴィッシー政権は、ご存知のようにナチスと全面的に協力した「仏政府」ですが、若きエリートとして活躍したのがフランソワ・ミッテランだったんですね (その後、レジスタンスに転向した)。
監督はジャーナリストのセルジュ・モアティ。

最近はTF1を意識してるM6局、日曜日の夕方に放送の『66分』を今晩はスペシャル版で !
15分ぐらいのルポを4本(プロデュサーとしても才能見せるジャメル・デゥブーズ、沈みゆく象牙海岸、など)、その後に長いやつ(中国の炭坑でこき使われる労働者)をお届けします。
司会はマグレブ系のアイディ・トゥリ嬢。

そして、視聴率最低局のアルテでは『ダーウィンの悪夢』、劇場公開されてましたね。
魚屋に並んでいるナイルパーチという白味魚、安くて美味しいんですが、養殖されてるのがタンザニアのビクトリア湖。その舞台裏に迫る映画です。監督はフーベルト・ザウパー。

ブリオシュは如何

2008-04-19 14:36:51 | Weblog
いやはや、権力争いとはオソロシイもんで、フランス革命で処刑されてしまったマリー・アントワネット王妃もいろいろと濡れ衣を着せられたんですね。

飢えた民衆がデモしてたら言いっ放ったという名台詞、「パンが無いなら、菓子でも食べれば !」、これウソらしいです。
ウザくて偽善的なべルサイユ城の生活を嫌っていた彼女は、多くの貴族を敵に回していました。そいつらは事実を誇張し、尾ひれ付け加えて王妃の虚像を作り上げた。民衆の支配階級への憎悪も加わって、マリー・アントワネット=トンデモ悪女という図式が出来ちまったんですな。

実際、派手好きのお嬢だったんで反感を買うような事もあったんですが、その人物像に迫る展覧会がグランパレで開催中。あの「首飾り」も展示されてますよ。

ジャガイモ

2008-04-19 14:05:03 | Weblog
1930年代、田舎で使える頑丈で安価なクルマが造れないか。農夫が二人乗って、デコボコ道を走り、ジャガイモを載せる空間もあるクルマ。それが2CVだったんですが、ユニークな外観、簡素で丈夫な造りは1960年代の若者にも受けて、現在でもファンが世界中におります。

誕生したのが1948年ですので今年は60周年、科学産業博物館ではこの機会に2CVの展覧会を開催中です。


20周年

2008-04-18 19:56:33 | Weblog
フランスの漫談というかワンマンショーというかスタンドアップというか、つまり一人舞台でおモロイ話をする形式は昔からありました。戦後はフランス人を見事にカリカチュアしたフェルナン・レノー、ナンセンス炸裂のレイモン・ドゥヴォス、70~80年代を代表するコリュシュ、ブドスやデプロージュなどなど、ですね。

今日は、そのピエール・デプロージュが亡くなって20年目の命日。多分、最も辛辣に フランス社会を皮肉った人でしょう。諷刺の対象は政治や左派知識人、戦中のレジスタンス、身体障害者などにも及んで反響になりました。
デプロージュの酸性ユーモアはただのお流行りに終らず、『Vivons heureux en attendant la mort 死ぬまではシアワセに生きよう』などの著作は今でも静かなベストセラーになってます。

裸のおかーさん

2008-04-18 15:04:58 | Weblog
流行りましたよね、素人がヌードになったカレンダー。
スペインでもビルバオの消防士がカレンダーを作って大人気でした(でも公務員がそんな事して良いのか)。そこで、セラディリア村のお母さんたちも考えました。
「こんな田舎じゃテーマパークなんてないし、子供達が可哀想よ。あたし達が一肌脱いで資金稼ぎして施設を建てましょう」
と、7人のママさんが自ら撮影したカレンダーを製作した。でも、刷った7000部の内、売れたのは1500部だけ。印刷代も出ませんから、怒った印刷屋に告訴されちまった。

そんな騒ぎに展開したからか、マスコミに知られ、スペイン国内どころか欧州、アメリカから注文が殺到しているそうな。
完売になったら、今度は裸のおと-さんシリーズかなぁ。

聖なる山

2008-04-18 14:38:00 | Weblog
アルテ局の「シネマ・トラッシュ」、今日は『ホーリー・マウンテン』ではないですかぁ。シュールな詩的?映像が延々と流れる、アレハンドロ・ホドロフスキーの迷作です。

ある泥棒(キリストみたいな格好のお人)がヘンテコな仲間達と、不老不死の薬を求めて聖なるお山に向かいます、、、と言っても、ストーリー展開は滅茶苦茶なので、ホドロフスキーが一生懸命撮った映像を楽しんだ方が良いんでしょうね。
尚、脚本・監督・出演やってるアレハンドロさん、音楽まで担当してます。

今晩、11時半より放映です。

フィヨン氏、日本で公表 (2)

2008-04-13 18:54:04 | Weblog
って、本人が言った訳じゃないんだけど、お相撲が好きだとか。
フランスメディアが来日中のフィヨン氏の奥さまにインタビューしたところ「夫はこの格闘技が好きです」とお答えしておりました。

サルコジ大統領は大臣時代に「頭をテカテカさせたデブがレスリングするって何処が面白いんだ?」と言って大騒ぎになったことがありました。日本に対して失礼、というより相撲大ファンだったシラク大統領(当時)への挑発だったんですね。

サルコ氏の陰にいるのが飽き飽きしたのか、最近は支持率も高いフィヨン首相、挑発を始めたんでしょうか。

海賊退治

2008-04-13 18:29:21 | Weblog
今晩はTF1局が『007/ダイ・アナザー・デイ』を放映。ハリー・ベリーが「ドクターノウ」のアーシュラ・アンドレスみたいに水着姿で出てくるやつです。

ところでボンドも顔負けのアクション事件がソマリアの沖合いでありました。
仏の豪華帆船、ボナン号が海賊に乗っ取れたのは4月4日のこと。お客さんはおらず、クルーが30名乗ってたんですが、当然人質になりました。
で、昨日、要求されてた身代金をフランス当局が渡したところで、控えていた特殊部隊がヘリコプターなどで攻め込み、人質を救助、海賊はタイホ、身代金のほとんどを回収したということです。やりますね、フランスのエリート部隊も。

これを機会に、フィヨン仏首相は海賊行為を取り締まる国際組織(例の国連軍みたいな)が必要だと公表しました。

王子、一家虐殺

2008-04-11 15:34:12 | Weblog
1994年にサルト県(ルマン市があるところ)の村で悲惨な事件がありました。クリスチアン・ルプランス氏の一家が自宅で血みどろの遺体で発見されたのです (2歳の末娘だけが生き残った)。
金も盗まれてないし、錠も破られてない、凶器は肉屋の包丁のようだという事で兄のダニーが疑われました(彼は食肉工場で働いていてました)。おまけに、会社を起こして成功していたクリスチアン氏にダニーはどす黒い嫉妬を抱いていた。彼の奥さん、マルチ-ヌさんの決定的な目撃証言で、ダニ-氏は終身禁固の刑に。。

ところが、犯行現場の血液分析を警察がしっかりやってなかった事がここ数年で判明。それどころか、再び捜査したところマルチ-ヌさんの血液DNAが検出されたんですな。彼女は前夫を執拗に告発していて、おまけに事件前から他の男性と関係を持っていたらしい。

まんまと悪女の罠にかかったのか、ダニ- !? この事件を語った本『Condamné à tort, l'affaire Leprince(ルプランス事件、冤罪)』(アグレとポワンカレ共著)がミッシェル・ラフォン社から出版されました。

今夜のテレビ、明日の映画館

2008-04-08 17:49:38 | Weblog
ジャン=ピエール・リモザン監督は日本大好きらしい。フランスでも評判になった『Tokyo Eyes』を撮った方ですが、今晩11時に彼のドキュメンタリー『ヤング・ヤクザ』がアルテ局で放映されます。某事務所に入組したある若者、その「日常」を淡々と撮っていく、という内容だそうな。
なお、明日よりロードショーですので、興味ある方・見逃した方は映画館で、どうぞ。

ジンギスカン役の浅野忠信が主演の『モンゴル』も明日封切りです。

火、走った

2008-04-08 17:27:14 | Weblog
いやはや大騒動でした、聖火リレー。
応援に駆けつけた在パリの中国系の方々、猛烈に抗議するフランス人(ワタシの隣りにいた仏人おじさんの叫びにはマイッタ)、国旗を持って走りまわるチベット亡命者、ランナーを追う報道陣などなど。ノンビリと見にきた観客なんぞ一人もいなかったんじゃないですかね。
ともかくランナーは全然見えませんから、諦めて帰宅。で、うちでニュースを聞いてたら、リレーは中断され(中国の代表お偉さんがストップ号令を掛けたらしい)、聖火はゴールのシャルレティ競技場まで護衛付きバスで運ばれたそうな。

次のリレーはサン・フランシスコで開催ですが、どうなるんだ。

火が走る

2008-04-07 15:56:29 | Weblog
さて本日、北京オリンピックの聖火リレーがパリを走ります。
昨日はロンドンだったんですが、チベット鎮圧のアレルギー反応もあり、「自由なチベット」派の抗議などハプニングがありました。パリでもリレー区間は厳重に警備され、ランナーたちはスケートローラーのお巡りさんとジョギング消防士さんに守られて走るそうな。
「国境なき記者団」をはじめ、いろんな人権庇護団体がナニかやろうと企んでる模様です。尚、中国のチベット政策に反対するランナーは、「更に自由な世界を」と記されたバッジをつけるらしいが、そんなもんテレビに映るんかいな。