音楽をケアに活かそう!

多くの効果が期待できる音楽療法とは?

高齢者の認知症予防にも有効な音楽療法

2023-11-29 09:17:38 | 認知症

音楽には気持ちを高揚させたり、リラックスさせる効果があります。こうした音楽の特性を生かし、身心に何らかの不具合のある人の機能回復や健康改善に結び付けるのが、音楽療法です。年齢や性別、障害の有無に関係なく、多くの人に活用できる療法ですが、特に介護の現場では高齢者のリハビリに広く活用されています。音楽療法には、楽器を弾いたり、仲間と一緒に歌うなど療養者自身が能動的に関わる方法と、耳で音楽を鑑賞する受動的な方法がありますが、どちらも脳の働きを活性化させる効果が認められます。

音楽に親しむうち、リズムに合わせて自然に体を動かしたり、それまで無表情だった人が笑顔になったり、不安感が強くて攻撃的な人が落ち着きを見せるようになる訳です。音楽療法はまた、回想法の手法としても用いられます。回想法とは、高齢者に昔の記憶を呼び起こしてもらうことで、気持ちを落ち着かせたり、認知機能の回復に役立てる心理療法の一種です。若い頃に流行した曲を聴き、楽しい思い出を振り返ることで、脳の働きが活発になります。

記憶障害の認知症患者は、直前の出来事を覚えられない一方、昔のことはよく記憶しているものです。音楽療法によって懐かしい歌が口を衝いて出てくれば自信回復になるし、前向きな気持ちになれるでしょう。認知症予防に関しては、楽器を使いながら何か歌ってもらう療法も有益です。認知症になると並行して2つの作業を行うことが難しくなりますが、このように音楽療法で2つの動作を取り入れることで、脳のトレーニングになる訳です。音楽療法士という資格もあるので取得しておくと、今後介護の現場で役に立つのではないでしょうか?(音楽療法士の参考サイト:http://kaigo-musictherapist.com