ライアー

日中、インターホンが鳴ったので受話器を取ると、

「屋根のケラバが剥がれそうですよ～」と言う男性。

俺「どちら様ですか？」

「近所のジツカワです」（そんな人は知らんけど）

俺「なんでしょうか？」

「風が強くて、屋根が壊れますよ！」

俺「今行きます」（外に呼ぶ作戦かな？と思いつつ）

出ていくと、若くて童顔の、アイドルみたいな男子がいた。

上下、黒のジャージでスマホを持っている。

俺「どこですか？」

「ケラバの２枚目が落ちますよ」と説明しているが、
具体的にどこなのか、指し示すことはしない。

「直したほうがいいですよ～。知り合いとかいますか？」と言うので、
怪しいな～と思い、

「相談してみますので」と答えると、

「早いほうがいいでよ～」と可愛い声で愛想よく去っていった。

☆

なんだか、詐欺なのか親切なのか半信半疑だったので、ネットで調べると、

「屋根が壊れてるので、すぐに修理したほうがいい」という詐欺はよくあるらしい。

そりゃそうだよな。

仲のいいお隣さんでも無いかぎり、他人の家が壊れてるのを忠告する人なんていないよな。

自分もまだまだ甘いな～と思った。オレオレ詐欺に引っかかる人を馬鹿になんてできない。

「ケラバ」という知らん単語と「近所の」に騙されてしまった。

とにかく、頼んでもいないのに家に来たり電話してくる奴は、９９％ウソツキ野郎だ。


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