天龍寺に入ったら、珍しく、美しい錦鯉が、迎えてくれた。1月10日、1時前。
この赤と空が、始まりだった…1月10日、午前11時前、松尾大社。
皆が、芥川を、こんなに愛していてくれたなんて・・・。
皆も・・・。
芥川も、涙がにじんできた。
皆が、寂しそうで。
芥川は、きびすを返して、皆に、サヨナラを告げに、戻ったのだが。
専務の体も冷えてきているみたいだから、と、別れを告げて。
そうだよ、もう少しだけ、いて。
あたしたちもよ。
わしも、もう少し、芥川さんと、いたいな。
皆が、また、元気になりだした。
じゃ、もう少しだけ、と、言ったら。
もう少しだけ。
芥川さん、もう少し、いてよ。
皆が、芥川との、お別れの時間が来たことを知って、少し、寂しげだった。
皆で、吹雪の様な雪の後の、澄んだ空気を眺めた。ジョバンニも、カンパネルラも一緒だった。
忘れるには惜しい一枚を。