本日は最低気温が30度で、朝から熱風が吹いており
暑さが大の苦手の私は、テニススクールのレッスンをお休みして家で休養していたのですが
家の中に居ても熱中症になってしまいそうな暑さでした・・・。
電気代を節約しようと思って自分の部屋の冷房を切ってずっと居間にいたのですが
夕方くらいからぼーっとして、貧血みたいな症状が出ました。
ホントに暑いのは苦手です・・・。
さて、本日は表記の歌詞分析です。
そもそも25年以上前の曲なので、ご存知の方は多くないかも知れませんが
MANISHという女性2人組のバンドがいました。
当時、B'z、ZARD、WANDS、T-BOLAN、大黒摩季などの売れっ子バンドを次々に送り出した
Beingという長戸大幸プロデューサーを中心にした一大音楽集団がいました。
誰もが知っている小室哲哉系、avexが台頭する一つ前の90年代前半がBeingのピークでして
今も語り継がれる上記バンドの他にも、たくさんの優良な音楽を世に送り出しました。
ちなみに誰もが知っているちびまる子ちゃんの主題歌「おどるポンポコリン」は
このBeingが抱える珠玉のソウルシンガー近藤房之助と坪倉唯子がメインボーカルという
およそあんなおちゃらけた歌を歌うような二人ではないのに、あえてそれをやってみせるという
本当のプロだからこそできる匠の業が遺憾無く発揮されている曲です。
・・・ええと、前段が長くなりましたがMANISHについてですね。
女性2人組のデュオだったのですが、印象的だったのは二人ともとても背が高く美人で
しかしそれをわざと隠すかのように革ジャン着用、かつジャケット写真はモノクロという
女性性を押し隠すような演出の仕方でした。
それが証拠にチーム名も「MANISH」
ようは男っぽいってことです。
当時、ミュージックステーションを中心とする歌番組にMANISHがよく出演していたのですが
どう見ても全然男っぽくなく、二人ともとても美人だったので
あぁこれは演出なんだなと
当時子どもだった自分にも分かりました。
そのMANISHにはいくつかスマッシュヒットした曲があるのですが
その一つが表題の「もう誰の目も気にしない」です。
たしかCMのタイアップがついていたと思います。
彼女たちには珍しいバラード曲でして
曲のモチーフは、友達として仲が良かった男女が友達の域を超えて
相手を愛すると決意した瞬間を歌った歌です。
そう こわがってた
恋になることを
いつか 傷つく
自分に怯えて
友達だった相手に恋をして、傷つくのが怖い。
・・・これは、友情から愛情にステップアップするときの1番のボトルネックですよね。
多くの男女の友情は、この怖れから一歩を踏み出せず友情に留まり続けることを選んだり
どちらかがステップアップしようとしてもどちらかがついて行かなかったり
そうしたことがしばしば起こります。
友達としての関係性が変わるのが、とても怖いのです・・・。
なので、この主人公はなんども自分の気持ちを確認します。
手を 胸に 押し当てて
小さな 勇気 確かめる
答えなら ここにある
こうやって、なんども自分の心に本心を聞いています。
なんども自分の勇気を確かめます。
それでもやっぱり答えはここにある。
やっぱり好きだ。
この流れからも、本人が自分の気持ちを確信していることが分かります。
それでもまだやっぱり不安はあるようでして・・・。
隠していた
魅かれていることを
ぎこちなくなる
二人を 見そうで
・・・本当に好きな相手に対してって
なぜか「好きだ」ということを隠したくなりますよね。
それは、本当に好きだからこそ怖れてしまうんですよね。
うまく行かないこと、ぎこちなくなることを。
そんな思いをする位なら、魅かれていることを隠して友達のままでいたほうがいいのかな?
そんな思いに揺れる主人公の気持ちが描き出されています。
でも、結局主人公は自分の気持ちを貫くと決めたようです。
もう誰の目も気にしない
新しく生まれ変わるよ
守られるより 守りたい
迷ってた昨日捨てて 会いたい
この部分は根本裕幸お師匠がよくおっしゃる「コミットメント」をした瞬間でして
私はこの人が好き
その気持ちを隠さない
(だから「もう誰の目も気にしない」)
相手に守ってもらうのではなく、自分が相手を守りたい
(1番のサビ歌詞は「愛されるより 愛したい」ですが、どちらも自分が主体的に相手を
愛していく決意を伝えています)
友達のままでいようかどうか迷っている昨日までの自分は捨てて
新しい気持ちで相手に接して行きたい
まさに、相手への愛を主体的にコミットした瞬間です。
ちなみに1番のサビのこの部分も↓コミットメントを象徴しておりまして
そのままの君が好きだよ
一見、普通のラブソングあるあるの一言には見えますが
そのままの相手を受け入れる、ありのままの相手を愛するのは
「コミットメント」の基本姿勢そのものです。
ありのままのお相手は、自分の思う通りにはなりませんが
そうしたコントロールを手放して、相手をありのまま受け入れる。
自分がありのままの相手を愛すると決める。
そういう決意=コミットメントを表明したフレーズです。
この歌詞を書いた小田佳奈子さんは、Beingお抱えの作詞家でして
他にも良曲を多数作詞されています。
その中でもこの曲の歌詞は、端的に友情から愛情に変わるコミットメントの瞬間を伝えていて
かつMANISHのお二人自身の中性的な魅力をベースに、女性性の象徴である愛情にコミットするという
MANISHの存在自体を象徴する一曲に仕上がっています。
PVもあります。
当時のBeingあるあるのメイキング映像ではありますが
これもモノクローム映像で女性性を抑えつつ
歌っている内容は女性性全開というとても粋な演出です。
当時のBeingの作詞、作曲、演出力は、今見てもとても質が高いと思います。
他にも良曲が沢山ありますので、また折に触れてご紹介しますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日からも素敵な1週間を。